【梨紅タン】D・N・ANGELのハァハァ小説【梨紗タン】
1 :
名無しさん@ピンキー:
「D・N・ANGEL」の原田姉妹でハァハァするスレです。
SS書き神様を募集中。
あぼーん
注意書きするの忘れた。
801は801板で。
梨紗たんハァハァ
4 :
名無しさん@ピンキー:03/04/10 20:21 ID:Ed2BgPgU
801ってなんでつか?
普通に梨紅×大助キボンヌ
6 :
迷作SS書き:03/04/11 01:29 ID:mpF0R3mU
ある日の昼休み、校庭の片隅で梨紅を呼び止め、顔を赤らめながら話しかけた。
「あのー・・。今日、ウチで母さんがお菓子作ってるんだけど、良かったら食べに来ない?」
「えっ。ああ・・うん、いいわよ」
梨紅は突然の事にとまどいながらも、嬉しそうに答えた。
その日の学校からの帰り道、大介は梨紅と一緒に歩いていた。
ポツン・・ポツン
大介の頬に何か降ってきたのを感じ上を見ると、いつの間にか真っ黒な雨雲が空を
覆い始めていた。
「わっ、何時の間に。雨が降ってくるといけないから急ごう」
「うん」
そう言って2人が走りはじめたとたんに勢いよく雨が降ってきた。
突然降り始めた雨から逃げるように走った2人は、何とか大介のウチに着いたものの、すっかり
ずぶ濡れになってしまっていた。
「ただいまー、母さんタオル出してー」
「梨紅ちゃん、ゴメンねチョット待ってて・・・ンッ」
玄関に入ると大介は梨紅の方を向き謝ったが、そのまま固まってしまった。
雨に濡れたため、梨紅の身体に制服のシャツがピッタリ張り付いているうえ、下着が透けていた
のである。
大介の目は思わず梨紅の胸元に透ける可愛らしいブラに釘付けとなり、顔を真っ赤にしていた。
「・・・???・・・・・・キャッ。見ないで」
濡れた髪をまとめながら不思議そうに見ていた梨紅は、大介の目線の先の意味に気付き慌てて
胸元を手で隠した。
「ゴ・ゴメン、そんなつもりじゃ無かったんだ」
恥ずかしさで顔を赤く染めた梨紅ににらまれると、急いで顔を背け急いで謝った。そして、逃げる
ように廊下に上がるとタオルを取りにお風呂場に向かった。
7 :
迷作SS書き:03/04/11 01:30 ID:mpF0R3mU
お風呂場で大介は心臓のドキドキを抑えると温水器のスイッチを入れ、シャワーを使えるようにして
から、タオルを持って玄関に戻った。
「はい、タオル。まずそれでふいてて、直ぐ着替え準備するから」
「うん、ありがとう」
まだ少し怒っている風の梨紅と出来るだけ目をあわせないようにしながらタオルを渡すと母親を捜しに
居間に向かった。
「あれ、おかしいな。母さん何処にいるのー」
声をかけながら台所に向かうとテーブルにおいしそうなお菓子と置き手紙があった。
「うん?何々、急な用事が出来たのでおじいさんと出かけます、おやつと夕食の準備はしてあるので
留守番お願いね。夜には帰ります・・だってぇ〜」
しょうがなく自分の部屋にいき、梨紅の着替えになりそうな服を選ぶと、玄関に戻った。
「あのー、遅くなってゴメン。制服を乾かすから、これに着替えてよ。そのまま上がっていいから」
「うん。あの〜それで着替える場所を・・・」
「あっ、ゴメン。お風呂場がこっちにあるから、そこに乾燥機もあるから使ってよ」
「ありがとう・・・くしゅん」
「身体冷えちゃった?シャワーも使えるから風邪ひかないように暖まって」
「うん・・・くしゅん」
少し身体が冷えたみたいで、梨紅は時折くしゃみをした。
お風呂場に着くと梨紅に一通りの使い方を教え、着替えを渡してから扉を閉めた。
自分も部屋に戻って着替えようと思い、立ち去ろうとしたとき扉の向こうから声がした。
「大介君、着替えやお風呂覗いたら絶交だからね」
「・・・・はい」
そういったことを考えなかったと言えば嘘になるので、見透かされたような気持ちに顔を引きつらせながら
大介は答えた。
こんな感じでどうでしょう?続きはリレーしてもらってもいいですし、後日、又、upしてもいいです。
8 :
迷作SS書き:03/04/11 01:32 ID:mpF0R3mU
しまった、大助が大介と変換されていた。
鬱だ吊ってこよう(r
9 :
迷作SS書き:03/04/11 02:43 ID:mpF0R3mU
>6の大助訂正変換
ある日の昼休み、校庭の片隅で梨紅を呼び止め、顔を赤らめながら話しかけた。
「あのー・・。今日、ウチで母さんがお菓子作ってるんだけど、良かったら食べに来ない?」
「えっ。ああ・・うん、いいわよ」
梨紅は突然の事にとまどいながらも、嬉しそうに答えた。
その日の学校からの帰り道、大助は梨紅と一緒に歩いていた。
ポツン・・ポツン
大助の頬に何か降ってきたのを感じ上を見ると、いつの間にか真っ黒な雨雲が空を
覆い始めていた。
「わっ、何時の間に。雨が降ってくるといけないから急ごう」
「うん」
そう言って2人が走りはじめたとたんに勢いよく雨が降ってきた。
突然降り始めた雨から逃げるように走った2人は、何とか大助のウチに着いたものの、すっかり
ずぶ濡れになってしまっていた。
「ただいまー、母さんタオル出してー」
玄関の鍵がしまっていたので大助はポケットの鍵で急いで開け、家に入りながら声を掛けた。
「梨紅ちゃん、ゴメンねチョット待ってて・・・ンッ」
玄関に入ってきた梨紅の方を向き謝ったが、そのまま固まってしまった。
雨に濡れたため、梨紅の身体に制服のシャツがピッタリ張り付いているうえ、下着が透けていた
のである。
大助の目は思わず梨紅の胸元に透ける可愛らしいブラに釘付けとなり、顔を真っ赤にしていた。
「・・・???・・・・・・キャッ。見ないで」
濡れた髪をまとめながら不思議そうに見ていた梨紅は、大助の目線の先の意味に気付き慌てて
胸元を手で隠した。
「ゴ・ゴメン、そんなつもりじゃ無かったんだ」
恥ずかしさで顔を赤く染めた梨紅ににらまれると、急いで顔を背け急いで謝った。そして、逃げる
ように廊下に上がるとタオルを取りにお風呂場に向かった。
>7の大助訂正変換
お風呂場で大助は心臓のドキドキを抑えると温水器のスイッチを入れ、シャワーを使えるようにして
から、タオルを持って玄関に戻った。
「はい、タオル。まずそれでふいてて、直ぐ着替え準備するから」
「うん、ありがとう」
まだ少し怒っている風の梨紅と出来るだけ目をあわせないようにしながらタオルを渡すと母親を捜しに
居間に向かった。
「あれ、おかしいな。母さん何処にいるのー」
声をかけながら台所に向かうとテーブルにおいしそうなお菓子と置き手紙があった。
「うん?何々、急な用事が出来たのでおじいさんと出かけます、おやつと夕食の準備はしてあるので
留守番お願いね。夜には帰ります・・だってぇ〜」
しょうがなく自分の部屋にいき、梨紅の着替えになりそうな服を選ぶと、玄関に戻った。
「あのー、遅くなってゴメン。制服を乾かすから、これに着替えてよ。そのまま上がっていいから」
「うん。あの〜それで着替える場所を・・・」
「あっ、ゴメン。お風呂場がこっちにあるから、そこに乾燥機もあるから使ってよ」
「ありがとう・・・くしゅん」
「身体冷えちゃった?シャワーも使えるから風邪ひかないように暖まって」
「うん・・・くしゅん」
少し身体が冷えたみたいで、梨紅は時折くしゃみをした。
お風呂場に着くと梨紅に一通りの使い方を教え、着替えを渡してから扉を閉めた。
自分も部屋に戻って着替えようと思い、立ち去ろうとしたとき扉の向こうから声がした。
「大助君、着替えやお風呂覗いたら絶交だからね」
「・・・・はい」
そういったことを考えなかったと言えば嘘になるので、見透かされたような気持ちに顔を引きつらせながら
大助は答えた。
そこは暗かった。ただ、暗かった。
一すじの光もそこには見出すことができない闇の中で、梨紗はそろそろと手を前に伸ばし、
どこにもぶつからないその手をさまよわせながら梨紗はゆっくり足を踏み出した。
見えない地面を足先でさぐり、一歩一歩あゆみを進めた。
ここがどこか、自分はなぜここにいるのか、そのどちらもわからなかったけれど、ひとつだけはっきりしていることがあった。
こわい……
この場所から一秒でも早く抜け出したい。
周りを取り巻く闇が怖いのではなかった。お化け屋敷などは大の苦手なはずの自分が、
不思議とこの闇自体は怖くないのだ。むしろ自分の身体を優しく包んでくれているような気さえした。
見たくないものを見なくてすむように、そっと梨紗の目をふさいでくれるのだ。
黒い闇。
それは梨紗が惹かれてやまない彼の色だった。彼と同じ名前を持つ色だった。
だから、彼女は闇を恐れてはいない。
ならどうしてこんなにもこの場所を怖いと思うのか。
答えはひとつだった。そしてそれを、梨紗は以前からうすうす気づいていた。
彼は――彼の力は、少女の傍にずっといてくれるわけではない、ずっと守ってくれるわけではないということを。
ここには、絶対に見てはいけないものがあるのだ。
今は彼が助けてくれて、この目が光を知らないようにしてくれているけれど、
彼の力が突然及ばなくなったとき、そのとききっと見なくていいものを見てしまう。
だから彼が梨紗にふわりと寄り添っていられるうちに出口を探さなければ。
梨紗は彼のことをあまりよくは知らなかった。
彼はいつだって自分に甘いせりふをくれるけれど、彼自身のことを語ろうとはしなかったせいで、
梨紗は会うたびに(それだってたまにしか会えないし)もどかしさに身を切られるような痛みにさいなまれるのだ。
きっとダークさんはあたしに大きな隠し事があるんだわ。
テレビで見た彼を、この人だと思った。
彼に好きだといった。
そのとき彼はキスをくれた。
想いのこもった優しいキスだった。
そのとき初めて友達という言葉の残酷さを知った。
ずっとそばにいてと泣きながら願ったこともあった。
彼がこのまま消えてしまうのではないかと、自分がなにか大事なことを間違うのではないかと、
その悲しい予感をなによりも確かな彼の存在で否定してほしかったのだ。
彼が信じられないわけではない。
だがそれがわかっていてもどうしようもないことというのはあるものだ。仕方のないことなのだ。
彼に恋をしてからずっと、甘い幸福感とともに大きな空を流れることなくとどまる真っ白な雲のような不安が胸に育っている。
青い澄んだキャンバスをむくむくと膨らんで塗りつぶそうとするその白はどこか光にも似ていた。
彼女の不安は正しかった。
梨紗は知らなかったけれど、彼女が誰よりも愛するあの漆黒の羽の怪盗は永遠に消えない『終わりのない存在』であると同時、
宿主には決してなることができない『自由のない存在』でもあったのだ。
テイマーとよばれる彼の宿主である丹羽大助の肉体はダークを受け入れてくれると同時に彼を閉じ込める檻の用でもあった。
大助はダークになることができるけれど、ダークが大助自身になることは決してないのだ。
江戸時代から続く怪盗の名家、丹羽家の遺伝子の中に生きて様々な美術品を盗んできたダークは、本当にほしいものを手に入れられないという業を背負っていた。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!
濡れ濡れ下着。(;´Д`)
>12
梨紗は役に立たない目を閉じ、しばし彼の端正な横顔に思いをはせた。
いつだったか――彼が一言ぶんだけその魂に触れさせてくれたことがある。
「俺は、一番ほしかったお宝を目の前でもう一人の自分に盗られるのを、いつもいつも黙って見てることしかできないんだよ」
その言葉を聞いたとき、もっとこの人に触れたいと思った。理解したいと思った。抱きしめてあげたいと思った。
あたしと、ダークさんは、おんなじ。
本当にほしいものは、いつだってもう一人の自分のものになっちゃうのよ。
梨紗は目を閉じたままつぶやいた。
「もうひとりの、じぶんのものに……」
そのときかちり、という音がした。
まるでその言葉が鍵であったかのように、一面の黒の中に細い白線が投げ込まれた。
その白はみるみるうちに広がっていき、たちまち闇を覆いつくした。
彼女の大好きな怪盗はもうどこにもいなかった。
いや……!
見たくないの、気づきたくないの!
やめて、目を、目をつぶらなきゃ……!!
(まったく、どうしてあなたはそうなの)
(梨紗ちゃんも、少しは梨紅ちゃんを見習いなさい)
(えらいわねぇ、お姉ちゃんは。それに比べて妹の方は……)
(なによ、もてるからっていい気になってんじゃないわよ、このぶりっこ!)
(双子でもこんなにちがうのね)
(そんなわがまま言わないでちょうだい、あなたと違って梨紅はそんな子じゃないわよ)
(梨紅じゃなくてあんたが外国に行っちゃえばよかったのに)
>14
やめて、やめて、やめて……!!
お母さん。親戚の人。近所のおばさん。クラスメイト達。
様々な人の顔が万華鏡のように現れては、少女を責めた。
梨紗は耳をふさぎ、がくがくとくずれそうに震えるひざを叱咤するとくるりときびすを返して駆けた。
姉と違って運動が得意でない彼女はすぐに息が切れたけれど、決して足を止めることなく走った。
背中から声が追いかけてきたけれど、ぎゅっと手を握り締めてただ走った。
私の欲しいものは、欲しかったものは、一番欲しかった宝物は。
(好きです!)
(友達なんて思ったこと一度もないよ)
(だって僕は、原田さんのことが――)
丹羽君!
少し頼りなげで、いつもおどおどしていて、気弱で、あんまり『男の子』らしくなくって――そして底抜けに優しかった。
梨紗は彼のことが好きだったけれど、それは女の子同士の友達のように好きと言う意味で、
第一彼は梨紗の好みのタイプとはまるきり正反対だった。
そういった対象として見たことはないはずだった。それに自分にはダークという最愛の人がいる。
それなのに今ここで彼の顔が浮かぶのはなぜだろう。
いや、彼は本当に『彼』なのか?
自分の知っている『彼』なのだろうか?
大助が梨紅ではなく自分に、自分に――笑いかけている。
>15
梨紅ではなく梨紗を見てくれる、それが嬉しかったのかもしれない。
いや、嬉しかった。
そうだ、自分は嬉しかったのだ。
小さいころ、梨紗は男の子にいじめられていた。
梨紗の容姿はまるで精巧な人形のようなかなり恵まれたものであり、おまけにしっかりした勝気な姉とは違いおとなしくて夢見がちな少女だったため、
「嫌いだからいじめる」のではなく世間で言うところの「気になる子ほどいじめてしまう」という類のものだったが、
まだおさない梨紗にはそんなことわかるはずもなくどうしてあたしのことぶったり髪の毛を引っ張ったりするんだろうと泣いたものだった。
髪が長いのがいけないのかとも思った。ショートの梨紅は髪を引っ張られることがなかったからだ。
けれど髪を切ったら『あたし』も『梨紅』になって、『梨紗』はいらないんだということをよりはっきり思い知らされそうで嫌だった。
だから梨紗はお母さんに髪の毛を結んでもらった。
最初の1日は、髪形を変えた梨紗を男の子たちはもじもじと遠巻きに眺めているだけだった。
これでもう痛くないと安心した。
しかし次の日、真っ赤な顔をしたわんぱくな男の子の一人がつかつかと後ろから歩み寄ると、ツインテールにした髪を両手で引っ張った。
「やっ……」
梨紗は痛みで抗議の声を上げた。目には涙がじわりと浮かび上がってきた。
一人が始めると、ほかの子供たちもそれに勇気付けられたようにまた梨紗をからかいだした。
今度は引っ張られないようにお団子にしてもらおうと、次の朝再び母親に懇願した。
母親の返事は「否」だった。
ただでさえ忙しい朝に、そんなことをしている時間はないというのだ。
どうしてもやりたいのなら、自分で結びなさいと言われた。
梨紅はそんなわがままを言って困らせたりしないのに、どうしてあなたはいつもそうやって自分勝手なの、とも言われた。
>16
梨紗は震える手でたどたどしく髪を結ったが、慣れない手つきで作ったお団子はとてもお団子と呼べるような代物ではなくぐちゃぐちゃで、
男の子たちのいじめのたねとして格好のターゲットを提供する羽目になった。
しゃくりあげ、うつむく自分を梨紅がかばってくれて、惨めになった。
助けてくれた梨紅が不本意にもかっこいい王子様のように見えて、ますます惨めな気持ちになった。
断っておくが、梨紗は梨紅のことが嫌いだったわけではない。いや、むしろ大好きだった。
しかし、だからこそつらかった。いつもいつもかなわない。それを思い知らされるのが恐怖だったのだ。
そして、梨紗は梨紅に変わる自分の王子様を求めるようになった。自分だけの王子様を。
もう梨紗は王子様を見つけたのだ。
その人につりあう『お姫様』となるべくずっとずっと自分を磨いてきた甲斐があったというものだ。
梨紗は心の中で呼びかけてくるかのような大助の隣にダークを思い浮かべた。
ダークさん、あたし、あなたが――好き。
すると心の中のダークは梨紗に答えてくれた。名前を呼んでくれた。
「梨紗」
彼の声は先ほどの次々に浴びせられた刃物のような言葉によってできた傷をいとも簡単に癒してくれる。
「はらださん」
え?
「原田さん」
>17
梨紗は自分が信じられなかった。
あれほど鮮明に焼きついていたはずのダークの姿が、だんだんと大助の姿とだぶってゆき、
いつしか二人の境界線はあいまいになっていた。
梨紗は足を止め、うつむいていた顔を上げた。
そこに大助が立っていた。
梨紗が、みるたびに「やっぱり丹羽君って好きだな」と思う、あのいつものほんわりとした笑顔を浮かべて。
彼の背中には翼があった。ダークと同じ漆黒の翼が。
丹羽君、
にわくん、
ニワクン、
ニワクンガダークサンダッタノ?
「に……」
踏み出そうとした梨紗の足は凍りついた。
「原田梨紅さん」
大助は、いつだって梨紗に向けていてくれたはずの笑顔を、もう一人の自分へと向けていた。
「梨紅さん」
ああ、また。
本当に欲しいものはいつだってもう一人のあたしのものになっちゃうのよ。
19 :
妹を憎くあらば我こひめやも:03/04/11 16:46 ID:YcLO8AkC
補足。
設定としてはアニメ、原作ごちゃまぜ。
大助は梨紅も気になるけどまだ梨紗が好きで、ダークははじめっから梨紗が好き。
おそらく原作とアニメでは報われないであろう梨紗に少しでもスポットライトを、
というコンセプトでございますので、梨紅の出番はほとんどないと思われまする。
20 :
妹を憎くあらば我こひめやも:03/04/11 17:58 ID:YcLO8AkC
>18
梨紗は飛び起きた。
窓は開いていて、入り込んでくる風が栗色の長い髪をさらさらとなでていった。
「くしゅん!」
一つくしゃみをすると梨紗は自分の身体を抱きしめた。
「さむ……」
昨日の夜ダークを思いながら屋根裏でタロット占いをしていたのだが、どうやらいつのまにか寝てしまったらしい。
机の上にはひろげっぱなしのカードが並んでいる。
夜中のうちに風によって位置が変わったそれは、もともとの占いの結果をとどめていなかった。
あの時出たカードは、なんだったかな。
梨紗はそのカードの絵柄を思い出そうとした。
しかしそれはかなわず、なじみのカードたちは何も浮かんではこなかった。
キィ……と窓がなり、梨紗は開けっ放しの窓を見た。
いないとわかっていてもダークの姿を窓の外に探し、それからため息をつくとゆっくりと窓を閉めた。
自分の部屋に戻ると、ネグリジェから学校の制服に袖を通す。
こういうときに梨紅と同じ部屋でなくてよかったと思う。
支度が済んだので階段を降りリビングのドアを開けると、テーブルの上にはトーストとハムエッグ、紅茶にサラダという朝食が乗っていた。
ただし一人分だ。
母親は鼻歌交じりに食器を洗っていた。
sage忘れますた。
>20
「やっと起きたのね。さっさとご飯食べちゃいなさい」
「はーい……ねぇ、梨紅は?」
「朝錬があるからって言って、誰かさんと違って早起きしてもう出たわよ」
母親にしてみれば何気ない言葉だろうそれが、今朝は梨紗の胸をつきんと痛ませた。
「テレビつけてもいい?」
「またあなたは……ご飯食べながら見るのははしたないわよ」
「でも、どうしてもニュースが見たいの」
たとえ叱られたとしても梨紗はこれだけは譲れないのだ。
「もう、しょうがないわね……少しだけよ」
「ありがとう!」
テレビをつけた梨紗は、チャンネルをローカルのニュースに変える。
ダークさんの予告状は、今日も届けられていないのかしら。
このごろダークは全然予告状を出さず、それは警察関係者や一般市民にとっては喜ばしいことなのだろう。
美術品を盗むとき以外、普段彼がどこで何をしているのかなんて梨紗にはわからなかった。
だから梨紗はずっと彼と会えていない。
それであんな夢を見ちゃうのよ。
彼に会いたい。声を聞きたい。抱きしめてキスして欲しい。もっと触れあいたい。
気持ちと身体がここにちゃんとあるということ、消えてしまわないことを確かめあいたい。
>21
梨紗は少しだけトーストをかじった。
天気予報によると今日は一日中晴れなのだそうだ。
夜は満天の星が降るように見え、絶好の観測日和だという。
紅茶でトーストを喉に流し込んで梨紗はつまらないCMの終わりを心待ちにした。
CMがあけると並んだニュースキャスターが頭を下げた。
そのとき、やや興奮した様子で画面左側の女性ニュースキャスターがしゃべりだした。
「えー、ただいま入りました情報によりますと、
『本日午後10時、覚醒(めざ)めの彗星をいただきにまいります』
というダークの予告状が東野百貨店に届けられたということなんですが……
えー、現場の松下さーん?」
画面が切り替わってやや小太りの男性リポーターがところどころつっかえながら紙片を読み上げた。
梨紗はもはやトーストそっちのけで、一言も聞き漏らすまいと画面を食い入るように見つめていた。
ダークさんが来る。
今夜は会えるかもしれない!
「はい、こちら東野百貨店八階にあります宝飾展会場前です。
えー、ここでは、今月7日より『世界の宝飾展』が行われる予定で、
『覚醒めの彗星』はこの展覧会の目玉であるネックレスです。
あ、こちらがそうですね。カメラさん、ちょっと寄ってもらえますか」
ブラウン管いっぱいに澄み切った青の巨大な石のついた首飾りが映し出された。
それと同時刻。
大助は早口でまくしたてるニュースキャスターの言葉を聞いて、口に含んでいたコーヒーを噴出した。
>23
「か、母さん! また勝手に予告状出したのっ!?」
「そうよー大ちゃん。今日の10時よ、遅れないでしっかり頑張ってね」
「が、頑張ってって母さん……」
「お義父さま。はい、お茶ですわ」
「おう、すまないの笑子さん」
大助の祖父である大樹に湯飲みを渡す母笑子。
「無視するなー!!」
「いやん、なに怒ってるの大ちゃん」
笑子は両手を口の前に持っていきぶりっこぽーずでいやいやをした。
「このごろずっと変身しなくてすんで安心してたのにっ」
おかげで大助はこのごろ警察にも同級生の日渡にも追いかけられることのない平穏な学校生活を送れていたのだった。
まあ、日渡には追いかけられない代わりに始終観察されていたようなのだが。
「それはこのごろめぼしい美術品がなかったからよぉ。大ちゃんの変身体質が直ったわけじゃないし、安心するのはまだ早いわ!」
「なんでそんな嬉しそうなの母さん……」
朝からぐったりとした疲労を感じながら大助は言った。
「母さんはいつでも大ちゃんの幸せを願っているのよ」
「ほんとかなぁ」
だったら率先してトラブルの中に息子を投げ込まないで欲しいんだけど。
「ま、母さんを疑うの!? 母さん悲しい! そんなこに育てた覚えはないわよ大ちゃん!」
「ご、ごめん……」
大助は母の勢いにたじたじとなり、とりあえず謝った。
「ま、それはそれとして。大ちゃん、時間はいいの?」
「え、あ、あ――――!?」
時計の針はすでにいつも家を出るはずの時刻を過ぎていた。
「やばい! いってきまーす!!」
ああ、朝ごはん途中までしか食べられなかったよ……。
そして大助は今日も己の不運を嘆くことになるのだった。
>24
大助は大急ぎで走ったが、普段乗っている時刻の電車には結局間に合わなかった。
ううっ、原田さんと違う電車かぁ〜……。
朝からついていない。大助はがっくりと肩を落としケーブルカーに乗り込んだ。
いつもと違う電車は少し混んでいて、席も全部埋まってしまっていた。
仕方なく大助は近くの手すりにつかまった。
ほんとに、ついてない……。
しかしである。
「あ、あれ?」
乗り込んできた客の中に大助の想い人であるロングヘアの少女の姿があったのだ。
前言撤回、今日はついてる!
「は、らださん?」
「あ、に、丹羽君……」
気のせいだろうか、彼女の顔はどこか赤いような。
「おはよう、原田さん」
「おはよう」
にこっと笑ったその顔はやっぱり可愛い。可愛すぎる。
そんな梨紗の後ろからどどっと乗客が続いて二人を押し流そうとした。
「きゃ……」
ぎゅうぎゅうと押されて梨紗は苦しそうだ。
大助は梨紗をかばいたかったが、下手に動くと流されてしまいそうで耐えるのが精一杯だった。
ようやく人の波が収まったとき、大助と梨紗の体は向き合う形でお互いに密着していた。
梨紗のさらさらの髪が、自分の肩にかかりそうなほど近い。
左胸なんか、梨紗が後ろから押されるたびにふにふにと大助の腕に当たるくらいだ。
あ、いい匂い……
大助は高鳴る鼓動を必死で抑えた。
「ご、ごめんね丹羽君」
彼女が謝ることは何もない。
むしろ大助にとってこのシチュエーションはおいしかった。
しかし変身体質のせいで素直に喜べないのがつらい……こんな公衆の面前で変身してしまっては大変なことになるだろう。
>25
「大丈夫、原田さん」
「う、うん……この時間の電車って混むのね」
耳元で囁くようにつむがれる梨紗の声に心拍数がはねあがる。
耐えろ耐えろ耐えろ!
大助は心の中で呪文のように「平常心、平常心っ」と唱えた。
「そうだ、どうしたの? 原田さんいつもこれより前の電車のはずなのに」
「あの……ニュース見てたら遅れちゃったの」
「ニュース?」
嫌な予感。
「うん、ダークさんのニュース。今日東野百貨店に覚醒めの彗星をとりにくるんだって」
梨紗はさびしそうに笑った。
彼女にこんな顔をさせているのはもうひとりの自分で、大助の思いは複雑だった。
制服の短いスカートの裾から出た梨紗のすべらかな足が大助のズボンの上に押し当てられる。
互いの体温が伝わりそうだった。
聞こえてはいないだろうか、こんなにもうるさい心臓の音が。
彼女に。
彼に。
梨紗はどうして自分がこうなってしまったのかわからなかった。
いつからだろう、大助が他の女の子――特に片割れである梨紅――に笑顔で話しかけるたび、なんともいえないもやもやとした気分になったのは。
いつからだろう、梨紗がダークのことについて大助に尋ねるたび、彼がどこか物言いたげな顔で相槌を打つようになったのは。
今から思えば、あれもあれも――確かに妙だった。不思議なことはたくさんあった。
ねえ教えて、ダークさんは丹羽君なの?
丹羽君は、ダークさんなの?
>26
大助はどんどんと上昇する体の熱をもてあましていた。
やばい、ぜったいにやばい!
これ以上密着していたら自分は確実にダークへと変身してしまうだろう。
大助は早く駅に到着することをただひたすら願った。
二人の呼吸が融けて混ざり合いそうなほど目の前にある梨紗の桜色の唇を直視し続けるのは一種の拷問だった。
ようやく到着を告げるアナウンスが車内に流れ、大助はつめていた息をほっと吐いた。
ぷしゅぅ、という音を立てて開いたドアへとホームに降りる人々が殺到する。
「苦しかったね、丹羽君」
「あ、そ、そうだね……」
安心して気を抜いたのがまずかった。
顔を上げた大助の目に、上目遣いの梨紗の顔のアップが飛び込んできたのだ。
大助の変身ゲージは一気に臨界点を突破して、もはやあと数秒自我を保つのも危うかった。
大助は死に物狂いで電車を飛び出すと身を翻して飛ぶように駆けた。
「丹羽君……!?」
梨紗の驚いた声が聞こえたがそれを気にしている余裕はなかった。
背が伸び、髪の色が変わり、声が変わり、そして――人格が変わる。
樹の影にたどり着くとようやくダークは足を止め、人心地ついた。
「やっべー……危なかった」
口元に手を当てひとりごちる。
ダークはしばらく樹に寄りかかって息を整えると、大助に戻るために梨紗を思い浮かべた。
「あれ、戻ってる?」
気づいた大助は辺りを見回した。
「げ、ここ……」
いくら慌てていたとはいえ、通学路からさほど離れていない脇の林だった。
「誰にも見られてないよね」
彼を探しに来た梨紗が運良く彼を見つけ、そばでたちつくしていたことに大助は気づかなかった。
>27
赤く光るパトカーの回転灯。その周りには大勢の警官がいた。
東野百貨店の報道員がつめかけ、口々にカメラに向かってしゃべっていた。
10時の鐘がなる。
夜空に煌めいている筈のたくさんの星々はサーチライトにかき消されてしまっていた。
「予告の時間になりました! 果たしてダークは、ダークは来るのでしょうかっ!?」
(はいはーい、来てますよっと)
「警部、覚醒めの彗星は今度の宝飾展のメインとなる大事なものなんです! 絶対に守っていただきたいのです、どうかお願いします」
「わかっています支配人、ご安心ください! この冴原、誠心誠意お守りさせていただきます!」
おろおろとガラスケースのそばで警官にすがる支配人に、冴原父は胸をたたいて見せた。
今日はなぜか『あのくそ生意気な総司令殿』もいらっしゃらないし、彼はやる気満々だった。
(おーおー、はりきっちゃって)
ただ、彼ははりきりすぎると空回りし失敗しやすいものだということを学習していなかった。
(猪突猛進は、足元すくわれるぜ?)
ダークはこっそりとほくそえんだ。
「警部! ダークがあらわれましたっ!」
「なにぃっ、どこだ!?」
「あちらですっ、さあはやく!」
「よし、俺に続け! 今日こそやつをとっ捕まえてやる!」
「はっ!」
その掛け声とともにどたどたと足音を響かせて警官たちはフロアから姿を消した。
現場に残ったのは支配人の影だけだった。
「ナイス、ウィズ」
ダークは変装をとくと舌を出し、まんまと『覚醒めの彗星』を手に入れることに成功した。
>28
ゆうゆうと翼をはためかせながらダークは己の内側へ声をかけた。
「なんか今日はちょろかったな、なぁ大助?」
(そうだね……日渡くんもいなかったし)
「ウィズもご苦労さん」
ウィズが囮としてダークの姿になり、それに警官が気をとられている間に支配人に扮したダークが『覚醒めの彗星』を盗む。
ころあいを見て普段の姿に戻ったウィズと合流してここを離れる。
ダークの作戦をいつも見破って先回りしている日渡がいなかったこともあって、今度の仕事はかなりうまく行った。
でもすこしうまくいきすぎやしないか。
結局最後まで姿を見せなかった日渡の事が気になって仕方がなかった。
きっと何かが起こるような、そんな予感がしていた。
それが今起こるのか、明日起こるのか、それとももっと先に起こるのかはわからなかったけれど。
家路の途中でダークは羽を休めるために地上に降り立った。
「きゅ」
黒翼からうさぎ(?)の姿に戻ったウィズのふわふわの毛並みをなでてやるとウィズは嬉しそうに鳴いたが、突如何かに気づいたように耳をピンと立てた。
「……梨紗」
「夢じゃないよね? ほんとのダークさん? やっと、やっと会えた……!」
そう言うと梨紗はぽろぽろと涙をこぼした。
「ずっと会いたかった、会えなくて寂しかった! ひょっとしたらもう2度と会えないんじゃないかって、すごくすごく怖かった!」
>29
「ごめん」
そう言うとダークはなきじゃくる梨紗の肩をそっと抱き寄せた。
こんなに自分のことを想ってくれている彼女の気持ちが素直に嬉しかった。
「ダークさん、ダークさん……!」
梨紗はダークの名前を呼び続けながら彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
「ダークさんは消えたりなんかしないよね、大丈夫でしょう? あたし――あたし、ダークさんのこと好きでいてもいいよね……!」
「梨紗、俺は……」
腕の中の梨紗は思い切り背伸びをして彼の唇と言葉を封じた。
目をつぶる暇がなかったダークはゆっくりと離れてゆく唇のぬくもりと、少女の涙にぬれたほほを見た。
「梨紗」
「ダークさん、あたしお願いがあるの……」
「何?」
ダークの瞳が、涙をたたえた梨紗の瞳とぶつかる。
彼女の目はしたたらんばかりにきらきらと光り、それはさながら今夜の星のようでも、覚醒めの彗星の青い輝石のようでもあった。
「否定して欲しいの……ううん、証明して欲しいの」
「何を?」
「何を――? きっと、全てを……」
ダークは心が急激に渇いていくのを感じていた。
そう、俺はこの渇きを潤してくれるものをいつだって求めていた――。
梨紗の震える唇が意味のある言葉を導き出すのを、ダークは奔流のごとき感情の中で見つめていた。
「あたしのことを、抱いてください」
うわ、超勘違いしてた。
大樹は義理の父じゃなくって笑子ママンの本当の父親だよ!
あとエピソードの時間軸のつじつまが合いませんがパラレルということで見逃してくだちい…
なんか初っぱなから大作が来ていますね。
すんばらしい!
みなさんのさらなる降臨を期待いたします。
33 :
1:03/04/12 19:28 ID:AAk5rw4G
梨紗たん (;´Д`)ハァハァ
続き楽しみにしてます。
期待age
>30
口の中が、からからだ。そして心も。
耐え難いうずきに頭の中が侵食されてゆきそうになる。
あふれでる、言葉では言い表せないほどの気持ちの熱さにくらくらとめまいがした。
ダークはその熱に浮かされたように手を伸ばして梨紗の右ほほに触れようとしたが、途中ではっと我に帰ったように、びくり、と腕を宙に固定した。
「やっぱり、あたしじゃだめ? あたしじゃあなたの宝物にはなれない……?」
「違う!」
ダークは叫んでいた。
そうじゃない。お前が嫌いなんじゃない。
でも、お前は。お前は俺でいいのか。
俺は、俺はこのままお前を抱いてもいいのか?
「……いいのか、本当に」
やっとのことで外に出した声は悔しいほどかすれていた。
「いいの。もう決めたの、あたしの全てはダークさんのものよ。
あたしは……ダークさんの宝物になりたい」
そう言って彼女はこれ異常ないくらいの極上の笑顔で微笑んだ。
その顔は掛け値なしに美しかった。
まさしく宝と呼ぶにふさわしい少女がそこにはいた。
もう迷いはなかった。
ダークははじかれたように一度止めた手を伸ばすと、今度は自分から彼女に口付けた。
>34
ダークは再び濃紺の空を飛んでいた。
そして彼の腕の中にはいとしい少女の小さな温かい身体があった。
「寒くないか?」
ダークの気遣いに梨紗は嬉しそうに頬を赤らめた。
「ううん、平気……ダークさんがこんなにそばにいてくれるから、とってもあったかいわ」
二人は梨紗の家を目指していた。
町の明かりは時計がその針を進めるごとにひとつ、またひとつと減っていき、隠れていた星々が次第にその美しい姿を現し始めた。
ばさばさと舞う黒い羽に包まれて、梨紗はこれ以上ないほどの幸福の中にいた。
ベランダに降り立った二つの影の背の高いほうが、もう一人を大切そうにそっと腕の中から下ろした。
ここは、「怪盗ダーク」としての彼が初めて彼女を見つけた場所だった。
「きっともう、みんな寝てるわ」
「親に叱られないか」
そう問うと、梨紗はいたずらっぽく首をすくめた。
「こっそり抜け出したからばれてないはずなの。でも、ちゃんと玄関から出たから窓の鍵を開けておくのを忘れちゃった」
くすりと笑った梨紗とともにダークも笑った。
月と星の光を浴びながら、二人は今日3度目のキスをした。
>32
なんか一人で暴走してスマソ。
遺伝子暴走ラブコメならぬ遺伝子妄想ラブコメになっているようじゃ。
>33
同志ハケーン!
貴殿がこのスレを立ててくださったこと心より御礼申し上げまする。
で、この後梨紗×大助にもなるやもしれぬのですが、ご承知おきを。
>35
星がひときわ輝いて、月が笑った気がした。
求め合うふたつの身体がある、それだけで十分だった。他には何もいらなかった。
ダークはまるでコップに口をつけるように梨紗の唇を自分のそれで覆った。
表面を触れ合わせるだけだった幼い子供のしぐさは、しかしだんだんと大人の男の深いものへと変化していった。
余裕などとうになかった。
噛み付きそうなほど何度も何度も、ダークは上唇と下唇を包み込んだ。
どこか必死なほどのそのキスを、梨紗は全て受け入れた。
ぬるりとした生暖かい舌が入ってきたときには少し緊張したけれど、おっかなびっくりながら自分の舌を差し出した。
たとえ稚拙な動きでも自分に応えようとしてくれる梨紗が、ダークは嬉しかった。
ダークは左手で梨紗の後頭部を支えキスを続けたまま右手を胸のふくらみへ、
そしてそこからブラウスの一番上のボタンへと辿り着かせた。
梨紗の身体からはそろそろ力が抜け始めていた。
百戦錬磨の(そして好きでない相手にでもキスのできてしまう)ダークと違い、
片手で数えられるぐらいしかキスの経験のない梨紗は明らかに翻弄されていた。
ダークにあわせて無理をしていたのだ。
二つ目のボタンをはずしたのとちょうど同時に梨紗はよろめいた。
そうしてやっと、ダークは自分がやりすぎたことに気づいた。
>37
「悪い……どうも、理性がとんじまう」
「――謝らないで。あたし、は、幸せだから」
ダークに身体を預けながら梨紗は本当に幸せだった。
今までいつもするりと通り過ぎていってしまうだけだった彼が、初めて全てをぶつけてくれるなんて。幸せだった。
「もっと、していいのよ? ダークさんのしたいように、して」
梨紗の言葉は呪文のようだった。
ダークは感じた――欲望の歯止めがきかない。
「ダークさんのしたいようにあたしもされたいの」
その言葉を聞いたときの身体の熱さは、魔力が発動するのに似ていた。
「全部、受け止めるから」
ダークは上着を脱ぐと上半身裸になった。
黒い衣装がふわりと翻ってバルコニーの床に広がった。
梨紗の腰に手を回して身体を支えゆっくりとその上に横たえた。
「……ダークさんの服が汚れちゃう」
「かまわねえよ」
自分の黒い装束の上に、白いブラウスの梨紗が寝ている。
ボタンをはずすのももどかしくダークは梨紗の上に覆いかぶさるように腕をついた。
「梨紗の服もしわになっちまいそうだな……ごめん」
「かまわないわ」
梨紗は笑った。
「ぐちゃぐちゃになったっていい」
「おかしいな〜この辺だって聞いてきたんだけどな」
ある土曜の休日、梨紅は手書きの地図を片手にキョロキョロしながら道を歩いていた。
昨日、風邪で学校を休んだ大介の御見舞いに行く為、冴原から地図を書いてもらって来たのだが、
目印がよくわからず道に迷っていた。
初めて大介の家に行くことにドキドキしていて、目印に気づかず通りすぎてしまっていたのだった。
「もしかして迷っちゃった……」
見知らぬ町を見回していると、少しずつ心細くなり、うつむいていった。
「……りくさん、……梨紅さん、梨紅さ〜ん」
「えっ、丹羽君」
遠くから聞こえてくる声に振り向くと、大助が手を振りながらこちらに近づいてきた。
不安にかげっていた瞳に輝きが戻り、急ぎ足で大助に駆け寄った。
「丹羽君、もう風邪大丈夫なの?」
「うん、まだチョット咳が出るけど、もう大丈夫だよ。それより梨紅さんはこんなところでどうしたの」
「あ、えーと……あの、先生に昨日のプリントを持って行くように頼まれたから………」
梨紅は少し焦ったように口ごもり、消え入るように話すと顔を見られないように伏せてしまった。
そうじゃない。大助君の事が心配だから来たのに……
どうして素直になれないんだろう
自分の気持ちをごまかしている言葉が心に影を落とした。
実は昨日、冴原君が先生からプリントを持っていくよう頼まれたのを聞き、お見舞いに行く口実として
自分から変わってきたのだった。
しかし、そのことを大助に知られたくない為、くだらない嘘をついてしまった心苦しさに黙り込んでしまった。
「わざわざ持ってきてくれたんだ、ありがとう。家すぐそこだからあがっていってよ」
「……うん」
自分の為に来てくれたことに、大助は喜んでいたが、顔を伏せた梨紅の気配がおかしいのに気づいた。
「梨紅さん、どうかしたの?」
大助は、心配そうに梨紅の顔を覗き込んだ。
「…大丈夫?……何かあったの?」
「…ううん…なんでもない」
梨紅より背の高い大助には、うつむいた梨紅の表情がよく見えなかったが、様子がおかしいのは感じ取れた。
大助はしゃがむようにして姿勢を下げ、上目づかいで梨紅の顔をうかがった。
急にどうしたんだろう。さっきまでいつもの梨紅さんだったのに
なにかいやがる事をしただろうか
なにか怒るような事言っただろうか
どうしたんだろ…、僕が何かをしたのだろうか…
ダークの事で秘密ごとの増えていく大助は、普段から後ろめたさに満ちているため、梨紅の態度がおかしいのは
自分の所為ではと一人で焦り、勝手に自分を追いつめていった。
「………」
大助が心配そうに自分の顔を見つめている。その表情はしかられた子犬みたいにかわいく、情けない表情だった。
しかし、瞳は真っ直ぐにこちらを見つめ、自分の言ってくる言葉を受け止めようと必死だった。
梨紅は自分のことが嫌で落ち込んでいるのに、そんな自分のために一生懸命になってくれる、こんなにも思って
くれている大助に自分の素直な気持ちを話したい。そして、この想いを伝えたいと思った。
……私は、…丹羽君が、……好き。
梨紅は自分の心で呪文のようにつぶやき、勇気を振り絞って声に出した。
「…丹羽君、…ごめんなさい」
その言葉をつぶやいたとたん、梨紅の瞳が揺らいで涙があふれ出した。
「っ!……どうしたの」
突然泣き出した梨紅に大助は驚き、立ち上がると肩に優しく手をおいた。
梨紅はその手に右手を添えると握りしめてきた。
「…ごめんなさい、私、さっき嘘ついたの。丹羽君のお見舞いに来たのに恥ずかしくて嘘ついたの」
そう一気にしゃべると、ゆっくりと涙で濡れた顔を上げ、又、小さく「ごめんなさい」と言った。
大助はそんな梨紅がたまらなく愛おしく、肩においた手で思わず抱き寄せた。
「あ……」
いきなり抱きしめられた梨紅は小さな声をあげ、驚いた表情で身体を強張らせたが、すぐに力を抜き
大助に身体を預けるようにした。
大助は梨紅の身体を支えると、「気にしないでいいよ」と優しくささやいた。
「う……うん、ごめんね」
大助の胸元で優しく耳に響く声を聞くと、顔を埋めるようにして頷き、また謝った。
いつも元気で輝いている女の子が、こんなにも小さく柔らかい身体をしていて、とてもいい匂いがすること
を知り、抱きしめたまま二度と離したくないと思った。
胸元にある頭が動くと柔らかな髪がふわりと揺れた。そしてこちらを見上げる瞳は潤み、唇は濡れていた。
ドキン!
あまりの可愛さに、このままキスしたいと思った瞬間、胸が高鳴り大助は我に返った。
いけない、このままではダークに変身してしまう。
慌てて手をゆるめ梨紅の身体を離すと、「どうしたの」と、きょとんとした梨紅から目をそらしながら
「誰かに見られたような気がした」と、瞬間的に思いついたいいわけを口にした。
「ふーん」と怪訝そうにこちらを見つめている梨紅の視線にきまじめな大助はギクリと反応したが、
それ以上は追求してこなかった。
その後、大助の家に行って笑子さんお手製のお菓子でお茶を楽しんだが、まだ病み上がりと言う
ことで梨紅は早々に帰ることになった。玄関まで見送りに出た大助に「早くよくなってね」と笑顔で
言って帰っていく後ろ姿から「意気地なし」とドスの利いた声が聞こえてきた。
梨紅を見送った後、大助はしばらく部屋に閉じこもり、ダークの血筋を恨みつつ、さめざめと泣いていた。
エロ無しですがどうでしょう?
どうしてもダークがいる状態で大助*梨紅のえちシーンはむずかしい!
>39,40,41,42で一つの作品です。
名前を入れそびれました。
前の人の作品との区切りを入れてなかったのでわかりにくくなってすいません。
良スレハケーン
お待たせしました>10の続きです。
大助は部屋に戻ると濡れた服を着替え、部屋を見回して座る位置を確かめてクッション準備した。
そして、台所にお茶とお菓子を取りに行くため廊下を歩いていると、風呂場から水の音がしてきた。
「……………」
大助は無意識に音のする方を向くと廊下に立ち尽くした。
「……はっ」
飛んでいた意識が戻ると、いけない妄想で顔が真っ赤になっていた。
「梨紅さんがお風呂から上がる前にお茶の準備しないと」
自分に言い聞かせるようにして台所に入り、お茶の準備して部屋に戻った。
梨紅は風呂場の前から大助が離れたのを確認すると、脱衣所で制服を脱ぎ乾燥機に入れた。
ふたを閉める時、ブラまで濡れていることに気づき乾かすか悩んだが、着替えた服の胸の部分だけ
濡れている状態を想像すると乾燥機に入れてスイッチを入れた。
「丹羽君は変なことなんかしないから大丈夫よ」
自分を納得させるように独り言を言うと、全部脱いで浴室に入った。
シャワーを浴びて身体が暖まると、軽く髪と身体を洗った。そして何気なく鏡に映る自分を見ると、
先ほどの大助の視線を思い出し、自分の胸が気になった。
「……丹羽君、大きい方が好きなのかな……」
乳房にそっと手を添えると大助が自分の胸をどう思うか気になり色々考えた。
梨紅はクラスの中では発育のいい方だと思われるが、やはりまだ中2の為、やや未成熟な胸をしていた。
友達が彼氏に揉んでもらうと大きくなる話をしていたのを思い出し、大助に揉んでもらうことを想像して真っ赤になった。
「まだ、これから大きくなるからいいの」
自分に向かってそうつぶやくと、泡と一緒に恥ずかしい考えも全て流そう強くしたシャワーを頭から浴びた。
「ふう」
タオルで拭いて、脱衣所に行くと大助が準備してくれた着替の服を見た。服とズボンは
シンプルで動きやすいもので、自分の好みに合っていてうれしかった。
乾燥機はまだ動いていて、ブラはまだ乾いていなかったので、パンツだけそのままはき、
直接Tシャツを着て、その上に長袖のシャツを着こんだ。
そしてズボンはくと長さを合わせるため裾を折り曲げた。そのときウエストの部分がそれ
ほど余らないことに気づき愕然とした。
「丹羽君こんなに細いんだ、……ダイエットしよう」
梨紅は大助と自分のサイズがそれほど変わらないことに少し傷つき、なぜか悔しい気持ち
になっていた。
ズボンの事はショックであったが、大助をあまり待たせてもいけないと気持ちを切り替え、
髪を軽くセットしてから風呂場を出た。
「丹羽君どこにいるの」
風呂場から出た梨紅は大助のいる部屋が解らないため、声を掛けながら廊下を歩いていると、
ふと人の気配がしたので振り返った。
「丹羽君??」
「梨紅さん、こっちですよ」
反対から声がしたので振り向くと大助が廊下向こうの階段を降りてきた。
梨紅は気配のした方を見て首を傾げたが、すぐに大助の方に廊下を歩いていった。
一緒に2階にあがると、梨紅は大助の部屋に入った。
初めて見る大助の部屋に、梨紅はウキウキした笑顔で物珍しそうに見てまわった。
その後ろで大助は、風呂上がりの梨紅の少し濡れた髪や少し火照った顔にポ〜と見とれていた。
「ん?」
その視線を感じた梨紅が大助の方に振り返ると、焦った大助は、偶然に墓穴を掘る事となった。
「あっ、いや…その服のサイズどうでしたか。僕の服だからどうかなと思ったんですけど」
ピクッ
その言葉を聞いたとたん、今まで笑っていた梨紅が固まり、一気に気配が変わった。
見つめていたことがバレた恥ずかしさをごまかす為に、何気なく言った言葉だったが、それは梨紅が風呂場で
ズボンをはいたとき受けた心の傷にふれてしまった。
「えっ……僕、なにか変なこと言いました?」
梨紅の気配が突然変わり、部屋が一気に緊張した事を感じた大助は、心配そうに声を掛けた。
「……………」
大助は、黙り込んだ梨紅にそっと覗き込むようにして近づくと、キッとにらまれ後ろにのけぞった。
「ふん、今に見てなさい」
梨紅のこの言葉の意味がわからない大助は困惑しつつも、何か傷つけることを自分が言ったらしいと思い、
懸命に許しを請うた。
梨紅の機嫌を直そうと一生懸命な大助の姿は、まるで、捨てられた子犬のようで、必死にすがるような瞳に
思わずほだされてしまい。プッと笑うと、しょうがないわねという笑顔を見せた。
大助は何とか機嫌を直した梨紅にホッとすると、梨紅にクッションを進め、お盆のお菓子を
テーブルにおいた。そして、お茶を入ようとしてお湯を準備していて忘れたのに気づいた。
「ちょっと台所に行ってポットとって来るから、先にお菓子食べていて」
「うん…あ、そうだ。梨紗にお菓子作りのレシピを聞いてくるよう頼まれていたの。大助君の
お母さんに教えてもらいたいんだけどいいかな?」
「えっ、あ…あの実は今留守にしてるんだ、急に用事が出来たとかで、おじいさんと一緒に
出ていて 夜にならないと帰らないんだ。レシピは今度学校で渡すよ」
台所に向かう大助の言葉に驚いた表情をしていたが、背を向けて部屋を出た大助は
気づかなかった。
「え……留守なの………」
梨紅はこの家に大助と二人きりだと急激に意識し始め、自分がいまブラをしていない事が、
とても恥ずかしく感じ始め顔が赤くなってきた。
「……どうしよう。……大助君だから大丈夫…だよね」
さっき自分を納得させるのに使った言葉も自信がなくなってきて不安になってきた。
そのころ台所の大助も、自分たちの状況に初めて気がついてドキドキしていた。
『おい、大助』
闇の中からダークの声が聞こえてきた。
何だよ、ダーク……今日は出てこない約束だぞ。
『オマエがグズグズしているからだよ』
今日はおとなしくしていてよ。
『なんだよ、せっかくのチャンスにモタモタするなよ』
なっ、チャンスなんて。そんなつもりは無いよ。
『焦れったいな、俺にチョット変われ。いいことさせてやるから』
わー駄目、絶対駄目。
『わかったよ。まっ…変身しないようにするんだな』
ダークが再び闇に消えると、大助は気持ちを落ち着かせて台所を出た。
廊下に出るとふと何か違和感を感じてキョロキョロ周りを見回したが、何か解らず首を傾げて
階段を上がっていった。
部屋に戻った大助が、少しぎこちなくお茶を入れると、もらって飲む梨紅も何となく頬がピンク
に染まり緊張しているように感じた。
お互いぎこちない感じだったが、少しずつ話すうちに緊張が解け、しばらくすると普段のように
話していた。
「あのときの写真を冴原がとっていたんだ、見せられた時は参ったよ」
「え〜本当、ねえチョットその写真、私にも見せて」
「うんいいよ。机の箱の中に入っているから」
写真を出すために立ち上がった大助をみて、梨紅も立ち上がり机の方に歩こうとしたらテーブル
に足を引っかけてバランスを崩した
「あぶない」
フローリングの床に倒れそうな梨紅を、大助はベットの方に引き寄せた。
ボフンという柔らかな感触に目を開けると二人は一緒にベットの端の方に重なるように倒れていた。
大助は自分の上に重なる梨紅の身体の心地よい感触と、いい匂いにこのまま抱いていたいと思っていた。
そして梨紅は、大助に抱きしめられたまま、ドキドキして赤くなったのを隠すよう、胸元に顔を押しつけていた。
ドキンドキン
梨紅の心臓の音が身体に響くように聞こえてきて、その音に共鳴するように大助の心臓の鼓動も高まっていった。
いけない、ダークに変わってしまう!
大助は、梨紅を抱きしめ幸せな気持ちだったが、一転、焦るどころでは無くなってしまった。
この状況で梨紅から離れて逃げ出せば、間違いなく確実に嫌われる。しかし、このままではダークに変身して
ばれてしまう。大助はいきなり究極の選択に追い込まれてしまった。
そのとき、階下から突然、天の助けのような声が聞こえてきた。
「大ちゃん〜、お客さんがいるの〜?」
がばっと二人とも跳ね起きると、梨紅は顔を真っ赤にしてベットから飛び降り、テーブルの向こうの
クッションに座った。
大助もホッとしながら、クッションに座ると心を落ち着け、何とかダークに変身せずにすんだ。
パタパタと階段を上る音が聞こえると、扉が開いて大助の母「笑子」が入ってきた。
「大ちゃんただいま〜、あら、こんにちは大助の母です〜」
にこやかな笑顔で挨拶する母を見て、大助はさっき台所の廊下で感じた違和感がなんだったのかが解った。
用事で出かけてなどおらず、二人のことをこっそり覗いていたのだ。
大助は、そのことに対する怒りと、今、助けてもらった事に対する感謝で複雑な表情をしていた。
「初めまして、原田梨紅といいます。おじゃましてます」
梨紅は、まだ赤い顔で挨拶をするとぺこりと頭を下げた。そうして、笑子とお菓子づくりの話しをして大いに
盛り上がり、いろんなお菓子のレシピを教えてもらっていた。そして、夕方になると梨紗へのおみやげに、
残りのお菓子を持って帰っていった。
梨紅は、帰り道を歩きながら大助に抱きしめられた時のことを思い出し、あのまま流されなくてよかった
という気持ちと、もうチョットだったのにとの想いが交差してしていた。
大助の家では、夕食時に父親の小助に笑子が大喜びで今日の報告をし、大助は梨紅とデートでキスしたり
するには、今日のような究極の選択が待っているという事実に打ちひしがれていた。
どうも、>10の続きです。
前作30〜42を書いていて、うpするのを忘れていました。
お待ちになっていた方どうもすみません。
後、今回もエロではありません。
大助*梨紅は大助がドキドキしてもダークにならない(大助に戻らない)良い設定
を考えないとどうにもう〜むです。
又、何か思いつきましたらうpさせていただきます。
>38
ぷちん、ぷちん。
ひとつづつボタンがはずされていく。
梨紗は安心したように黙って目を閉じて、されるがままになっていた。
「目、開けてくれ」
「……どうして?」
「俺が見ていたいんだ、梨紗の目を」
ダークの両手が全てのボタンをはずされたブラウスの隙間へしゅすりと入り込み脱がせようとすると、
梨紗も彼の行為を手伝うように心持ち上半身を浮かせてブラウスを引き落としやすくした。
服がはだけ、梨紗の折れそうなほど華奢な白い肩があらわになった。
目をひらいた梨紗はその視線をダークの裸の胸に固定した。
そこには先ほどダークが盗ってきた覚醒めの彗星がまばゆい光を放っていた。
ダークが身動きするたびにちゃりちゃりと音を立てる首飾り。
その名のとおり地上における星のような輝きでダークの胸元を飾っていたそれを梨紗はよく目に焼き付けておこうと思った。
そうすれば頑張れるわ、きっと。
だってあたしは、これから星を見るたびにあなたのことを思い出すことができるでしょう?
あなたの大きいけれど繊細な手とか、呼吸する音、あたしを溶かしそうなぐらいあつい体温も。
梨紗はくすくす笑い、むき出しの肩がそれにつれて震えた。
「星に手が届きそう」
手を真上に伸ばして梨紗はダークの首に触れた。
ダークはその手首をつかむと、少女のやわらかな指を口に含んだ。
「あ……」
梨紗は恥らうように声を上げた。
夜空には本物の星がそれこそ降り注ぐほどに光っている。
けれど。
>55
「星ならここにあるだろ?」
「……え?」
「お前だよ。俺にとっての星は、オマエ。」
ダークはにっと笑い、
「もうダークさんはいっつも口が上手いんだから」
そう言った梨紗も心のそこから嬉しそうに、本当に本当に嬉しそうに笑った。
覚醒めの彗星の青い色がいっそう濃くなったのに二人は気づかず、互いの手を甘噛みした。
「梨紗の下着、すげー梨紗って感じがするよな」
「なあに、それ」
今梨紗の上半身を覆っているものはブラジャー一枚だけだった。
白の生地にピンクのレースで小さな花が描かれており、胸と胸の間には小粒のパールビーズをあしらった小指のつめほどの大きさのリボンがついていた。
「女の子らしいって言うか……」
「かわいいでしょ? 実はお気に入りなの」
「でも俺は中身のほうが好きだけど」
ダークはそう言うと梨紗の背中に手を差し込みぷちんとホックをはずした。
肩紐をずらしブラジャーを取りはらってしまうと、今度こそ梨紗の腰から上を隠すものは何もなくなった。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
「 妹を憎くあらば我こひめやも」 さん乙です。
いや〜私には書けないタイプの話なので勉強になります。
続き楽しみにしていますのでがんばってください
私も出来るだけHなSSが書けるように修行してきます。
妹を憎くあらば我こひめやも氏の梨紗×ダークはいよいよメインデッシュが
近付いてきました!ブラも取られ、おそらくはもうすぐパンティも!
梨紗の処女は風前の灯に!!!
一方、迷昨SS書き氏もHなSSの修行を宣言!
今後は梨紅×大助のHな展開にも目が離せなくなってきました〜〜!!
>56
丸い白桃を割ったかのような両乳房の一番盛り上がったところにピンク色のつぼみがついている。
流石に梨紗は恥ずかしいのかもじもじと落ちつかなげに視線を伏せた。
そんな梨紗をダークはまじまじと見る。
(プールのときも思ったけど、こいつ実は結構胸あるよな)
本人は梨紅に胸囲が5ミリほど負けていることを気にしているらしいが、14歳でこれならたいしたものだと思う。
ダークの視線に耐えられなくなったのか梨紗は両腕で肩を抱き胸を少しでも隠そうとした。
「……俺の好きにしていいって言わなかったっけ?」
「で、でも……は、恥ずかしいし」
あんまり見ないで、と少し身体をよじって梨紗は言ったが、ダークにしてみればもっと見ていたかったぐらいなのに隠されてしまっては不満だった。
「恥ずかしくなんかねぇよ、こんなにかわいくて綺麗なのに」
ダークは顔を落とし梨紗の白くて細い首筋に軽く吸い付いた。
「ひゃ……」
「あ、そうか」
ダークはふと気づいたように顔を離してひとりごちるようにつぶやいた。
「ここにつけたらまずいよな。制服じゃ隠れないだろうしな」
「ダ、ダークさん?」
きゅうっと胸の前で交差された腕をダークの大きな手がつかみ、隠されていたふくらみを星空の下にさらした。
そのまま地面に押し付けるようにして顔の横に固定すると、ダークは自分の頭の位置を少し下げた。
間近で見る少女の胸はミルクのように真っ白で、少女が身体をほんの少し揺らすたびにやわらかそうに震えた。
寝ていても、広がって無くなることもなく綺麗に盛り上がっているその胸をダークは舌で舐めた。
>64
「きゃっ……! ダークさん、く、くすぐったい……」
「それだけ?」
若干意地悪っぽく口の端を吊り上げながらダークは言い、だんだんぷっくりとたちあがってきた桜色の乳首の片方を口に含んだ。
「あ、な、なんか、くすぐったいんだけど、でも、なんか、なんか、変!」
舌先でころころと転がしてやるたびに、蕾は口の中で硬さを増していき、それと同調するように梨紗の声もぶつぶつと途切れたり大きくなったりした。
「どういうふうに変?」
「そ、そんなの、言えない! は、恥ずかしいしっ……!」
「ききたい。言って」
やわやわと反対のふくらみを揉み解すと梨紗ののどからは切なげな息が漏れた。
「ひゃぁん! あの、か……身体の奥が、じんってして、きゅんってするの……」
「気持ちいい?」
「わ、わかんないよぉうっ……」
梨紗の声は明らかに初めて感じる感覚に困惑していて、ダークは苦笑した。
でもま、こういうのも悪くない。
「ならわかるようにしてやるよ」
「えっ、きゃ、きゃあ!」
乳首を軽く噛んでからその歯を少しずつずらしていき、あちこちに痛まない程度の強さで歯を立てていくと、やがて到達した耳たぶも甘噛みしてやる。
真っ赤になった梨紗の反応をダークは満足げに眺めた。
>62
いえいえ。
お互いがんばりませう。修行、(・∀・)イイ!
>63
梨紗の処女奪うのはダークじゃな(ry
展開が亀のように遅くて申し訳ない。
妹〜はハンドルじゃなくてタイトルなので、私のことは紫と呼んでいただければ……。
ちなみに元ネタは大海人皇子が元は恋人だったのにお兄さんの中大兄皇子の妻になってしまった女性におくった
「紫のにほえる妹を憎くあらば人妻ゆえに我こひめやも」
(紫草のように美しいあなたが憎いのならば、今は人妻となってしまったあなたを恋しいとは思いません)
つー歌です。
あと梨紗は双子の妹のほうなのでそれにもひっかけてます。
>65
ちゅ、ちゅ、とダークは身体へのキスを繰り返し、そのたびに梨紗は身をすくめた。
「ぅん……」
その仕草の可愛らしさといったら!
(うわ)
ダークは思わず赤くなった顔を背け、そして言いにくそうに切り出した。
「あー。えーと」
「……?」
きょとんと見上げてくる表情も可愛らしい。
そんな梨紗の様子に、ダークはますます強まる願望を口にした。
「あのさ、……やっぱキスマークつけてもいいか?」
ただでさえ大きな梨紗の目がさらに見開かれた。
「キスマークって女の人の口紅の痕のことでしょ? ダークさん、つけられるの?」
「……」
今度はダークの目が丸くなる番だった。
「……梨紗、ひょっとして知らねぇの? キスマークのつけ方」
「え、え? 違うの?」
二人の間につかのま微妙な沈黙が訪れた。
どうやら梨紗は本当に勘違いをしていたらしく、軽く混乱しているようで、その表情はまるで『頭の上にクエスチョンマークがふよふよと飛んでいる』かと錯覚してしまいそうなほどだった。
さすがお嬢様、と妙なところでダークは感心した。
この様子から察するに、自分に『抱いて欲しい』と懇願したことはおそらく彼女にとってものすごく勇気のいることだったろうに。
「仕方ねぇな――じゃあ俺がキスマークがなんなのか教えてやるから」
「あ、は……はい」
梨紗は真剣な表情で身構えた。
>67
(見えるとこじゃさすがにまずいだろうなぁ……どうすっかなー)
つってーとやっぱ――――胸か。
と、心の中で決意するとダークは梨紗の心臓の辺りに唇をつけてマシュマロのような肌を吸った。
「つっ……」
梨紗は予想外の痛みに思わず小さく声を上げてしまった。
(キスマークつけるのって結構痛いのね、知らなかった)
ただ、そんなことを言ってダークが気にでもしたら嫌だから、思っていても口には出さない。
そろそろか、とダークが顔を上げると、そこには赤くうっ血した点が残った。
「できた。見てみ」
梨紗は首を傾けるとおそるおそる胸元を覗き込んだ。
「これがキスマークなの?」
あざみたい、と梨紗が言うと
「あー、まー似たようなモンだけど。でもこれは『俺の』っつー印だから」
梨紗は自分の左胸に浮かび上がった『ダークのお手つき』のマークを何か考える風にしばらく見ていたが、おもむろに視線をダークに戻した。
「あたしもダークさんにつけてもいい?」
その顔の可愛さはいっそ凶悪なほどの破壊力で、ダークは思わず「反則だろー!!」と叫びそうになった。
やべえこいつかわいい。まじかわいい。
69 :
紫:03/04/17 10:06 ID:PLT1WkMl
普段キチークやレイープ書いてる反動かものすごくべった甘に…
これはこれで楽しいんですがレイープも書きたいっス。
70 :
山崎渉:03/04/17 12:15 ID:Ac1CXwMS
(^^)
71 :
名無しさん@ピンキー:03/04/17 20:12 ID:V1FC8HUw
なんかいきなり370まで下がってるから保守age
>69さん乙ー。
誰を鬼畜に、れいーぷするのかハアハア期待してます。
>72
大助が梨紗を、ダークが梨紅をレイープすると見た。
>68
「ダークさん?」
ドリーミングトリップ中のダークに梨紗は怪訝な顔で呼びかけ、ダークははっと我にかえ……というか夢から現実の世界に帰ってきた。
「あ……ああ、いいぜ、つけても」
「本当!? ありがとうダークさん!」
きゃあっと嬉しそうな声をあげて梨紗はダークの首に抱きついた。
ちょっとこれは……胸が生で当たるんだが。
いや、当たるというよりも押し付けられているといったほうが正しいか。
とはいえふかふかで気持ちのいいその感触を、野暮なことを言ってわざわざ遠ざけることもあるまい。
「じゃあ同じところにでも――」
「あ、あのね、あたしつけたい場所があるの!」
「どこ」
「首!」
にっこり笑って即答する梨紗は恋する乙女の風体で指を顔の前で組んで首を傾けた。
「……だめ?」
むろん、断れるはずがない。
昔から映画とかドラマとかで憧れてたの、首筋に赤やピンクのルージュの痕を残すって、と目を輝かせながら話す梨紗にはすでにがっちりとした『キスマークといったら首』という固定概念が植えつけられているらしかった。
うまくつけられるか自信ないんだけど、やってみたいな。
>74
ダークはYesの意思表示に首筋にかかった己の髪の毛をかきあげはらった。
梨紗の唇が触れる。
「そう、それで強く吸って」
ダークに言われたとおりに梨紗が彼の肌を吸い上げる。
この淡い痛みさえも心地よい。
「できた!」
ややあって聞こえてきた声に様子が気になったものの、しかし自分では首についた痕を見ることができないのでどうなっているかはわからなかった。
おそらくこの位置だと、明日大助に戻って制服を着たときに隠れず困ると思うのだが、そこはダーク、相棒のことは誰よりも良くわかっている。
“あの”大助が首筋にキスマークをつけるような行為なんてできるわけがない、と、回りは思うはずだ。
「虫に刺された」とでも言えばみな納得するだろう、と本人にたいして失礼極まりないことをダークは考え――そうしてそこまで考えて、ダークは重要なことに気がついた。
「梨紗、あのさぁ、ゴムは持ってるのか?」
「ゴム……って何ゴム? 髪留めのゴム? それとも輪ゴムとか?」
「ゴムっつーか……コンドーム、っつーか……ようするに避妊具」
「え……」
梨紗にも一応中学校の保健体育での知識はある。
流石に「コンドームって何?」とまでは尋ねてこなかった。
「やっぱさ、こういうのってちゃんとしたほうがいいと思うんだよな。俺、お前のこと大事にしたいし」
確かに、梨紗はまだ14歳、中学二年生だし、妊娠などしたら大変なことになる。
76 :
紫:03/04/18 12:55 ID:cxX6diz3
昨日のアニメの梨紗タンはすんげぇ萌えますた。
着せ替えー! 涙目ー! どアップー!
洗脳、覚醒と来て姫抱っこでお持ち帰り!(;φдφ)ハァハァハァハァ
作画も危惧していたとおりには全然乱れなかったし、
>72,73
レイープされるのは梨紗タンです。
あとこれからちゅこっと梨紗梨紅ママンが出る予定でつ。
77 :
山崎 渉:03/04/20 04:18 ID:sTzjkZgc
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
>76
梨紗タンレイープですか。
うーむ、其れは期待してハァハァしながら待ってます。
梨紅梨紗ママもどうなるのか楽しみです。
79 :
紫:03/04/20 22:16 ID:OeVN9zcl
>75
梨紗はダークに抱いてもらうという目的だけで頭がいっぱいで、それが根本的にどういうことなのかまでは考えが回っていなかったのだろう。
今の状態で続けることは出来ない以上、行為はここで終わってしまうのだろうか。
それはあまりにもあんまりだ。
ここまできておあずけとは――つらすぎるではないか。
これは恋愛百戦錬磨の彼にとっては情けないことなのだが、なにせダークにしてみれば実に40年ぶり(!)の女の肉体なのだ。
それが愛しい少女の身体ならなおのこと。
そろそろ自身の我慢も限界に近かった。
なのに、ここにきて行為中断の危機、加えて恋愛遺伝子を無理をして押さえ込んでいるためにそろそろ魔力が尽きかねない。
「ど……どうしよう、ダークさん?」
梨紗は不安げにダークに指示を求めた。
キスから先、彼女には未知の領域だったので、不安になるのも当然だろう。
(ちくしょー、このままじゃ伝説の大怪盗ダークの名がすたるぜ――って、そうだ!)
どうして今までこんな単純なことを思いつかなかったのか、それだけ自分もまわりが見えていなかったのだろうか。
(そうだよ、俺は怪盗なんだから、こんな窓の鍵くらい1秒で開けられるんだよ)
「梨紗、両親の寝室ってどこだ?」
「え? 2階の左から2番目の部屋、だけど……今パパは外国に行ってて、ママが一人で寝室を使ってるの。でも、どうして?」
「ああ――まあ、ちょっとな」
そう言うとダークは、上半身裸でスカート、その下のパンティ、それにソックスと靴を身につけているという、
とても彼の欲を掻き立てる姿で座り込んだままでいる梨紗を立たせると、下に敷いていた彼の上着を拾った。
>79
「梨紗の部屋はどこにある? 続きはそこでやろうぜ。俺もあとからすぐ行くから先行って待ってろ」
ダークは慣れた手つきで窓の鍵をはずし、音を立てないように開け、梨紗を先に促すと自分も家の中に入り、再び音を立てないように閉めた。
「あたしの部屋はこの部屋の隣なの。もう一つ隣が梨紅の部屋になってるから、梨紅を起こさないように気をつけないと」
「それよりまず母親を起こさないようにしねーとな……」
「何か言った? ダークさん」
「いや、別に何も。んじゃちょっと行ってくる」
「うん……はやく、戻ってきてね?」
「もちろん」
一刻も早く続きを!
それが今のダークを駆り立てている思いの全てだった。
タイムリミットは迫ってきている。
今夜のターゲットは、魔力を秘めた美術品ではなく『コンドーム』というなんとも情けないものだったが。
81 :
妹を憎くあらば我こひめやも@紫:03/04/22 23:55 ID:MEzks3bb
>80
胸がずきんずきんと痛み始めている。
本格的にしゃれにならなくなってきたらしい。もう魔力がない。
――はやくしねーと大助に戻っちまう。
それこそ本当にしゃれにならない。
今ここで、この状況で戻ったとしたら、梨紗をあのままほうって逃げるか、正体がばれるのを覚悟で事情を話してはいお開き、か二つに一つだろう。
それは絶対に避けたい状況だった。
「はやく……しねーと……」
苦しそうに胸をつかんだダークは、知らず声に出してしまっていた。
「……ここだな」
今は母親が一人で使っているという、梨紗と梨紅の両親の部屋。
広い部屋だった。
どかん、と置かれた大きなダブルベッドにかけられた布団は母親が寝ているのだろう盛り上がっていて、耳を澄ませばかすかにかすかに、すぅすぅという寝息が聞こえる気もした。
ちらりと長いウエーブがかった髪の毛が見え隠れする。
薄闇に目を凝らすと、大きな鏡のついたドレッサーがあった。
(おっ……)
近づいてその引き出しを音もなく開けていくと、下の一番大きな引き出しの中に救急箱が入っていた。
それも開けると、中には絆創膏や包帯、頭痛薬、体温計などに混じって小さな袋が数個入っていた。
端のぎざぎざした正方形の、しかし中に入っているものの形状は円形のその袋をダークは一つ失敬した。
>81
あとは目的を果たして部屋を出るのみ、だったのだが。
「あなた……」
その声にぎくりとしてダークはたちどまった。
見つかったか!?
「ん……」
寝返りを打ってこちらを向いた母親の顔が、闇に慣れた目に良く見えた。
双子の母親はかなり若かった。
大助の母である笑子もかなり若いが、梨紗と梨紅の母親はその上をいっていた。
そしてあの二人の母親なだけあって、やはり美しかった。
ダークは息を潜めてしばらく様子を伺っていたが、しかし何も起こらない。
「なんだ、寝言かよ……」
気が抜けて、ほぉーっと息をついた。
それがいけなかった。
気が抜けたせいで、ダークは大助に戻ってしまったのだ。
ただし、『中身』――だけ。
>82
ダークの黒い髪が、ダークの端正な顔の周りになびいている。
そして目線はいつもより高めで、でも声は少年の声だ。
そう、この身体は『ダーク』のままだ。
なのに、意識は『大助』である。
以前にもこういう中途半端な変身は何度かあったが、まさかこんなときに!
「どどど、どうしよう」
そうは言いながらも、実は大助はすでに先ほどの寝室を離れて、その足を梨紗の部屋に向けていた。
だって、原田さんをあのままにしておくわけにはいかないじゃないか。
大助は心の中でそう言い訳して、辿り着いた梨紗の部屋のドアをノックした。
手の中にはダークがさっき盗ったコンドームの袋がある。
ダークに押さえつけられていて(だからダークは余計に魔力を消耗した)、さっきまで見えるのは闇ばかりだったけれど、声は……少しだけだが、聞こえていた。
だから今が大体どういうことになっているのかはわかる。
僕の大切な宝物が、もう一人の僕のものになろうとしていたってこと。
切なかった。
切な過ぎて涙が出そうだった。
見せないようにしてくれたのは、ダークなりのせめてもの思いやりだったのかな。
わかっている。
僕は、そんな相棒を裏切ろうとしてるってこと――
「ダークさん?」
囁くような梨紗の声が聞こえてきて、ダークの姿をした大助は部屋に入り、後ろ手にそっとドアを閉めた。
ごめんダーク、ごめん、こんなの卑怯かもしれないけど、原田さんのこと渡したくない。
だって僕も、僕、僕……、原田さんが、好きなんだ。
>83
ベッドのふちに、毛布を羽織った梨紗が腰掛けていた。
「待たせてごめん」
声紋がパスになっているキーを開けたりなどするため、そういう訓練を受けていたので、出そうと思えばダークの声も出せる。
「戻ってきてくれて、安心した」
ほっとしたようにこたえる梨紗は、先ほどまで不安と戦っていたのだろうか。
ひょっとしてまた、ダークが自分の前から消えてしまうのではないかという不安と。
大助の心の深いところで、魔力を使い果たして疲労しきったダークが泥のような眠りについているのがわかる。
当分目を覚まさないだろう。
窓から差し込む月明かりに照らされた梨紗の横顔がとても綺麗だった。
「続き、しようか」
吸い込まれるように大助は彼女にキスをした。
心臓が張り裂けそうなほどどきどきしたけれど、やはりダークが出てくる気配はまるでなくて。
梨紗の肩にかかっていた毛布がはらりと落ちると、裸の胸がほの白く浮かび上がった。
自分は精一杯虚勢を張ってダークらしく見えるようにしなくてはいけないのだ。
は、原田さんと、こういうことできる日が来るなんて、思ってもみなかった……。
うわっうわっ、キスしてるよ、胸とか触っちゃってるよ、いいのか僕!
夢じゃないのかな、これ……。
梨紗の胸は柔らかくて手触りがよく、大助はいつしか揉み解すようにその感触を楽しんでいた。
「んっ……」
鼻にかかったような甘い声が梨紗から漏れ、その声を聞くと大助はなんだか嬉しくなった。
ども紫さん乙です。
いやーがんばっておられますね。
もう少ししたら私も新作をうp出来そうなんで負けずにがんばってきます。
大助きゅんハァハァスレ立ててもいいでつか
801版?それならイイと思うが……それ以外ならここでいいのでは?
まあ、>1では無いのではっきりとは言えませんけど。
>迷作SS書きさん
ありがとうございます。新作がんばってください。
>84
大助は、身もふたもない言い方をしてしまえば、梨紗の顔がとても好きだ。
実際彼女を好きになったのは一目ぼれに近かったと思う。
同じクラスになって、すごく可愛いなと思って、気がついたら彼女の姿を目で追うようになっていた。
そうするといろんなことに気がついた。
普段も可愛いけど、にっこり笑った顔は極上だってこと。
友達と他愛ないおしゃべりに興じるときの声が鈴のように耳に心地いいこと。
髪をかきあげたときに少しだけ見える首がびっくりするほど白いこと。
その手がとてもやわらかそうで小さくて細いこと。
そして、彼女が電車を降りるときに小さい子の手助けをするような優しい女の子だってこと。
彼女の笑顔が気になって、彼女の傍らの友達と話す声が気になって、それから彼女の仕草が気になって、それらすべてをまぶしい思いで見つめていた。
それは周りの人間――冴原や梨紗の友人たちにはばればれだったみたいだけど、
肝心の彼女は大助のことを友達と信じきっていて、男心をまったくわかっていない彼女は、ダークに恋をしてからこっち、
大助に対してその天然さゆえかあまりにも残酷で、それで結構大助も傷ついたりしたけど。
>88
彼女は可愛かったから、とてももてた。
なのに彼女は誰も相手にはしていないようだった。致命的に鈍かったのかもしれない。
それに彼女には理想の王子様を追い求めるようなところがあって、子供っぽいだけのクラスメートたちになどきっとなんの魅力も感じなかったのだろう。
そんな彼女が、今、大助の意識を持つダークの腕の中にいる。
身体はダークだけど……でも……この瞬間だけは梨紗は大助のものなのだ。
大助の好きな、可愛い顔を赤くして、目を潤ませて、切なげに眉根を寄せて、時々こらえきれない声を発している。
もっと欲しい。
もっと近づきたい。
もっともっといろんな顔が見たい。いろんな顔を見せて欲しい。
もっともっと、願望は尽きることなく大助の胸をあふれさせて、衝動は抑えきれなくなる。
自分にこんなに肉欲があったなんてと驚く。
どちらかというと大助は弱気で引っ込み思案で、キス一つでもう心が決壊しそうなほどぎりぎりだったのに、今は彼女と繋がりたくてたまらない。
現金なのかな、僕。
こんないやらしいこと考えるようになるなんて、恥ずかしいと思うのに。
思うのに、彼女の身体の全部が知りたい。
>89
それは食欲にも似ていた。
圧倒的な飢餓感。
何もかもを食べ尽くしたいような、そんな感じ。
だから自然と大助は梨紗の身体に口をつけていた。
「やんっ……」
噛み付いて咀嚼したいという、それは獣の衝動だった。
どうすればこの疼きを収められるだろう。
とりあえず衝動に素直に従って、大助は梨紗の乳房を軽く噛んだ。
そして、うっすらと赤くついた歯形をぺろぺろとなめた。
梨紗は気持ちいいのかとろんとした目をしている。
大助の手は円を描くように梨紗の胸をまさぐり、もみしだく。
こんなんじゃたりない。
大助はダークの大きな手を梨紗のすっかりくしゃくしゃになってしまったスカートに触れさせた。
梨紗の腰を持ち上げてスカートを脱がせると、フリルのついた下着が顔を出した。
そっと足の間に手をやるとそこは少し湿っていた。
大助は安心した。と同時に嬉しかった。
「気持ちよかった?」
こくりと頷いた梨紗を見て大助はますます満ち足りた気分でするりと梨紗の足から下着を引き抜く。
「っ……あ」
梨紗は流石に恥ずかしいらしく足を閉じてもじもじしている。
スンマセン、忙しくてなかなか仕上がりません。
がんばって仕上げますのでお持ちください。
以上、連絡兼保守カキコでした。
このスレはライターさんがいて羨ましいでつな
・・・できれば魔ロキスレにも・・・(つдT)
あせらず仕上げてください>職人さま
94 :
名無しさん@ピンキー:03/05/02 22:36 ID:P5l96RbV
保守保守
ところでこのスレってどのくらいの人がいるんでしょう
>90
「ひぁ」
ダークの指が大助の意思をもって、梨紗の閉じた足の間に入り込もうとする。
梨紗は羞恥に身体がちぢこまって、足をきゅっと閉じてしまった。
「足……開いてよ」
「やぁん、だ、だめぇ」
いやいやをするように梨紗が頭を振るので、大助は仕方ないか、とまず外から攻めることにした。
ゆっくりと足を撫でさすっていく。
下の方から丹念に、ゆっくりと、靴下を脱がせてからつま先、甲、ふくらはぎ、膝や膝の裏を手のひらで撫でていく。
梨紗が息をつめた音が聞こえた。
そしてふとももへ、だんだん上へ手を移動させていく。
梨紗の肌は磨いた大理石のようにすべすべしていて、触れている指先が心地よいのを大助は自覚した。
みっともないくらい、興奮している。
好きな女の子のあられもない姿にどきどきしている。
梨紗がわずかに腰を浮かせたのを大助は見逃さなかった。
身体の奥から湧き上がってくる初めての感覚に戸惑っている、ダークにこのまま身を任せていいのか迷っている、そんな風だった。
もう少し。
もう少しで鍵が開く。
>95
大助は手を梨紗のふとももの下に差し入れ、ぷにゅっと指で尻を触った。
その丸みを堪能するように内側から外側へと撫で上げると、梨紗が腕をぎゅっと握ったらしい気配がして、大助は顔を上げて梨紗の目を捕らえた。
「どうしたの?」
「……」
梨紗は真っ赤になって、涙のにじんだ目で大助にうったえた。
「……いじわるね」
「原……梨紗が素直じゃないからだよ」
「だってっ……、……っ、つらいのっ……」
うええん、と泣き出してしまった梨紗に流石に大助もぎょっとした。
いつだって、自分は彼女の涙に弱いのだ。
「ど、どうしてほしいの?」
おたおたと取り乱しそうになりながら大助は尋ねた。
カーテンがふわりと翻った気がした。
手で顔を覆い、しゃくりあげながら梨紗が言う。
「お願い、じらさないでぇっ……」
そのお願いをきいてあげない理由など大助にはあるはずもなかった。
は〜い まず一人……って他に何人いるんだろ?マジで……
\( ゚∀゚)/
( ゚∀゚)/ ハーイ
ここにも一人
(・∀・)イイ!!
100 :
:03/05/04 21:04 ID:Q+ufur9B
100ゲッツ!
\( ゚∀゚)/
おっ、オレ以外にも結構いるんだね。
ていうことでたまにですけど+1人
102 :
迷作SS書き:03/05/07 04:28 ID:zQ4Y+mB8
お久しぶりです。
大助*梨紅を書いたので途中までですがupします。
一応エチシーン有りの予定です。
ガラガラッ
「丹羽くんいる?…」
美術室の入り口から室内を覗くと、奥の方で絵を描いている大助がいた。
「あ、丹羽…く…ん……」
真剣な顔で絵を描く大助の横顔に見とれてしまい、話しかけた梨紅の声が止まった。
ポォッとしていた自分に思わず赤面していると、此方に気づいた大助が、いつもと変わらぬ笑顔を見せた。
「あっ梨紅さん」
大助の無邪気な微笑みに見つめられ、梨紅の顔はよけい赤くなった。
「どうかしたんですか?顔が赤いですけど……」
「何でもないの!」
「………」
恥ずかしさに、思わず強い調子で返事をしてしまい、大助を驚かせてしまった。
(私って何でいつもこうなのかな……)
黙ってしまった大助を見ると、心配そうな表情で此方を窺っていた。
「ごめんね、ホントに大丈夫だから……」
「うん、それならいいよ」
素直に頭を下げると大助もホッとしたように笑顔になった。
「ところで梨紅さん、どうかしたんですか」
「ううん…、丹羽くんが絵を描いてるって聞いたから見に来たの」
「ええ、そんな……見てもらえるほど大したこと絵じゃ無いですよ……」
「そんなことないよ、この間もらった絵だってとても綺麗だったし、丹羽くんの絵の感じ私好きだな」
「そう?それだと嬉しいけど……」
顔を赤くしながら照れる大助に近づくと、今描いている絵を見せてもらった。
「うわあ、すご〜い綺麗。これ○△町の古い教会の建物よね」
「うん、夜の教会なんだけどね。先週の満月の夜、月の光に浮かんだ教会の建物をスケッチしていたんだ」
「これ、油絵だよね」
「そうだよ、夜の月光を自分の感じたままに表現できればいいと思って描いてるんだけど…………」
(ドキン……。あっ、また……)
自分の作品を語る大助の横顔に梨紅の胸の鼓動が高鳴った。
(絵を描いているときの真剣なまなざしも、こうして自分の絵やその思いを優しく話すのも、どっちも好きだな……)
「誰もいない夜の教会で、周りは闇に包まれているけど、建物が月明かりに静かに照らされている、そんな闇と光の
混じり合った………」
(丹羽くんの心に写る……丹羽くんの目を透した……丹羽くんだけの絵………)
(私は丹羽くんにどう写っているんだろう……私もこんな風に心に感じてもらいたい……)
「………!。あ、ごめん……つまんないよねこんな話し……」
大助は、自分の心の中の思いを人に語っていることに恥ずかしくなったのか、照れたように話を止めた。
「ううん、丹羽くんの絵の世界が感じられたみたいでよかったよ……」
「そんなかっこいいことじゃないよ……」
梨紅の感動した様子に大助は照れながらも嬉しそうに微笑んだ。
「あの…梨紅さん、明日の日曜日空いてるかな」
「うん…予定は無いけど……」
(もしかして、デートの誘いかな………ドキドキ……)
少し緊張気味に話し始めた大助に、梨紅も緊張しながら答えた。
「もしよければ、一緒に美術館に行って欲しいな……と思って……」
「うん、いいよ。丹羽くんの絵の話も聞かせてね……」
「え、あ…うん。じゃあ、10時頃迎えに行くから」
「わかった。楽しみに待ってるから」
大助は、梨紅が喜んでOKしてくれたことに、ホッとしたような表情をすると、描きかけの画材を片付け始めた。
「もう止めちゃうの?描いてるとこ見たかったのに」
「うん、それに見られていると恥ずかしいよ……」
照れながら片付けをする大助が棚の方に離れると、梨紅は小さく呟いた。
「残念だな。丹羽くんの描いてる姿かっこいいのに…」
「え……なにか言いました?」
「何でもない、何でもない!」
振り返った大助に手を振って誤魔化す梨紅の顔は真っ赤になっていた。
日曜日の朝、梨紅の家に大助がやってきた。緊張した顔がテレビカメラに写っていた。
《ピンポーン》
『はい』
「あ、あの丹羽と言います。梨紅さんをお願いします」
『丹羽くん、私よ。今行くからチョット待ってて』
「あ、梨紅さんだったのか……」
ホッとした表情を浮かべる大助に、梨紅の隣にいた梨紗がマイクで話しかけた。
『あっ丹羽くん、梨紗だけど。梨紅のボーイフレンドにお父さんとお母さんが会いたいって、今開けるから入ってきて』
「え、梨紗さん……ちょっちょっと待ってください……そんな…急に………」
梨紗はモニターの中で慌てる大助を横目に玄関に急いだ。
「ちょっと、梨紗ぁ!」
追いかけるように梨紅も走ると玄関を丁度開けるところだった。
がちゃっ
「君が丹羽くんか」
扉を開けると同時に、梨紗が思い切り低くした声で話しかけると
「は、初めまして丹羽大助です」
と、思い切り頭を下げてお辞儀をした大助がいて、梨紗と梨紅は思わず吹き出してしまった。
「えっ…あれ……梨紗さん……梨紅さんも」
頭を上げてキョトンとする大助に、涙を滲ませながら笑う梨紗と必死に笑いをこらえている梨紅が謝った。
「丹羽くんごめんなさい、梨紗の冗談だったの……」
「ごめんね、でも丹羽くんが私の声真似にだまされるほど緊張してるとは思わなかったから」
「…………」
「あの丹羽くん……怒った?」
(あ〜もう、梨紗の馬鹿ぁ!これからデートなのに怒って帰ったらどうするの)
黙ってしまった大助におそるおそる梨紅が話しかけると、大助は大きく息を吐き出して苦笑した。
「梨紅さん、怒ってませんよ。でも、梨紗さんこういう悪戯は止めてくださいね」
涙を拭きながらようやく笑いをおさめた梨紗が謝ってきた。
「ごめんね丹羽くん、昨日から梨紅が一人だけ楽しそうにしてたからチョット意地悪したくなったの」
「なっ、何言うのよ梨紗っ」
「梨紅ったら、昨日から服はどれにしようか、靴はどうだって大変だったんだから」
「梨紗ぁっ」
「じゃ、デートの邪魔しちゃ悪いから私はこの辺で………」
今にも飛びかかりそうな梨紅から逃げるように、梨紗が家に入ると梨紅は気まずそうに大助の方を向いた。
「丹羽くん……本当にごめんね……」
「ううん、気にしてないから。でも、梨紅さんが楽しみにしてくれていたのは嬉しいな」
俯いて謝る梨紅に大助は笑顔で近づくと、手を握ってきた。
「梨紅さん、美術館に行こう」
「うん……」
梨紅は大助の優しさを嬉しく思い、小さく頷くと手を握り返して一緒に歩き始めた。
ふと、家の方に振り返ると窓から寂しそうに見つめる梨紗が一瞬見えた気がした。
(ごめんね……梨紗……)
ダークにあこがれる梨紗の思いにチクリと梨紅の胸は痛んだ。
美術館に着くと、大助は熱心に見て回り、梨紅はパンフレット片手に大助の後ろを付いていった。
作品一点ごとに簡単な説明が描いてあり、また、大助の説明もわかりやすく、絵画や像などに詳しくない梨紅にも
何となく理解できた。
「あ……これ……」
梨紅は、片隅にひっそりと展示してある絵を見ると、思わず声を出した。
それは髪の長い少女の裸婦画で、胸の前で祈るように手を組んで幸せそうに微笑んでいる少女が月光で闇に浮かんで
いるようであった。題名は【月夜の奇跡】と表示されていた。
「なんだか丹羽くんの絵と感じが似ているね」
「うん、あまり有名じゃないけど、この絵が好きなんだ……」
「ふ〜ん。でも、なんかわかる気がする……」
「次行こうか」
「うん」
その後、展示品を一通り見て回るとお昼を少し過ぎていた。
「梨紅さん、そろそろお昼にしようか」
「そうね《ぐ〜…》」
「……………」
「……………」
(恥ずかしい〜。何でこんな時にお腹がなるのよ………)
梨紅は顔を真っ赤にして俯くと、黙っている大助の方をそっと窺った。
大助は横を向いて必死に聞かなかった振りをしていた。そして、しばらくしてから再び「食事に行こう」と声をかけた。
「うん……笑わないでくれてありがとう………」
梨紅は頷くと、小さく感謝の言葉を呟いた。
大助は、優しく微笑むと梨紅の手を握り、出口へと歩き出した。
昼食は天気がいいので外で食べようと、近くのファーストフード店でサンドイッチのセットを買って、美術館横の
公園で食べた。
その後、大助に誘われて公園内をゆっくりと散歩し、屋根付きのベンチを見つけると座って大助の絵の話をした。
「丹羽くんは人物画は描かないの?」
「描いてみたいよ………さっきの【月夜の奇跡】みたいな絵を……」
「ふ〜ん……」
「それに描いてみたい人もいるし………」
「え……」
少し俯きながら話していた大助が、絵を描いている時のような真剣な眼差しで梨紅の顔を見つめてきた。
「……………僕、梨紅さんの絵を、……人物画を描いてみたいんだ」
「…………丹羽くん」
「梨紅さん、僕の絵のモデルになってもらえませんか………」
「え、あ…あの……」
「別に急いで返事をしなくていいから……いつか、梨紅さんを僕に描かせて欲しいんだ」
「………………」
「ごめん……、突然こんな事言って……梨紅さんを困らせるつもりは無かったんだけど……」
「ううん、いいの……でも、私なんか描いても……」
「梨紅さんだから描きたいんだ……、ただ、その事だけは信じてもらいたい……」
「ごめんね、返事はもう少し待って……」
「うん、待ってるから」
そう言うと、大助はいつもの優しい笑顔で笑った。
その後、家まで送ってもらいその日は分かれた。
「モデルか………モデルになったら、絵を描いてる丹羽くんとずっと一緒にいられるかな……?」
梨紅はその日の夜、お風呂の中で今日のことを思い出していた。
(丹羽くんに描いてもらうのは嬉しいけど………)
先日、美術室で自分を感じてもらいたいという思いが、自分の気持ちの中に有ることを知ったばかりだった。
(でも、自分が丹羽くんの心にどう写っているのか知るのも怖い………)
(『僕の【月夜の奇跡】を描きたい……』か……私もあんな風に写っているといいな……)
梨紅は湯船から出ると、壁にある大きな鏡に映る自分を見つめた。
「………そういえば、【月夜の奇跡】って裸婦画よね……ヌードモデル……?」
(丹羽くん、私のことモデルに描きたいって……私のヌードを描きたいってこと?)
鏡に映る自分の裸を見て顔が赤くなっていった。
(裸婦画は芸術なんだからいやらしいこと無いし……でも丹羽くんの前で裸になるのは……)
「もしかして……だから返事を急がなかったとか……そんなこと無いよね……」
梨紅は、お風呂から上がってベットに入っても答えを出せずに夜遅くまで悩んでいた。
では、近いウチに何とか残りをup出来るようにがんばります。
あとエチシーンは修行したんですがあまり上手で無いので過度の期待はしないでください。(汗
あぼーん
113 :
名無しさん@ピンキー :03/05/07 21:32 ID:6GyJJV5o
>>111 頑張って下さい
気長にマターリ待ってますw
あぼーん
115 :
1:03/05/09 16:07 ID:Tusu4i3m
しばらく見てなかった分を見通しますた(w
(;´Д`)ハァハァさせてもらってるのでこれからもマターリとお願いしまつ。
116 :
1:03/05/09 16:08 ID:Tusu4i3m
しばらく見てなかった分を目を通しますた(w
毎度(;´Д`)ハァハァさせてもらってるのでこれからもマターリとお願いしまつ。
あぼーん
あぼーん
ひといないね
漏れは神の降臨を信じて待ってるよ
121 :
山崎 渉:03/05/22 02:36 ID:xrMBzNXC
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
梨紅×梨紗 のレズSSを希望してもよろしいですか?
描いてくれる職人さんがいないからねぇ・・・
ちょっと書いてみた。
大助・梨紅でつ。
ダークの存在消すのと雰囲気作りで10レス近く消費しそう。
エチシーンまだだけど、要望あれば上の10レス張ってから書こうと思いますが
126 :
名無しさん@ピンキー:03/05/25 17:55 ID:1VTrE1vP
>>125 職人さんマンセー
何でも良いからキボンヌ(;´Д`)ハァハァ
127 :
125:03/05/25 18:40 ID:HPa9BOI6
職人じゃないでつ
初作品です。
期待しすぎないでください・・・
128 :
125:03/05/25 18:41 ID:HPa9BOI6
「・・・ん、痛っ・・・」
体が痛む。状況を整理するための思考が中断させられる。
(今は――どうなってるんだっけ?)
必死になって今の状況を分析する。痛みはこの際無視するしかない。
(美術館から、『主無き魔剣』を盗んで、それで・・・)
それで、大助は自分の頭が何か柔らかいものの上にあるということに気づいた。
痛覚以外の感覚が急速に覚醒していくのがわかる。
「――わくん、丹羽君」
聴覚が聞き慣れた声を伝える。そして視覚がその声の主を捉えた。
「梨紅さん・・・っ!?」
「あ、無理しないで」
跳ね起きようとして、体が痛みを訴えたので結局梨紅の太ももに頭を戻すしかなかった。
(・・・え、じゃあこれってもしかして)
「り、梨紅さん。これって、その、膝まく・・・」
最後のほうはほとんど呟くような声だったが、梨紅には聞こえていた。
「だ、だってしょうがないじゃない!丹羽君が倒れてたから、ベンチまで運んできて、それで・・・」
言ってから梨紅は自分がしていることが次第に恥ずかしくなり俯いてしまった。
しかしそれは今の大助の位置からは梨紅の赤面がはっきり見て取れるようになっただけだった。
(うわっ、可愛い・・・!でもこれじゃすぐ変身しちゃうよ――って、あれ?)
変身は、しなかった。
129 :
125:03/05/25 18:41 ID:HPa9BOI6
10分前、美術館から直線距離にして500メートルほどの位置にある公園上空。
『主なき魔剣』を背にダークは帰途についていた。
そして正にそこで魔剣はその能力を発動した。
その能力――魔力を喰らい己の糧としていく――をまともに受けたダークは魔力の大半を喪失した。
「ちぃ、味なまねしやがる!」
油断していた、と言えばそうかもしれない。能力を隠した魔剣に対する封印の術が弱すぎた。
それが原因である。そして今も徐々に魔力は奪われ続けている。
そのまま戦っても勝算はあった。が、
(このままじゃ大助がもつかどうか・・・)
そこでダークはある策を提案した。
「大助、替わるぞ!」
(え。どうしていきなり・・・)
「あいつは魔力に反応してその力を発動するタイプだ。だからお前になれば元通りただの剣に戻る」
(うん、わかった!)
そして次の瞬間、ダークは大助へと入れ替わり、それと同時に魔剣は糸が切れたように地上へと落下して行った。
(それから・・・)
ダークが大助に話しかけてくる。
(懐に入ってる札をあれに貼っとけ・・・。俺の魔力持って行きやがったから、な)
何かその声はひどく弱々しく聞こえている
(・・・もう一つ。今回は疲れたから寝る。しばらく起きねえからな・・・)
「ダーク?」
呼びかけてももう返事は返ってこない。すでに、奪われた魔力を回復するために深い眠りについたのだろう。
だが魔力の喪失は大助の体にも不調を訴える。何とか意識を集中し、漆黒の翼を羽ばたかせ落下の速度を緩める。
(よし、これなら何とかなりそうだ)
そして地表まで10メートルというところで大助は気づいた。
(梨紅さん?!何でこんなところに・・・・・)
一旦乱れた集中力は戻ることなく、ウィズのコントロールがうまくできなくなった大助はそのまま地上へと――。
130 :
125:03/05/25 18:42 ID:HPa9BOI6
(――そうか。だからダーク出てこれないのか)
今まで忘れていた事実をようやく大助は思い出した。
この体の痛みもそれほどひどくない。擦り傷はあるが極度の疲労が痛みを増幅して感じさせていただけだった。
(あ、じゃあこのどきどきは僕だけのもの・・・)
「どうしたの丹羽君?」
「え、いやなんでもないよ」
急に黙り込んだ大助を訝しく思い梨紅は尋ねた。
大助はかぶりを振ったが、自分だけが梨紅と接しているということに一層胸が高鳴った。
「そ、そうだ。梨紅さんは何でこんなところに来たの?」
自分へ向けられる不振を逸らすために大助はそのことを聞いた。
「あー!そうそう聞いてよ丹羽君。梨紗ったらね――」
大助の狙いはうまくいき、梨紅はなぜ今日ここに来たかを話し出した。
131 :
125:03/05/25 18:42 ID:HPa9BOI6
ダークを一目見ようと犯行予告のあった美術館前には大勢の野次馬がいた。
もちろん原田姉妹も――妹に引っ張り出された姉、と言うほうが正しいが――もその場にいた。
犯行予告の9時、ちょうどその時間に梨紗は公園のほうに飛んで行く黒い影が見えたと言った。
その影は確かにダークだった。しかし梨紗以外に見えたと言う人はいなかったため本人も自信がなくなっていた。
「それじゃ私が行って確かめてくるわよ」
「あ、待ってよ梨紅・・・」
止めようとする梨紗の静止も聞かず梨紅はその場を抜け出した。
(阿呆らし。付き合ってらんないわよ、まったく)
公園の方まで歩いて梨紅は美術館のほうを振り返った。
明々とサーチライトで照らされた建物がある。あとは適当に時間をつぶして梨紗と落ち合えばいい、そう思った。
(みんなあんな変態に踊らされて、馬鹿みたい)
世間では大怪盗と称されているダークも梨紅からすればただの変態に成り下がってしまう。
(何であんなやつに、あんなやつに・・・)
反芻しながら、自分の唇にそっと指を触れさせた。
(あれが、本当に丹羽君だったら・・・)
それは心の底から梨紅が望むことだった。
付き合いだして数ヶ月過ぎた今でも大助とは恋人らしい行為は数えるほどしかない。
(そういえば、何であの時おでこにチューだったんだろ・・・)
唇に這わせていた指を今度は自分の額に持っていく。
本当ならあの時口にしてもらいたかった。ダークに汚された部分を大助に上塗りして欲しかった。
(もし、もし今度あんな雰囲気になったら――)
132 :
125:03/05/25 18:42 ID:HPa9BOI6
ばきっ、ぱきっ、――っどさ。
少しはなれたところで木の枝が折れる音、そして何かが落ちる音が聞こえてきた。
この事態に梨紅は不安が募ったが足はそっちに向いていた。
何もないかもしれないし、何か事件が起きたのかもしれない。
(事件――もしかしてダーク?!)
そう思ったときには足を止めようと思った、思って、しかしその前に梨紅は見つけた。
「に、丹羽君!!」
見間違えるはずがない、赤髪の彼。
普段の彼には到底似合いそうもない黒ずくめの服を着ている。
「とにかく、どこかに運ばなきゃ・・・」
気を失っている大助を背に担ぐ。
(う・・・、ちょっと重いかも)
ここが公園ならベンチがある。そこで休ませるのが妥当だとふんだ梨紅はベンチまで移動しようとして、
すぐそばに剣が一振り落ちていることに気づいた。
何でこんなものがここに・・・、と思ったがすぐにピンときた。
今日のダークの標的、『主なき魔剣』のことである。
(じゃあこれ、ダークが落としたの?)
そのまま放置していてもよかったが、それもある意味いろいろまずい気がした。
(あーもう!何でこう面倒ばかりかけるのよ、あの変態!)
133 :
125:03/05/25 18:43 ID:HPa9BOI6
「でも丹羽君も災難だね。ダークにぶつかられるなんて」
「え・・・?」
「あれ、違うの?渡してっきりそう思ったんだけど」
「あ、そうそう!僕ダークにぶつかって、それで気を失ったんだ!」
梨紅の中ではそうなっているらしい、話がこじれる前に同意しておこうと大助は思った。
「それに盗んだ物も落としていくなんて。あいつ絶対泥棒に向いてないよ」
そういうと梨紅は横に顔を向けた。大助もそれを追うように目線を走らせた。
そこにはベンチの背に立て掛けられた剣があった。
(そうだ、札)
大助は懐に手を伸ばし、一枚の札を取り出した。それを剣の柄の部分に貼り付けた。
「丹羽君、それ何?」
「ん、ちょっとしたおまじないかな」
適当なことを言って微笑んでみせる。ひどく疲れきったその笑顔に梨紅はそれ以上の追求はしなかった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
(うぅ、どうしよう・・・)
沈黙の中で大助は自問した。胸の動悸が治まらない。そわそわと目線を泳がせる。
動かす目線が梨紅と交差した。
『あ・・・・・・』
同時に声を上げ、そして梨紅が先に視線を逸らした。
134 :
125:03/05/25 18:43 ID:HPa9BOI6
(うわ〜〜、何やってるの私ったら)
周囲には美術館に人が集中しているため誰もいない。二人っきり。静か。いい雰囲気。
恋人にとっては絶好のシチュエーションである。
しかしこういった雰囲気になれていない二人はお互いに沈黙を続けていた。
(とにかく何か話さなくちゃ)
さっき大助から逸らした視線の先、そこにはダークが落としていった(と思い込んでいる)盗品があった。
「で、でもダークってこんなもの盗んで何する気だったんだろうね」
手を剣に伸ばしもう少しで触れるというところで、
「だ、ダメっ!」
「え・・・?」
ここに剣があるということは梨紅が持ってきたということだ。それについさっき力を封じる札も貼った。
安心していいはずだったが、梨紅がそれに触れようとしたときとっさに体が動いた。
まだそれほど自由にできる状態でない体は梨紅を押し倒すかたちで剣に触れることを防いだ。
135 :
125:03/05/25 18:44 ID:HPa9BOI6
「・・・・・・丹羽君・・・」
「あ・・・、ごめん梨紅さん。大丈夫?」
「うん、平気・・・」
大助は体を起こそうとした、がしなかった。
もし体を離せば、もうこうやって触れ合うことが二度と来ない気がしたからだ。
先日の修学旅行の日、ダークが正体を明かそうとした暴走をまたしないとも限らない。
そうなれば、もう梨紅との幸せな日々が送れない、そうおもったからだ。
(でも、どうすれば・・・・・・)
周囲には美術館に人が集中しているため誰もいない。二人っきり。静か。いい雰囲気。
そして何よりダークが出てこない。
大助と梨紅、二人にとっては絶好のシチュエーションである。
だが、こんな状況に対処できるほど大助は場数を踏んでいない。
本能のおもむくまま?もしそうやって梨紅に嫌われたらどうする。
ひどいジレンマが大助を襲う。もうどうしようもないのか・・・・・・。
「・・・丹羽君・・・・・・!」
136 :
125:03/05/25 18:44 ID:HPa9BOI6
体を離そうとした大助は不意にかかった力になすすべなく流された。
流された先、そこは梨紅の体だった。
「!!?り、梨紅さん」
急なことに声が裏返る。二人の体が密着し、梨紅の顔が大助の顔の真横に来る。
「な、何を・・・」
顔を少しだけ浮かし何とか梨紅の顔を捉える位置に持ってきた。そして次の瞬間、
「――――!?」
喋りかけた大助の口を梨紅の口が塞いだ。突然のことに理解ができない大助。
二人の唇が繋がったのはほんの数秒に満たないことだった。
「・・・・・・梨紅さん」
離れた口から大助が声を漏らす。梨紅は大助を見つめている。その目には涙がうっすらたまっている。
「丹羽君、私ね、不安だったんだよ・・・。すごく、ほんとにすごく・・・」
「・・・・・・」
「丹羽君、こういう雰囲気になるの、無理に避けてるみたいな気がしてたから・・・」
「・・・・・・」
「だからさ・・・、だから・・・・・・」
梨紅は目を逸らした。その目からは涙が一筋こぼれ落ちた。
「・・・梨紅さん。僕も・・・不安、だったんだ」
「丹羽く――」
そして次は大助のほうから梨紅の口を塞いだ。
お互いを求めるよう、さっきよりも長い時間をかけたキスだった。
唇を離すとお互い顔を真っ赤にして微笑んだ。
「ねえ、丹羽君。・・・続きは向こうのほうでして・・・」
137 :
125:03/05/25 18:45 ID:HPa9BOI6
ここまで書いてました。エチシーンまだです。
スレ汚しスマソ
>125
初作品でココまで書けるとはイイ!ですね〜
私など初作品を思い出すと冷や汗が出てしまいます
これからもがんばってください。
139 :
125:03/05/25 23:11 ID:+hvn99YL
>>138 ありがとうございます。そう言ってもらえると励みになります。
えちしーん作成中。期待せず待っててください。
140 :
125:03/05/26 00:02 ID:+zchv5FH
まだ途中ですが、そこまで貼りますので意見をいただければ幸いです。
>>136 公園の茂みのほうへと二人は場所を移した。
さっきまで体を動かすのが辛かった大助だったが今は動ける程度になっている。
「丹羽君、先に座って」
言われるままにその場に腰を下ろす。そして大助の上に座るように陸も腰を下ろす。
大助の目の前には梨紅の豊かな二つの膨らみがある。
「り、梨紅さん?!いきなりこんなかっこで・・・」
「だって、丹羽君辛そうだったから、下のほうがいいかなって・・・」
最後は消え入るような声だった。そして沈黙が続くかと思われたが、
「えっと、それじゃあ・・・」
言いながら大助は梨紅の左の胸へと触れた。
「!っん・・・」
声を漏らしながらも梨紅はその行為を受け入れた。
「こうすると気持ち、いいのかな?」
「うん・・・。でも、服の上からじゃちょっと・・・」
「じゃあ、服、とってもいい?」
「う、うん」
返事を聞くと大助は梨紅の着ていた上着を捲り上げ、そしてその下のスポーツブラも同じく捲り上げた。
梨紅の双房を初めて大助はその目で捉えた。
そして、それまでまったく反応しなかった大助の下半身は急激にいきり立った。
勃起した大助の肉棒は上に座っていた梨紅の秘裂をズボン越しに圧迫した。
141 :
125:03/05/26 00:04 ID:+zchv5FH
「ねえ、ど、どうしたら気持ちよくなるのかな?」
「そ、そうだね・・・。とりあえず触ってみて」
促されるまま梨紅の細い指が大助の陰茎へと絡みつく。
「ん、ああっ・・・!」
「ご、ごめん丹羽君!痛かった?」
「違うよ!すごく・・・気持ちいいです・・・」
「本当?」
梨紅はそのまま絡ませた指を上下に動かし始めた。
「うぁ・・・、はぁ、はぁ・・・・・・んんっ」
それに呼応するように大助も強く乳首に吸い付き、激しく胸を揉みだした。
二人の荒い息遣いだけが、夜の静寂に包まれた公園に響いている――。
142 :
125:03/05/26 00:05 ID:+zchv5FH
本当は140と141の間にもう一つあったのですが不手際で消してしまいました。
ホント初心者で申し訳ないです・・・。
140.5補完キボンヌ
漏れもキボンしたいでつ。ハァハァ
145 :
125:03/05/26 19:52 ID:Ik7xOyH/
>>143-144 ごめん、ほんと自分でもどう書いたか忘れてしまって・・・。
今日中に本番貼る(予定)のでそれで許してください。
146 :
125:03/05/27 01:24 ID:U69NLDKM
一日過ぎちゃいました。すんません。
でも誰もレスしてないね。みんな期待してないのね・・・。
でもできたから貼っときます。
147 :
125:03/05/27 01:25 ID:U69NLDKM
>>141 「・・・私のと同じように、舐めたら気持ちよくなる?」
大助の陰茎、そして睾丸に指を這わせながら梨紅は問いかけた。
「うん、きっと・・・とってもいいと思うよ」
梨紅の胸を舐めるのをやめて大助は言った。
大助の上から移動し、四つん這いになり顔を肉棒に近づける梨紅。
目の前のそれを右手で握る。
「あ、あんまり強く握らないで」
「う、・・・ごめん」
我知らず力が入り過ぎていたようである。幾分力を抜き、そしてさらに顔を近づけていく。
甘ったるい吐息が大助の亀頭をくすぐる。梨紅は口を少し開いた。
その舌が大助の裏筋から尿道にかけてチロッ、と触れた。
148 :
125:03/05/27 01:26 ID:U69NLDKM
ビクッ
痙攣したように大助は体を反らす。今までより数倍の刺激が体を駆け巡る。
その様子に気づかず必死に梨紅は亀頭の先端に舌を走らせる。
「先の方だけじゃなくて、もっと・・・」
「ん・・・」
それだけで理解した梨紅は舌を亀頭全体へと滑らせる。
広い範囲に与えられる刺激は快楽となり大助の脳を麻痺させる。
「う・・・、あ、あぁ梨紅さん・・・!」
大助は梨紅の頭を両手で挟み込み、僅かに腰を突き出した。
「んあ・・・、んぷぅ」
ほんの少し抵抗の色を示したが、梨紅は大助の亀頭の口内への進入を許した。
入ってきたモノに今までより速く、激しく舌を絡ませる。
「すごく、・・・いいよ」
荒い息遣いで大助は応えた。梨紅の懸命な舌使いに大助は限界を迎えつつあった。
が、しばらくして舌の動きが止まった。慣れない動きに舌が疲れ切っていた。
「んー・・・」
口に含んだまま、上目遣いに梨紅は大助のほうに目をやった。
「もういいよ。僕、十分気持ちよくなったから」
梨紅の口から自分のモノを引き抜く。つー、と粘着性のある液が糸を引いた。
「次は、どうすればいいの?」
「立って、梨紅さん」
言われたままに立ち上がる。
「次は僕が気持ちよくする番だよ」
そう言うと大助は梨紅のズボンへ手を掛け、ゆっくりと下ろした。
「やだ、・・・恥ずかしい」
顔を赤くして呟く梨紅。しかしそれはさらに大助を興奮させた。
おお、ひっさしぶりに来たら新たな新人さんがっ!
がむばってくだしゃい。
150 :
125:03/05/27 01:26 ID:U69NLDKM
梨紅のパンツを、今度はズボンのときより時間をかけて下ろす。
無毛の秘部が曝け出された。
大助の視線がそこに釘付けになる。興奮がさらに増し、ペニスがより硬くそそり立った。
「梨紅さんは、どうやったら気持ちよくなるの?」
「そこ・・・触って」
大助は梨紅の淡い桜色の縦筋に沿って右手の中指を這わせた。
「ひっ!あぁ・・・」
声を上げ梨紅は上体を倒し大助に寄りかかった。
一度滑らせただけで、大助の指は梨紅の中から溢れ出した愛液でねっとりとなった。
さらに数度、大助は指を動かし秘裂を擦りつけた。
「あぁ・・・、はぁ、はぁ・・・」
耳元で梨紅が淫猥な声を漏らす。
「梨紅さん、どう?」
「んん・・・、にあく・・・はぁあ・・・!」
愛液がさらに溢れる。大助の指を、手を伝い糸を引き地面へ落ちる。
「僕、もう我慢できないよ・・・」
欲望のままにその言葉を口にする。
「私も・・・。お願い、早くして」
151 :
125:03/05/27 01:27 ID:U69NLDKM
足にかかっていたズボンとパンツを脱ぎ終えると、梨紅は上着だけを着た姿で腰を下ろした。
その正面に大助は移動した。ちょうど対面座位のようなポーズである。
すでにびしょ濡れの割れ目にもう一度指を伸ばす。
再び艶のある声を出す梨紅。しかし今度の愛撫は梨紅を悦ばせるためではない。
自分のペニスを入れる秘所を探るためである。
2、3度梨紅をなぞる。そして――、
つぷっ
指の第一関節までがある所で滑り込むように入っていった。
「痛っ・・・!」
「あ・・・・・・」
大助の細い指の侵入を拒むかのように、梨紅の膣壁はきつく締め付けてきた。
「本当に、してもいいの?」
指でさえこんなにきついのに、果たして大助のペニスが受け付けられるかどうか、それが気にかかった。
「平気。私、平気だから・・・。丹羽君が心配しなくてもいいんだよ・・・」
目にうっすら涙を浮かべながら、それでも梨紅はそう言った。
聞くだけ無粋だった。大助もわかっていた、この機を逃すことはできないと。
指を引き抜き、陸の腰に手を回す。指を抜いたところに亀頭をあてがった。
梨紅は腕を大助の首にかけ、目を閉じ、歯を食いしばっていた。
「それじゃ、いくよ」
告げて、ゆっくりと腰を突き出した。
152 :
125:03/05/27 01:27 ID:U69NLDKM
ずぶっ、ずぶっ、っと少しずつ大助の亀頭が梨紅の膣へと没入していく。
頭の半分ほどが埋まったあたりで進入が止まった。
梨紅が苦痛に顔を歪めている。大助は一瞬引き抜こうとして、そして思いとどまった。
「大丈夫?」
「うん、うん・・・大丈夫。だから、止めないで」
「・・・わかったよ」
言葉を交わし終えると、再度腰を動かそうとする。
しかし拒まれた進入はなかなか受け入れられない。
「くぅ・・・!」
力を込め、一気に突き出す。すると、
ずずずぶっ
ぎゅうぎゅうの肉壁を突き破るように大助の肉棒が飲み込まれていく。
同時に梨紅が一際甲高い声を上げた。
153 :
125:03/05/27 01:28 ID:U69NLDKM
途中でまた突っかかろうとしたが、勢いに任せて貫いていった。
「んん――はぁあ・・・」
根元まで挿入するとそこで梨紅はようやく声を漏らした。そこで一旦動きが止まった。
首に巻かれた腕は大助にしがみつくように強く力が入っていた。
痛みのためか、梨紅は体を震わせている。
しばらくその体勢のままでいたが、やがて、
「――動くよ」
そう言うと大助は奥まで挿入したペニスを引き始めた。
引き抜こうとすると、さっきは進入を拒んでいたのに、今度は出て行くのを拒むかのように
大助のペニスを咥えこんだまま放そうとしなかった。
引こうとすればするほど肉壁が絡みつくように快楽の波を与えてくる。
梨紅のフェラチオで経験した射精感が再び大助を襲ってきた。
ペニスを雁首の辺りまで引き抜いた。そして同じようにまた膣内へと挿入していく。
大量の愛液が溢れ、一度貫通した梨紅の膣は、それでもなおきつく大助を攻め立てる。
刺激の中で、大助は何度も腰を動かした。そのペースは一回ごとに少しずつ速くなっている。
「んあっ、あっ、あっ、あっ――」
合わせるように梨紅もリズムよく声を上げる。
自分の限界がもう我慢できないと悟った大助はそのことを告げようとした。
「あぁ、っもうだめ!わ、わた・・・いっちゃぅ――」
が、先に限界を告げてきたのは痛みしか感じていないと思っていた梨紅のほうだった。
154 :
125:03/05/27 01:28 ID:U69NLDKM
大助は自分の射精を防ぐため動きを止めた。
そしてそのまま梨紅を地面へと寝かせ、せい上位のポーズへと移行した。
「僕も、もういきそうだよ・・・」
「本当・・・?」
「うん。だから一緒に・・・」
言葉の途中で大助は腰の動きを再開させた。
そのペースは少しの休憩を取ったためか、少し上がっている。
梨紅の膣内もまだきついが幾分動きやすくなってきている。
雁まで引き抜き、一気に貫く。大きな動作で挿入を繰り返す。
くちゅくちゅと、さっきまで聞こえなかった卑猥な音が響く。
時折漏れる梨紅の喘ぎ、最初のほうとは違い苦痛の中に悦びの感情が混ざっている。
「はぁっ、あぁ、い・・・きそ」
その声を聞いた大助はさらにペースを上げた。大きかった動作は次第に小刻みになっていく。
狩まで引き抜くことはせず、奥に入れたペニスを少し引き抜き、そして奥に。
「い、いい・・・!それ・・・んああぁ!」
奥を重点的に攻められ、梨紅は嬌声を上げた。
大助自身も、ペニスに与えられる快感に爆発寸前だった。
「くぅ・・・、り、梨紅さん・・・!」
「に、丹羽く・・・あぁっぁ!」
先に梨紅が絶頂を向かえ、背を反らし、膣全体が収縮し、多量の体液が分泌された。
同時に大助も、ペニスを全方向から握りつぶされるほどの肉壁の衝撃から与えられた快感に、
2度絶頂を耐えたモノは白濁液を梨紅の中へとぶちまけた。
射精感は引くことなく、何度も何度も多量に精液を噴き出した。
155 :
125:03/05/27 01:28 ID:U69NLDKM
しばらくそのままで二人は抱き合っていた。
どれほどか時間が過ぎ、大助はすっかり萎えきった自分のモノを梨紅の膣から引き抜いた。
引き抜いたあと、膣口からは二人の交わった多量の体液がとろっ、と流れた。
薄くピンク色がかった液体はとめどなくそこから溢れ出した。
「――しちゃった、ね」
「――うん」
「初めてだったけど、どうだった?気持ちよかった?」
「んー、よく覚えてない。・・・けど、嬉しかった、かな」
156 :
125:03/05/27 01:29 ID:U69NLDKM
「あ、ねぇ丹羽君、今何時かわかる?」
「え、っと・・・9時55分だよ」
「えー、もうそんな時間だったの?!梨紗のやつもう帰ったかもしれないなー」
「じゃあ家まで送って行こうか?」
「ん、いいよいいよ。気にしないで。」
「でも――」
「へーきだって!もぉ、丹羽君って心配性なんだから」
そう言うと梨紅は大助に背を向けて走り出した。
「じゃあね、丹羽君。また明日」
「うん、それじゃ」
言って大助は走る陸の背を見届けた、と、
「・・・・・・丹羽君」
梨紅がその足を止め大助のほうに向き直った。
「何?」
「えと、あのその・・・」
言い辛そうにもじもじと下を向き赤くなる梨紅。それを見た大助は、
「また、いつかしようね!」
力を込めてそう言った。梨紅が顔を上げ、一瞬真っ赤に顔を染めたがすぐに、
「うん!」
そう返事をして、彼女は再び走り出した。
(またいつか、その日が来るかわからない。けど――)
157 :
125:03/05/27 01:29 ID:U69NLDKM
おまけ
「でも何か忘れてるような・・・って、あー!魔剣!」
大助は初めにいたベンチに立て掛けてあった魔剣を取りに行った。
「ふぅ、今日のターゲットのこと忘れてるなんて、僕もまだまだだな」
一人呟くと大助はそれを背に帰路へ着いた。
「くきゅうぅぅーーーーー」
大助の落下地点。そこにある一本の木の枝にその生き物はいた。
紅い目に長くたれた大きな耳、およそ地球上のどの生物にも似ていない。
強いてあげるならぬいぐるみのようなそれである。
「くきゅぅぅぅぅ・・・」
結局大助がその忘れ物に気づいたのは翌朝のことだった。
終
158 :
125:03/05/27 01:31 ID:tNPNbKiA
>>149さん
がんばりました・・・
ちなみに初作品です。稚拙ですがどうぞ読んでやってください
159 :
149:03/05/27 01:32 ID:9XG3DlpX
うう、職人さんごめんよ・・・なんかちょうどSS投下に割り込んでしまったよ・・・
逝ってくるYO・・・
160 :
名無しさん@ピンキー:03/05/27 01:36 ID:U/n3i7+Y
新たな職人さんが・・・嬉しい限りですなw
あぼーん
あぼーん
163 :
125:03/05/27 10:53 ID:U69NLDKM
一つ書き上がりました。
といってもえっちなしです。
ただダークが大助のえっち中に出ないようにするためと、
>>122さんが希望した梨紅・梨紗につなげるための話です。
でもここあんまり人いなくなりましたね。もう需要ないですか?
何か書いてる自分が虚しくなってきますた・・・
164 :
125:03/05/27 14:09 ID:/KXGBJiV
(――あぁ、これじゃ私って挙動不審みたいじゃない・・・)
商店街のはずれの書店、その店内に今数名の客がいる。
その一人、原田梨紅はある本棚の前を何度も往復していた。
彼女の手の中には数冊の本がある。
スポーツ・正しいトレーニング、
誰でもできる創作料理、
そしてこの街の週間情報誌である。
この中にもう一冊本を加えようとしているのだが、なかなか手が出せないでいた。
棚の前を通るとき横目で少し確認していて気づいたが、その本の横にあった本は
抜き取られているらしく、すっと取りやすくなっている。
呼吸を整える。周囲に気を配る。その棚に誰も近づいていないのを確認し、
(よし・・・・・・!)
意を決し早足でその本の前まで来ると左手を伸ばした。
えっちに関する百のテクニック〜女性編〜、
その本を手にし、持っていた本の間に挟んだ。
一気にレジへ駆け、
『清算お願い――え?』
同時に横から聞こえてきた声に心臓が止まるほどの驚きを覚えた。
165 :
125:03/05/27 14:10 ID:/KXGBJiV
梨紅がこの店を選んだのは、店番が高齢のおじいさんであったからだ。
何を買っても咎められない、ということが彼女にはわかっていた。
実際その店で年不相応の本を買ったというクラスメートも何人かいると聞いた。
はずれのほうにあるので、誰にも会わないで買うことができると思っていた。
「丹羽君?!ど、どうしてここに」
よりによって一番会いたくない人物、少なくとも今は会いたくなかった彼がここにいた。
「ぼ、僕は、えっとこれ、画材と、あと本買いに来たんだ」
大助の手の中には確かに絵の具や筆,その下に本が2,3冊見えた。
「梨紅さん、先に清算済ませていいよ。待ってるから」
言われて梨紅は顔を上げ、
「あ、あー!私まだ欲しい本あったんだ。丹羽君から先にいいよ。外で待ってて」
行って梨紅は一目散に店の奥へと消えていった。
(まずいまずい。清算の時に本見えちゃうかもしれないじゃない・・・)
こんな本を買っていることを知られるのがとても恥ずかしかった。
大助が清算を終え、外に出たのを確認してから梨紅も急いで後を追った。
帰りは二人で他愛もない話をした。
先日の一件には触れることなく、楽しいときは過ぎていく。
「じゃあまた明日、学校で」
「うん、気をつけてね」
手を振り、梨紅の背を見送った大助は家まで走って帰った。
166 :
125:03/05/27 14:10 ID:/KXGBJiV
「ただいま!」
「あら、お帰り大ちゃん。遅かった――」
キッチンから聞こえる笑子の声を無視するように大助は部屋まで駆け上がる。
部屋に着くとかばんを放り出し、今しがた買ってきたものが入った包みを開けた。
「ふぅ、いくらなんでもこんなもの買ったってばれたら終わりだったよ」
「きゅぅ?」
独り言に反応したウィズには気を留めず、中から一冊の本を取り出す。
えっちに関する百のテクニック〜男性編〜、
それを手にし、いつもならダークから冷やかしの声が聞こえるはずだ。
だが今はそれがない。
昨日、ダークが出てこなくなったことを大樹と笑子に告げた。
どうやら想像以上に魔力の消費は激しく、しばらく出て来れなくなったということだ。
しかしいつ出てくるかわからない。今日かもしれないし、明日、明後日かもしれない。
(とにかく、冷やかしが入らないうちにいろいろ勉強しないと・・・)
そして大助はその本を読み始めた。
167 :
125:03/05/27 14:10 ID:/KXGBJiV
(へぇー、こんなことして・・・うわ、こんなこと丹羽君とするんだ・・・)
読み始めてしばらくたつと、梨紅は前回大助とやったことがまだ全然幼稚なものだったと気づいた。
本の中には詳細に奉仕の仕方や、悦ばせる触り方などが書いてあった。
「うむむむむぅ・・・」
声を出して唸る梨紅。
「りーくー」
ノックと同時、部屋の扉が空けられた。机に座っていた彼女は跳ねるように立ち上がると、
「り、りりりりりり梨紗!何か用?!」
(しまった――!)
動揺が声に現れている。何か感づかれるかもしれない、と不安になった。
(大丈夫、本は机の棚にタイトルが見えないように押し込んでるし。でも・・・)
しかし梨紅の不安をよそに梨紗は笑顔で近づいてくる。
「ねー梨紅ー、数学の宿題み・せ・て」
(それが目的かい!)
胸中で毒づく、と同時に安堵が広がる。しかし長く部屋に居座られるのは都合が悪い。
「ごめーんまだ終わってないの終わったら部屋に持ってくからそれまで待っててじゃあね」
捲くし立て梨紅の背を戸口まで押していく。
「ちょ、ちょっと梨紅ー?」
「それじゃあね」
バタン、と戸を閉め梨紗を追い出した。
「っっふうぅー」
思わず大きな息が漏れる。
「っと、続き続き」
梨紅は椅子に腰掛け、再び本を開いた。
168 :
125:03/05/27 14:11 ID:/KXGBJiV
「ふぅ」
一通り読み終え、大助は息をついた。
目を閉じ天を仰ぐ。
よし、もう一回だ。と、気を取り直してまた最初から読み始めようとした。
(へぇー、今はそうやるのがいいのか)
突然頭の中に聞きなれた声が響いた。
「ダ、ダーク!?」
(お前、おれがいない間になんかしやがったな?)
「な、何も・・・」
(隠し事しても無駄だぜ、正直に話したほうがお互いのためだと思うがな)
「う・・・」
(――なるほど。おれがいない間にとうとうやっちまったか)
「・・・ごめん」
(でも残念だったな。俺が目ぇ覚ましたからにはもう二人っきりでできねぇだろ)
へへへ、とダークは意地悪く笑った。
「・・・・・・」
大助もそれは覚悟していた。しかし実際そのときが訪れると自分が思っていた以上に気が滅入った。
「はあぁーー」
大きなため息を漏らした後、しばし沈黙が流れた。
(なぁ、やってる間俺は寝ててもいいんだぜ?)
思いがけず、ダークはそんな提案をしてきた。
「ほ、本当?!」
大助はその提案にすぐさま食いついた。
(ああ、本当だとも。た・だ・しだ)
「何か条件つける気だろ、ダーク」
(へへっ、察しがいいな。条件ってのはだな――)
「ってのは・・・?」
(――梨紗を抱かせろ)
169 :
125:03/05/27 14:13 ID:/KXGBJiV
あぁ、まただらだらと話を進めてしまった・・・。
次のはえっちぃシーンあるのでお待ちください。
>125
少なくとも書き手以外に4人以上いるですよ。(他スレの寂れ具合に比べればまだ……)
毎日はチェック出来ないので返事や感想が遅くなっていますが、楽しみに待ってまつので
がんばってください。
俺個人としては例えエロパロ板であろうとも『物語』として
一応、形になっているものが読みたい人なのでエロなしの前振り文章
があるのには賛成派。
ということで125気にせずガンバ。
>125さん、お疲れです。
進行遅いかもしれないけど、こんなに良い作品があるスレは中々ないです。
本末転倒かもしれませんが、エロじゃないシーンも結構楽しんでるので、
まったりとやって下さい。
173 :
名無しさん@ピンキー:03/05/27 22:15 ID:KmytMc3k
>>125さん、お疲れ様です。
エロじゃないシーンも物語りの一部として楽しんでいますので
マターリ頑張ってください。
>>125 漏れも楽しませてもらってます。
ハァハァ
175 :
125:03/05/27 23:08 ID:/KXGBJiV
>>170-174 励ましてくれてありがとん。・゚・(´Д⊂ヽ・゚・
これからもっと精進します。
でも忙しくなるかもしれないので作品うpするのは遅くなるやも知れません。
了承ください。
僕の作品に関してですが、
>>128-136、
>>140-141、
>>147-148、
>>150-157、
>>164-168の流れが本筋です。
これはずっと一続きの話にしていこうと思ってるので前振り長くなります。
で、そればかりだとハァハァできないかも、と思ったので番外編用意しました。
これは原作無視です。情緒も無視してやります、いきなり。
番外編一作目出来たので貼ります。
176 :
125:03/05/27 23:09 ID:/KXGBJiV
その日は体育の授業があった。
男子は外でサッカー、女子は体育館で跳び箱をすることになっていた。
「――はい、次!」
体育教師の掛け声とともに原田梨紗は駆け出した。
梨紗は、もうすぐ初夏だというのに下にはジャージを穿いていた。
そして、ロイター板に両足を着き踏み切ろうとした直前、そこで彼女は腰を落とした。
「ふぅ・・・梨紗さん。いくら運動が苦手だからって、踏み切りもできないわけじゃないでしょ?」
呆れたように告げた教師の言葉に何人かの女子生徒がくすくすと声を漏らす。
「ん?梨紗さん、ちょっと顔色悪いわね」
そこで、ようやく梨紗の状態に彼女は気づいた。
うっすらと汗をかき、呼吸を少し乱している。
「いえ・・・平気です・・・」
応える声にも力がこもっていない。
「そう言って無理してもらっちゃ困るの。向こうで梨紅さんと一緒に休んでなさい」
その日、原田梨紅は生理のため運動を控えていた。
体育は見学届を出した。体操服に着替えてはいるが体育館の隅に腰を下ろしていた。
そして、その手の中に小型のリモコンが握られていた。
梨紗が腰を落とす直前に陸はそのリモコンのスイッチを入れていた。
177 :
125:03/05/27 23:10 ID:/KXGBJiV
梨紗が梨紅の方へ来た。
「お願い、梨紅。もうこれとって・・・」
哀願するように見つめてくる梨紗を梨紅は冷ややかに睨み返す。
スイッチを『弱』と書かれた位置へ押す。
「ひゃあ、あ・・・!」
梨紗は腰を落とそうとするが、手を膝につき何とか耐える。
よく耳を澄まさないと聞こえないが、梨紗のジャージの中からは、
ヴゥゥーーーーッッ・・・、というモーター音が鳴っている。
スイッチを『切』へと戻すとその音は止んだ。
今、梨紗の膣の入り口に近い部分にはローターが挿入されていた。
「梨紗ー、あんた跳び箱できないんだー?」
「そ、そんな・・・!こんなの入れられて――!」
三度梨紅はそのスイッチを入れた。
「んあぁ・・・!」
「口ごたえはしないの」
「・・・は、はい」
「あ、いいこと思いついた。私が跳び箱の指導したげるよ」
「え・・・」
梨紅は教師のほうへゆっくりと駆けて行き、数度言葉を交わすと戻ってきた。
「私が教えても構わないって。一番端の跳び箱使わせてもらえるから、こっちまで持ってこよ」
178 :
125:03/05/27 23:10 ID:/KXGBJiV
「さ、まずはジャージ脱いで」
「だ、ダメだよ!脱いだらばれちゃう・・・」
「こーんなに離れてるんだから大丈夫だって」
事実、原田姉妹と他生徒の距離は20メートル近く離れていた。
「ほら、さっさと脱いだ脱いだ」
梨紅が急かすと梨紗は素直に脱いだ。拒めば後でさらにひどい仕打ちをされるのがわかっていたからだ。
梨紗のハーフパンツ、そして内腿はぐっしょりと濡れている。
「うっわー、やっぱ梨紗って淫乱ー」
「う、うぅ・・・」
下唇を噛み締め、目に涙をため辱めの言葉を受ける。
「じゃあまず飛ぶときのフォーム見るから、跳び箱の上に乗って」
言われるまま、梨紗は跳び箱の上にまたがった。
梨紅はその格好を嘗め回すように眺め、
「んー、手はもうちょっと前。それから腰は――」
梨紗の手を跳び箱の前方に置かせ、そして左手で腰の辺りをさすり、そして
「――ッッ!?ちょ、梨紅!」
左手の中指で、梨紅は梨紗のアナルを愛撫しだした。
「声出すとまずいのはあんたよ」
突き放したような言い方に梨紗は畏怖の念を抱き閉口した。
それを確認した梨紅は右手で梨紗の太腿をさすりだした。
「んん・・・」
そのまま右手をショートパンツの中へ滑らせる。
梨紗のパンツはぐしょぐしょに濡れたただの布切れである。
179 :
125:03/05/27 23:12 ID:/KXGBJiV
パンツをずらすと、一本のコードが梨紗の膣内へと続いている。
そのコードを引くとすぐにピンク色のローターが顔を出した。
そのまま梨紅は梨紗のクリトリスを摘み上げた。
「――――!!!」
敏感な部分を刺激された梨紗は涎を口から垂れ流しながら叫びたい衝動に耐えていた。
クリトリスを親指と人差し指で擦っていると、ローターの周りから梨紗の体液が染み出してきた。
跳び箱は、梨紗の座っている場所を中心にして大きな一つのシミを形成している。
アナルを愛撫していた左手を離すと、ポケットに入れておいたリモコンを取り出した。
「梨紗、どのくらいでいこうか?」
いやいや、と梨紗は首を振った。
「そ。じゃ『中』ね」
梨紅はローターを一気に膣深部へと押し込みスイッチを入れた。
「ひぎいぃぃ!!!」
我慢していた声がとうとう漏れた。誰かに聞かれたかもしれない。
しかし今は膣を、いや子宮を破壊してしまうのではないかという刺激のことしか頭にない。
「痛っ、奥は・・・奥は痛いよ梨紅」
「そういえば梨紗って入り口のあたり攻められるのが好きだったんだよね」
そう言って梨紅はコードを少し引っ張り、そしてまた奥へと押し込んでいった。
180 :
125:03/05/27 23:12 ID:/KXGBJiV
「ねえ梨紗、お願いしてみなよー」
引っ張り、そして押し込む動作を繰り返しながら梨紅は告げた。
「『私は入り口攻められるのが好きなマゾ雌犬です』って言ってみなよー」
その意地悪い笑顔は梨紗を虐めていることを本気で楽しんでいるようだ。
「あ・・・、ああ、あ・・・」
「そしたら入り口でいかせてあげるからさー」
「わ・・・たし、は」
「もっとしっかり」
奥に突き当たっているローターをさらに強く押し付ける。それは子宮口へ更なる刺激を与えた。
「あああああたしぃはぁ、いじめられるのがぁぁ、――ひゃぁぁあ!!」
もう、これ以上はまともに声は出せないと梨紅は判断した。
「うんうん、もういいよ。それじゃいかせてあげる」
ローターを一気に引っ張った。再び膣口にピンクの物体が顔を出す。
さっきと違うのはそれが小刻みに振動しているだけだ。
梨紅はその震える物体を摘むと、ぐりぐりと動かした。
梨紗は口を開き更に涎を垂らし、しかしその口からはもう声は聞き取れない。
「ほら、もういっちゃいな――」
梨紅は左手にしたスイッチの目盛を『強』へと押し込んだ。
「!!がっ――――」
ローターが激しさを増した瞬間、その挿入部から透明の液体がぷっ、ぷっ、と噴き出し梨紅の手にかかった。
その液体の噴出はなかなか収まらず、跳び箱の上にいくつものシミを作り上げた。
梨紗の状態が跳び箱に倒れこむと、その衝撃でローターがぽろっと抜け落ちた。
ローターが抜け落ちたその穴からはさっきとはちがう白濁の液がつぅっと一筋伝い落ちた。
181 :
125:03/05/27 23:12 ID:/KXGBJiV
「梨紅さんもいきなりやりすぎだよ」
「ははっ、・・・ごめん」
放課後、大助と梨紅は一緒に下校していた。
「だって、あの娘思ったよりすごい反応するんだもん。つい虐めすぎちゃって・・・」
「でも梨紅さんがそう思うのもしょうがないよ。だって原田さん、本当に変態なんだもん」
「丹羽君もよくあそこまで調教したよねー。感心しちゃうよ」
「すっごく苦労したよ。最初の頃はよく暴れてさ――梨紅さん?」
彼女は顔を下に向けている。その目は何かを訴えたいようにも見えた。
「・・・丹羽君はさ、いつも梨紗にあんなことしてるの?」
あんなこと、とは今日梨紅がしたような行為である。
「うん、そうだけど・・・」
「それってさ、私には向けててない感情を梨紗に向けてるってことでしょ?」
「うーん、そうなるかなぁ・・・」
「・・・あの娘が、丹羽君の中で特別な存在ってこと?」
「そう、だね。うん、特別かな」
そこで梨紅は大助の正面に回りこんだ。
「私じゃ、私じゃあ・・・丹羽君の特別になれないの?!」
悲壮な表情で大助に訴える梨紅。うっすらと涙も浮かんでいる。
大助はそんな梨紅に近づき、肩を抱きそっと口づけた。
悲壮だった表情は一瞬驚きに染まり、そして安堵の表情へと変わった。
口を離し、彼は告げた。
「違うよ、梨紅さん。だって――」
そしてとびきりの笑顔で続ける。
「あんな傷つけるようなまね、梨紅さんにはできないよ」
終
182 :
山崎 渉:03/05/28 13:15 ID:3MGJJ1xD
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
183 :
名無しさん@ピンキー:03/05/29 01:20 ID:NsIaCFW5
保守age
鬼畜な丹羽クン…
ハァハァ
185 :
125:03/06/03 00:47 ID:TnQa+GNt
>>168 いきなり言われて梨紅は風呂の湯を盛大にぶちまけた。
「うわっ、もう・・・いきなりなによぉ?」
「い、い、いきなりはあんたでしょーが!?」
「だからって、そんなに驚くことないじゃない」
「んぐぅ・・・」
そうだ、ここで変に慌ててしまうと返って梨紗に怪しまれるじゃないか。
そう、ここはいつものように平静に平静に・・・。
「ちょーっと胸も大きくなったんじゃないの?それ!」
梨紗が梨紅の背後から胸を掴んできた。
「んあ・・・!ちょ、やめてよ!」
梨紅は梨紗を引き離すとそのまま湯船を出た。
「先に上がるからね。ったく・・・」
「あ・・・ちょっと梨紅!」
バタンッ、と風呂場の戸が閉められ、梨紗一人が残された。
186 :
125:03/06/03 00:47 ID:TnQa+GNt
更衣室の鏡に梨紅は自分の映していた。
(・・・・・・女の子らしい、だって)
言われてしげしげと自分の身体を眺め回す。
別にこれといった変化はない。
いや、変化は起きている。梨紗に胸を触られたことで梨紅の乳首は勃起していた。
(うそ!?私、感じてたの?)
その事実に少しだけ狼狽した。
(丹羽君じゃなくて梨紗にされてもこうなるなんて。私って本当はエッチなのかな・・・)
その考えを振り払うように頭をぷるぷると振った。
溜め息をつき、
(宿題しよっと・・・)
湯船の中で梨紗は考えていた。
(・・・梨紅、感じてた・・・・・・?)
その考えが梨紗の中に非常に気持ちの悪いものを残している。
(もしかして、もう丹羽君とエッチしたの?)
それは陸のほうが先に初体験を済ませたということを認めることになる。
(――だめ、そんなのだめよ!私は、私はあいつより優れてないとだめなんだから・・・!)
梨紗が梨紅に抱く劣等感。それが彼女にある行動をさせる原因となった。
187 :
125:03/06/03 00:50 ID:TnQa+GNt
最近めっきり書くペース落ちました。
他のスレと掛け持ちするもんじゃないですねぇ・・・。
>>122さんが満足できるもの作ろうと思います。
( ・∀・)イイ!!
189 :
125:03/06/04 00:53 ID:XHuYkGVh
>>188ありがとう
>>186 ベッドの上、梨紅は自分の胸を愛撫していた。
先ほど感じた興奮を抑えることができなかったのだ。
すでにパンツ一枚しか穿いていないという状態である。
「はぁ・・・はぁ・・・、んっ・・・あぁ」
乳首を指で挟みくにくにと抓り、捻り、さまざまに弄り回す。
性欲が高まるにつれ彼女の股間がしっとりと濡れてくる。
濡れている筋を指でなぞる。
敏感な彼女のひだはしっかりとその刺激を感じ取る。
顔を歪め、息を荒くしているそのさまはいつものはつらつとした様子とは大違いだ。
パンツの中に指を滑り込ませ直接その縦筋に這わせる。
粘着性のある体液が梨紅の指を濡らす。
濡れた指を口に含むとちゅぱちゅぱと吸い出した。
それだけで興奮が一気に高まっていく。
再び股間に向かっていく指は、今度は筋の上のほう、ちょうどクリトリスの位置で止まった。
指がクリトリスを刺激するようにぐりぐりと押し当てられる。
漏れそうになる声を必死に堪えて指を動かし続ける。
右手の人差し指と薬指で器用に秘裂を開くと、中指でクリトリスを擦る。
擦りだすとすぐに秘穴からは多量の愛液が分泌された。
溢れ出した体液は梨紅のベッドのシーツに一つのしみを作っていく。
190 :
125:03/06/04 00:53 ID:XHuYkGVh
クリトリスを擦っていた指を下に這わせ、そのまま膣の中に挿入した。
それほどほぐしてはいなかった穴は、それでもすんなりと指を咥えこんでいった。
入れた指を前後に動かすたびにくちゅくちゅという音が聞こえてくる。
指を曲げ、自分の膣壁を刺激する。
そして奥の奥のほうで曲げたとき、今までにないほどの快感が突き抜ける。
そこが梨紅のGスポットだった。
そのポイントを知った梨紅は、重点的にそこを刺激しだした。
指を曲げるたびに快楽が身体を貫き、理性を刈り取っていくような感覚になる。
そして理性が薄くなるほど指を激しく動かす。その指がさらなる快感を与えていく。
入れていた指を1本から2本に増やした。
ぎゅうぎゅうと2本の指を締め付けてくるが、十分に濡れているので指は動いた。
前後に動かし曲げるだけでなく、2本の指を違う動きをさせたり手首を回してぐるぐると掻き混ぜたりする。
さまざまな動作で自分の新たな感じ方を開発させていくように、執拗に攻め続けた。
胸を弄んでいた左手でクリトリスを刺激する。
右手ほど器用に動かないが、かえってそれが新しい発見となる。
中と外からの責め。二重の刺激にあっというまに梨紅は限界に達した。
191 :
125:03/06/04 00:53 ID:XHuYkGVh
何を見るともなく、ボーっと上を向いている。宿題をする気力もないようだ。
「・・・あー、またお風呂入んないと」
服はすでに着ていたが、先ほどのオナニーで汗がじっとりと肌に付いている。
先ほどのオナニーの中で、梨紅は昼に買ってきた本で得た知識をいくつか参考にしていた。
今までクリトリスを弄ることが気持ちいいとは知らなかったし、Gスポットのこともそうだ。
(でもあんなに気持ちいいなんて、思わなかったなあ・・・)
オナニー後の脱力感の中でそう思った。
(あー・・・、このまま寝ちゃおう・・・)
疲労感が押し寄せてきた。
シーツのしみが気になるが、今は両親が長期の旅行の真っ最中だった。
それに梨紗がわざわざ梨紅のシーツを洗うわけがなかった。
結局素直に睡魔に従った。時刻は10時過ぎ。
梨紅にとっては早めの就寝になる、はずだった。
ワクワク(・∀・ ・∀・)ドキドキ
>>125 乙 、梨紅は梨紗と違って、オナニーの似合わないっていうか
性的なものがイメージしにくいキャラだけど
それをこう書かれたら、うん、いいね。
続き楽しみにしてまつ。
194 :
125:03/06/04 23:33 ID:p/J29zxY
>>193 ありがとう。まだまだ精進します。
ところで他の職人さんどこ行っちゃったんだよぉ。
さすがに書き手が僕一人じゃ寂しいでつ・・・
195 :
名無しさん@ピンキー:03/06/05 23:32 ID:Xd9ujIUt
>>194 クソorヘタレでいいんなら俺も書きますが・・・
196 :
125:03/06/05 23:56 ID:49UKYKbq
>>195 おぉ、新たに職人さん光臨の予感!
気にしないでください。僕も初心者、ヘタレでつ。
197 :
125:03/06/06 01:00 ID:rftVCphP
ちょい貼り
>>191 寝苦しい。あまりにも寝苦しかった。それに気づいた梨紅は次第に目が覚めていった。
薄っすらと開かれた目には人影が見える。
「・・・・・・梨紗?」
寝惚けた声で呟き身体を起こそうとした。
がくっ、と身体が後ろへ引っ張られる。
急な衝撃がそのまま梨紅をベッドの上へと戻した。
後ろに引っ張られたわけではない。初めから両手を頭上で縛られ、それがベッドへ結び付けられていたのだ。
「え、や、ちょっとなによこれ・・・?」
さらに身体を動かそうとして、足も片方ずつ縛り付けられていることに気づいた。
梨紅はさっきはぼんやりとしか見えなかった人影に目をやる。
今度ははっきりとわかる、梨紗だ。
「あ、あんた!一体どういうつもり?!」
梨紗はそれには答えようとせずただ梨紅のほうを見下ろしている。
「ちょっと、聞いてんの!」
苛立ちを覚えて声を張り上げる。そこで梨紗は視線を逸らした。
逸らした先を見ながら呟く。
「梨紅、オナニーしてたんだ・・・」
言われて一気に梨紅の興奮が冷めた。
梨紗の視線の先、そこには数刻前に梨紅が作った大きなしみがあった。
「あ・・・あ・・・」
冷めた身体が今度は羞恥で熱くなる。顔が赤く染まる。
梨紗の視線が梨紅の視線と交わる。梨紗の顔は微笑を浮かべている。
198 :
125:03/06/06 01:01 ID:4WdgN+cD
「梨紅ってそんなにエッチな娘だったんだ」
耳元に口を寄せそう囁く。
「!ち、ちが・・・」
否定しようとする梨紅を遮るように梨紗が口を開く。
「丹羽君のこと考えてたの?」
その名前に、梨紅は言いかけた言葉を呑み込んだ。
なぜならさっきのオナニーでは大助のことを考えることなどしなかったからだ。
そのことが、ただ快感を求めるために自分を弄り回していたのではないか?と梨紅に思わせた。
その考えが、梨紅に否定の言葉を出させなかった。
「ふーん、やっぱり考えてたんだ」
梨紗はなぜ梨紅が否定しないかを勘違いしている。
だが梨紅にはそんなことを考える余裕などない。羞恥心で張り裂けそうな胸の高鳴りを必死に堪える。
「丹羽君とのエッチって気持ちよかった?」
そんな梨紅にはお構いなしに梨紗は梨紅の興奮を煽るように問いかけてくる。
(ダメ、梨紗の言うことなんか聞いちゃ!)
そう自分に言い聞かせる。
しかし、梨紗の言葉は大助との行為を少なからず思い出させる。
それだけで梨紅の身体は疼き、あのときの興奮が甦ってくる。
今、梨紅の手が拘束されていなければ大助を思いながら再び自分を弄っているだろう。
「すっかり色気づいちゃって、本当に腹が立つわ」
梨紗の目、鋭く、冷たく、暗い光が宿る瞳。
姉への劣等感、それが今の梨紗を突き動かす行動原理である。
梨紗も梨紅への劣等感・・・
双子なのに梨紅がお姉さんで
梨紅の方が梨紗よりも性格がよく、運動神経もいい。
おそらく梨紅の方が頭もよく、(梨紗は勉強しないイメージ)
梨紅の方が胸もでかい。
そして梨紗は独り身だが梨紅は彼氏もち。
・・・で、顔は五分。
梨紗が唯一 勝っている所は 『女の子らしさ』 だけ。
これでは梨紗が梨紅に劣等感を持っても仕方がないのですが
原作では非常に仲がよくむしろ逆に梨紅が梨紗に劣等感
を持ってるような感じになってます。
これは梨紗の唯一勝っている『女の子らしさ』と言う事に
梨紅がすごくコンプレックスを持っていて、かつ
梨紗自身が梨紅に負けている事(頭のよさや運動神経)
に価値をあまり感じていないことによって
原作では梨紗が梨紅に劣等感を持たないわけです。
200 :
125:03/06/06 02:07 ID:4WdgN+cD
ごめんよぉ。えろに持ってくにはこうするしかなかったんです。
自分の才能のなさを恨みます(⊃Д`)
でも、これは今だけの話です。
梨紗っていう女の子は青春を自身の恋愛にかけている子です。
ダークのためにちょっと気になる男の子である大助を振ってしまいました。
大助を拒絶した瞬間、ダークを手に入れられる可能性はなくなってしまったことに気づかぬまま・・・
原作で梨紗がダークの正体を知ってしまった時、
梨紗が己のしてしまったことを激しく後悔し、
全てを手に入れてしまった梨紅に嫉妬した時
梨紗は梨紅に圧倒的な劣等感を感じるはずです。
そのとき梨紗はどうするか?
いつになるかはわかりませんが原作で、すごく楽しみなのはここですね。
・・・と、 『梨紗の梨紅への劣等感』をテーマにエロパロ板では似合わない
話を非エロで長々と独りで語ってしまいました。
スレ汚しスマソ。
>>125氏は期待しているので続き頑張って。
一ついらんおせっかいを言うといつまでナンバーで名乗りをあげるのかと。
まぁ、べつにいいですけど。コテハンにせんでもいいけどね。
>>200 ごめんよ、
>>125氏。(⊃Д`)
>>201を書くのを手間どったせいで125氏にいらん誤解をさせてしまった。
なにを言いたかったかというと
『梨紗は本来、梨紅に劣等感を感じるはずのキャラだから
そこをみこしてSSのネタにした125氏はすごいね』
といいたかったわけだ。
ほんと、
>>199だけだと125氏のSS批判でしかないからね。
ほんとごめんよぉ(⊃Д`)
ツヅキ(・∀・# )キニナルゥ
204 :
125:03/06/06 09:14 ID:rftVCphP
>>202 いえ、こっちもすこし早とちりしてしまって、申し訳ない。
これからもがんばっていこうと思います。
コテハンにはちょっとしづらいかな。もっとうまくなったらしてみるかもしれません。
そして密かに195氏に期待
205 :
195:03/06/06 17:26 ID:C/oaSA57
>>204 リアルで忙しいのでなかなか書けませんが、書き上がり次第
アップします
あぼーん
207 :
125:03/06/06 22:12 ID:rftVCphP
100あたりまで読んだあとしばらく来てなかったんだけど、久々に見にきたら
125氏、トテーモイイ!
梨紅たんハァハァな俺としては、もう興奮モノっす。
エロなしのストーリー部分も好きなんで、この続きも期待してます!
209 :
195:03/06/07 00:03 ID:rh/yzFdP
>>207さん
最近お世話になっているものでsageかたしらないんですよ・・・
俺としてもsageたいんですけど
やりかた教えていただけませんかね?
210 :
125:03/06/07 00:16 ID:yR70G5/j
211 :
125:03/06/08 02:07 ID:Mg5zRkss
「丹羽君以外の人に触られても感じるんだよね、梨紅は」
梨紗の手が梨紅の豊かな乳房を触り始める。
「ひっ、や、やめて・・・!」
梨紅の言葉に耳を貸さずに、ゆっくりと優しく揉み始める。
「私は梨紅に気持ちよくなってもらいたいだけなの。逆らわないで」
言葉とは裏腹に、その目はやはり暗い色をしている。
「あ、あんたなんかに触られて嬉しいわけないじゃない!」
「あら、お風呂で感じてたのは誰かしら?」
「あ・・・」
突然そのことを持ち出され、梨紅は返事に窮した。そして、それは肯定を意味する。
「ね、やっぱり嬉しかったんでしょ?」
顔を近づけ詰問してくる梨紗から背けるように顔を逸らす。
羞恥で顔は赤く染まり目には薄っすらと涙が浮かぶ。
梨紗は両手で梨紅の双房を、形が変わるほど強く揉んだ。
「くぅっ・・・」
苦痛で顔が歪むが、構わずにそのまま揉み続ける。
「あはは、ごめーん。力入れすぎちゃった」
てへ、と梨紗は謝罪の言葉を口にするが、それが白々しい物に過ぎないということはわかっていた。
「今度はもっとちゃんと愛撫してあげる」
服を捲し上げ、慣れた手つきでブラジャーを外す。
「いやぁ、やめて!」
必死に抗おうとするが、縛られていては満足に力も出ない。
身をよじるとベッドがぎしぎしと音を立てるだけ。それ以上は何もできない。
「もうちょっと大人しくしててよ」
そう言うと梨紗は梨紅の胸に顔を近づけ、そして乳首に吸い付いた。
「ひゃう!ああ、・・・もう、やめて」
ついに梨紅の目から涙が零れ落ちた。
「これくらいで泣くことないじゃない。丹羽君にはもっとしてもらったんでしょ?」
丹羽君――。その名前が梨紅の脳裏を通り過ぎた。
(丹羽君、丹羽君!助けて、お願いだから助けてよぉ!)
心の中で何度もそう繰り返した。もちろん助けになど来るはずがない。
しかし大助の名前を何度も反芻するだけで、梨紗から与えられる刺激を忘れようとした。
212 :
125:03/06/08 02:07 ID:Mg5zRkss
乳首を吸い、舌で転がしていた梨紗は、梨紅の反応がいまいちなことに気がついた。
「んもう、面白くないわね」
明らかに苛立ち、そして敵意が込められた台詞を吐いた。が、それは一瞬のことで、
「それとも、胸よりこっちのほうがいいのかしら」
口調が最前のように冷たいものに戻り、そしてその手が梨紅の下腹部へと下りていった。
「あ、だめ!そこだけは・・・!」
さすがにその変化に気づいた。それが仇となった。
大助の名を繰り返して忘れようとしていた刺激に対し、再び意識が集中してしまった。
梨紗の指がパンツの中、そしてつるつるの恥丘を進み、その一番上、クリトリスの部分に達した。
「ひゃぁ、ああ、・・・あ、ああ!」
細い指が陰核を刺激する。痛く、激しく、鋭い。そんな感覚が突き抜ける。
「あ、やっぱり。梨紅はここがいいんだ」
「ち、違うわっ・・・」
「悪いけど説得力ゼロ。梨紅はとってもエッチな女の子にけってーい!」
無邪気な、本当に無邪気な笑顔で梨紗が告げる。
酷い、本当に酷い泣き顔で梨紅はその言葉を浴びせられる。
同じ顔の二人。しかしこの状況では全くの別人に見えてしまう。
それが、今の梨紗と梨紅の決定的な違い。
快楽を与える者と、望まずしてそれを与えられるものの違い。
213 :
125:03/06/08 02:08 ID:Mg5zRkss
梨紗の指が割れ目まで到達する。1,2度その上を滑らせる。
「梨紅、全然濡れてないよ。これじゃ痛いでしょ」
指が2本、梨紅の中に無理やり進入していく。
「!――やめてぇ!い、痛っ、・・・から、お・・・ねが、あ、あぁぁ!」
ぶちぶちと、肉壁と肉壁がくっついているのを剥がしていく感触。
その刺激が梨紗の指へと鈍く響いてくる。そして奥まで達した指を一度引き抜いた。
(・・・やっぱり。もう処女膜、ない)
そのことに気がついた。指には血が付いていなかった。
「ほら、痛いって言ったでしょ?早く濡らして」
「む、無理だよぉ・・・。だか、ら、もうやめて・・・」
むっ、と梨紗の顔がしかめられた。
「無理じゃない!」
そう言って梨紗は再び中に入れて指を無理矢理に動かした。
「ひゃああぁぁぁ!!い、・・・たい、いた・・・!」
その顔は今までにないほど歪み、ぼろぼろと涙を流している。
それでも梨紗は止めようとしない。
梨紅が処女ではないという事実。それが梨紗の中にさらなる残虐性を生み出した。
梨紗の爪が乱暴に梨紅の中を引っ掻き、がりっ、とした鋭痛を与える。
下手をすれば膣壁の出血もあるかもしれない。だが、さらに激しさを増し指は動き続ける。
そして指が奥のほうに達した時、
「んああぁぁ、・・・あ、あぁ」
かすかに艶が混じった、その変化を敏感に感じ取ったのだ。
さらに数度、さっきのポイントを攻め立てる。苦痛に歪んでいた顔が少し緩んだ。
214 :
125:03/06/08 02:08 ID:Mg5zRkss
「そう、ここね。梨紅はここがいいのね!」
一気に顔を歪ませ――といってもこちらは歓喜のために、だ――入れた指を動かす。
それは先ほどまでよりさらに激しい、しかし爪は立てないようにそこを刺激する。
「あ、あああぁ!い、いや・・・だよ、こんなの!」
心とは裏腹に身体は正直にその快楽に負ける。
さきほどまで全くの乾燥状態だった梨紅の割れ目はあっというまに潤いを帯びた。
「ほら、わかる?梨紅のここもうぐしょぐしょだよ!」
大きな声でそう告げる。いやでも梨紅の耳に届いてしまう。
「あは、ほら、もう梨紅のパンツもこんなに濡れてるよ」
「う、うぐ、ぐすっ・・・」
すでに大泣き状態の梨紅をさらに梨紗は攻める。
指を出し入れし、その動きが梨紅の身体に快楽を与えてくる。
(うぅ・・・、丹羽君・・・)
「梨紅!いっちゃっていいんだよ?ほら!」
言葉で攻め、指で攻める。梨紅の身体の絶頂は間近だ。
(いやだ、いやだよ!丹羽君以外に、こんなの・・・)
あぁ・・・、早く、早く梨紅の醜態が見たい。その思いが梨紗を動かす。
(そうよ。あんたなんて、ただの雌なんだから・・・!)
凶悪なまでの思想。狂悪なまでの行動。全ては、姉に負けたくないから。
もう、だめだ。身体のほうがもちそうになかった。
(丹羽君、丹羽君――!!)
そこで、梨紅の思考はブレーカーが落ちるようにぶっつりと途切れた。
215 :
125:03/06/08 02:08 ID:Mg5zRkss
どれほどの時間そうしていたのだろう?
ベッドの上で膝を抱えて梨紅はうずくまっている。
シーツには大きなしみが二つ、どちらも同じくらいのサイズで存在している。
(――いや)
外は暗い。月の明かりも星の明かりも差していない。
(――こんなの、いや)
部屋の時計はすでに1時を回っている。とても静かな夜だ。
(――許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない、絶対に!)
秋も目前の季節、寝苦しくはない。暖かくはないが寒くもない、そんな気候だ。
(――絶対に、あんただけは許さないから・・・!!)
その中で、うずめた顔から覗く瞳だけが異様に冷たい光を放っている。
それは、ついさきほどまでの梨紗と同じように、闇を内包した光。
かくして話は次の段階へと進んでいく――――。
216 :
125:03/06/08 02:12 ID:GLzF+7Am
しまった。誘導番号付け忘れた
>>211は
>>198からです。
ところで質問。エチシーンはハァハァできますか?
自分じゃ正直どうかわからないので、意見聞かせてください。
>>216 ハァハァする前に見入ってしまーたよー。
つーか文章うまい。
単純に物語として楽しめました。ほんと。
ハァハァするのは読み直した時にでも(w
キタ(・∀・ )━━!!!
ところで
>>110の続きはまだでつか・゚・(ノД`)・゚・
首を長〜く長〜くして待っているのでつが
迷作SS書きさんカムバ〜ックキボンヌ
220 :
125:03/06/09 23:19 ID:SnWqRau8
>>219 きっと話の中の梨紅たんが答えを出せずに悩んでるんです。
マターリ待ちましょう。
>>217 そういわれると照れてしまいます。
実は小説家志望だったりするんですが、表現力・語彙量に自信がなくて・・・。
なのでここで練習させてもらってます。
>>220 がんばれ!
もし将来有名になってもここで貴方に夢を与えられていたヲタがいたことを忘れないでくれ・・・
迷作SS書きさんですが、ちょうどココの作品(>110)と同時期に、某スレで
エロ修行作品の続きを書いているのを見ました。
しかし、なぜか変な風に叩かれて、スレが荒れてしまい、その後は作品も、
それらしきレスも見ていません。
私の常駐及び巡回スレと趣味が結構重なっていたため、応援していたんですが‥‥
是非、復活してもらいたいものです。
223 :
125:03/06/09 23:54 ID:Dxt9MoNj
>>215 登校し、教室に向かい廊下を歩いている途中で、大助はがっくりと肩を落としていた。
(しょうがないっていっても、結局条件呑んじゃったんだよなぁ)
はぁー、と大きなため息が漏れる。今日だけで十数回目である。
(こんなんじゃ原田さんに合わせる顔がないよ)
まだ何かしたわけでもないのに梨紗に対し罪悪感を感じてしまう。
「おはよう、丹羽君」
「うわああぁぁぁっっ?!!」
急に後ろから聞きなれた声で話し掛けられ、大助は飛び跳ねるほどの勢いで振り向いた。
今大助が罪悪感を感じているその人が声を掛けたからだ。
「は、は、原田さんっ!?」
「どうしたの丹羽君?」
「いいいいや、何でもない、何でもないよ!おはよう原田さん!」
「ふふ、変な丹羽君」
にこりと微笑む。以前ならそれだけで彼の恋愛遺伝子は反応したはずだ。
「今日は遅いんだね。梨紅さんはまだ来てないの?」
とりあえず適当に会話を済ませて一刻も早く梨紗の前から去りたかった。
梨紅、とういう名前が出た瞬間、ほんの少し、まさに一瞬だけ梨紗の目が細められた。
「うん。体調が悪いって言って朝の部活は休んだの」
「えっ、身体壊したの!大丈夫?」
大助は梨紗の一瞬の変化に気づかずに梨紅の心配をする。
「大丈夫。ホームルームまでには来るって言ってたから」
「そう・・・そうなんだ。教えてくれてありがとう原田さん」
そう言うと大助は梨紗に手を振りながら教室に向かい走り出した。
それを梨紗は見届けてからゆっくりと教室に向けて歩き出した。
(――そう、やっぱりもう丹羽君は梨紅しか眼中にないんだ・・・)
梨紗は大助を振った、それが事実。だが、梨紗は今になってそうすべきではなかったのでは?と思っている。
振ったために大助と梨紅は付き合いだした。そのことが最近になって胸をちくりと痛める。
(梨紅が、・・・・・・羨ましい)
224 :
125:03/06/09 23:55 ID:Dxt9MoNj
「梨紅さん大丈夫身体きつくない?」
ホームルーム開始の直前になってようやく梨紅は教室へ姿を現した。
「う、うん。もう平気。だから心配しないで」
一気にまくし立てるように問いただしてくる大助に気圧されながら答えた。
「そっか。でも本当に無理しないでね」
「うん。心配してくれてありがとう」
それから一言二言言葉を交わすと大助は自分の席に戻り授業の準備を始めた。
「ぃよお、大助!」
威勢のいい声とともに大助の首に腕が回された。
「・・・・・・冴原〜」
少し不快そうな声を出して大助は顔の真横に位置する冴原剛を横目で確認した。
「どうしたどうしたー。朝から元気ねーぞ」
「お前が元気すぎなんだよ、まったく」
いいやつだが、たまにこのテンションの高さについていけないときがある。
今がまさにそれだ。
225 :
125:03/06/09 23:55 ID:Dxt9MoNj
「で、何の用?宿題なら見せないからね」
「おいおい、俺がお前にある用で思いつくのはそれしかねーのか?」
うん、と言いかけて、またややこしくなるのは面倒なので冴原の話を促した。
「で、用件は?」
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれた!」
バッ、と懐から何かを取り出す。それは写真の束だった。
そしてそこに写っているのは、
「こ、こ、これ僕と梨紅さんじゃないか!」
思わず大声を上げてしまった。クラスの視線がいくつか突き刺さる。
「これ、いつの写真だよ?」
今度は小声で冴原の耳元に囁いた。
「この前の修学旅行のときのやつだよ」
確かにそこに写っている風景には見覚えがあった。修学旅行の最終日前日に梨紅と一緒に回った場所だ。
何でこんなものを冴原が?疑問を口にする前に冴原が続けた。
「お前ら途中でいい感じじゃなかっただろ?だからこの俺がお前らの貴重な修学旅行ツーショット写真を撮ってやったんだよ」
「・・・・・・・・・」
修学旅行初日の出来事が脳裏を過った。小さな誤解から生まれた大きな歪み。
辛い思い出だったが、今だからこそ大切なものになっている。
冴原の心遣いに大助は心から感謝――
「って、だからって無断で撮るやつがあるかー!」
――できなかった。
226 :
125:03/06/09 23:56 ID:Dxt9MoNj
「そう怒るな。これでも見て落ち着けよ」
ほれっ、と差し出された新たな写真に目を落とす。
「――――!!!??」
照りつける太陽、輝く海、舞い散る水飛沫、はしゃぎ回る女子生徒、それも水着姿。
小振りながらも豊かな胸の張り。しっかりと括れた腰。水着からこぼれ出そうなお尻。健康的な脚線美。
「あ、あわ、あわ・・・ああぁあっぁぁ――――!!」
眩しい笑顔の持ち主。間違いなく原田梨紅だ。
「さ・え・は・らあぁぁぁぁ!!!」
顔を赤くし目を怒らせながら冴原に顔を寄せる。珍しく本気で頭にきた様子の丹羽大介君である。
「どうだ、欲しくないのか?」
にひひぃ、と聞こえてきそうなほどのあくどい笑顔。大助の怒りに臆すことなく、まるで勝利を確信しているかのようだ。
「・・・ぐぅっ・・・・・・」
唸る大助。欲しくない、と言えるわけがないではないか。
「でも大助がどーうしても欲しくないって言うんなら他の男子に売りつけるか」
「いるよ!」
あっさりと負けを認めた。
227 :
125:03/06/09 23:58 ID:Dxt9MoNj
今回は番外編的なのりになってしまいました。
エチぃシーンはお休みです。
次は梨紅攻め梨紗受けでいきますでつ。
>>227 >梨紅攻め梨紗受け
ヤタ(・∀・ )━━!!!
229 :
125:03/06/10 12:31 ID:s0Jscslb
>>226 表面上は梨紅も梨紗もそれほど変わった様子はない。
事実、事があったのは昨夜一回限りで、その後は梨紗もあのような奇行に走っていない。
クラスメイトのほとんどは何も気づかない。だが、大助だけは梨紅の些細な変化に気づいた。
それは、本当に小さな気がかり、といったほどのものである。
だからそのことを問いかけても、
「何でもないよ。そんなに心配しないでよぉ」
笑顔でそう言われ流されてしまう。そのため本気で心配することもなく、平穏な一週間がすぎた。
「原田さーん、宅急便でーす!」
その声に誘われて玄関の扉を開けてのは梨紗だった。
「原田梨紗さん宛に小包が届いています。ご本人ですか?」
「はい、印鑑とサインですね。わかりました」
パタパタと音を立てて家の奥に消えていく。間もなく印鑑をもった梨紗が再び姿を現す。
「はい・・・・・・はい、どうも、ありがとうございましたー!」
威勢良く彼は白猫の描かれた運搬車に飛び乗り次の目的地へと向かった。
終始にこやかな笑みを浮かべていた梨紗は扉を閉め、家の中へ消えていった。
(っはあぁぁぁ、緊張したー・・・)
さすがにまだ心臓がどきどきしている。いくら梨紗を装ったとしても、これを受け取るには度胸がいった。
梨紗かつらを外すと丁寧に元あった場所に戻した。
ベッドの上で包装を剥がす。そして箱の中に入っていたものを取り出す。
――――間違いない。彼女が注文したものだ。
先日買った本に載せてあった通販の記事。それを使って彼女は今手にしているものを手に入れた。
箱は何が入っていたかわからないように細切れにしてゴミ箱の奥へ捨てた。
再びベッドの上に腰を下ろす。それを包み込むように膝を抱え込む。
(・・・・・・・・・ふふ)
このために、梨紅は一週間我慢した。
(ふふ、ふ、ふふふ、あはははは!)
下準備は終えた。後は実行に移すだけだった。
(これで、これであんたも今夜やられるのよ、梨紗!!)
姉妹げんかハァハァ
ドキドキ(・∀・ )━━!!!
232 :
125:03/06/11 21:49 ID:fU4INfFb
寝苦しい。あまりにも寝苦しかった。それに気づいた梨紗は次第に目が覚めていった。
薄っすらと開かれた目には人影が見える。
「・・・・・・梨紅?」
寝惚けた声で呟き身体を起こそうとした。
がくっ、と身体が後ろへ引っ張られる。
急な衝撃がそのまま梨紗をベッドの上へと戻した。
後ろに引っ張られたわけではない。初めから両手を頭上で縛られ、それがベッドへ結び付けられていたのだ。
「え、や、ちょっとなによこれ・・・?」
さらに身体を動かそうとして、足も片方ずつ縛り付けられていることに気づいた。
梨紗はさっきはぼんやりとしか見えなかった人影に目をやる。
今度ははっきりとわかる、梨紅だ。
「あ、あんた!一体どういう――?!」
そこで気がついた、デジャヴ。以前梨紗がとった行動と全く同じ事が起こっている。
いや、全てが同じというわけではない。違う点、梨紗は既に裸であった。
「い、いやぁ!梨紅、何考えてるの?!」
眠気は既に吹き飛んだ。代わって恐怖・不安が押し寄せてきた。
「何?」
梨紅は梨紗を覆うように身体を重ねた。顔と顔が触れるほどに近づける。
「何って、復讐に決まってるでしょ!」
梨紅のいつもと全く違う雰囲気に梨紗はたじろいだ。身体が、硬く緊張した。
ふふ、と笑みを漏らし梨紅は体を離した。梨紗の足元へと姿が消えた。と、
パシャッ、パシャッ。
音とともに光が瞬く。
「な、何してるの!」
首を起こし、足元に目をやる。梨紅はインスタントカメラを構え梨紗の秘部を撮っていた。
233 :
125:03/06/11 21:50 ID:fU4INfFb
「や、やめてぇ!何で、何でそんなことするの!!?」
「・・・・・・何で何で、ねぇ」
ふぅ、と呟くようにそう漏らす。カメラを机の上に置き、梨紗に近づく。
「やめてやめて。私が何度もそう言ったのに、あんたやめなかったじゃない!!」
梨紗の肩を掴み、揺さぶるように激しく言い捨てる。
梨紅の目が梨紗の目を覗き込む。
梨紅の目、大きく、熱く、怒り、憎悪の色が宿る瞳。
その感情は、全て目の前の妹へ向けられていた。
再び体を離し、同じように足元へと姿を消す。
「梨紗〜、めんどいから前戯しないから」
「えっ・・・ひゃぁあ!!」
問い掛けようとした梨紗の股間に梨紅の手が触れた。そしてぬるぬるとしたものが塗られる。
ローションである。
「さってと、これでいいわね。それじゃ梨紗の処女奪ったげる」
「ひぃ・・・・・・!」
その台詞に顔が引きつった。
梨紗は自分の初めてをふさわしい人物―今現在はダーク―に捧げるつもりだったからだ。
「お願い!それだけは、それだけはやめて!!」
必死に嘆願する梨紗。その言葉を聞いて梨紅の口の端が不適に釣り上がったことに彼女は気付かなかった。
「・・・・・・そう、そんなに嫌なんだ?」
涙を浮かべながら梨紗が頷く。
「しょうがないわね、ったく。それじゃお尻の穴でするけど、それでいいのね?」
尻の穴、そう聞いて梨紗は抵抗を覚えた。しかし断れば何をされるかわからない。
処女を無残に散らす結果になるかもしれない。
梨紗には頷くことしかできなかった。
234 :
125:03/06/11 21:50 ID:fU4INfFb
梨紅の手が今度は梨紗の肛門へと向かった。
「っひぐぅ・・・!」
ローションにまみれた手でほぐすように肛門を弄られ、梨紗は声を上げた。
奇妙な感覚がそこから伝わってくる。
肛門に転がしていた梨紅の中指が梨紗の恥穴の中に進入した。
「ふああぁぁぁあ!!?」
予告もなく与えられた刺激に恥穴が強く締められる。
「あん・・・ちょっと梨紗、力入れると肛門引っ掻くわよ?」
「そ・・・そんなこと言ったって・・・・・・」
一向に弱まる気配のない締め付けを無視し、梨紅は力任せに指を引き抜いた。
ずりゅっ、という妙な感触が梨紅の指に伝わった。
引き抜いた指にローションを塗り再び穴の中に埋没させていく。
「う・・・あぁ、い・・・・・・ったいぃ」
梨紗の息が次第に荒くなっていく。痛みを堪えるために必死に歯を食いしばる。
梨紅の指が引き抜かれる。少しではあるが、梨紗の肛門は開いている。
「すごい・・・梨紗のここぱっくり開いてる」
「う、ひぐっ・・・・・・うぅ」
梨紅の言葉から与えられる羞恥に涙が溢れる。自分が、ひどく惨めに感じられた。
三度梨紅の指が入れられる。
ずぶっ、ずぶっ
さっきよりもより深く、指はとうとう根元まで入った。
ローションのぬめっとした感触が腹の奥で感じられる。言葉どおり異物が腹の中を穢している。
「こんだけ濡れてりゃ大丈夫でしょ。それじゃ本番いくよ」
梨紗は涙目で梨紅の言葉を受け止め、畏怖を含んだ目で彼女を見た。
そしてその目は、梨紅が手にしている物に釘付けになった。
その手には歪な形で、大きく、黒光りするバイブが握られていた。
235 :
125:03/06/11 21:51 ID:fU4INfFb
写真 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ムフ( ・∀・)━━!!!
238 :
125:03/06/12 09:27 ID:8QLqizX/
他のスレの職人さんのを見てて思ったんですけど・・・。
僕のってエッチ中の台詞がそんなに多くないんですねぇ・・・。
やっぱり喘ぎはいれたほうが良いですか?
>>238 職人さんの個性ですので、おまかせかな?
240 :
125:03/06/14 00:59 ID:5EdjT2y7
>>234 「え………、な、なな…」
梨紅の手に握られているものに梨紗は混乱した。コードが付いている電動式のバイブ。
なぜ、そんなものを梨紅が持っているのか?そして、それをどうするつもりなのか?
「梨紗もすごいよねぇ。こんなのお尻に入れてもいい、なんて言っちゃって」
「な――――、い、言ってないわよそんなこと!!」
「嫌なの?私はどっちでもいいんだよ」
凍てつくように冷たく、突き放した言い方。嫌だと、言えるわけがない。
「じゃあいくよ」
そう言って梨紗の肛門へとバイブを押し当てる。
「や、やあぁぁッッッ!!」
いざ入れられそうになるとやはり本能が拒絶した。あんなものを、ましてや尻に入れられるなど。
腰を動かし、必死にバイブの進入を拒んだ。
「こらッ、暴れない……の!」
「ひぎゃッ――あッ、はあぁぁぁぁッッッッ!!!」
無理矢理に貫いた。めりめりと腸内の肉壁が音を立て、バイブが奥へと挿入されていく。
「ひがぁッ、ふぐぁ、はぁ……あ、…はッ」
あまりの激痛に梨紗の呼吸が苦しくなった。肺が空気を取り込まずにどんどん抜けていく。
「あ、ほらほら。さっき撮っといた写真があるよ。見てみなよ梨紗」
梨紗の目の前に、さっき撮られた秘部の写真がかざされた。
「ふぁ、はぁあッ……や、……だぁ」
241 :
125:03/06/14 01:00 ID:5EdjT2y7
「は、あははッ。ついでにこっちも撮ったげる」
次に梨紅がカメラで撮ったのは黒々としたバイブが挿入されているアナルである。
「うあぁ……ぁぁ、………はず、かしい…よぉ……ぅふぁぁ…」
痛みを堪えながら、消え入りそうな声を出す。
「これはいいアングルだわ、梨紗の割れ目までしっかり写るよ」
数枚撮り終えると梨紅はカメラを右手に持ち、左手でバイブを引き抜き始めた。
「ぅがはッ、はぁ、ぁあぁ……かはッ…」
抜かれていくバイブは先ほど十分に直腸に注ぎこんだローションがヌラリとついている。
まとわりつくように梨紗の肛門が盛り上がる。赤く、肛門の皺も完全に張っている。
バイブの亀頭部分が肛門から出るか出ないかというところで再び奥へ沈めていった。
盛り上がっていた肛門が今度は逆に腸内へと押し込まれていく。
「ねえ、梨紗」
片手でバイブ、逆の手でカメラを撮りながら梨紅は話し出した。
「最近さあ、丹羽君を見る目が変わってきてるでしょ?」
優しく問いかけるような口調だが頭の中に激痛が渦巻いている梨紗の耳にはほとんど届いていない。
「私ね、丹羽君を見るあんたの目が………怖いの」
梨紅の口と、そして手は休むことなく動き続ける。
「あんたが、丹羽君を私から奪っていくような気がするの。……だから、だから!」
抑えていた感情が少しずつ漏れ出す。漏れた感情が梨紅の左手に力を与えていく。
「もう、二度とあんな目ができなくしてやるッ……!!」
242 :
125:03/06/14 01:00 ID:5EdjT2y7
「ぎぃぁあ………!!いッ、は…あぁ!……たいぃ、よぉ…!!ッかぁ、めてぇ…」
今までゆっくりと正確に刻まれていたリズムが、激しく荒々しいものに変わった。
動かされるバイブは梨紗の肛門を痛め付け、
ぶぅちっ
という鈍い刺激。梨紅は動かしていた手を止め、そして、
「……ふっ、ふふっ、ねえ、見える梨紗!?あんたの肛門裂けちゃったんだよ!」
「………ぁ…ぁぁ…?」
「あはははッ、ははははははははッ!どんどん血が流れてるよ、ねえ!!?」
「…裂け……ちゃ、った……?」
ほらっほらっ、と梨紅は手の動きを再開させた。梨紗に対する破壊的な虐待心が梨紅を駆り立てる。
手が動くたびに梨紗の肛門の裂け目は少しずつ拡がっていった。
赤く色がかかったローションがぶしゅぶしゅと音を立てて肛門から噴き出す。
梨紗は全く反応を示さなくなった。
肛門からは耐え難い激痛が伝わっているはずなのに、それに気付いた様子がない。
その有様に、今まで嬉々として手を動かしていた梨紅は急激に冷めていった。
「………つまんない」
そう吐き捨てると、梨紅は梨紗の肛門の奥までバイブを突っ込みそのスイッチを入れた。
ヴゥゥーーーーーッ……
と低く唸る音とともに、梨紗の腹に収められたそれが激しくうねりだした。
「梨紗ー。今度また変な気起こしたら、この写真冴原君にやるから」
言い捨てて梨紅は梨紗の部屋を後にした。
「――――――……」
一人部屋に残された梨紗はベッドのシーツを強く握り締めている。
「……いッ、……さい…」
未だに低いローター音が部屋に響いている。
「…な……さい、ごめ………」
その中で梨紗は一人呟き続ける。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
涙を流し、ただそれだけを繰り返していた。
243 :
125:03/06/14 01:02 ID:5EdjT2y7
何かノーマルに梨紅梨紗描けてないですね。反省。
さて、次はどんなネタにしましょうかね…
大助と梨紅のラブラブキボンヌ。
245 :
125:03/06/14 06:01 ID:wuyfM8rW
246 :
125:03/06/14 07:17 ID:5EdjT2y7
「…………うーー…ーー……んんー、んー?」
何だか変な夢を見てたみたいだ。あんまり目ざまが良くない気がする。
真っ暗だった視界に光が差してきた。ぼんやりと、視界が開けてくる。
「……梨紅…さん……?」
視界に一番に飛び込んできた人の名前を呟いた。多分、その人だと思う。
「?」
あれっ、間違えた…?その人は少し小首を傾げるようにした。
左手で目を擦った。もう一度その人を見る。――見間違えるはずがない、やっぱり梨紅さんだ。
彼女の細くしなやかな指が僕の額に触れてきた。
「やだ、大助ったら。中学のときみたいな呼び方して」
うん?何か妙な違和感。僕は確かまだ、14歳の中学生で――――っあ。
そこで僕は状態を起こした。服を確認した。
着ていたのは、去年まで着ていた制服とは少しデザインが違っている。
「……梨紅」
改めて、今の彼女の呼び方を口にした。高校に入ったらそう呼び合おうと、お互いで決めたんだった。
「おはよう、大助」
笑顔が僕に向けられる。ホントにそれは可愛らしい…。
「おはよ。えっと、今何してたんだっけ?」
「あー、さては寝ぼけてるなー」
うりうり、と僕の頭を小突いてくる。
「あははっ、ごめん梨紅。ちょっとね、中学のときの夢見ててさ」
「へぇー…。ねえ、どんな夢だった?」
上体を乗り出すようにして、二人の顔がくっつきそうなほど近づいた。
「んー…、いろいろありすぎて思い出せないよ」
「えー。20分しか寝てないのにそんなに夢見るわけないじゃん」
「でも本当によく覚えてないんだ」
ちぇー、と言いながら梨紅は身を引いた。
「っさ。それじゃそろそろ教室戻ろっか」
247 :
125:03/06/14 07:17 ID:5EdjT2y7
昼休みに僕は梨紅と一緒に中庭で昼食をとり、そのまま眠くなって梨紅の膝を借りたんだった。
梨紅の太もも、ホントに気持ちよく眠れる。………なんか変態っぽいな。
梨紅と二人並んで教室へと戻る。さっき懐かしい夢を見たせいか、ついつい比較してしまった。
背、あのころはそう変わらなかったけど、今じゃ僕のほうが随分と高くなっている。
梨紅も梨紅でとても色っぽくなった。その横顔が綺麗だ。
「どうかした?」
僕の視線に気づいた梨紅が問いかけてきた。
「いや、可愛いなと思ってね」
正直に答えた。
「っば…!い、いきなり言わなくたっていいじゃない……」
途端に顔を真赤にして俯いてしまった。こういうところはまだ可愛らしい。
「……そ、そう言う大助だって、大分かっこよくなったよ」
「うん、ありがと」
「………うぅ」
反撃のつもりでそう言ったのだろうが、僕が素直に受け入れたために梨紅が唸った。
「でも、あんまりかっこよすぎても困ったもんよ」
「え、どうして?」
「………」
答えてくれずにじっと僕のことを睨み付ける。ちょっと怖い…。
「あんまり他の女の子と話しないでね!」
いきなりそう言われてしまった。中学のときも女の子とは結構話してたけどなぁ…。
「だからどうし――」
「どうしても!!」
言い捨てて梨紅が駆け出した。怒らせるようなことをしてしまったんだろうか?
少しの間逡巡し、
「――あ、待ってよ梨紅!」
慌ててその後を追った。
248 :
125:03/06/14 07:17 ID:5EdjT2y7
こんなもんでどうでしょう?
すげぇ・・・なんでリクされてすぐに書けるんだ・・・・
250 :
125:03/06/14 23:32 ID:wuyfM8rW
暇ですからw
正直デキはいかがなものか…。
未来萎え
今日の朝日新聞に写真載ってたYO(劇団ひまわりで)>未来
253 :
125:03/06/15 00:15 ID:iY8huIrl
_| ̄|○ 出直してきます…
まぁ、125氏は凹んでないで
>>128からずっと続いてる自分の話の本筋の続きを頑張って
書いてくれとしか言いようがない。
せっかくいい感じに話がドロドロしてきたんだし(w
気になってしょうがない・・・
255 :
125:03/06/15 02:32 ID:TOC7gAyW
>>242 「おはよう、梨紅さん」
「あ、丹羽君!おはよう。今来たの?」
「うん。一緒に教室まで行こうか」
朝、学校に着いた大助は下駄箱で梨紅と出会った。
「梨紅さん、今日は元気そうだね」
「え?そ、そう?」
大助の言葉に少し狼狽した。ほんの僅かな変化を大助は感じているようだ。
(丹羽君って、妙に勘がいい時あるなー……)
無意味に感心する梨紅をよそに話し続ける。
「うん。何か昨日までよりすこし雰囲気が軽くなったみたいだよ」
「あ、なにそれー。私が尻の軽い女だってこと?」
「ええっ?!ち、違うよ!全然、そんな意味じゃないよ!」
慌てて否定する大助を半眼で睨み、そしてふっ、と笑みをこぼした。
「わかってるよ、それくらい。ほら、教室行こう!」
そう言って梨紅は駆け出した。
「え………あ、ま、待ってよ!」
その後を追って大助も走り出した。
256 :
125:03/06/15 02:33 ID:TOC7gAyW
「あ、原田さん!」
廊下を駆けている途中で大助は見知った人影を発見したので声を掛けた。
「丹羽君……」
その声に全く元気がないことに大助は気づいた。
「あれ、どうしたの?元気ないよ」
「………え?」
大助から掛けられた優しい言葉に梨紗の胸はどくん、と高鳴った。
(私を、心配してくれてる……?)
それは大助がお人好しで優しいからだ。
(あなたを、振っちゃったのに……)
大助はすでにそのことをあまり気にしていない。彼は既に幸せだからだ。
今の梨紗には、その大助の優しい言葉意外に頼れそうになかった。
ぎゅっ、と大助の制服の裾を掴む。
「原田さん?」
俯いている梨紗の表情は分からない。掴んだ手は少し震えている。
「…丹羽君、……私……私は…」
「どうしたの?」
不意に二人の背後から声が掛けられた。大助は振り返り、梨紗はびくっと手を離した。
「梨紅……」
大助は見ていないが、梨紗の顔には明らかな恐怖の色が浮かんでいた。
「何で梨紅さんが後ろから現れるの?」
「ん、ちょっとお手洗いにね」
二人を見ていた梨紗は一歩、二歩とあとずさった。
「私、先に行くね……」
そう言い残して梨紗は教室へと去って行った。
「あ、原田さん…」
「……梨紗がいたの?」
「うん。何か元気なさそうだったから…。梨紅さん何か知らない?」
「知らない」
素っ気無く即答。奇妙な感じを大助は受けた。しかし、知らないといったときの梨紅はそれを突き通す。
「…そう」
それが分かっていたから、大助はそれ以上追及しなかった。
257 :
125:03/06/15 13:54 ID:iY8huIrl
「どういうつもり?」
「べ、別に……何も…」
女子トイレの個室で梨紗は梨紅に問いただされていた。
「何もないなら丹羽君に話し掛けないで」
「………うん」
しばし梨紗を睨みつけ、梨紅はそこを後にした。
個室に一人取り残された梨紗は膝を折り、がっくりとうな垂れるように頭を抱え込んだ。
(わかってる。…わかってるわよ、そんなこと――)
しかしいくら頭で判っていても、梨紗にはさっきの大助の優しさがとても恋しかった。
(私は……私は………)
大助が梨紅だけに向ける感情が羨ましい。――――それが欲しい。
梨紅だけが、特別な存在であることに我慢ならない。
二人の中を裂ければ、私はそれで満足だ。
258 :
125:03/06/15 13:54 ID:iY8huIrl
梨紅は部活に行った。練習試合が近いのだと大助は聞いた。
(そうだ、美術室で貸してもらいたい本があったんだっけ)
それは全く無名の、大助も知らない絵描きの画集だった。図書館にも置いていなかった。
美術準備室で偶然その画集を見て、大助は心惹かれた。
特に技巧に凝ったわけでもなく、筆使いが個性的であったわけでもない。
ただ感性と感性が共鳴しあったように大助はその画風が気に入った。
職員室で美術担当の教師から入室の許可をもらい大介は美術室へ入った。
さすがに貸し出しは許してもらえなかったので、本を手に椅子に腰掛けページを繰り出した。
すぐに引き込まれた。やはりこの画家の絵は自分に合ってるな、と大介は思った。
259 :
125:03/06/15 13:54 ID:iY8huIrl
「丹羽君、まだいたの?」
不意に掛けられた声に大介はびくっと身体を強張らせて顔を上げた。
「あ、原田さん」
声の持ち主を確認すると、ふうっと一息ついた。
「絵の勉強?」
指を身体の後ろで絡ませ梨紗が歩み寄る。
「うん。この人の絵見てると勉強になるんだ」
心底楽しそうに大助は話す。
「ふーん……」
梨紗は大助の後ろに立つとその画集を覗き込むように見た。
大助のページを繰る音以外は何も聞こえない。穏やかな沈黙が続く。
梨紗は室内を見回し、そして後ろに飾られた絵を見て視線が止まった。
「ねえ、あの絵……」
「え?…ああ、あれ」
読むのを中断して机の上に置き、そして梨紗が視線を向けている絵のところに歩き出した。
梨紗もそれに続いた。
「この前課題で提出した絵なんだ。先生がいい作品だからって一昨日飾ってくれたんだよ」
その絵に描かれているのは海、そしてそこにある岬と数基の風車だった。
「すごい、上手だね」
「ありがと」
しばし無言で絵を見詰め続けた。先に口を開いたのは梨紗だ。
「――――丹羽君……」
「何?……え」
振り向いた大助の頬に梨紗の手が触れる。
「な――」
大助の声は、重ねられた梨紗の唇によって消された。
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!!
261 :
125:03/06/15 14:31 ID:iY8huIrl
262 :
125:03/06/15 23:04 ID:iY8huIrl
>>259 (――――おい、大助!!)
「――……っっ!!」
大助の思考が行き巡るより早くダークの声が頭に響いた。
その声に反応し、慌てて大介は梨紗を振りほどいた。
右手が梨紗の頬に当たってしまった。
「あ、ご、ごめん原田さん……」
「………」
頬を押さえたまま梨紗は俯いて沈黙している。
(おい、大助。どういうこった!?)
問われても判るはずがない。突然の梨紗からのキスに大助は混乱した。
「…な、なんで……こんな…」
「丹羽君は」
すっと顔を上げた梨紗の瞳が真っ直ぐに大助を捉えた。
「梨紅のこと、好きなの?」
「なっ……」
なぜいきなりそんな問いをされたか全く判らない。しかし梨紗の目は真剣だった。
大助は、不振に思いながらも迷わず答えた。
「…好きだよ」
その返事に僅かながら梨紗の眉が顰められた。
「……そう」
梨紗は大助のほうに歩み寄る。
大助は間合いを一定に保ちながら後退していった。
がたっ、と美術室の角に行き当たった。
263 :
125:03/06/15 23:04 ID:iY8huIrl
「あ――」
一瞬だけ後ろに気を取られた。そしてその隙に、
ばさっ
大助の身体に梨紗の身体が抱きついてきた。
(おいおいおいおい、どうなってんだよこれは?!)
ダークもまだ混乱しているようだ。しかし当の大助のほうがさらにしている。
「は、原田さん?!」
声が裏返った。身体を捩り何とか振りほどこうとするがしっかりと後ろで手が組まれていた。
はずれない――――。
「私じゃ、私じゃダメなの?」
耳元で息を吹きかけるように囁かれた。
――――どくんっ
「?!」
突然胸が激しく動悸しだした。
(――くっ、どうして…?!)
大助は驚いた。既に梨紅だけにしか反応することはないと思っていた感覚が今疼いているからだ。
力任せに梨紗を引き剥がした。梨紗が転倒し尻餅をついたが構わずトイレまで走り出した。
264 :
125:03/06/15 23:04 ID:iY8huIrl
「――ハァッ、ハァッ…。っはあぁぁーー」
トイレに駆け込んで鏡で姿を確認した。映っていたのは黒髪長身の男、ダークだった。
「あ、危なかったぁー」
まさに間一髪だった。
(でも、どうして僕原田さんに……)
それだけがどうしても腑に落ちなかった。もう梨紗のことは吹っ切れたと思っていたが、それは間違っていたのか…。
(………もしかして)
「ねえ、ダーク」
しかしダークは答えなかった。
「どうしたのダーク?」
再び話しかける。
(……悪い、少し寝るわ)
「あ、おい……。ったくぅ」
結局その日、大助はダークと話ができなかった。
腰を落としたまま梨紗は一人美術室にいた。
独り、そう、いつも独り取り残される。自分だけが独りだけ…。
「…ぅ、うぅぅッ……。ぐすっ」
あまりにも自分が惨めだった。
(どうして…どうしてこうなっちゃうの………)
止めどなく涙が流れ出てくる。
265 :
125:03/06/15 23:05 ID:iY8huIrl
次はまたーり大助梨紅2回目の予定です。
梨紅は当然として最後には梨紗も大助的なやさしさで救ってやってくれぃ。
いつになるかわからんが(つ∀`)
267 :
125:03/06/15 23:51 ID:at1TvUy9
>>267 いいんじゃない? ダークはいずれ消えるけど(w
269 :
125:03/06/16 00:05 ID:MMbxmqRQ
>>268 でもなーんかダークは描きたくない罠w
梨紗はどう救おうか…。考えときます。
梨紅さんが部活動の合宿で町を離れる設定にして
その間に大助といちゃいちゃ(・∀・)イイ!!!
不倫っぽいな( ´・ω・`)ショボーン
272 :
名無しさん@ピンキー:03/06/16 06:12 ID:UyykT9zz
273 :
125:03/06/16 06:43 ID:QA9vWrOw
>>272 もちろん出しません
>>270 (・∀・)ソレダ!!
いちゃいちゃじゃなくて葛藤を入れて、最後はせくーす突入。
これでやってみまつ。
274 :
名無しさん@ピンキー:03/06/16 19:29 ID:hPE9s0k9
ダーク梨紅のエロとかも見たいなぁ・・。
あぼーん
125タン( ・∀・)イイ!!!
277 :
125:03/06/16 22:12 ID:QA9vWrOw
>>274 ダークはホンットに勘弁w
他の人が描いてくれればいいのですが…
278 :
125:03/06/17 11:07 ID:nWiprghL
>>264 「え、合宿?」
突然梨紅からそう告げられた大助は思わず聞き返した。
「うん。もうすぐ大会が近いから、練習試合の調整も兼ねてもうすぐやるんだって」
「そっか…」
「もう、そんな暗い顔しないで!」
バシッと梨紅に背中を叩かれた。
「大丈夫。2泊3日なんてホントすぐだし」
「そっか…、そうだね。出発はいつ?」
「今度の木曜日」
「木曜、ってことは土曜に帰ってくるんだ」
うん、と頷く梨紅。
「ねえ、丹羽君。日曜日暇ならデートしようよ」
「いいけど、でも帰ってきたばっかりじゃ梨紅さんがきついんじゃ…」
「大丈夫大丈夫、丹羽君と一緒にいるほうが疲れもとれるよ、きっと」
そして二人は日曜日のことを話し合った。
「――――丹羽君」
別れ際に呼び止められたので大助は振り返った。
「あっ……」
梨紗の柔らかな唇の感触が大助の唇に伝わってきた。
しばらくそれが続いた後、梨紅は体を離してばっ、と身を翻した。
「じゃあね、丹羽君!」
そう言って去って行く梨紅の後姿を、大助はその場に突っ立ったまま見届けた。
(………いきなりは、卑怯だよ)
そう思いながらも顔が綻ぶのは抑えられなかった。
干す干す
続き激しくキボンヌ
281 :
125:03/06/19 19:15 ID:I+1hD1aL
最近他スレへの作品投下で激しく忙しくて手が回りませんですた。
待ってる皆さんにはホント申し訳ないです。
今日の予告の梨紅を見たら創作意欲が湧いてきますた
282 :
125:03/06/20 01:18 ID:FTX61OCH
>>278 木曜日の朝のホームルームが終わったあともやはり梨紅の席は空席だった。
「はぁーー……」
溜め息が漏れる。わかってはいたが、やはり梨紅に会えないというのは少し寂しかった。
「どうした大助、元気ねーぞ!」
冴原が絡んできた。大助は一瞥し、それだけだった。
「……なあ、ホントに大丈夫か?」
「うん、大丈夫だから心配しなくていいよ」
本気で心配しだした冴原に対してようやく大助は反応した。
「まあ、原田姉がいなくて悲しがるのはわかるけど、落ち込んでてもどうにもなんねえぞ」
「うん、ありがと」
冴原がさって行くと、再び溜め息が漏れる。
(わかってるけど、やっぱり辛いかな…)
この前の一件以来ダークも出てこず、おかげで怪盗家業のほうもなおざりになっている。
「っはぁぁーーー………」
梨紅ともダークとも噛み合っていないことが少しばかり孤独に感じられた。
「丹羽くぅ〜〜ん」
「は、は、原田さん」
声の主が原田梨紗だと確認すると、大助は少し身構えた。
何かされると思ったわけでもないが、やはり美術室での一件がそうさせずにはいられなかった。
「どうしたの、そんなに驚いて?」
まるでそのことなんか気にしてないよ、と言いたげな口調で梨紗は話し掛ける。
前屈みになり大助と視線が同じ高さに来るようにした。
その時、前屈みになった梨紗の胸の谷間が少しだけ目に入った。
(な、何かいつもより必要以上に強調されてる……!?)
「ごめんっ、原田さん!!」
何故か謝ると大助はそのまま席を飛び出し廊下へと逃げて行った。
(やっぱりこの程度じゃ丹羽君は振り向かないか…)
顎に手を当て考えるしぐさをする梨紗。
(……さ、次はどうしよっかな)
大助の方はともかく、梨紗の方は葛藤やためらいはないのねw
さすがに梨紗は瀬戸際だからなー。
梨紗がんがれ!(w
285 :
125:03/06/21 01:03 ID:Eix0KJ5e
今日の体育は男女合同のマラソンである。適当にセーブして大助は走っている。
黙々と、大助は規定のグラウンド6周をこなしていた。
セーブしているとはいえかなりの運動能力があるため順位としては中の上あたりをキープしている。
(…それにしても)
気にかかるのはやはり梨紗のことだった。
(うーん、何か変だよな、原田さん……)
どうしたのだろう、と考えても結局わかるはずも無い。雲をも掴む、といった感じだ。
そして大助の前方数十メートルのところには周回遅れとなる梨紗がいた。
(もう少し…もう少し……)
ちらちらと後方を確認をしながら梨紗はのろのろ走っている。確認しているのはもちろん大助だ。
(チャンスは一回。がんばれ、私!)
(やっぱり、不自然に間合いを取りすぎるのは変だよね…)
そう思うことにした。そんなにあからさまに避けるようなことは逆に怪しいだろうと。
(大丈夫、大丈夫。原田さんは何もしてこないはず…)
そして大助は梨紗の横に並び、すっ、と抜き去った。
(ほ、ほらね!全く、僕って心配しすぎ――)
「っきゃ!!」
「――え」
後ろから聞こえた小さな悲鳴に大助は首だけ振り返った。
そこには躓いたのだろうか、大きく体勢を崩す梨紗の姿が、
(っていうかこっちに突っ込んでる!!?)
咄嗟に梨紗を守るように手を伸ばした。
手は飛ぶように突っ込んでくる梨紗の腰に絡まり、そのまま大助を下敷きにして倒れ込んだ。
286 :
125:03/06/21 01:03 ID:Eix0KJ5e
後頭部を強く打ちつけた大助は一瞬目の前が暗くなるのを感じた。
「ぐ、っぐぐぐぅ…」
打ち付けた後頭部がひどく痛み出した。同時に視界が戻るのを感じた。
「んぐ、ぅぐ?ふ、ふが…」
戻ったと思った視界は未だに暗いままだった。それにさっきから妙に息苦しい。
息苦しいだけでなく、顔全体がふにふにとしたものに押されている感じがしている。
「あふ…丹羽君、くすぐったい……」
梨紗の声が頭上から降ってきた。と思ったらぎゅうっ、と締め付けられるように顔が圧迫された。
柔らかな弾力を持ったものが一層強く押し付けられてきた。
「んがぁ!ぐ、ぐるぅ…、ふはぁ!」
大助が悶絶していると、側にいた数名のクラスメイトが駆け寄ってきた。
「梨紗、大丈夫!?」
「どっか怪我とかしてない?」
「お、おい丹羽!」
「あーしまった!カメラ持ってくりゃよかったぁぁ」
朦朧としてきた意識にそんなやり取りが聞こえた。
(ぼ、僕…もうダメ……)
そう覚悟を決めた時、ふっ、と身体が軽くなった。
梨紗が大助から身を離し、倒れている大助を覗き込むようにして声を掛ける。
「ごめん丹羽君!平気?」
「けほっ、けほっ……。う、うん。僕は大丈夫」
上体を起こし、梨紗に笑顔で答える。そこで大助は梨紗の胸元が湿っていることに気づいた。
(もしかしてあれ、僕がもがいてた時……!?)
大助の顔を圧迫していたのは梨紗の豊満で柔らかな胸だった。
それが判ると急に大助は恥ずかしくなった。顔が熱く火照ってきたのが判る。
「だ、大丈夫だから!先に行くね!」
大助は再びマラソンへと戻っていった。集まったクラスメイトもそそくさと解散していく。
梨紗も立ち上がり、倒れる前と同じようにのろのろと走り出した。
(……今のは、結構ポイント高かったかな?)
心の中でそう呟いた。早速次の手を思案し始めた。
(次はもうちょっと過激にいこうかな……)
ワラタ。 体育の時間にやることじゃねぇw
乙。マターリ(・∀・)
289 :
125:03/06/21 14:47 ID:Eix0KJ5e
>>286 ベッドの上でごろりと横になり、大助は今日一日のことを思い返していた。
(変だ!絶対変だよ、原田さん!なんであんなにおかしくなっちゃったんだろ?)
もちろん大助にわかるはずも無い。しかし梨紗が自分に絡んでくるには何か理由があるはずだ、と思っている。
仰向けになり天井を見るとも無くぼー、としながら考える。考えても、まとまらない。
(ダークも全然反応しないし、一体どうしたんだろう…)
何度呼びかけてもダークは応えない。今まではなかったことだ。
「っっはあぁぁーーーー………」
今日幾度と無く繰り返した溜め息をした。それを最後に大助はそのまま眠りについた。
「はあぁ、あん!く、は、い…い…き、もちい」
ベッドの上でパンツを穿いたまま秘部を弄り回しながら梨紗は大声で感じていた。
両親は旅行、姉は合宿。家には一人っきりという状況が梨紗を開放的にさせている。
「ふぁあ!んあ、ひゃぁあ!」
既に梨紗のパンツはぐしょぐしょに濡れ、ベッドのシーツにはいくつもの点々としたシミができている。
「だ、…め、もういっ、ちゃいそ……」
割れ目に沿って滑らせていた指がパンツをずらして直接肉襞を刺激した。
「ふぅぁぁああ……!!」
高まっていた感覚が一気に突き抜けるように駆け巡り、梨紗の身体がびくん、と震えた。
とろとろと溢れる愛汁が指とパンツ、シーツを濡らす。
体液が付着した指を口に咥えちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付いた。
「ん……んは、ちゅ…」
そうやって濡れた指全ての体液を舐め取るようにして綺麗にしていった。
(……明日はこのパンツ使ってみよっかな)
梨紗はもう大助と梨紅の仲を裂こうなどと考えてはいない。ただ、一度でいいから大助を自分の虜にしてみたい。
それは姉に対する対抗心からくるものだった。
(明日こそは丹羽君の身体を私の好きにしてみせるわ!)
290 :
125:03/06/22 18:42 ID:xmLVSBO4
金曜日。梨紗を少し警戒していつもより遅く登校する大助。
(うん、時間もぎりぎりホームルームに間に合うくらいだ。これなら原田さんに会わなくてすむはず)
登校する人の姿は既にちらほらといる程度だ。
少しだけ駆け足気味に昇降口まで行き自分の下駄箱を開けた。
っばん!!
激しい音を立てて大助は閉めた。
(…………)
もう一度、確認するようにゆっくりと開ける。
いつもなら上靴しか入っていないはずなのに、今日は何故か上靴の上に薄い布切れが置いてある。
一度見た時にはもしかしたら、と思ったが、二度目にしっかりと視認し、その思いが間違いで無いことがわかった。
(…ぱんつ……?)
それも女性用のものだ。飾り気の無い白の無地である。
(どうしてこんなのがあるんだよ!……まさか)
きょろきょろと周囲に目を配った。
(……原田さんはいないか…)
こんな妙なことをするのは最近何かおかしい梨紗以外に思いつかなかった。
291 :
125:03/06/22 18:42 ID:xmLVSBO4
(とにかく、まずはこれをどうにかしないと)
このまま放置しておくわけにはいかない。清掃の時に見つかる可能性が高すぎるからだ。
まさか誰かに相談することなどできるはずも無い。
(…やっぱり自分で持っておいたほうが安全か)
鞄を少しだけ開けた。周囲の気配を探る。大丈夫、今は誰も来ていない。
ふぅ、と息をついて心を落ち着けた。
(っよし!!)
一気に手を突っ込み、それを掴んで引き出した。すかさず鞄に手を突っ込んだ。
「…………ふぅ」
再び息をついた。仕事を一つやり遂げた後の、そういった感じだ。
(全く、なんだってこんなこと…)
靴を履き替え、教室に向かおうとしたところで大助は固まった。
廊下側の通路、その左の角からカメラを構えた人の頭が覗いていたからだ。
「…ぁ、はぁ…は、は」
(原田さん!!?)
原田梨紗がカメラを構えている。何を撮られたか、瞬時に理解した。
すっ、と構えたカメラをしまうと、角から覗く梨紗の顔左半分が
にやりっ
(――――――――!!!!)
大助の背筋が薄ら寒くなった。ぞわぞわと鳥肌が立つような感覚。今、彼は絶望的な立場にいる。
すすすっ、梨紗の顔が消えていく。金縛りに遭ったように動けない大助。
「あ、…あぁぁああ!ま、待ってよ、原田さあぁぁぁん!!!」
声を上げてようやく身体が動いた。廊下を駆けて必死に追い着こうとするが、梨紗の姿は無い。
(どうして!どうしてこんなことになってるんだよぉ!?)
今の自分の状況に涙が出そうな大助であった。
電波妹の勢いに感想がありませんな
個人的にはワラタ、突っ走っちゃってください。
293 :
125:03/06/23 00:44 ID:m7L6n0jO
頑張らせていただきます。
梨紗たん、ガンガッテ大助を食べちゃえー
・・・って俺は梨紅たん派なのだがw
続き楽しみにしてまつ。
295 :
125:03/06/24 00:37 ID:2C4C3M75
>>291 結局朝のうちに梨紗と接触することはできなかった。
学校にいる間は鞄のほうに気を配らなければならなかったので梨紗と話す機会がなかった。
放課後になり、ようやく大助の気が軽くなった。
(はぁ、無駄に神経をすり減らしてしまった…)
もう今日はそのまま帰りたい気分だった。しかし、梨紗をこのまま野放しにできるはずもなかった。
教室を見回した。既に梨紗の姿はない。
(もう帰ったのかな…)
「福田さん!」
大助は教室に残っている女子の中でよく梨紗と一緒にいる福田律子に声を掛けた。
「丹羽君、何か用?」
「あのさ、原田さんどこに行ったか知らない?」
「梨紗ならホームルーム終わってすぐ出てったわよ」
「そう、ありがとう福田さん!」
手を振って走り去る大助の後ろ姿を見てふと思った。
(丹羽君って、結構いい男かも…)
「って、なに考えてんの私ってば」
顔を赤くして俯いてしまった。
296 :
125:03/06/24 00:37 ID:2C4C3M75
(原田さん、もう駅まで行っちゃったかな?)
さすがにそこまで遅れをとったとは思っていないが、考えれば考えるほど悪いほうにばかり考えている。
(明日は梨紅さんが帰ってくるっていうのに…。もっとゆっくりしておきたかったな)
などと考えながら昇降口まで来て下駄箱を開けた。
「っま……?」
またか!!と言いかけて言葉を止めた。靴の上にまた何かが乗っている。しかし今度は布きれではない。
(手紙?)
薄い、封筒に入った手紙が入れてあった。手に取り差出人を確認した。
丹羽君へ
原田梨紗
(…………)
言い知れぬ不安が胸中をよぎったが、封を開けないことには何も進まない。
意を決して封筒を開け中身を確認する。
(これって、地図?)
そこには手描きで地図が描いてあった。場所は町の外れ、意外と遠い。
一ヶ所だけ赤い点が打ってあり、『ここに来てね(はぁと』と描かれていた。
(……罠?)
大袈裟すぎる表現だが、今の大助にはそれがまさしく生死に関わる一大事に思えた。
(行くしか、ないか…)
手紙をポケットに突っ込むと大助は記された地点まで駆けて行った。
297 :
125:03/06/24 00:38 ID:2C4C3M75
約20分。迷いそうになりながらもそこに着いた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
全力に近いペースで走ったためにかなり呼吸が乱れている。
途中で梨紗に追い着けるかも、などと思っていたがその姿を見かけることは無かった。
大助が誘い出されたところ、それは町外れの通りの、さらに脇の小道に入り、角を幾つも曲がったところだった。
(どうしてこんなところに呼び出したりしたんだろう?)
着いてから改めてそう思った。雰囲気も少し暗く、じめっとした空気が漂っている。
「原田さん」
呼んでみたが返事は返ってこない。
「原田さーん」
さらに幾つか角を進んで行く。
「………っ!」
背後から微かに人の気配を感じた。慌てて振り返ると、
「にーわー君」
にこっと微笑む梨紗がいた。
「原田さん…?」
梨紗の手に紙コップが握られていることに気付いた。
「走ってきて喉渇いたでしょ?はいこれ」
すっと差し出された。
「べ、別にいいよそんなの!」
危険を察知したのか、大助は断った。途端に梨紗の目が鋭くなった。
「写真、ばら撒いちゃおうかな…」
「わー、わー!!ありがたく頂くよ!!」
「はいこれっ」
再びにこやかな笑みを浮かべた梨紗の手から紙コップを受け取った。たっぷりと液体が注がれている。
受け取ったはいいが、そこから口をつける気にはどうしてもなれなかった。
298 :
125:03/06/24 00:38 ID:2C4C3M75
「うぅ………」
「どうしたの?」
梨紗が聞いてくる。早く飲め、と急かしているように大助には感じられた。
「何も入ってないよ。匂い嗅いでみたら」
言われるままにくんくんと鼻で匂いを嗅いでみた。
(…ちょっと甘い匂い…。でも飲んで安全か判らない)
未だに警戒を緩めない。だがそれで沈黙してしまうと梨紗から無言の圧力がかけられる。
「そ、そうだ!僕の下駄箱に入ってたあれ、原田さんのでしょ。今返すよ!」
そう言って鞄の中を探すふりをしてわざと紙コップと手から落とした。ほとんど中身ががこぼれていった。
「あ、しまった。でもいいよ僕喉乾いてないし。はいこれ」
一気に捲くし立てて喋り、梨紗にパンツを突き返した。
「ありがと」
礼を言いながらもその目は笑っていない。刺すような視線が大助に突き刺さる。
(うぅぅ…)
だがここで引き下がるわけにはいかない。
「あのさ、今朝撮った写真だけど、あれどうするつもり?」
いきなり返せとは言わずに遠回りに聞いていく。
「あれ?そうねえ…、丹羽君が返してって言うなら返してあげてもいいけど…」
299 :
125:03/06/24 00:38 ID:2C4C3M75
「ほ、ほんとう!?」
梨紗のほうからそう切り返されて逆に大助が狼狽した。腰が落ちそうになった。
「うん、本当よ」
「そっか、よか…った……?」
落ちそうになった腰がそのまま戻ろうとせずに、大助は地面にへたり込んだ。
「あ、あれ…?」
「薬、効いてきたみたいね」
「く、くすり……」
意識が飛びそうになる。視界がぐにゅっと歪んで見える。
「さっきの液体、別に飲む必要なかったの。あれって匂い嗅いだだけでころっといっちゃう代物なの」
「あ……」
朦朧とする意識の中で梨紗の顔が近づいてくる。
唇が触れ合い、口内にしたが差し込まれてきた。そこで大助の意識は落ちてしまった。
うな垂れる大助を前に梨紗が優しく囁いた。
「これからだよ、丹羽君――――」
そんなもんどこで手に入れたよ梨紗あぁぁぁぁ!!!ヾ(≧▽≦)ノ
大助は状況に流されて梨紗といたしてしまうのか、
それとも梨紗の話を聞いてやって慰めたうえでいたすのか
今の所、前者になりそうだなw
液体の中に絶対下の液が混ざっていたはずだ!
ってわけで漏れも前者きぼん。(w
俺は後者キボンなんだけどな。
303 :
125:03/06/24 21:30 ID:971FDSjZ
断続的な投下でごめんね。また2レス分ほど貼ってきます
304 :
125:03/06/24 21:31 ID:971FDSjZ
あぅ、長すぎてエラーでますた。3つに変更
305 :
125:03/06/24 21:31 ID:971FDSjZ
大助が昏睡したところからすぐ近くのホテルに梨紗は大助を連れ込んだ。
部屋に入ると梨紗は大助が逃げ出せないように手足をロープで縛りベッドの上に横たえた。
(さあさあ丹羽君、楽しみましょ)
ウキウキ気分で大助のズボンを脱がした。続いてトランクスを脱がしにかかる。
心臓がばくばく鳴っている。この先は梨紗にとって未知の領域だ。
梨紗の目に初めて見る男性器が飛び込んできた。皮を被り小さく萎えているそれを思わず凝視してしまう。
(――――っは!いけないいけない)
見とれていた自分に言い聞かせると、梨紗は鞄の中をごそごそと漁りだした。
「あったあった」
梨紗が取り出したのは梨紅の部屋からちょっと拝借したあの本と、さらに数種類のアイテムだ。
熱心に本のある項目を読み耽る。読み終えると意を決したように顔を上げ、大助の足元に腰を下ろした。
そのまま大助の股間へと顔を近づける。大助の物を眼前に捉えた。
(ふふっ、頂きます…)
かぷっと亀頭を口に咥え込んだ。
「!んう…」
与えられた微妙な刺激に大助の口から声が漏れた。それが気に入ったのか、梨紗はぺろぺろと舌を動かしだした。
306 :
125:03/06/24 21:31 ID:971FDSjZ
「はぅあ……!」
大助の顔が赤らみじっとりと汗が滲んできた。呼吸が荒くなっている。
梨紗が頭を前後に振り出した。
「ん、ん、…じゅ、……んふ、ふん…んふぅ」
甘ったるい息が梨紗から漏れる。次第に梨紗も気分が高まってきている。
みるみると大助の逸物は膨れ上がり、皮が剥け、梨紗の口内いっぱいに臭い匂いが拡がった。
「んふぅ、ん、ん、ちゅぷ…ふぁん」
その匂いに嫌悪を示すどころかさらに梨紗の興奮が強まった。さらに勢いをつけて頭を動かす。
「んうぅ、ふぅん、あふ…んむぅ、んんっ」
根元から亀頭まで、嬲るように口をスライドさせる。梨紗の唾液がてらてらと大助の物を光らせる。
唾液に混じって亀頭の先端からじわりと汁が滲み出してきた。
多量の体液が大助のぎんぎんにいきり立った肉棒、陰嚢を伝いシーツに垂れ落ちた。
「んはぁ…、すごい……硬くて、おっきい」
口を離して大助の逸物をじっくりと観察した。握ってみるとそれはまさに鉄の棒のようにかちんとしている。
その大きさは梨紅の手によって肛門に埋められたバイブより僅かに一回りほど大きい。
見ているだけで梨紗の股間の割れ目がパンツをじんわりと湿らせてきた。
307 :
125:03/06/24 21:32 ID:971FDSjZ
意識の深淵、深く深くそこに堕ちていたものが徐々に浮き上がってきた。
(んー・・・)
久々に肉体に宿ったそれは大きく伸びをしようとして、そこで身体が自由に動かない、拘束されていることに気付いた。
(おおぅ!?なんだなんだ、一体どうなってやがる?)
少し狼狽し、すぐに自分が下半身を剥かれていることを認識した。剥いた本人である梨紗も見えた。
(梨紗!おい大助、どうなってんだよこれは?!)
だが大助の意識はその呼びかけに応えなかった。
(ちっきしょー、どうしておれが梨紗に拘束されてんだよ!)
今自分が置かれている状況を何とか把握しようとして、そして気付いた。
びんっと反り返った逸物のサイズがダークのものより幾らか小さいことに。
(…ってことは、ひょっとして今は大助の身体のままか)
どうしてこんな状況に?と一瞬考えそうになったがすぐに思い至った。
(なるほど。俺に梨紗を喰わせるためにこんな状況を作ってくれたのか、大助のやつ…)
かなり、というかほとんど間違った解釈であるが、好色ダークがこの機を逃すはずが無かった。
(身体が大助ってのが不満だけどな。巧くやらねえと梨紅のやつが泣くからな…)
ダークの解釈のアホさ加減に泣ける(つд`)
梨紗たん、初めてアレとご対面おめでと〜!
アレの大きさで体が大介だと気付くダークにワラタ。
てゆ〜かダークの存在忘れてた。
( ・∀・)オモリー
311 :
125:03/06/26 23:38 ID:o97sMLkj
>>306 「あの、原田さん」
大助の声に梨紗は顔を上げた。
「目が覚めた?」
「うん…とりあえず拘束解いてくれないかな?」
ダークならこの程度すぐに外せるが、身体が大助ということで下手なことはできない。
「ダメよ。だって丹羽君逃げるかもしれないでしょ」
(逃げる?何だか俺が思ったより随分めんどくさいことになってやがるな)
「逃げたりしないよ。このままじゃ僕何もできないじゃないか」
「丹羽君は何もしなくていいの。私がするんだから」
(おいおい!俺はMッ気なんてねえぞ!)
「ま、待ってよ待って!僕、攻められるのなんて好きじゃないよ!」
「あら、さっき気持ち良さそうに呻いてたのは丹羽君じゃない」
(うがー、違ぇよ!ぁあ、ったく!)
もどかしい思いでいっぱいのダークだが、梨紗は大助を攻める気満々である。
梨紗の細い指が大助の亀頭へ触れた。
「うッ!あぁ…な、何だよこりゃ……」
外気に触れる機会が滅多に無い大助のそれは僅かの刺激で激しい快感を与えてくる。
久しく感じたことの無い刺激にダークは声を出した。
「ほらぁ、やっぱり丹羽君は攻められるほうが似合ってるわ」
「ちっ、違……!」
(畜生!大助のやつ、もっと梨紅とやってりゃこんな情けねえ声出さずにすんだのによお!…って、それもそれで複雑だな)
などと考えているうちに梨紗の手が大助の逸物を扱き始めた。
「っはあぁッ!っくしょーがぁ……」
不意を突かれたように与えられる刺激。腹につくほどに逸物は反り返り、がちがちに硬くなった。
その中でダークは悪態をついた。
(こうなったらとことん快楽を味わわせてやるからな、覚悟しろよ梨紗!)
312 :
125:03/06/26 23:38 ID:o97sMLkj
マターリ地道に進行してゆく…
乙。
まったり確実に更新お願い。
梨紗たん、ダークにやられちゃうんかなぁ…(;;
どでもいいけど大介はおいしいとこ味わえないのねw
315 :
125:03/06/30 00:04 ID:FQXdQ3i4
保守
125さんが自ら保守せねばならんとは・・・(つд`)
まぁ、たしかに現在125さんがSS投下しないとレスつかないからなぁ・・・
そういう意味ではたしかに保守するのはいつも125さんだ。
職人さんの帰還でもマターリ待つとしましょう。
梨紅たんが最萌えに優勝したことだし。<意味ない
マターリマターリ( ´∀`)
318 :
125:03/07/01 00:16 ID:H0vzaUxL
>>311 ダークの手が器用にロープを解いていく。
(へへ、この程度で俺を縛れると思うなよ)
梨紗は大助の逸物を弄るのに夢中で気付いていない。ダークは何もせずにその様子を見ている。
梨紗の小さな口が大助のそれを含んだ。
「んふぅ、ふう」
口内で生暖かな息が亀頭を刺激する。
「いいよ…気持ちいいよ原田さん」
梨紗の頭が上下に動く。ぞくぞくと快感が背中を駆けていく。
「原田さん、僕もう我慢できないよ!」
「ぷぁ…?な、なに…きゃっ!」
とうとうダークが梨紗を押し倒した。自由になった大助の手で梨紗の股間を弄る。
「は…あ、だ…だめ、丹羽君!」
「ここまでしておいて引こうっていうの?」
指が梨紗の割れ目をショーツ越しに撫でる。
「ん…あ、あぁ……感じて、きちゃうよ……」
「ああ、本当だ。もう濡れてきてるよ」
ぴちゃぴちゃと指に粘液が絡み付いてくる。
「これだけ濡れてりゃもう入れても平気だよね」
ダークは梨紗のショーツをずり下げて大助のモノを小さな秘裂に押し当てた。
「あ…に、丹羽君、そこ、だめぇ……」
腰を捻って梨紗は逃れた。そしてダークのほうに尻を突き出してきた。
「ねえ、こっち…こっちに入れて」
梨紗がねだったのは梨紅の手によって開発された肛門だった。
(うぉっ!マジかよ梨紗のやつ…。ケツでしてほしいなんて、妙な性癖持ってやがるな)
「じゃあこっちを使わせてもらうよ」
今度は梨紗の肛門へと逸物を押し当てた。
319 :
125:03/07/01 00:16 ID:H0vzaUxL
「それじゃ……いくよ」
突き出した腰は思ったよりすんなりとスライドした。
「っはあぁ!き、きてる、きてるよおぉぉッ!!」
突っ掛かることなく根元まで飲み込まれた。膣壁とは違う腸壁の感触がまだまだ未熟な大助を攻め立てる。
(っくぅあぁ!こんなんじゃすぐイッちまうじゃねえか)
込み上げる射精感を必死に堪えてダークは腰を引いた。逃がすまいとするように梨紗の肛門が吸い付いてきた。
スピードを上げて大助の腰と梨紗の尻がぶつかり合う。梨紗の喘ぎ声とぱしんぱしんという音が響く。
「くぅ、もう限界かよ……」
びくんっと肉棒が梨紗の肛門の中で暴れた。大量の精を梨紗の中に放出した。
「は、は、…はぁぁ……もう、終わり?」
(えぇ、お前は満足してねえのかよ!?)
ちょっとだけショックを受けたダークであった。
「え……あ、んん………?」
梨紗の中で萎えきっていたとばかり思っていたそれが、僅か数十秒で再び硬くなりだした。
「へ?は、あぁ……わ、私の中で…大きくなって……」
(………若いっていいなー…)
感慨深くそう思ってしまったダークだが、すぐに気を取り直した。
(っしゃ!これならすぐにイかなくてすむだろ)
320 :
125:03/07/01 00:16 ID:H0vzaUxL
大助の腰がまた動き出した。中に吐き出した精子のおかげでよりスムーズに動いている。
「ん、は、あぁ、い、いいよ!丹羽君!もっと…もっとぉ!!」
「っは、はは。原田さんって、えっちだね」
梨紗の腰を掴んでさらに攻め立てる。皺が伸びきった肛門が切れそうなほどに激しい。
「ひっ、ぐぅぅ、…んあぁ…ら、らめぇ……」
顔を愉悦に歪ませる梨紗の呂律は回っていない。
「ふぁ、は、あぁ…い、っちゃう……あ、あああぁぁ!!」
絶叫とともに梨紗の割れ目からは熱い愛液がぽたぽたと垂れ落ち、膣の収縮に合わせて肛門もきつく締まった。
「な、中に出すよっ!!」
肛門の締め付けに堪えられずにダークは二度目の射精を迎えた。再び梨紗の直腸に精子が注がれた。
「っふう。結構気持ちよかったよ、原田さん。……原田さん?おい、おい梨紗!」
完全に気を失っている。梨紗は何も反応を示さない。
「っへへ、そんなに俺のテクが良かったのか?」
少し得意げにダークは言った。そしてその視線が梨紗の鞄のところで止まった。
(ん、なんだありゃ?)
乱雑に取り出された荷物の中に、一冊の本と数種類のアイテムがある。
ダークはそのうちの一つを手に取った。
「お、こりゃ媚薬じゃねーか。面白いもん持ってるじゃん」
蓋を開けるとダークは一気に飲み干した。その効果はすぐに表れてきた。
胸が熱くなる。体温が急上昇したのが判る。興奮も次第に高まり、二度の射精を繰り返したモノが三度反り返った。
「うー、きたきたぁ!っふっかーーつ!!」
精力マックス、性欲魔人ダークの本領発揮である。
321 :
125:03/07/01 00:17 ID:H0vzaUxL
「さってと、あとのアイテムは…ローションに、ローターにアナルバイブか…」
それら全てを手に取った。まずはローションをたっぷりと気絶している梨紗の股間部に塗りたくる。
膣、腸内にも注ぎ込んだ。
そしてローターを肛門の奥へ押し込んでスイッチを入れ、さらにバイブで栓をした。
「準備完了。梨紗、お前の処女は俺が貰うぜ」
そして自分の逸物を梨紗の中に押し込もうとした時に気付いた。
「――――おぉ、俺の身体だ」
股間についている肉棒のサイズがさっきまでより二周り以上大きくなっていた。
(つーことは、後で適当に魔力使って梨紗の記憶いじってやれば面倒起きなくて済むじゃねーか!)
「よっしゃ!俄然犯る気出てきたぜ!」
ダークの巨根が梨紗の小振りな陰唇を割って少しずつ進入しだした。
ローションが塗ってあるとはいえ流石にサイズ差がありすぎるためにスムーズにいかない。
「まあ傷ついたら後で治してやるから、今だけ我慢してくれよ…な、っと!」
無理矢理挿入する。途中でつっかえそうになったがそのまま奥まで押し込み、梨紗の顔が苦痛に歪んだ。
322 :
125:03/07/01 00:17 ID:H0vzaUxL
「ふー、こりゃきついぜ」
梨紗の腰を押さえつけてダークが腰を振る。
結合部から飛び散る飛沫には白濁の液と、それに混ざった薄桃色の液があった。
正常位だけでは飽き足らず、自分が思ったとおりの体位にと移行する。
まるで玩具、ダッチワイフのようなことを梨紗はさせられている。
使い込まれたダークの逸物はなかなか絶頂を迎えず、ただその時が来るまで梨紗を攻め続ける。
梨紗の膣口はダークに蹂躪されすでにがばがばな状態になっている。ダークが治さない限りはゆるゆるなままだろう。
裏筋には腸内に挿入したローターの振動がぷるぷると伝わってくる。
膣道を何度も往復させるうちに、ようやくダークに射精感が込み上げてきた。
ダークの手が梨紗の陰核をくりくりと刺激する。びくっと梨紗の身体が反応した。
「はぁ…いいぞ、そろそろイきそうだ…」
陰核を刺激する指が強まった。執拗に、嬲るように攻め立てる。
「…あ、ぁぁ……」
梨紗が小さく声を漏らすと同時、ダークの巨根を握りつぶすような勢いで膣壁が縮み上がった。
「くぅぁっ!」
堪らずダークが腰を引いた。挿入されていたものが引き抜かれた瞬間、びくっ!びくっ!とそれが大量の精子を梨紗の腹の上にぶちまけた。
「はあ、はあ、……ふぅ…。中出しできねえってのがちょっと癪だけどな、へへ」
それでも梨紗の身体にかなり満足したダークはいそいそと後片付けを開始した。
323 :
125:03/07/01 00:17 ID:H0vzaUxL
「――――うわああぁぁぁ!!!!」
布団をがばっと跳ね上げて大助は目を覚ました。汗がじっとりと肌にこびり付いている。
まるで悪夢でも見た後のようだ。
「はあ、はあ、はあ、………ここは?」
大助の頭は混乱していた。今日何をしていたかよく思い出せなかったからだ。
(えっと、今日は確か金曜日で…それで、うーん………、そうだ!明日梨紅さんが帰ってくるんだ!)
慌てて時計を確認する。時刻は11時を指している。まだ今は金曜日である。
(でも、僕今日は何をしてたんだっけ?……ねえダーク)
(ん?なんだよ)
(今日僕が何してたか判る?)
(んなこと俺が覚えてるわけねーだろ。ふぁ…、今日は疲れてんだ、もう寝るぞ)
(あ、ちょっと!……ったくぅ)
ダークの態度に不満を感じた。記憶が混乱しているのはダークが何かしたせいかもしれない。
しかしダークに答える気が無い今、心配してもしょうがないということで大助はそのまま布団に潜り込んだ。
(明日、何か変わったことがあったら絶対ダークに事情聞かなきゃな……)
そして大助は眠りに落ちていく。明日帰ってくる梨紅のことを思いながら。
おーい、ダークやぁぁ・・・それは梨紗があまりにも・・・w
どこまで記憶消したのか・・・ほんと。
でも全部消したなら梨紗は大助を襲ったことも忘れて
また襲ってしまうんじゃ・・・なら、ある程度は覚えてる?
325 :
125:03/07/01 00:36 ID:H0vzaUxL
あんまり深く考えないでー(藁
あぼーん
( ・∀・)ホシュー
ダークは極度のフェミニスト
いくら後で直せるからって
>「まあ傷ついたら後で治してやるから、
これはやりすぎぽ(ノД`)
329 :
名無しさん@ピンキー:03/07/03 16:14 ID:xNOHwiSh
125さん。
素朴な疑問ですがダークは処女膜も治せるんでつか?
あぼーん
331 :
125:03/07/03 23:45 ID:0pIuD/YU
やりすぎ反省します。
処女膜どうでしょう?治せるかも。
やっぱり僕一人だといろいろ問題が出てしまいますね。
特に僕は梨紗派じゃないのでどうしても扱いがいい加減になってしまってますね、反省。
梨紗マンセーのss書いてくれる人がいてくれたらいいんですが…
>>125さん、DNはもともと梨紗マンセーな人は少数派ですから。
両方好きな人は多いと思いますが(俺含む)
まぁ、書いちまったもんは仕方がないということで
修行なんだし、気にせず続き書いちゃってくださいな。
>修行なんだし、気にせず続き書いちゃってくださいな。
同意。まだちょこちょこ感想あるし独りよがりにならない程度には
キャラを自由に動かしていいかと。個人的にはマターリ路線がいいんだが。
学校の中庭で戦闘後疲弊している大助や日渡が
双子に膝枕してもらいつつマターリうたた寝とか
梨紗「なんで私がこんな奴膝枕しなきゃなんないのよヽ(`Д´)ノ
梨紅「二人ともなんか怪我してるしそれくらいいいじゃない
「ゆっくり休ませてあげなよ
梨紗「いいよね〜梨紅は好きな人で。私はダークさんが良かったなぁ(゚・゚*
梨紅「ちょっ梨紗!私は別に丹羽君とは…ゴニョゴニョゴニョゴニョ
334 :
名無しさん@ピンキー:03/07/04 08:04 ID:ORhpHjj7
大助「・・・原田さん・・・・。見損なったよ。君が男と簡単にキスするような女の子だったなんて・・・・・」
妹「に、丹羽君。どうしてそのことを・・・・・」
大助「僕は原田さんのことなら何だって知ってるんだ。・・・・身体のこと以外はね・・・・。ところでダークとのキスは良かったかい?」
妹「・・・・・・・・」
大助「・・・・・君は僕を裏切った。僕の純粋な心を傷つけたんだ・・・・。・・・許せない・・・。この代償はたっぷりと支払ってもらうよ・・・。原田さんの肉体でね・・・・」
妹「や、やめて。丹羽君・・・・。私はダークさんに・・・・・」
大助「・・・ダーク?ダークだと!!あいつは僕が永遠に封印した!!もう二度と奴が現れることはないんだ!!」
妹「う、嘘よ。ダークさんを封印したなんて・・・。それに丹羽君ではあのダークさんを封印なんて出来るわけないわ」
大助「嘘じゃないさ。君とダークがキスした瞬間に目覚めたんだよ。僕の大怪盗としての真の実力がね。
さあ、あいつの代わりに僕がお前の相手をしてあげるよ。あの時、ダークとはキスしかしなかったからまだ処女なんだろ。それともどっかの野郎とやっちまったのか、淫乱娘さん?」
妹「丹羽君。お願いやめて。いつもの丹羽君じゃないわ!!」
大助「当たり前だ!!!。俺はお前とダークに裏切られたんだからな。さっきもいったが、ダークへの復讐は完了した。次はお前の番だ。覚悟しておけ!俺は今までの丹羽大助ではないぞ。お前を陵辱して陵辱して陵辱しつくしてやる!!」
あぼーん
あぼーん
337 :
125:03/07/04 10:37 ID:kEVQshyB
正直、あげるのは勘弁してほしい
>>334 ( ・∀・)キチクー
ツヅキ(・∀・ )キボンヌー
340 :
125:03/07/07 00:04 ID:GsEjoag9
土曜日。いつものように登校する大助は、少しだけ気分がウキウキしていた。
「ふんふーん」
(うわっ、気持ち悪ぃ!何だよそれ…)
「う…、か、関係ないだろ」
(へーへー。大人しくしといてやるよ)
ん、と思った。やけにダークがあっさりと冷やかしをやめたことが腑に落ちなかった。
大助が梨紅が帰ってくるから浮かれているということにダークが気付かなかったわけが無い。
(……なんか変だけど…)
冷やかさないならそれに越したことは無い。深く突っ込むことはしなかった。
ホームルームが終ったが、梨紅の席はまだ空いていた。
(うーん、何時頃帰ってくるんだろ…)
早く梨紅に会いたいという気持ちが大助の気持ちをはやらせた。
341 :
125:03/07/07 00:04 ID:GsEjoag9
結局放課後になっても梨紅の席が埋まることは無かった。
「はぁ…」
今日は梨紅と一緒に帰ろうと決めていた大助は自分の席を離れようとしなかった。
「あれ、丹羽君」
大助以外いなくなっていた教室の中に声が掛けられた。
「あ、原田さん」
「まだ帰らないの?」
「うん。ちょっとね、梨紅さんを待ってるんだ」
「あ、そうなんだ…」
「原田さんも梨紅さんを待ってたの?」
「うん、そうなんだけど……私、帰るね」
「え…どうして?」
教室に来た梨紗が何もせずに帰るということが不自然だった。
「それじゃあね!しっかり梨紅を送り届けてね、丹羽君」
そう言い残して梨紗はさっさと姿を消した。
(大助ー。追いかけなくていいのか?)
「何でだよ!」
(別に。ただ言ってみただけさ)
「もう、あんまり変なこと言うなよ。それと…」
(わーってるよ、梨紅との邪魔なんざしねえ。約束はちゃんと守ってやるさ)
「…へ?約束、って何?」
(ん?いや、何でもねえ。それじゃ俺ぁ寝るわ。じゃあな)
ダークの意識が頭の中から消えていくのを感じた。
これにも不自然なものを感じたが、問い掛けようにも誰も答える者はいない。
とりあえず梨紅が学校に帰ってくるまでここに座って待っているしかなかった。
342 :
125:03/07/07 00:05 ID:GsEjoag9
机に突っ伏していた大助は目を覚ました。
(あ…いけない!僕、寝てた……?)
慌てて顔を上げる。
「………あ」
「おはよ」
目の前では梨紅が優しい笑みを浮かべていた。
「ごめん!起きて待ってるつもりだったけど、その、ちょっとうとうとしちゃって…」
「ううん、気にしないで」
それから、合宿がどうだったか、そんな話を二人でした。そして明日のデートの話も。
「本当に疲れてない?無理はしちゃダメだよ」
「平気平気。もう体調万全なんだから!」
「じゃあ明日どこに行こうか」
そこで梨紅がうっと唸った。
「ごめん、まだ考えてなかった……」
「そっか…、それじゃ明日考えようよ。それに、どこにも行かなくても、梨紅さんと二人っきりなら…」
ごにょごにょと、最後のほうは消え入りそうだった。言って少し恥ずかしいことを言っていると思ったからだ。
それでも、大助の言おうとしたことは梨紅に伝わった。
「丹羽君……、うん!明日は二人で楽しもうね!」
元気よく、とても嬉しそうに頷く梨紅はとても可愛らしかった。
343 :
125:03/07/07 00:05 ID:GsEjoag9
その様子を梨紗は教室の入り口からじっと見ていた。ちょっと怖い。
(…どうしてかな?)
何故かわからないが、梨紗は二人のことがとても気になっていた。
それはダークが記憶をいじったために生じたちょっとした混乱現象だった。
(うーん、気になる…とっても気になるわ)
どうしようかと梨紗は一人悶々としていた。
「何をしている?」
突然梨紗の背後からした声に彼女は悲鳴をあげそうになった、が、何とか堪えた。
「ひ、日渡君」
教室の中には大助と梨紅がいる。日渡がここにいるということは教室になにか用事があるのかもしれない。
(ま、まずいわ…!)
今三人が出会うといろいろと面倒が起きそうだと思った梨紗は日渡の腕を引いて急いで教室から離れた。
「…痛いじゃないか」
「ごめんね日渡君。でも今はちょっと、教室に行くのは…」
「なにか事情がありそうだな。わかった。今は近づくのはよしておくよ」
そう言って日渡はその場を去ろうとした。が、
「ちょ、ちょっと待って!」
梨紗は彼を呼び止めた。
「何か?」
「あ…え、えっとぉ……」
「用がないならもう行くが」
「え?あ、ああ…明日は暇?」
「うん……特に用事は入ってなかったが…」
「それじゃ明日は私に付き合って!お願い!これは決定事項よ、絶対付き合ってね!」
「…………はぁ?」
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!!
日渡君はあまり好かんのですが・・・
と超個人的事情でコメントしてみるテスツ
今までROMってたけど、職人さん方々・・・
ガンガッてください!!
346 :
sage:03/07/07 22:27 ID:VqSvcs33
漏れも日渡は・・・・・。
日渡=ホモが頭に染み付いてしまったからな。
女「日渡先輩、私と付き合ってください!」
日渡「悪いが女に興味はない」
って感じ。
原作では梨紗×日渡 フラグっぽいのがちらほらあるんだけど
あれはどうなるんだろう?
ともあれ125さん、続きPlz
↑
名前欄にsageと入力してしまった(藁
逝ってきます。。。
349 :
125:03/07/08 02:37 ID:zmewpx5i
>>343 「ごっめーん丹羽君!待った?」
「ううん。僕も今来たばっかりだから、気にしないで」
日曜日。大助と梨紅は街中の広場で朝の十時に待ち合わせをしていた。
大助が既にそこにいるのを確認し、梨紅は慌てて駆け寄ってきた。
「梨紅さん。今日はどこか行きたいところある?」
「うーん…、特に考えてないなあ……」
「だったらさ、向こうに新しくできた遊園地に行こうよ」
「遊園地?そんなのできてたんだ」
「梨紅さん知らなかったの?」
「……悪かったわね。どーせ私はそういうの疎いわよ」
「え、あ…全然そんなことないよ!気にしないで!」
ちょっと不機嫌になった梨紅の機嫌をとるようにへらへらと大助は話す。
「んーー……、それじゃ今日は全部丹羽君のおごりね!」
「えぇっ!?全部……って、待ってよ梨紅さん!」
さっさと走っていく梨紅の後を大助は追いかけた。
「ほらほら。早く来ないと置いてっちゃうよー」
「待ってってばあ」
350 :
125:03/07/08 02:38 ID:zmewpx5i
「ふむ……遊園地、ね」
その様子を、日渡はちょうど二人からは見えない位置で観察していた。
自分がどうして今日付き合わされているか、その理由は昨日梨紗から聞いていた。
(しかし本気で二人の後をつけるとは…)
聞かされた時は半信半疑、いや、はっきり言って嘘だと思っていた。
しかし十時五分前に大助が到着した時、梨紗が言ったことが本気だったと思った。
そして今、日渡は梨紗を待っているのだが…、
(…………遅い)
約束の時刻は九時半。そして現在十時三分。時間きっかりについた日渡は三十分以上待たされていた。
「お待たせー」
ようやく梨紗がやって来た。
「…遅すぎるぞ」
「何?もしかして怒ってるの?」
「当たり前だ」
「女性の遅刻くらい大目に見てよね。それくらい常識よ」
「約束の時間にちゃんと来ることのほうが常識だと思うが…。現に原田梨紅さんは二人の待ち合わせの時間ちょうどに現れたぞ」
「何いってるの、私と梨紅は違うんだから同じように見ないでちょうだい!」
「そういう問題か…?」
「そういう問題なの。…ところで梨紅たちは?」
目頭を押さえ、いかにも疲れたという感じの日渡を無視し梨紗は続けた。
「ふう……。二人なら、向こうに新しくできた遊園地に行ったぞ」
二人が向かった先を指差しながらそう言った。
「あー!あそこって雑誌でも取り上げられたデートスポットなんだよ!よかったぁ、一度行ってみたかったのよねー」
目を輝かせながらウキウキと喋る梨紗。
「……二人をつけるんじゃないのか?」
「もちろんそのつもりよ。でもどうせなんだし、楽しまないと損じゃない」
「……はぁ」
梨紗に聞こえないように小さくため息を吐いた。
「だから、今日は日渡君がお金出してね!それじゃ行きましょ!」
「な、ちょ、ちょっと待ってくれ!なんで俺がそこまで……」
既に梨紗は脱兎の如く駆け出し、日渡だけがその場に残されていた。
「…頭が痛くなってくる……」
うーん、ROMの身でこういうことを言うのは正直気が引けるのだが、ひとつ言いたい。
125氏はキャラを本当に愛しているのか?
梨紗も梨紅も性格が悪すぎるし、扱いもひどすぎる。
梨紅は具合の悪くなった大助のためにジュースを買ってくるような気配りの出来る子で、
大助に全部おごってもらうなんてまねはしないだろうし、
梨紗は大助との待ち合わせのときも先に来て待っていたぐらいで、
相応の理由がなければ遅刻はしない。
二人とももうちょっと、アニメもしくは原作に近づけた性格にしてほしい。
苦言スマン。ただ、少し考えてくれるとありがたい。
352 :
125:03/07/08 10:49 ID:epUI2FG4
もう無理ポ
>>351 原作かアニメの性格のままでエロ小説を書くのはキツイんじゃないのか?
原作かアニメの性格だったら絶対エロな展開にはならんぞ。
パラレルワールドにいる梨紅、梨紗とでも思って読んでみたらどうだろか。
どしてもダメだったら125をNGNAMEに入れるべし。(爆
おちけつ
>>351 エロパロ板なんだし。
キャラの扱いが悪いのがいやなら自分で書くか
読むのを止めたほうがいい。それも選択だ。
あぼーん
シャニが主題歌を歌うスレはここですか
>>351 初期でならわかるがもう125氏の連載は長いし
ここまで来たら変更は無理だろw
こういうものは気に入らなくてもあれこれ言わないのが
マナーだと思うが…
一度批判した身で言うのもなんだが・・・
>>351 まぁ、他の方々も言っている通り、
設定そのまま。ってわけにはいかないと思うし、
まぁ、そこまで要求するのは酷だと思うょ
兎にも角にも、
>>125さんガンガレ
ということで125たんは気分を変えて
みおたんのはちゃめちゃエロキボンヌ
361 :
125:03/07/11 02:07 ID:Wu0C7TSu
巻之十四半 「丹羽と忍者と体育教師」
「ほらほら丹羽君、シュシュッとイッちゃいなさい」
「あうっ」
とぴゅっ
ヽ(`Д´)ノ
>>361 ( ・∀・)ワロター
トワチャン(・∀・ )エロキボンヌー
ヽ(`Д´)ノ
365 :
125:03/07/12 00:03 ID:8M7IkZS6
>>365 難しい判断だが…喜んでいると見ていいのではないかと
ヽ(`Д´)ノ は梨紗の中の人の得意技だしw
ヽ(`Д´)ノミレネーヨ!!
369 :
125:03/07/13 17:41 ID:Uk4QE6za
>>363ほいこれ
「ううーーん…」
朝、ベッドの上で目を覚ましてから大助は唸っていた。
「あら、どうしましたか大助?」
「あ、おはようトワちゃん」
「おはようございます。…それで、何か悩みでも?」
大助は頭を振った。
「そうじゃないんだ。最近、なんだか妙に身体がだるくって…」
「あらあら、それはいけませんわ!学校からお帰りになったらすぐお休みになって疲れを取るのが一番です!」
ちょっとすごい剣幕で迫られ大助は少し後ずさった。
「う、うん…そうするよ」
ははは、と乾いた愛想笑いを浮かべる。
「トワちゃーん!お食事の用意手伝ってちょうだい!」
「はいはい、今行きますわ奥様!」
階下からの笑子の呼びかけにトワは応えた。
「それじゃ私はお先に失礼します。早く着替えてきてくださいね」
「うん」
370 :
125:03/07/13 17:42 ID:Uk4QE6za
深夜、すっかり寝静まった丹羽家。
物音も全くしない家の中で、大助の部屋の階段だけがぎしぎしと音を立てていた。
「大助ー。起きていますかー?」
小声で、トワの声が部屋の中に響いた。
それに返ってくる返事はなく、大助の寝息がすーすーと聞こえるだけだ。
大助が寝入っていることを確認すると、そろそろと大助のベッドを登った。
「んまあ、相変わらず可愛らしい寝顔」
きらきら目を輝かせ、毎晩と同じようにその寝顔に見入っていた。
「……っは!?い、いけませんわ。またいつものように本来の目的を見失うところでしたわ!」
気を取り直し、大助のパジャマのズボンとパンツに手を掛けてするすると膝のあたりまで下ろしていった。
大助のペニスがぽろりと姿を現した。
「ふふ、それでは今晩も頂かせてもらいますわよ」
大助のペニスを右手で握ると、器用にシュシュッと擦りだした。
「…んん……」
大助は声を漏らすが起きる気配はない。トワが魔力でそう細工していたからだ。
むくむくと大助のペニスが大きくなり、上に一直線に突き立った。
「ああ…いつ見ても立派な具合ですわ……」
熱っぽい表情でうっとりと見つめ、大助の亀頭を咥え込んでいった。
「っあうぅ……」
トワの舌が大助の尿道口から裏筋、雁首をちろりと這っていく。
左手で陰嚢を揉みしだき、右手は陰茎を激しくしごいている。
「ううぅ…!」
呻くと同時に大助の尿道から精子が勢いよく放たれた。
それをこぼさないようにしっかりと口を締め、口内に溢れかえった精子をごくんごくんと飲み込んだ。
「っんぷぅ…、はぁ、はぁ……ああ…美味しかったですわ。ごちそうさま」
すっかり萎えきった大助のペニスに付いた粘液をを綺麗に舐めとり掃除した。
「明日も頼みますわね」
ちゅっと大助の亀頭に口付けし、そそくさとトワは去って行った。
371 :
125:03/07/13 17:42 ID:Uk4QE6za
>>360 みおはまだよくわからんので無理でつ。しばらくアニメが進むのを待ってくださぃ。
373 :
125:03/07/15 00:16 ID:TPSvYJ6q
体育館の倉庫の中で、肉と肉がぶつかる音が響いている。
「…ぅぅう……あ、はあぁ」
上半身裸の少女は跳び箱の上に腹這いで少年に押さえ付けられている。
肉がぶつかる音がすると、少女の呻き声が苦しげに続く。
「どう?そろそろ感じてきたんじゃない?」
少年が、その幼い声からは想像できないほどひどく意地悪い声で聞いた。
「そ、んなこと……ないよ、お…」
少女の答えに不服だった少年は、彼女の長い髪を思いっきり引っ張り上げた。
「っい……!あ、お、願い…や…めて!」
「嘘だ。原田さんは、学校でオナニーしちゃうようなエッチな娘なんだよね?」
それを聞いて、梨紗の顔が引き攣った。
梨紗がトイレでオナニーをしているところを大助に盗撮され、それをネタにこの関係を強要されていた。
「うっ、ぐすっ……こんなの、丹羽君じゃないよ…」
いつも夜中に連れまわしたり、掃除当番を代わってもらったり、いいように利よ…ゲフンゲフン、
梨紗のわがままにも優しく付き合っていた大助が、突然こんな行為をしたことが彼女にはわからなかった。
「僕は僕だよ。ただ今までの僕がどうかしてたんだ。最初っからこうしてればよかったんだ」
ばしんばしんと乱暴に腰を突き出す。梨紗の顔が苦痛で歪み、身体はがくがくと震えている。
「がっ…はあっ、ひはぁ…は、あ…もう…やめてよ……」
「こんな気持ちいいこと、やめれるわけないじゃない」
梨紗の頭を跳び箱に押さえ付け、さらに激しく腰を動かす。
結合部から溢れる体液が、ぼたぼたと倉庫の床を汚していく。
374 :
125:03/07/15 00:17 ID:TPSvYJ6q
「原田さん、どんな格好で犯されるのがいい?」
「い…やあ……」
泣きじゃくり、ぐずぐずと鼻を鳴らしながらそう言った。
「そう、そんなにいやなんだ…」
大助がすっと腰を引いてびんびんに反り返ったペニスを抜き取った。
今まで自分を苦しめていたものがなくなり、梨紗はほっと安心した。
そして、もちろんそれで終るはずもなかった。
梨紗の右足を引き上げると、再びその小振りな膣口へとペニスを突き立てた。
「――っかは!く、あ…あ・・・…き、つい…」
さっきよりもさらに深く挿入された大助のペニスが、梨紗の膣壁、子宮口をぐいぐいと圧迫する。
あまりの激痛に梨紗の呼吸は苦しくなり、息も荒くなってきた。
「こんなに、深く入ってるよ。ああ…僕もうイッちゃいそうだよ」
「んくぅ…な、中はダメェ!」
「そう、そんなに僕の精子を中に出してもらいたいんだ。それじゃ出すよ」
「い、いやあぁ!ダメ、ダメエエェェ!!」
梨紗の訴えも虚しく、大量の精液がどくどくと梨紗の中に注ぎこまれた。
「はあ…はあ……。よかったよ原田さん。また相手をしてもらうから」
大助は自分のペニスをズボンに収め、倉庫を後にした。
残された梨紗は上着を抱え、その場に腰を下ろして泣いていた。
375 :
125:03/07/15 00:17 ID:TPSvYJ6q
「――ねえ、丹羽君!」
「あ、原田さん、…のお姉さん」
廊下で声を掛けられ、大助はそっちを振り向いた。
「んーー、その言い方気に入らないって言ったでしょ」
「そ、そっか…何か用、梨紅さん」
「ん、うん。梨紗見かけなかった?」
「原田さん?それなら体育館の倉庫で見かけたよ」
「え、倉庫?どうしてそんなところに梨紗がいるのよ」
「さあ。嘘だと思うんなら一緒に見に行こうよ」
そう言うと梨紅を置いて大助は再び倉庫に向かって歩き出した。
「あぁっ、ちょっと待ってよ!」
大助の後についてくるように梨紅が追いかける。
梨紅からは見えない大助の顔は薄っすらと笑っていた。
次のターゲットはもう決まった――。
おわり
125さん、乙。
鬼畜もまぁ・・・ありなのだあろうが、俺的には
>>350の続きを
早くキボンヌ
377 :
125:03/07/15 01:42 ID:s26lkRyp
>>376 続き読みたいでつか?
僕的にはもう、ねえ……といった感じで書く気が全くおきませぬ。
まあ、そのうち…。
あぼーん
125さん乙
>>350の続き期待してます(;´Д`)
380 :
125:03/07/15 21:54 ID:6IZreMrE
>>376、379
続き期待している方が二人もおられるのですね(つД`)
がんばってみます。
ホシュヽ(`Д´)ノナンダヨー!!
382 :
125:03/07/16 20:31 ID:Qhk/4jr1
>>350 「梨紅さん、どうかした?」
さっきから少しだけ難しい顔をしている梨紅に尋ねた。
「んーー……何か、妙な感じがしちゃって…」
「体調でも悪いの?」
「ううん、そういうのじゃなくて…なんて言うのかなあ」
妙な感じ、後ろから刺されるような痛みがちくちくと感じられた。
ぷいっと後ろを振り返ってみるが、何も変わったところなどなかった。
「梨紅さん?」
「……ううん、何でもない。私の気のせいだと思うから。さ、いこ」
大助もそんな梨紅の様子を少し疑問に思ったが、頷いて二人並んで歩き出した。
梨紅が振り返った通りの、その一角から、二つの顔がぬぬーっと出現した。
「――見つかってないみたいね」
「ああ、そのようだ。だが………」
日渡は周囲を見回した。二人には、通行人からの奇異の視線が突き刺さるように向けられていた。
「ママァー、あのお姉ちゃんたち何やってるの?」
「しっ!目を合わせちゃいけません」
「ひそひそ…絶対怪しいわね、あの二人……」
「ごにょごにょ…ストーキング、ってやつ?」
「………なあ、原田さん」
「え、何?」
「あの、だな…。もう少し周囲の目というものを気にしたほうがいいと思うんだが……」
「何言ってるの。周りのことを気にして尾行なんてできるわけないでしょ」
「いや、どうせなら周りにもばれない様にしたほうが…」
「あ、ああぁ!二人が先に言っちゃうわ!ほら、急ごう日渡君」
しゅたたたた、と梨紗が駆けて行く。
「…………」
一人置いていかれる日渡。また、溜め息が漏れた。とぼとぼと梨紗の後を追いかけて行った。
ホモワタリ→大助→←梨紅
↑
梨紗
こんな感じ?
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
( ・∀・)キーター!!!
386 :
125:03/07/18 17:55 ID:3dzqag5E
>>382 人でごった返していた入場ゲートをくぐると、そこは騒々しいほど賑やかなところだった。
「すっごいねぇ…。人がいっぱい…」
「できたばっかりだからね。それにアトラクションとか、いろいろ楽しいイベントもあるんだよ」
「丹羽君詳しいね」
「今日のためにいろいろ調べてたんだ」
「じゃあ、今日は丹羽君がリードしてくれるんだ」
「うん、僕に任せて!」
自信満々に答える大助は今日のために頑張ってデートコースを考えてきていた。
387 :
125:03/07/18 17:56 ID:3dzqag5E
「うーー、人多すぎぃ…」
「ああ」
人ごみに揉まれながら、梨紗と日渡は入場できないでいた。
「もー、梨紅と丹羽君見失っちゃったよ」
「ああ」
「っイタ!今足踏まれたぁ」
「すまん。俺だ」
「んもう!全っ然進まないんだからぁ!」
「しょうがないだろ。人の流れに乗り損ねたんだから」
「どーしてえぇ?」
「どうもこうも無いと思うが」
「うーーっ、……あ、進みだしたよ。急ご、日渡君」
「ああ」
ゲートをくぐると一気に人ごみは散っていった。それでも辺りには人が大勢いる。
「二人はどこ行っちゃったんだろ……。日渡君、何とかならない?」
「ふむ…。今は十一時か」
腕時計を見ながら呟いた。
「ここの敷地面積は約32万3千平方メートル。アトラクション数22。閉園時間の十時までに全て回るのはまず不可能」
日渡の話を梨紗はうんうんと頷いて聞いている。
「さらに今は開園記念として期間限定の特別イベントも多数行われている」
「じゃあ二人を探し出すのは無理ってこと?」
「普通ならまず無理だ。捜索するポイントを絞る必要がある」
日渡はポケットからゲート付近に置いてあった案内図を取り出し、それを拡げた。
「二人の好みからどこに行きそうかを推理しなくてはならない。原田梨紅さんが好むアトラクションは分かるか?」
「そうねえ……。あの娘、動物とか結構好きだから、そういうところ行くんじゃないかな」
「なるほど。ここから近い動物系のアトラクションは……、『熊のブーさん危機一髪』と『兎と亀の大脱走』だな」
「……微妙なタイトルね」
「………ああ」
「と、とにかく、梨紅は熊さん好きだからそっちに行くかもしれないよ」
「わかった。ではまずはそっちから捜査するとしよう」
388 :
125:03/07/18 17:57 ID:3dzqag5E
ごめん、多分しばらくえちぃシーンは無いと思います。堪忍してくださぃ
>125氏
まったりゴーゴー。
まったりが最高です。
( ・∀・)マターリー
期待ヽ(`Д´)ノ
393 :
125:03/07/20 16:50 ID:p9lzrjhp
「な、な、な、なにこのアトラクション!?」
「く、くくく、『熊のブーさん危機一髪』だよぉっ!!」
大助と梨紅は廃屋をイメージしたセットを全速力で駆けていた。
二人の後方からはグロテスクな姿をした熊のような何なのかよくわからない物が追いかけていた。
「なんでこんなアトラクション選んじゃったの!」
「だって、梨紅さんって動物好きだからっ!」
「あんな可愛くない熊なんて好きになれないよおぉぉっ!!」
「ご、っごめんなさあああぁぁいっ!!」
「……ねえ日渡君」
「なんだ?」
「ここってさ、どう見てもホラーハウスじゃないかな……」
「……だな」
ぼろぼろに施された外装にべったりと塗りたくられた血糊。
入り口から時折聞こえる悲鳴のような叫び声がそのアトラクションの不気味な雰囲気をさらに引き立てていた。
日渡は手にしていたパンフレットを開いた。
『可愛いクマさんたちと触れ合おう。癒し系の新境地を切り開いた超新型アトラクション!!』
それを覗き込むように見ていた梨紗は呟いた。
「詐欺じゃない……」
日渡もそれに同意してパンフレットを閉じた。
「それじゃあ出口を見張っておこうか」
「入らないの?」
「入る必要は無いだろ」
「えーっ!せっかくきたんだから楽しみたかったのにぃ…」
「……丹羽と原田梨紅さんを尾行するのが目的じゃないのか」
「わかってるわよぉ…」
「それじゃああそこのベンチで見張っていよう。あそこからなら出口がよく見える」
日渡が示したベンチの周りにはそばに飲食店があるため大勢の人で溢れていた。
自分たちはそれにまぎれて姿を隠せるので見張るには最適の場所だった。
「行こう」
「あ、待ってよ」
一人でさっさと行く日渡の後を梨紗は追いかけた。
394 :
125:03/07/20 16:51 ID:p9lzrjhp
「っっっぃいいやああぁあぁぁぁ!!!」
走って角を曲がった瞬間、梨紅の目の前に熊のブーさんがそのおぞましい姿で現れた。
梨紅の右腕が唸る。
っぐぽぁ、という奇妙な音を発しながら、熊のブーさんは梨紅のコークスクリューの餌食となりその場に倒れた。
ブーさんの顔が歪な形になってしまった。
「っ――――」
ブーさんが小さく呻いた。。
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
大助と梨紅は倒れたブーさんに駆け寄った。
倒れたまま、ブーさんは右手を挙げて大丈夫という意思を二人に伝え、そして通路の奥を指差した。
「先に行けってことかな?」
「でも、この人をこのままここに放っておくなんてできないよ」
二人が言い合っていると、ブーさんは二人が来た道、つまり二人の背後を指差したので、同時に振り返った。
『っっひいいいぃぃぃぃいぃ!!!』
その瞬間、二人は悲鳴をあげた。大量の熊のブーさんがわらわらと二人めがけて突進していたからだ。
倒れているブーさんはまた奥を指差した。そのまま手を二人に向け親指をぐっと立て、そして事切れた。
「ブーさん……」
「行こう、梨紅さん!ブーさんの死を無駄にしちゃダメだ!」
「……うん」
はっきりと頷き、そして二人はブーさんの団体から逃げるように駆け出した。
ブーさんがドタドタと足音を立てて二人の後を追って行った。
「………オレまだ死んでないんだけどな」
一人取り残されたブーさんは小さく呟いた。
( ・∀・)オモローイー
ってかさぁ・・・125氏よ・・・
こういう展開って俺・・・個人的には・・・
大好きです。w
ダーク×梨紅はダメ?
398 :
125:03/07/21 00:24 ID:XB74bR6a
ダーク梨紅はですねぇ、どうやってもイメージできないんですよw
どんなシチュエーションでやるかを言ってくれれば書けると思います。
>125=398さん
梨紗の為を思ってこれ以上手を出さないようにダークに注意しに
予告状の場所に出掛ける梨紅。
そこで大助ラヴラヴな梨紅に半強要的に・・
みたいな感じでどうでしょうか?
嫌よ嫌よも好きのうちというか・・
設定的に有り得りわけないし、かなり無理があるので
夢ヲチでもいいです(w
よろしくお願いします!
400 :
125:03/07/21 20:29 ID:OBNyVsw6
ん、頑張ってみまつ。
でも今週は所用がつまっているので書けないと思います。
一週間ほど保守でお願いします。
1巻「逃げること…」「ないじゃない…」
2巻「もう遅いよぉ…」
3巻「今 聞いた」
4巻「あたし本当は不安だった…」
5巻「―――丹羽くん……」
6巻「ずっとあやまりたかったの…」
7巻「宝物なんだから あたしの―――っっ」
8巻「結局 梨紗っぽいのが 好きって事じゃん」
9巻「かわい。」
以上のシーンをオールカラーにして、
「梨紅萌え総集編」として角川に売り出して欲しい。
あぼーん
>125さん
了解です!
楽しみにお待ちしています!!
>>125 ギャグ路線すか?イイ!!(゚∀゚)イイ!!
>>401 3巻の保健室での告白も入れて。
>>all
誰か大助×梨紅のヌードデッサンSSお願いすます。
ああ、シュー梨紅ーム分が不足してきた…。
405 :
名無しさん@ピンキー:03/07/22 22:24 ID:ezEy1K0n
D・N・ANGELエロパロって
どこかにないでつか?
406 :
125:03/07/23 17:00 ID:L1dRUTGG
>>397さん
とりあえずは今書いてるテーマパーク編を終らせようと思います。
その後でダ梨紅に手をつけてみまつ。
>>404さん
迷作SS書きさんが書きそうだったんですけどねぇ…。
それも頑張ってみますよ。
( ・∀・)ガンガッテ!!
408 :
125:03/07/25 01:01 ID:Cj+HxFsL
必要ないかもしれないけどホシュー。
昨日のアニメ見てホントにダーク出ない話は楽しめると痛感。
もしダークがいなかったら、
もし梨紗が叩かれないような性格だったら、
そんな妄想ss書いてミタイ(・∀・)!!と思いますた。
大助は今、姉妹を暖かく見守っているんだと思う。そんな彼を梨江は、好きだという
自分の気持ちを素直に認めはじめ、梨紗も彼の真の魅力に気づき、惹かれてゆく。
姉妹の間には次第に溝ができるのかもな。ここで姉妹もお互い好きになれば最高なんだが・・
宿舎の夜。電気もつけない部屋の中で、今日山であった出来事を気にしていた。
梨江: 「昨日、丹羽君のこと好きかもって言ってたよね・・」
梨紗: 「うん。・・え?」
梨江: 「・・私、丹羽君のこと好きだから。」
梨紗: 「そっかあ。前から、そうじゃないかなって思ってたけどっ・・きゃっ!?」
気づいたときには、焦る気持ちが梨紗を押し倒してしまっていた。
梨江: 「でも、・・でも私、梨紗のことも好きっ!」
梨紗: 「・・梨江!」
深いキス。
二人には既に、やるせない想いが大きく募っていた。
自分に振り向いてくれない。そんな心の痛みを、お互いで慰め合う。
双子であるからか、愛撫し合うその手は、お互いのことを知り尽くしていた。
からみあった二人の首筋を、満月の優しい光がそっと照らしている。
冴原: 「へへ、もう少しだぜ。みおちゃーん♪」
大助: 「もうやめようよー、でも桧尾さんの部屋ってこっちじゃなかったような・・」
そのすぐ外で、コンクリートの壁をよじ登る二つの影があった。
冴原: 「しっ!こんなチャンスはなぁ、一生のうちにあるかないかって・・うっうわー!!」
大助: 「・・あーぁ、落ちちゃったし。。ってついていく僕もどうかしてるよなぁ、はあ。
引き返そうかな。・・・・あっ!」
梨江: 「に、丹羽・・君・・・」
半ば裸で重なり合う二人の目の前に、ガラス越しに大助のぽかんとした顔があった。
戸惑った三人は、声を上げることすらできなかった。
半ばどきどきした様子で、大助が二人のいる部屋に入ってきた。
大助: 「なに・・してるの?」
梨江: 「丹羽君!!」
胸に飛び込んでいた。大助は、顔にかかった水が涙であることに気づいたときには、
既に梨紗がいるベッドのほうに押し倒されていた。
梨江自身も、そして梨紗も、自分が何をしているのかわからなかった。
ただ、本能のままに・・
梨紗: 「ずるいよ、二人ばっかりぃ。」
梨江とそっとキスしていた大助の唇を、次は梨紗が重ねた。姉妹の甘い香りがベッドの中を包む。
梨紗・梨江: 「・・大好き。」
大助: 「・・うん。僕もだよ。」
梨紗 : 「・・んっ、あんっ」
梨江 : 「あっ、ぅあっ、・・丹羽君」
二人の肩を、優しい腕が包んでゆく。三人の重なり合う背中を、朝焼けの光が少しずつ照らしていた。
スレ違い、筆不精スマソ
>>409-411 他の板ではエロネタつーかそもそもSS嫌いな人多いから注意してくれ。
ここではある程度までならキャラを崩してもいい(原典そのままではエチにならんし
何かネタが浮かんだらまた書いてちょーだいな。
盗品の効果で梨紗とウィズが入れ替わるとかいうのどう?。
梨紅をごまかすのに学校で困ったり、夜はウィズ梨紗と梨紗ウィズ、一緒に寝るとか。
415 :
名無しさん@ピンキー:03/07/25 20:12 ID:Bk9OxczO
>>414 途中で変身できることに気付いたりしたら
どんな鬱展開になるんだろう
漏れ=415
あ、上げちまってた。スマソ。
そして
>>414の文を理解してなかった。スマソ。
というわけで、
>>415撤回。
417 :
125:03/07/28 00:17 ID:zMaoRhxH
>>394 「っはぁ、はぁ、はぁ………」
「も、もうブーさんなんて大っ嫌い……」
息を切らし、大助と梨紅は出口に姿を現した。
「あ、あんなアトラクションだったなんて……。もっと、触れ合いがあるみたいにパンフレットに書いてあったのに」
「うぅ〜。疲れたぁ……」
全力で駆け抜けてきたために汗も滲んでいる。
「ごめん。僕がもっとちゃんと調べてたら…」
「ううん、気にしないでいいよ。ねえ、次はどこ行くの?」
「休まなくて平気?」
「だいじょうび!さ、しっかりエスコートしてね」
「動き出したわ」
「ああ…」
二人をしっかりマークするように日渡と梨紗は尾行を開始した。
といってもパーク内は人がかなりいるおかげで来るときの様なあからさまに怪しい行動はしなくてすんでいた。
「次はどこに行くのかしら」
日渡はパンフレットを取り出した。
「こっちのほうなら、きっと人気があるこのジェットコースター式のアトラクションだろう」
「へー、そんなのあったんだ」
「見てみろ」
日渡が指差したほうにはここで一番大きな造形を誇る山があった。
その周りをジェットコースターのレールが幾重に取り巻いて走っている。
「すごーい!あんなのあったんだ。ほら、早く行こう」
「急ぎすぎると尾行にはならない」
「いいからいいから。もっと楽しもうよ」
「全く…。もっとキミは意識ある行動をだな――」
ぐだぐだ愚痴を言いながら、日渡は梨紗に連れられていった。
だ、だいじょうびが
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!!
419 :
名無しさん@ピンキー:03/07/28 23:54 ID:1tLjLKCS
だいじょうびはイイッ!
あぼーん
>>125 乙!
125氏は少々ウケを狙いすぎな感がある…が、それも酔いですな。w
422 :
125:03/07/29 08:07 ID:VEepQTaO
>421
今回の話はそういう方向性で書いてますから。
そろそろえちぃシーンに持っていこうと思います。
>そろそろえちぃシーンに
( ・∀・)ドキドキ
( ・∀・)ホシュルヨー
( ・∀・)ホシュー
期待(;´Д`)ハアハア
迷作SS書き氏・・・
428 :
125:03/08/01 00:43 ID:RBDLLkiO
>>417 「うっわぁー……、結構人並んでるね」
「一時間待ちだって。昼前だからもう少し空いてると思ったんだけど」
順番待ちの列の最後尾に二人は付いた。
「終ったらちょうど一時くらいになるから、それからお昼にしよっか?」
「いいよ。今日は全部丹羽君に任せてるんだから、美味しいお店お願いね」
「うん。それでね、ここが結構お薦めの店らしいんだけど」
「へー、どれどれ…」
「なっがぁーーい……、どうしてこんなに並んでるのぉ?」
「人気があるからだろ」
大助と梨紅の、後ろ数十メートルのところに日渡と梨紗は並んでいた。
「一時間以上待たなきゃダメなんだ…」
「というかオレ達は並ばずに出口のほうで二人を待ち伏せていればいいんじゃないのか?」
「でもせっかく来たんだし、いろいろ楽しんだほうがいいでしょ?」
「それはそうかもしれないが……」
「だったら決まり!並んでいよう!」
結局は梨紗に丸め込まれるように、日渡は尻に敷かれていた。
429 :
125:03/08/01 00:43 ID:RBDLLkiO
ようやく大助と梨紅の順番が回ってきた。
二人は座席、しかも最前列に座り、がっちょんとコースターのセーフティガードを下ろした。
「うぅ〜、緊張してきたぁ〜」
「はは、大丈夫大丈夫」
「何だか丹羽君って妙に落ち着いてるね。もう少しどきどきしてもいいんじゃない?」
「ん、ああ…そうだね」
いつもウィズとともに空を翔ける感覚を体感している大助にとって、しっかりと安全に固定されているのは別段怖いと思えなかった。
「丹羽君って絶叫モノとか強いんだ?」
「んー、強いって程じゃないけど、これくらいなら怖くないかなって」
「丹羽君、かっこいいね」
「そ、そうかな。へへ……」
思わず笑いが漏れてしまった。それからすぐしてジェットコースターががとんと音を立てて進み始めた。
「あうぅ、どきどきするよ……」
「大丈夫大丈夫。もっとリラックスしたほうがいいよ」
「でも最前列だし…。ね、手ぇ握っててもいい?」
大助がそれに答えるより早く梨紅の手がぎゅっと大助の手を握ってきた。
それに応じるように、大助も強く、優しく握り返した。
430 :
125:03/08/01 00:44 ID:RBDLLkiO
「きたよきたよぉっ!私たちの番だよ、日渡君」
「ああ」
二人から送れること十数分。梨紗と日渡もようやくジェットコースターに乗ることができた。
「かなり二人から遅れてしまっているな」
「いいのいいの気にしない」
「…キミがそう言うなら、それでいい」
「それにしても最後尾になるなんて、ついてないなぁ」
「前のほうがよかったのか?」
「まあね。だって一番前のほうが興奮するじゃない」
「ふむ、そういうものか」
「ええ、そういうものよ」
それからすぐしてジェットコースターががとんと音を立てて進み始めた。
「まあ場所はどこだとしても、やっぱりどきどきするものね」
「これが怖いのか?」
「怖い、っていうより、怖楽しい…みたいなのかな」
「こわたのしい……」
聞いたことのない単語に少しばかり日渡の頭は混乱した。
「ねえねえ、手ぇ握ってみてもいい?」
「なぜだ?」
疑問符を浮かべる日渡に、梨紗は嘆かわしい、といった感じで言った。
「にっぶーい。女の子を安心させるために決まってるでしょ」
「その程度で安心するのか。まあそれで安心するなら、ほら」
そう言って日渡は梨紗に手を差し出した。ジェットコースターは既に頂点に達していた。
「ありがと」
梨紗は優しい手つきで日渡の手を優し
ごきゅっ
「っ痛――――!!」
加速していくコースター。前面から押し寄せる空気の壁。日渡の息が詰まる。そのまま昏倒、さようなら。
431 :
125:03/08/01 00:44 ID:RBDLLkiO
「っごちそうさまぁ〜!本当、ここの料理美味しかったよ」
ジェットコースターを下り、二人は既に昼食を摂り終えていた。
「お粗末様。喜んでもらえてよかったよ」
テーブルの上には空になった皿が重ねられていた。
「この遊園地って広いよね。朝の間中動いても二つしか回れなかったし」
「ごめんね。僕の計画がもっとスムーズだったらよかったんだけど」
「ううん、そんなことないよ。とっても楽しかったんだから」
自分の計画の拙さを悔いて調子を落とした大助に、梨紅は元気をあげるように強くそう言った。
実際梨紅は、言葉どおり朝だけでとても楽しく過ごせていた。
「ありがと。うん、元気出てきた」
大助はぱしぱしと顔を叩いて気合を入れた。
「じゃあ次行こうか」
「あ、でもあんまり激しいのはちょっと…」
梨紅が腹を擦っていた。食後ということもあり、さっきのような激しいものは避けておきたかった。
大助はさっきとうって変わって自信に満ち溢れた顔をしている。
「そのこともちゃんと考えてあるから大丈夫。次はあれだよ」
梨紅に見るように促がした先には、パーク内のどこにいても見えるほどよく目立つ巨大な観覧車があった。
432 :
125:03/08/01 00:44 ID:RBDLLkiO
「ごめんね。まさか日渡君が気絶するほど絶叫モノに弱いなんて知らなかったから」
梨紗は申し訳なさいっぱいで日渡に頭を下げていた。
その日渡りはというと、ベンチでぐったりとうな垂れていた。
「い……いや、苦手とか…そういうのではなく……」
必死に言葉を掻き集めるが声に出す前に霧散していく。しばらくの間はこの調子だろう。
「はいこれ。これぐらいしかお詫びできないけど」
梨紗が差し出したのは自販機で買ってきたお茶だった。
「……ありがとう」
緩慢な動作でそれを受け取る。
「日渡君がこれじゃ、しばらく梨紅たちは探せないわね」
「………すまない」
日渡は全然悪くはないのだが、なぜか謝罪した。梨紗も謝罪の必要はないと言い、そのまま横にちょこんと座った。
「そういえばさ、なんで日渡君は今日私に付き合ってくれたの?」
日渡の調子がよくなるまですることがない梨紗は間をもたせるためにそう聞いた。
「理由?言ってなかったか?」
「聞いてないよ」
そうか、と小さく呟いた。昨日今日とどたばたしていて理由のことなどすっかり忘れていた。
433 :
125:03/08/01 00:44 ID:RBDLLkiO
「特にない」
「嘘」
やけにきっぱりと言い切られて日渡は窮した。やがてふっと息を吐いて言葉を紡いだ。
「強いて言うなら、罪滅ぼし…かな」
「罪滅ぼし?別に悪いことなんてされてないよ」
梨紗には全く思い当たる節はない。
「正確に言うなら、これからオレがすることになることに対する、キミに対する謝罪の気持ちだ」
「何のこと?」
ますます分からないことを言われて梨紗は混乱した。日渡は梨紗にきっぱりと言った。
「オレはダークを捕まえる。そうなればキミは二度とあいつに会うことはできない。そういう意味でオレはキミに申し訳ないことをすることになる」
「だ、ダークさんは捕まらないわよ!」
「そう思えるならそれでいい。それにこれはあくまでオレがキミにしたかったことだからな」
少しだけ二人の間の空気が暗く、重く、湿っぽくなった。それを先に打ち破ったのは梨紗だった。
「やめやめっ!今は二人で楽しんでるんだからダークさんのことを持ち出すのは禁止!それでいい?」
そんな梨紗を、日渡はじっと見つめ、やがてふっと笑った。
「ああー、今バカにしたでしょぉ!?」
「いや、そんなことはないぞ。キミの変わり身の速さが少し面白くてね」
「なーんかバカにされてる気がするけど、まあいいわ。さ、じゃあ次はどこ行こうか」
「オレはまだ本調子じゃない。あまり激しいのは避けてくれ」
「ん、じゃああれなら平気よね」
そう言って梨紗が示したのは、パーク内のどこにいても見えるほど目立つ巨大な観覧車だった。
434 :
125:03/08/01 00:45 ID:RBDLLkiO
大助と梨紅を乗せたゴンドラは既に四分の一ほど回っていた。
「うっわー、絶景絶景。ほらほら見て。みんなあんなに小っちゃいよ」
ゴンドラの中から見える風景に梨紅ははしゃぎ、向かい側に座っている大助はそんな梨紅を笑いながら見ていた。
大助が何も言わないことが気になったのか、窓から外を見ていた梨紅が大助に聞いた。
「あ、もしかしてつまんない?」
「へ?どうして?」
「だって何も言わないから…。私一人楽しくっても、丹羽君も一緒じゃないとしょうがないじゃん」
「そんなことないよ。僕は梨紅さんが楽しそうにしてるのを見てるだけで十分だよ」
ぽっと梨紅の顔が朱に染まった。
「あ……ははは」
照れ笑いを浮かべながら再び窓の外へ視線を移した。
大助と梨紅が乗るゴンドラから数えて三つ後方のゴンドラに日渡と梨紗が乗っていた。
「んんー……、間にあるゴンドラが邪魔すぎぃ」
二人が大助たちを見つけたのは観覧車前に着いたとき、ちょうど乗り込む姿を目撃した。
正に偶然。その偶然を味方につけ、梨紗は双眼鏡を覗きながら二人を観察していた。
(尾行の次は覗きか……)
日渡は梨紗の行動力に呆れつつ感心しつつ、向かいの席でぐったりとしていた。まだ調子がよくなっていなかった。
「あーん、全然見えないよ」
「まだ下のほうだからな…。もう少しすれば見やすくなるだろう」
「んんー……、しょうがないか」
435 :
125:03/08/01 00:45 ID:RBDLLkiO
梨紅は未だに窓から見える風景に見入っている。二人の乗るゴンドラは頂上に差し掛かろうとしていた。
外の風景に心奪われる梨紅の横顔を見ているだけで、大助は観覧車に乗った価値があったと思った。
「丹羽君も外見たほうがいいよ。今しか見れないんだから」
梨紅にそう言われ、大助は頷いて首を廻らせた。
頂上に達したところから見る景色は確かに見応えがあるものだった。
「へぇー。すごいね」
「でしょ。絶対見てたほうがいいよ」
大助はさらに視線を動かした。ふと、先のほうにある隣のゴンドラが目に入った。
「――っ!」
思わず息を呑んだ。そんな光景が目に飛び込んできたからだ。
それを見た大助はどぎまぎと、明らかに不自然な様子になった。
「どうしたの丹羽君?」
大助の様子が少し変化したことに梨紅はすぐ気付いた。
「い、いや、何でもないよ。はは……」
とは言っても様子が普通でないことはばればれである。証拠に梨紅の猜疑に満ちた目が大助を捉えている。
大助自身もあんなところを目撃したせいで気が気でなかった。動転していた。
そしてその視線がちらちらと自分の背後の窓に無意識に向けていた。
「あー、そっちに何かあるんでしょ?隠さないで教えてよー」
梨紅が身を乗り出し、大助の背後の窓を覗こうとする。
436 :
125:03/08/01 00:45 ID:RBDLLkiO
「わーっ!だ、ダメだって!よくないよ覗きは!」
「丹羽君、隣覗いてたの?やらしぃー」
しまった、と思った。口を滑らせて余計なことを言ったことに気付いた。梨紅が半眼で責めるように言ってくる。
「いや、違うって!覗きとかそんなんじゃあ……」
尻すぼみに声が小さくなった。故意でないにしろ覗いてしまったのは事実で、弁解するのが言い訳じみていることが分かっていたからだ。
「――隙ありぃっ」
「って、あわわあぁっ!!」
そんな大助の一瞬の隙をついて梨紅が窓を覗いた。覗いて、大助と同じように息を呑み、顔を真赤にして引っ込めた。
「あ……うぅ」
言葉が出なくなった。途端に狭いゴンドラ内の空気が暗くなった。
少しの間、沈黙だけが訪れた。
「……や、やっぱり、覗きはよくないよね!」
「う、うん、そうよね!」
ははは、と乾いた笑いが響き、そしてまた沈黙。非常に気まずい空気が流れている。
その中で、梨紅が動いた。
「っり、梨紅さん!?」
向かい合って座っていた梨紅がそっと大助の横に腰掛けて、その腕に絡み付いてきた。
「丹羽君……しよ」
そっと、耳に届くかどうかという小声でそう囁いた。
437 :
125:03/08/01 00:46 ID:RBDLLkiO
もちろん何をするつもりかはいくら鈍い大助でも分かっていた。
さっき偶然見てしまったゴンドラの中で行われていた行為と同じことをするつもりだ、と。
「し、しようって言われても……ほら、もう半分過ぎちゃったし」
「でも十分くらい余裕あるでしょ?」
「う……だからって、ここじゃあ……」
「私とするの、いや?」
いきなりしゅんとした声を出されて大助は慌てた。
「ぜ、全然そんなことないよ!」
「だったら」
梨紅がぎゅっと腕に力を込める。柔らかな胸が大助の腕にふにっと触れる。大助の下半身が疼く。
「いいでしょ?」
甘い誘いにとうとう大助も折れた。絡みつく梨紅の顔をそっと上げ、唇を重ね合わせた。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
439 :
マルコ:03/08/01 10:09 ID:gJEwRdCU
はっじっめま〜してぇ☆★
イヤァ・・もぅ、バクバクしますねぇ☆
自分的には・・・大助は受の方がイイナァ・・vv とか思ってたり!!
ホモワタリ君には攻で行ってほしいなぁーとか・・!!
ホモっちぃのも、自分は好きなんですよねぇー・・。
125氏!あなたは天才だーー!!!
( ・∀・)アアン イイトコロデー
梨紅タンはスポーツブラでつよね?おけけは生えかけで恥ずかしがるシチュキボン。
孤群奮闘職人さんがんがれ〜。
442 :
125:03/08/04 00:55 ID:bcZt4sVv
>>437 大助の舌が梨紅の口内へと挿し込まれ、梨紅もそれを受け容れる。
舌と舌が、別の生き物のようにねちょねちょと音を立てて絡み合う。
「ん……んふぅ…」
糸を引きながら舌が離れる。
手が優しく梨紅の胸に触れると、身体をぴくっとさせて小さく喘いだ。
服の上からも伝わってくる柔らかさ、暖かさ……。それらを全て感じ取るようにそっと手を這わせる。
乳首が次第に硬くなっていくのが分かり、やがてはっきりとそのしこりが分かるようになった。
「気持ちいい?」
大助の囁きに微かに頷いた。服の中に手を潜り込ませ、下着の上から胸を触る。
ぴっちりとしたスポーツブラが、胸の張りを際立たせている。
「んん…、ん、見られちゃうかもしれないね」
「じゃあやめる?」
「うぅ…意地悪ぅ」
443 :
125:03/08/04 00:55 ID:bcZt4sVv
梨紗と日渡の乗ったゴンドラが観覧車の最も高い位置に達した。
「いい眺めー。乗ってよかったね」
外を双眼鏡で眺めながら梨紗は映る景色に酔いしれた。
「外を見るのはいいが、二人も見ていなくていいのか?」
本来の目的から少しずれていたところを日渡は修正しようとした。
「えーっ、日渡君、覗きが趣味?」
日渡は二の句が出ずに固まったが、梨紗は冗談よ、とだけ言って大助たちの乗るゴンドラへと視線を戻した。
見下ろすかたちになっているのでしっかりと様子が見てとれる。
「でもこうやって覗くのってなんか癖、に…………」
「ん、どうした?」
急に黙ってしまった梨紗を怪訝に思い声をかけたが返事がない。
まるでとんでもないものを見てしまい、驚きのあまり声が詰まった、そんな感じだ。
「おい、二人に何かあったのか?」
日渡が梨紗の横へ歩み寄った。梨紗が今も覗き込んでいる双眼鏡を手に取った。
大助たちに何か起きたに違いない。そう思い双眼鏡を覗き込んだ。瞬間、
「みっ、見ちゃダメぇぇぇぇッ!!」
梨紗が日渡の覗き込む双眼鏡のレンズに思いきり掌底を繰り出した。
音を立てて砕け散る眼鏡。
「へあぁ〜、目が、目がぁ〜〜!」
悶絶して床を転げ回る憐れな日渡。
「み、見ちゃダメだよあんなの、あんなの……ああ、やっぱり見たい!」
再度双眼鏡を手に覗きを敢行する梨紗。少なからず興奮を覚えている。
倒れこんだままぴくぴく痙攣して叫び続ける日渡。かなり哀愁を感じさせる。
444 :
125:03/08/04 00:56 ID:bcZt4sVv
潜り込んだ手の指が僅かに食い込む程度、微妙な力加減で刺激していく、
「うん……ん…」
すぐに梨紅の口からは艶の混じった声が漏れだす。
「胸、敏感だね」
きゅっと抓るように力を込めると、初々しく彼女の体がぴくっと反り返る。
彼の指が、彼女の乳首の周りをなぞるように這い動く。
「ぁん…焦らさないで…」
実際二人に残された時間は観覧車が下につくまでの、せいぜい数分間だった。
「はは、ゴメンゴメン」
悪びれた様子もなくケロッとした口調でそう言うと、その指が乳首を押すようにぷっと先端にあてがわれた。
さらに身体をくねらせて梨紅が身悶える。指先で勃起しかけている乳首をこりこりと弄り回す。
艶やかな声がその唇から漏れだす。
「梨紅さん…」
座ったまま、後ろから抱きしめるように態勢を変えて胸に触れ続ける。
梨紅のお尻に大助の充血しきったペニスが服を隔てて密着し、その熱が伝わってくる。
耳には大助の吐息がくすぐるように撫でるように吹きかかる。ぞくぞくと背筋を駆け上がる感覚が襲っていく。
上着の中で大助の手がもぞもぞ動くと、スポーツブラを上へずらした。
健康的な張りのある胸を、その形が変わるほど強く指を動かしだした。
「っふぅん!ん、は、あぁ」
肌に粘膜のように汗が張りつき、熱く火照ってきた。
大助の右手は梨紅の腹の上を滑るように這い、そのままショーツの中へと潜り込んでいった。
梨紅が嬌声とも溜め息ともとれぬ甘い声を漏らす。
恥毛のまったく生えていない恥丘を通り、僅かに充血した襞がのぞく秘裂へとその指がのびる。
「もうぐしょぐしょだよ」
「言わないで…」
少し触れただけでくちゅくちゅと粘液が指に絡みつく。
445 :
125:03/08/04 00:57 ID:bcZt4sVv
「もう、いい?」
そう囁くと梨紅はん、と頷き、大助へ向き直った。
大助がズボンに手を掛けて脱ごうとした時、梨紅がそれを制止した。
「待って。私が、脱がせてもいいかな?」
「え…」
驚いて声を上げたが、すぐに微笑んでいいよ、と答えた。
梨紅の指がズボンの止め具を外し、チャックを下ろしていく。
ズボンを下ろすと、トランクスが頂部にしみを作った意外と大きなテントを張っていた。
トランクス越しに形がはっきりと分かるほど梨紅がペニスを握り締める。
敏感な亀頭に擦れる布の感触にんっと声を漏らす。
「気持ちいい?」
ペニスに息がかかるほどに顔を寄せ、先ほど大助に言われた言葉をそのまま返す。
「はあ……あぁッ…」
返事を返す前に梨紅が熱い吐息を亀頭へ吹きかける。布越しに伝わる熱気がぞくぞくと刺激する。
「梨紅さん、はやく…しよう」
直接刺激が伝わらないことに大助は焦れてそう急かしたが、梨紅はそれを聞こうとしなかった。
ペニスの形をしたトランクスを口に含み、ん、ん、と口内を蠢かせる。
吐息では伝わらなかった口内の熱が薄い布を隔てて伝わってくる。
トランクスがあるせいで大助のペニスが濡れることはない。
潤滑油となるものがないために梨紅の舌の動きがはっきりと感じ取れる。
裏筋をなぞり、亀頭を円を描くように這い、尿道をぐにぐにと圧迫する。
いつも以上にはっきりと分かる舌の動きに大助は今まで感じたことがない新たな感覚を味わっていた。
しかし、ああなんということか。湿った布がペニスを覆っているせいでいつもの痺れるような快楽が与えられてこない。
梨紅の巧みな焦らしの術中に大助ははまっていた。
「もう、我慢できないよ…」
梨紅のほうから行為を誘ってきていたはずだが、いつの間にか大助のほうがやりたくてたまらなくなっていた。
トランクスから口を離すと、
「したい?」
意地悪な声で、表情でそう言った。口を離した後でもその手でペニスを弄るのは忘れない。頷くしかなかった。
「丹羽君のえっちぃ」
446 :
125:03/08/04 00:57 ID:bcZt4sVv
唾液とカウパー液で濡れたトランクスにその手を掛けて脱がし始めた。
引っかかっていたペニスが再び天に向かってピンッとそそり立った。
血管が浮き上がり、びくびくと脈打つそれは、顔に似合わず凶悪な様相を呈していた。
次は梨紅がショートパンツを脱ぐ番だった。観覧車の、その密室の中で梨紅のストリップ染みた行為が行われる。
ショートパンツを脱ぎ終えると、次は同じようにショーツを脱いだ。
目の前で、下半身に一糸纏わぬ梨紅の姿に、ペニスはさらに硬さを増した。
座席に膝を立て、肩に手を掛けて梨紅が大助の上に跨ってきた。期待に満ちた目で、恍惚とした視線を互いに交わした。
大助はペニスを梨紅の秘裂に擦りつけた。粘り気のある液体が亀頭を濡らし、ペニスを伝う。
薄く熱い肉襞が、亀頭の先端に吸い付くように絡み付いてくる。
「きて……」
膣の入り口へ先端部をあてがい、少しだけくっと突き出す。
「ん…」
少しだけ梨紅が鼻から息を漏らした。大助の両手が梨紅のお尻を撫で、そして腰へ回した。
「はあッ、く……ああ…」
「んうぅ…は、はあぁ……」
梨紅の膝が左右へ開き、少しずつ腰が沈み亀頭を呑み込んでいく。薄い襞はピンと張り詰め、亀頭と共に内部へ巻き込まれる。
腰に回した腕を引き寄せると、すぐに亀頭は中に埋まってしまい姿を隠した。
「っはあぁ……ッ」
膣の浅い部分が押し広げられる感触に悦びの声を上げる。大助も腰を突き上げ、さらに膣壁を押し広げていく。
「くぅ…」
窮屈な中の肉がぎちぎちとペニスを締めつける。快感のあまり声を漏らす。
ペニスが全て埋没し、内臓を押し上げるような感覚が梨紅を満たした。
入れたときと同じくらいゆっくりとペニスを引いていく。それに合わせて二人の口からも息が抜けていく。
今度は一気に腰を突き上げる。急な刺激に梨紅は声なき悲鳴、いや嬌声を響かせた。
そしてまたじっくりと、肉の感触を味わうように腰を送っていく。
「うん……あッ、はうぅ……」
ペニスが膣を擦り、そのたびに二人の頭の中は次第に白く、何も考えられなくなっていく。
本能のまま、二人の腰は合わせて動き続ける。繋がっているところからは粘液と粘液が絡み合う卑猥な音が響いている。
泡立った白い液が次々と生み出され、二人の内腿には飛び散る愛汁がべっとりと貼りつき、てらてらと光っている。
447 :
125:03/08/04 00:58 ID:bcZt4sVv
ぐちょぐちょという粘液同士が擦れあう音、肉と肉がぶつかりあう音、二人の荒い息遣いだけが密室に響き渡っている。
じわじわと絶頂という限界が近づいている。果ててしまうのは時間の問題だった。
「は、っはあ…いいよ、梨紅さん……」
「ああ、私もっ…いい、イッちゃいそう」
梨紅がいつの間にか積極的に腰を振っていた。大助は両手で梨紅の腰を掴み、さらに激しく梨紅の腰を振らせた。
「っひはあぁぁぁッ!あ、いいッ!ダメ、イきそう…!」
梨紅の腕が大助の首に強く巻きついた。胸が顔に押し当てられ、呼吸が苦しくなる。
ちょっと顔をずらして深く息を吸い込んだ。そこで、窓の外へと移った視線が今の状況を伝えてきた。
「まずいっ!」
快楽に酔っていた大助の頭は一気に冷めてしまった。もう既に観覧車は六分の一を残すほどのところまで来ていた。
慌てて梨紅からペニスを引き抜き、ズボンを上げて衣服の乱れを正した。
「梨紅さんも早くズボン穿いて!」
未だに火照った身体と赤みを帯びた顔をして状況を把握できていない梨紅に急いで説明した。
すぐに梨紅も理解し、慌てふためいて行為の痕跡を消し始めた。
「うわわっ!床に水溜りが!」
二人でハンカチを取り出しささっと拭いていく。
「ああっ!ちょっと臭い気がする!?」
「匂い消し匂い消し……ってそんなことできないよ今!」
窓を開けることはできず、かといってスプレー類など持ち合わせてはいなかった。
「と、とりあえず落ち着こう。慌ててるとかえって怪しまれるし」
「そ、そうね…。ここは大人しく座ってたほうがいいわよね」
二人並んで腰掛け、深く深呼吸をして気分を落ち着かせた。降りる時が近づいてくる。
扉を開けられ、ありがとうございました、と言われただけで、特におかしな顔をされはしなかった。
幸いにも待っている客もいず、何とかその場をしのぎきった。
「危なかったあー。ばれたりしたら結構まずいよね、こんなの」
「そうだねぇ。丹羽君が気付いてくれて本当に助かったよ。……でも…」
梨紅が俯き、もじもじと股を擦り合わせていた。途中で行為を中断し、まだ身体が疼いてるのだ。
大助もそうだった。すっかり萎縮しているが、寸前で止めてしまったために溜まってしまっている。
「続き…しようね」
「うん…」
大助の誘いに、梨紅は恥ずかしそうに頷いた。
日渡の「へあぁ〜」萌え
ハァハァ・・・・神でつか?
>>125 乙!
梨紗と日渡りのコンビプレーがウマ〜
今回で梨紅タソはツルツルということが判明w
梨紗の「ああ、やっぱり見たい!」が最高w
あれから梨紗はずっとみてたのか・・・
たしか大助の隣のゴンドラでもやってたんだよな(汗
「へあぁ〜、目が、目がぁ〜〜!」って聞いて真っ先に
「バルス!!」ってのが頭をよぎったwww
125氏乙です。
続き気になるぅ!!
455 :
名無しさん@ピンキー:03/08/06 14:28 ID:z9u5Flm6
あげ
( キターーーー ・∀・)
あぼーん
ホシュホシュ
125氏頑張って!!
てか、コテハンは名乗らないの?(今更w
まぁ、もちろん、それで全然おkなんだけどw
459 :
125:03/08/07 22:55 ID:1PSWUK8T
皆さんの感想レスを読むとやる気が出てきます。さ、続き書き書き…。
>>458 コテハンですかぁ〜。前にもここでそんな話がありました。
僕はほとんどここでしか活動してないので名乗る必要はないと思ってます。
>>459 私は知っている。
あなたがもう一つのスレでSSを投下していることを…
まあ数字コテでも問題はないと思うけどね。
461 :
125:03/08/08 00:19 ID:1fmmyFW5
>>460 (;´Д`)バレテル!
まあどこでも数字でしか名乗ってませんし、このままでいいですよ。
462 :
125:03/08/08 02:25 ID:1fmmyFW5
>>447 テーマパークの『ケイブ・ラビリンス』。
洞窟を模したそこは、薄暗く、ひんやりとした空気が漂っている。
ラビリンスと名付けられているが、それほど入り組んでいるわけではない。
雰囲気を楽しむための、それが一番の目的のアトラクションであり、二人に都合がよかった。
本筋から分岐した小さなルートの、その奥の奥。
背筋が寒くなるような冷たい中で、二人は強く、熱く抱き合った。
岩肌が剥きだしになっている壁に梨紅を押し付けるように強く抱きしめ、口付け、舌を絡める。
観覧車でおあずけを喰らうかたちになった二人は、それを埋め合わせるように互いを求め合った。
もう興奮が高まって、顔は赤みを帯び、上気した身体が熱い。
唾液の絡む音が、周囲の静けさを破るように響き渡る。
舌を離すと、すぐに梨紅はしゃがみ込み、大助の股間からその怒張を引っ張り出した。
いきなり咥えようとせず、舌と突き出して尿道付近をちろちろと舐め上げる。
「……っ」
たまらず目の前の壁に手を付き、腰が砕けそうになるのを堪える。先ほどまで梨紅と繋がっていたそれの限界は近い。
激しくやられればすぐにでも精を放出してしまうのだが、身体の欲求をわざと焦らすように、梨紅はゆっくりと攻めたてる。
陰嚢を弄り、付け根を唇で挟み込み、亀頭へゆっくりと這い上がっていく。
梨紅の薄い唇の動きに合わせるように大助の射精欲も高まるが、決定的な刺激を与えてこない。
白い熱が腰に集まり、溜まり続けるばかりで開放できない苦悶が大助を襲う。
舌が裏筋を這い、ようやく唇が大助の先端を包み込む。
思わず、溜め息が漏れる。
艶やかな唇がすぼめられ、ペニスをしごき始める。
すぐにでも出してしまいたいという快楽に、その身を振るわせた。
堪えること叶わず、一瞬にして梨紅の口内でびくびくと脈打ち、暴れだした。
口奥に白い塊がへばり付き、苦味を含んだ匂いが粘膜を刺激するが、構わずにこくりと飲み込んだ。
鼻へ突き抜ける刺激臭が、興奮を加速させていく。
463 :
125:03/08/08 02:25 ID:1fmmyFW5
言葉を発することなく、そっと梨紅を立たせ、壁に手を付くように促した。
大助が、お尻を突き出すような格好をとらせた梨紅の背後から覆いかぶさった。
隙間なく密着した二人の身体。梨紅のお尻を、大助の萎えたそれがくすぶるような熱さでくすぐってくる。
「ぁんっ…」
胸に触れるだけで押し殺した声が漏れる。
胸のほうは感度を確かめる程度でさっと流し、先を急いだ。早く欲望を満たしたいという思いがそうさせている。
梨紅のショートパンツをショーツも一緒に一気に脱がし、あっという間に突き出されたお尻が露わになった。
大助は膝を折ると、貪るように梨紅の薄い陰唇にしゃぶりついた。
「んん……」
そこから湧き出るように絶え間なく汁が出てきては床を汚していく。
充血して大きくなっている蕾を舌で転がす。
「ッ……」
梨紅の背中が仰け反るように激しく痙攣する。軽い絶頂が襲ってきた。
全身の力が抜けるように感じられ、壁に上体を預けるように寄りかかった。
舐めていただけで、果ててしまっていた大助の肉茎が再びその硬度を取り戻した。
まだ突き出されている梨紅のお尻を掴むと、さっきまでしゃぶりついていたところに擦りつけて先端を濡らす。
止まることのないと思えるほど溢れている露は、先端だけでなく全体を濡らすほど滴っている。
十分に濡れたことを確認すると、大助は一息間を置いて、そして腰をぐぐぐっと前に押し出していく。
肉を割って進む感触は少なく、思った以上にすんなりと呑み込んでいく。
それが入ってくると、梨紅の身体も芯に棒を入れられたように硬く緊張していった。
464 :
125:03/08/08 02:26 ID:1fmmyFW5
暗い洞窟の中で、一つのカップルが移動もせずにある一地点に陣取っていた。
そのうちの一人、男のほうは、かなり暗いというのになぜかサングラスをかけていた。
もう一人、女のほうは、こんな洞窟の中で双眼鏡を覗きながら一点を凝視していた。
「………」
「ぁふぅ」
「………」
「はぁぁ」
「………」
「あ、入れちゃった」
「………俺には見えん」
「サングラス取れば?」
「それはできない」
「じゃあ諦めてね。私一人で楽しむわ」
「覗きをか?」
「覗きなんかじゃないわ。これは……これは…はぁ…」
「これはなんだ?」
「ぅ、……そ、そう視姦プレイよ視姦!」
「もうわけがわからん」
「いいの!私よければ全てよしってことわざだってあるんだから!」
「いやないだろ…」
465 :
125:03/08/08 02:26 ID:1fmmyFW5
腰の抽迭は意外なほどスムーズだ。多量に分泌された愛汁のおかげだ。
さっきイッたとは思えないほど中の肉はくねり、揉みたてるように吸い付いてくる。
淫らな水音を立てて二人の腰が何度もぶつかり合う。
声を出さないように堪えながら、腰を絡ませる。
一度出してしまったために次の射精までまだ持ちこたえることができる。
腰を送るスピードを上げ、梨紅をイかせようとする。
梨紅の身体が大助に押し潰されるようにぺったりと壁に張り付いた。
動きに合わせて切なげに息が漏れる。
「ひぐッ、んぅ…うぅぅ」
ペニスをもぎ取るような動きで肉壁が波打ち、梨紅はきゅんきゅんと蠢動を繰り返した。
「ん…」
梨紅の絶頂に合わせるように、大助も盛大に中に出した。
二人は砕けるように膝を折り、そのまましばらく動けなかった。
ぱっくりと開いた梨紅の秘穴と抜き取られた大助の肉茎を繋ぐように、一筋の糸が引いていた。
466 :
125:03/08/08 02:26 ID:1fmmyFW5
時刻は五時を回っていた。満足した様子で二人は退場ゲートをくぐった。
「今日はありがと。とっても楽しかったよ」
にっこりと笑いかける梨紅の笑顔が、傾きかけた西日に照らされて眩しかった。
「本当?そう言ってもらえると嬉しいな。頑張った甲斐があったよ」
今日のデートだけ特別に張り切って計画を練ったことが報われて、大助は嬉しくなった。
「んー、でも…」
「え、なに?」
「何だか今日一日、妙な違和感感じてたんだよねー」
「違和感?僕は全然感じなかったけど」
「んとね、監視されているっていうか、そんな感じだったんだ」
「監視……穏やかじゃないね。帰りは家まで送っていくよ」
「うん、ありがと」
とまあそんな感じで今日のデートは無事に終ったと。
大助たちが退場した後に続いて同じく退場してきた覗きカップルがいた。
「日渡くん」
「なんだ?」
「いつまでサングラスかけてるの?」
「目の周りの傷が治るまでだ」
「ふーん……とっていい?」
「ダメだ」
断固として拒否する日渡。少しだけ今の日渡の顔に興味がある梨紗であった。
「そんなサングラスかけてると、銃弾とか避けれそうだね」
「……すまん、君が何を言ってるのかよくわからない」
「きっとクンフーとかもうまいんだよね」
しゅしゅっと得意の型を披露する梨紗。梨紗の言動についていけず疲労する日渡。
「私の拳なんかささっと捌くんだよね」
ぐるんぐるんと腕を大車輪のように振り回す梨紗。
「そんなに回すな。当たったら危険だ」
飛び出す鉄拳。目指す先はもちろん日渡総司令殿の顔面だった――。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
満足です。おなかいっぱい。ふー、寝よう・・・
( ・∀・)モツカレサマー
乙!
洞窟の中でヒンヤリプレイ、イイ!
あぼーん
あぼーん
「その」後の、日渡総s(ryの顔も見たいですw
梨紅の「デート面白かった」発言・・・
こんかいのデートでした事って・・・
ブーさんと?・・・ジェットコースターと・・・観覧車と?・・・えっちぃ?w
楽しそうなデートだw
473 :
125:03/08/10 00:06 ID:GCvSyBWN
皆さん感想ありがd。
今はヌードデッサン書いとります。まだ脱いでませんがw
ダ梨紅をリクした人もちゃんと覚えているのでお待ちを。
かなり前にみおたんのはちゃめちゃエロキボンもありましたねぇ。
コリャ大変だ。
ヌードデッサンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
ダ梨紅もクル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
みおタソもクル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
期待してまつ
125氏の描写や表現力は一級のものだと思う。
これからも頑張ってほすぃです
476 :
125:03/08/10 18:50 ID:Is3NXnO4
>>475 そんなにほめられたのは初めてでつ。
思わず画面の前でにやけて照れてしまいますたw
これからも精進いたします。
( キタイシツツホシュー ・∀・)
478 :
125:03/08/12 00:52 ID:LwcR0NHI
「僕、梨紅さんをモデルにして絵を描きたいんだ」
「え――」
正直なところ、彼にそう言われて私はとても嬉しかった。でも、それ以上に恥ずかしかった。
「っで、でもでも!私なんか描いたって……」
しょうがないよ、とは言えずに俯いてしまった。そんな私に、彼が声を掛けた。
「僕は、梨紅さんが描きたいんだ」
彼の目はとても真剣で、一途で、真っ直ぐに私を射抜いている。
「ううぅぅ…」
真摯な態度に、私はぽっきり折れてしまった。
数日後、私は美術室に呼ばれた。その日の放課後、つまり今が都合がいいとのことだった。
今日は部活がある日だけど、美術部から依頼されたと言って活動には遅れることを伝えた。
美術準備室に入ると、油絵独特の鼻にまとわり付くような匂いが漂ってきた。
すでに丹羽君が絵を書くための準備をしているみたいだ。
準備室の中から人の気配がする。丹羽君だと思い、私は準備室に足を踏み入れた。
思ったとおり彼がいた。私が近づいたのに気付いたのか、彼はこちらを振り向いた。
「きてくれてありがとう。はい、これ」
「何これ?」
そう言っていきなり彼が手渡してきたのは、肌触りのよい薄い布だった。
「それを着て」
広げると、確かにそれは布を重ね合わせたドレスのように見えないこともない。けど、
「これ、ちょっと薄すぎない?」
そう思った。布を幾重に重ね合わせてはいるけど、もとが薄いので身に付けたらきっと私の身体が透けてしまう。
「平気だよ。この時間は僕たち以外は誰もいないから。恥ずかしいことなんてないよ」
都合がいいっていうのはこのことだったんだ。誰もいないなら丹羽君以外に見られることはない。
「でも、やっぱり恥ずかしいよ」
やはりそれが本音だった。二人きりだとしてもこんな布切れみたいな服を羽織るのは抵抗がある。
「これが一番イメージに近いんだ。お願い」
私にモデルを頼んだ時と同じ目で彼が私を捉えた。
絵のことになると彼の目にはとても強い光りが宿っている。
魅了されているかのように、意思とは関係なく頷いていた。彼のあの目が、私に魔法をかけているみたいだ。
479 :
125:03/08/12 00:53 ID:LwcR0NHI
丹羽君から見えないように物陰に移動してから制服を脱ぎ始めた。
ベストのボタンを外してそれを脱ぎ、カッターに手を掛けたときに彼に聞いた。
「ねえ、ブラジャーも脱がないと…だめ?」
「うん脱いで」
即答されてしまった。ブラのラインががはっきりと浮き出てしまうからだと言われた。。
しぶしぶ、カッターを脱いでから胸にぴったりと合ったサイズのスポーツブラをさっと脱いだ。
すぐさま彼から渡された布を頭から被るようにして身に着けた。
誰にも見られないと言われていても、あまり胸を晒していたくはなかった。
それから穿いたままだったスカートを脱ぎさった。ショーツは脱がなくても分からないから別につけていても構わないかな。
上履きと靴下は布の丈が長くて足元が隠れているので、これも脱がなかった。
今の自分の姿を確認してみた。さわっとした肌触りの布が腕以外の身体全体を覆っている。
それにとっても軽くて、服を着ているという実感があまり湧いてこない。
もう少し密着すれば、乳首の桜色が透けてしまいそうで気が気じゃない。
480 :
125:03/08/12 00:54 ID:LwcR0NHI
「んっ…」
ちょっと歩くだけで布が乳首を擦ってしまう。
(やだ。これじゃ勃っちゃうじゃない…)
そう思うと急に丹羽君に姿を見せづらくなった。
(こんなところ、見られたくないよぉ)
しゃがみ込んでから気を落ち着かせようと深呼吸を繰り返した。
「梨紅さん、着替え終わった?」
(…………よしっ!)
「うん、いいよ」
大分気分が落ち着いてきた。さっきまであったちょっとえっちな考えも何とか散ってくれた。
私が着替えている間、丹羽君は画材を整えていたみたいだ。準備を終え、腕にいろいろと抱えている。
「じゃあこっち来て」
彼の後に続いて準備室から美術室へと繋がる扉をくぐった。
そこには絵をすぐにでも描き始められるように準備されたキャンバスがあった。
「そこに立って。そうそこ。で、こっち向いて」
指示されるままに私は動いた。丹羽君も椅子に腰掛け、キャンバスに向かった。
こうやってみると、改めて緊張が押し寄せてくる。
「それじゃ今から描くよ。立ちっぱなしで疲れると思うけど、なるべく早くするから」
「うん。なるべく可愛く描いてね」
「梨紅さん可愛いから、できる絵も可愛いよ」
緊張を紛らすためにおどけてそう言っただけなのに、彼は本気でそう答えてくれた。
言われたことが恥ずかしくて、顔が一瞬で熱を帯びた。
「じ、じゃあ早く描いてよね!」
今度は恥ずかしさを紛らすために不自然なまでに強い口調でそう言ってしまった。
彼は私の気持ちがわかっているかのように、笑ってはいはいと言った。
そして筆を執り、白紙のキャンバスを睨みつけた。
481 :
125:03/08/12 00:54 ID:LwcR0NHI
(下書きもしないで、いきなり筆で描いちゃうもんなのかな?)
素人ながらそう思った。
でも、丹羽君が油絵を描いている姿は見たことが無かったので、きっとこれが彼のスタイルなんだと納得した。
「梨紅さん」
しばらくキャンバスと睨めっこをしていた丹羽君が声を掛けてきた。
「手は後ろで組んで」
「うん」
言われるままに両手を後ろに回して指を絡ませた。
「そう。もう少し胸を反らして」
「こう?」
胸を突き出すようにしたときにあっと思った。また乳首が布と擦れたからだ。
(ま、また勃っちゃう…!?)
そう思って胸を引こうかとしたけど、ここで変に動くと丹羽君に気付かれるかもしれない。
しょうがなく、わたしはそのまま胸を反らした。
「うん、いいよ」
そう言って丹羽君はまたキャンバスと睨めっこを始めた。
さっきから全然筆が動いてないような気がするけど、なんでだろう…。
でもそうしている間は丹羽君が私の乳首の変化に気づくことが無くてほっと一安心できる。
胸のところの布の先端にプックリとした膨らみができているのがはっきりと見える。
正面から見たら、絶対に影ができているに違いない。
丹羽君はまだ私のほうを見ていない。今のうちに身体の変調を治さなきゃいけない。
(お願い、鎮まって……!!)
天に祈るような気分ていうのはこんなものなんだと思う。
すがるような思いで願いを繰り返した。
(こんなの丹羽君に見られちゃったら、私……)
そう思った瞬間、身体が熱く火照ってきた。顔が赤くなって、薄い汗の膜が身体を覆った。
さっきより身体がおかしくなってる気がする。
482 :
125:03/08/12 00:54 ID:LwcR0NHI
「なっ……」
私は驚いて声を上げた。慌てて丹羽君のほうを確認した。
幸い聞こえてなかったのか、彼は未だにキャンバスと睨めっこだ。
私が驚いたのは、さっきよりも乳首が、その…硬く勃っていたからだ。
丹羽君に見られると思ったとき、私は興奮してしまった。
(そんなの、私、変態じゃない…!)
「梨紅さん」
私ははっと顔を上げた。いつの間にか丹羽君が私を見ていた。
「乳首が勃ってるよ」
いつもの調子、笑顔で丹羽君がそう言ってきた。
(ばれてる……ッ!)
恥ずかしさがいっぱいになって気が狂いそうになった。
「息もちょっと荒いね。顔も赤いし。興奮してるの?」
「ッ!」
丹羽君がどんどん私の羞恥心を煽ってくる。いつもの彼じゃないみたい。
声を詰まらせた私をニコニコしながら見つめている。
(ダメェッ、そんな目で見つめないで!)
丹羽君の純粋な笑顔が今の私の胸のうちを抉っていく。
「僕に見られるだけでそうなっちゃうんだ?」
「ち、ちがっ……」
彼らしくないひどい言いように私は反発しようとした。けど、そこで彼の目を見てしまった。
光が全く映りこんでいない、漆黒の闇がどこまでも続いていると思えるほど暗い眼。
私の言葉はそこに飲み込まれてしまったように続かなかった。
483 :
125:03/08/12 00:55 ID:LwcR0NHI
怖い。大好きな彼のことが、とっても怖い。
椅子から腰を上げて私に近づいてくる。
とっさに逃げなきゃいけないと思った。しかし、思いとは裏腹に身体が全く動いてくれない。
(か、金縛り…?)
私の焦りを見透かしているように彼が冗談めいた口調で告げてきた。
「ちょっとね、魔法をかけさせてもらったんだ」
軽い声のトーンだったけど、私にはなぜかそれが本当のことに思えた。
「な、なんで!どうしてこんなことするの!?」
今にも泣きそうな声で叫んだ。実際、目尻には涙が溜まっていた。
私の叫びを、彼は涼しい顔で受け止めた。
「なんで、ってさ――」
(……あれ?丹羽君、こんな声だっけ?)
「――こうでもしなきゃ、お前とはやれないだろ?」
そう言って、丹羽君の顔が絶対にしないような、そう、自信に満ちた、そんな笑みを浮かべて歩み寄ってくる。
背筋がぞっとした。今、私の目の前にいるのは、丹羽君じゃない。そう確信した。
「あぅッ…!」
目の前のそいつの手が私の内腿に布の上から触れてきた。
「やッ、やめて!!」
気持ち悪い。撫でられるだけで吐き気が込み上げてくる。
「どうしたの?いつもは可愛い声で喘いでくれるのに」
「丹羽君の声で、そんなこと言わないでっ!!」
かっと頭に血が上った。丹羽君の声で、姿でそう言ってくるそいつに激しい嫌悪感を覚えた。
「やれやれ。やっぱ、お前は強情だよ。でもな」
そいつが後ろに回りこみながら言ってくる。
「そういうお前だから、屈服しがいがあるってもんだ」
「んんッ!!」
背後から回された腕手が、私の両胸を包み込んだ。
「や、やだぁッ!気持ち悪い!!」
身じろぎしようとしても身体はまだ動かない。私の身体はそいつにされるがままだった。
キタ――――――(゚∀゚)――――――!!!!!
続きもガンガッテください!!!
きたよぉ(つд`)
486 :
名無しさん@ピンキー:03/08/12 03:39 ID:7svU4PKv
梨紅健気だなぁ。
エロより話のオチが気になる・・・。
職人さんがうまい証でつね。
がんがってください!
あぼーん
ageるとすぐ広告貼られるなぁ・・・
( sage ・∀・)キター!!!!!
ageてしまったか・・・。すまんね。
罵倒されることで君が少しでも心安らぐならうれしいよ。
492 :
125:03/08/13 02:21 ID:MVbXWpqY
「気持ち悪い?でもここはしっかり濡れてるよ」
そいつの手が私の股間の縦筋をなぞった。
「くッ…」
そこが湿っているのは私がさっきまでやらしい想像をしてたからだ。そいつが触れてきたせいじゃない。
でもそんなことを言ってもこんなやつが納得するはずない。黙っているしかなかった。
「――チッ、つっまんねーの」
いらだたしげな声を上げてそいつが毒づいた。
「ま、声上げねえんならそれでもいいけどさ」
私が身につけているものをそいつが裾から捲り上げた。
「!いやぁッ――」
手で押さえようとしてもやはり私の身体は動いてくれない。
下半身を晒して、悔しくて涙が溢れた。
「おいおい泣くなよ。俺が悪者みたいじゃねえか」
「ぐすっ…、丹羽君の格好でこんなことするなんて、あんた最低よ!」
涙声でそう言って、ああ情けないな、と客観的に考えてる自分がいた。
「別に最低でもかまわないよ」
そういわれた瞬間、身体ががくっと落ちた。
(動いた……?!)
そう思ったのも束の間、落ちた私の身体はそのまま動かなかった。
「な、な……」
声が出ない。これもこいつのせいに違いない。
私のお尻が持ち上げられる。腰をしっかりと押さえつけられてる。
上体は机の上に乗せられた。
「あ…あぁ……」
なにをされるか、頭では理解していても心が受け付けてない。
(いや……こ、こんなのいやぁ!)
いくらそう思っても声に出ない。
「僕のほうは準備いいから。じゃあいくよ」
「あぅう!ぁう、ああっ!!」
いくら叫んでもそんな原始的な音しか出てこない。
どうにもならないという絶望が押しかかってくる。
私の、それほど濡れてない秘所に、そいつが後ろから無理矢理ねじ込んできた。
493 :
125:03/08/13 02:22 ID:MVbXWpqY
「――――ッ!」
激痛、激痛、激痛。
ただただ痛みだけがそこに拡がった。頭を振って、それで涙が飛び散った。
食いしばった歯からは空気が漏れていく音だけがしている。
(ゴメン、丹羽君…)
丹羽君の姿をしたそいつに貫かれ、丹羽君に申し訳なかった。
彼以外の男にやられている自分が、惨めで矮小に思えてたまらなかった。
(丹羽君、丹羽君丹羽君丹羽君にわくん……っ)
そんな中でも彼にすがりたかった。必死に丹羽君のことだけを考えた。
「ぁあうッ!!」
でもそいつの腰が動くだけで痛みが見舞われ、掻き集めた意識が無残に散っていく。
「あ、あう、あうぅ!」
突かれるたびに散った意識の細かい粒子が粉々に砕かれていく。
「ほら、だんだん濡れてきたんじゃないのか?」
(嘘っ、嘘よそんなの!)
声に出せない代わりに自分にそう言い聞かせる。
「聞こえねーか?ぐちょぐちょ響くこの音がよ」
「はぁッ…!」
息を呑んだ。確かにそいつが言うように私の耳にいやらしい水音が聞こえてきた。
「い、いやぁぁ…」
流れた涙も拭えずに、自分の不甲斐なさに腹が立って、そしてさらに涙を流した。
「この調子ならすぐ堕ちるな。梨紅がえろくて助かったぜ」
言われて私ははっとした。
(そ、そうよ…身体はこんなんなっちゃっても、心だけは……!)
私の心だけは絶対に堕ちない。それは丹羽君だけにしか向けないものだから。
「ん、うん、んん…」
口をきつく結び声が出ないようにした。こいつが悦ぶようなことはしないつもりだ。
494 :
125:03/08/13 02:22 ID:MVbXWpqY
「へぇ、やっぱり梨紅さんは強いや」
また、丹羽君の声。でも今は嫌悪感をむき出しにするよりも必死に堪えなきゃいけない。
「でもここは僕の世界なんだ。全て僕の思うがままなんだよ」
(わけ、わかんないわよ…)
ついつい頭の中でぼやいた。でも、こいつがどういうつもりだろうと、私は絶対屈しない。
「わかりやすく説明するとこういうことさ」
口調が戻ると同時に腰の動きが早くなった。また痛みが腹の下、股の辺りに拡がっていく。
「くぅッ……う、うぁあッ!」
急に今まで痛みが駆け巡っていた箇所が熱く、とけるようにどろどろになっていった。
「は、はぁぅッ!ひゃうぅ…!」
「おぅおぅ。いつもどおりの可愛い声で鳴いてんじゃないの」
言われるとおりだ。いつも丹羽君の前でしか出さないような声を、今出している。
下腹部に走っていた痛みが突然、丹羽君とつながった時と同じ快感に変わっていた。
「い、いやぁぁ…こんな、のぉ、だ…めぇ」
いつの間にか声が出るようになっている。
言えば言うほどそいつが悦んでしまうのは分かっている。
でも言わずにはいられない。言わないとすぐにでも理性が飛んでイきそうだったから。
私の中で擦れあうたび、多量の愛液がどろどろと分泌されている。
つながったところはさっきとは比べ物にならないほど大きな音を立てている。
「分かったか?ここじゃお前の感覚は俺の思うままだ」
得意げな解説がひどく遠い。
「はなっからこうしてもよかったんだけどな、女は自力でイかせたいじゃないか」
もうダメだ。私の心が折れてしまう。
「ったく。お前が強情だからこうなったんだぞ」
丹羽君の顔が、もう思い出せなくなりそうだ。
(どんな……顔だっけ…?…丹羽君、って、誰だっけ……)
下半身の肉が、疼いている。快楽を求めて――
495 :
125:03/08/13 02:26 ID:MVbXWpqY
「――――ッ!!」
機械仕掛けの玩具のように上体が跳ね起きた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、……はぁ」
呼吸が乱れてる。汗もたくさんかいてる。
とんでもない夢を見ていた気がする。けど、ほんの数秒前のことがうまく思い出せない。
深呼吸をして気分を落ち着かせた。すると最後に思ったことだけが思い出せた。
(丹羽君って、誰?)
「ッ!!」
急に怖くなった。なんでそんなことを思ってしまったのか。
慌てて隣を見ると、そこにはすぅすぅと寝息を立てて眠っている丹羽君がいた。
私に背を向けて眠っている。顔が見えないことがとっても不安だ。
彼の顔が見えるように上体を乗り出した。
横顔が見えて、そっと手を伸ばした。触れて、体温が伝わって、実感した。
(ああ、丹羽君だ――)
とても安心できた。心の中のわだかまりが取れてすっきりしたような気分だ。
自然と笑みが漏れた。彼の側にいるだけでこんなに幸せを感じることができる。
離れたくないと願う私は無駄なく引き締まった彼の背中に身を寄せた。
裸で触れ合う。全身で彼のぬくもりを感じて、私はまた眠りに落ちた。
(っっああぁーー!いい夢見させてもらったぁ!)
大助の中で、ダークは一人大満足だった。
(たまには俺がいい思いしたってかまわねえだろ。それも夢ん中だしな)
ダークは梨紅の夢に進入し、性欲を発散していた。
(さってと、いいおかずになったし、脳内手淫でも始めるか!)
大助の中で、ダークはそんなことをしていたりした。
夢オチ(;´Д`)ハァハァ
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
>125さん
ダ梨紅リクした者です。
ヌードデッサンとMIXで来るとは思いませんでした。
話の繋ぎ方上手いなぁ・・スゲー感心しました。
125さんにこれからも期待しつつageたいトコですが、sageなのが悲スィ。
( キブンハage ・∀・)ウマーイ!!!!!
age age age age age agea gegatag(強制終了
125さん最高です!!
これからも、ドンドン頑張ってください!!!
ちなみに、このワタクシは最近DNの漫画をハイペースで集めていますww
(一日三冊
明日でそろうぞォ!!
そしたら、次は・・・小説だな。ウムww
DNを集め始めたそもそもの原因は、
ここの125氏と迷作SS書きさんのふたりのおかげです!!
有難う!!!!
そして、迷作SS書きさんの帰還も待ちつつ、
期待age・・・たい、期待sage
500 :
125:03/08/13 22:02 ID:DdPDcHpT
みおたんのはためたエロ
「ダイスケー」
「みおさん。何か用?」
「ダイスケは上と下どっちが好きぃ?」
「う、上と下、って……とりあえず下かな」
「Wow!んじゃあちょっとここに横になりやがレェ!」
「えっ、こ、こうかな…ってなにしてるのみおさん!?」
「What?ダイスケが下がいいって言ったから時雨茶臼してあげてるよ」
「しぐ…、なんでそんな難しい言い方をはうぅ…」
「どーだダイスケ私の中は?」
「へぁぁあ…」
「リクと違うダロ。外人特有のがばマンなのだ〜」
「うぅぅ…」
「ダイスケぇ、私の中で、出してぇぇッ!」
「ああぁ、出るぅッ!!」
「丹羽君なにやってんの!?」
「うわわ、梨紅さん!!っひぐぅ」
「ァン!出てる、出てるぅ〜ッ!!」
「さ、最っ低!!もう知らない!!」
「待って梨紅さん!」
「逃がさないアルー」
「みおさんどいてぇぁぁあぅッ」」
「ほーらほーら、私のマンマンがGOODな硬さのダイスケのチンチンに吸い付いてるよお」
「いやあぁぁっ、やめてえぇぇッッ!!」
「ダイスケ、ダイスケぇ〜〜……逝ってしまえぇぇぇっっ!!」
「うぎゅうぅぅ……」
「――――任務完了」
梨紅のは平和そうでよかった〜。
みおタンはセリフがうまいっすね。難しくなかったですか?
>>500 ギャグっぽいのも書けるのですか・・・すげーなぁ
つかワラタ、最低だ大助たん(w
125氏SSの数々乙彼です。
野暮な突込みをさせていただくと、
日渡の一人称は「僕」です。
504 :
125:03/08/14 12:39 ID:kAC1o14J
>>501 いやもう勢い任せで書き上げましたw
>>502 基本的にバカなのりが大好きです。
>>503 漫画後半(フリーデルト辺りから?)俺俺と言ってるのでそっちベースにしてます。
505 :
503:03/08/14 13:46 ID:93lMlVfA
ホントだ・・・9巻しか見ないで書いた私が悪かったです。
>125様
このスレでも作品にタイトルを付けて頂けないでしょうか?
507 :
125:03/08/14 23:41 ID:cJMwFhO+
タイトルですか。もう125のssでまとめておいてくださいw
今ひとつ書いているのですが、ちと不安です。内容は一話のパロです。
これ書いたらネタが尽きるのでどなたかリクおながいします。
508 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 03:46 ID:LKvMKE1L
ごめんageちゃった
学級委員コンビはキャラクター不足で無理ですかね・・・?
ほのぼの系キボンします。
>>507 とわちゃんのエロいのを(;´Д`) ハァハァ
512 :
125:03/08/15 08:39 ID:Qc+Z+bOq
モチツイテクダサィ。
鬼畜とほのぼのを同時に要求するとはw
513 :
山崎 渉:03/08/15 16:19 ID:4fmQeeOf
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
514 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 17:57 ID:l/HPEULz
age
125氏、大丈夫だよ!!
別に、鬼畜大助君と村村コンビで3Pしてるときに、
ムラムラ来たトワちゃんが乱入したりするものを書かなければ、
同時に進行しなくても平気!!
・・・・でも、それはそれで(´Д`;)ハァハァ w
516 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 02:50 ID:lGmeJ9HU
村村ムラムラ
517 :
125:03/08/16 19:41 ID:dupGBlPJ
先に断っておきます。
これから貼るのは完全にわたくしの望むように書いたオナニー作品であります。
ご了承ください。
518 :
125:03/08/16 19:41 ID:dupGBlPJ
初恋はみのらない――
「ごめんなさい」
僕はよりによって、
「私、丹羽君の気持ちには」
十四歳の誕生日に、
「応えられない…」
このジンクスに捕まってしまった…。
519 :
125:03/08/16 19:41 ID:dupGBlPJ
「大助!」
ばんっと机を叩く音にはっとして僕は顔を上げた。
「お、やっと気付いたか」
僕の周りにいる冴原と関本、日渡君の三人が心配そうな顔をしていた。
いや、実際心配そうな顔をしていたのは関本だけだった気がする。
日渡君はいつものように落ち着いて無関心といった感じで、冴原は声が弾んで、嬉しそうだ。
「何か用でもあるの?」
「ズバリ聞こう!昼休みになにがあった?」
冴原が指を眼前に突きつけてきた。ズバリと聞きすぎだと思う。
「なにも…ないよ…」
思い出しただけで胸が潰れそうに痛くなってくる。無意識に顔を背けてしまった。
「ふられたな…」
「んななな、なにをっ!!?」
無関心そうだった日渡君がいきなり確信をついた。慌てて否定しようとしたのがまずかった。
「図星か大助?かわいそうになぁ……。でも心配すんな!俺たちがちゃぁんと残念会してやるからな!」
「冴原ぁぁ…」
「……同情するよ」
関本の最後の台詞が目に沁みた。
520 :
125:03/08/16 19:41 ID:dupGBlPJ
「そうそう、忘れるところだった」
冴原の言葉に僕たち三人の視線が集中した。
「実はな、ここだけの話、今日の十一時にとんでもないビッグイベントがあるんだぜ」
「ビッグイベント?祭りでもあるのか?」
そう尋ねる関本に冴原は人差し指を立てて振った。
「違う違う。そういったもんじゃねえ。オヤジから仕入れた情報だ」
「オヤジさんから?何か事件か?」
「ああ。詳しくは知らねえけど、とにかくでっけえ事件らしい」
「へぇ……気になるな。日渡、行くか?」
「俺?いや…丹羽、お前はどうする」
「ゴメン、今日はちょっと用事あって、さ」
「そうか。なら俺はパスする」
「二人が来ないんじゃあ俺だけ行ってもしょうがないな。俺もパース」
「おいおい誰も来ないのかよ、つまんねぇな」
「また違う日に教えてよ」
「ああ。っつーわけでだ。大助!掃除当番はお前に任せた!」
「え…」
「また原田の写真やっからよ、頼んだぜ!」
「…って冴原……っ」
僕の叫びが届くより早く冴原は教室から駆け出していった。
「……同情するよ」
「ありがとう…」
521 :
125:03/08/16 19:42 ID:dupGBlPJ
「はぁ……」
美術室の前で僕は溜め息をついた。今日という最悪の誕生日を呪って。
(参るよな…。好きだった人にはふられて、掃除当番も押し付けられちゃって)
そしてもう一つ、僕の気を重くさせる原因があった。
それは十四歳の誕生日にある事を始めなければならないという丹羽家のしきたり。
多分冴原が言っていたビッグイベントもそれと関係があるに違いない。
「はぁ……」
また溜め息。いい加減気が滅入ってきた。
頭を振って気を引き締める。美術室のカードキーを差し込んで、
『ERROR』
「……うそぉ」
持ってきたカードキーを見ると、そこには『理科室』と書かれたシールが貼ってあった。
「………情けない」
それに鈍くさい。こんなんだから原田さんにもふられたんだ。
そう思うと目頭が熱くなってきた。泣き虫だなんて、ますます情けない。
キーのロックパネルのカバーを開けてパネルをタッチする。
ロックが外れる音がした。ノブを回すと何事もなかったようにドアは開いた。
美術室に入ろうとしたところで、背後から気配を感じた。
「すごいな…」
「あ、日渡君」
そういえば日渡君もここの当番だった気がする。
「丹羽、お前こんな鍵を開けられるのか」
「へ?え、あ…う、うんそうなん……いや、じゃなくてなくてぐ、偶然だよ偶然!」
そうだ、忘れてた。普通の子はこんな真似はできないんだった。
人前でやるなって母さんからしつこく言われていたのについついやってしまう時がある。
「へぇ、偶然……ね」
(今日は、厄日だ…)
522 :
125:03/08/16 19:42 ID:dupGBlPJ
(日が暮れてしまった…)
家に帰り着くころにはすっかり西日が強くなっていた。
家に着いてリビングに行くと(もちろん普通に行けたわけではないけど)、
「おかえりなさいっっ、大ちゃんっっ」
母さんが僕を抱きしめた。胸が顔に当たって、ちょっと恥ずかしい。
母さんが今日の僕のデキが満点だとか言ってるけど、今の僕にはそれを聞き入れるほどの元気がなかった。
「――それで、今日の十一時なんだけど…」
それでもその言葉だけはいやでも耳に残った。
僕は今日、その時間に犯罪者になってしまうんだ。
「…いろいろあるけど、とりあえず十時まで身体を休めておいてね」
「うん…わかったよ」
「あら?大ちゃんちょっと元気がないわよ」
やはりばれてしまった。それほど今の僕は重症みたいだ。
「大助、初仕事で緊張するのはわかるが、それでは足をすくわれるぞ」
「じいちゃん…」
じいちゃんが励ましてくれるけど、僕がこんな状態なのは緊張なんかじゃない。
「わかってるよ。じゃあ十時になったら起こして」
「起こしてって…大ちゃん夕飯は!?」
「ん…起きてからでいいよ」
そう言って僕は階段を上がり部屋へと向かった。
「……大ちゃん、様子がおかしいわ」
「初の仕事じゃ、緊張もするわい。わしも昔はそうじゃった」
「あらま、お父さんも?」
「おおそうじゃ。どれ久々にわしの武勇伝を――」
523 :
125:03/08/16 19:43 ID:dupGBlPJ
「ねえ梨紅」
梨紅の部屋に梨紗が入ってきた。
「なに?」
机に座っていた梨紅はドアのほうに向き直った。
「ん、うん……」
梨紗はベッドに腰を下ろし、そして押し黙った。
「どしたの?何か話があるんじゃないの?」
見かねた梨紅が声を掛けるが、それでも梨紗は俯いたまま黙っていた。
顔もこわばり、つらそうな表情をしている。
「……あんた、今日の昼から様子おかしいよ」
「ぁっ…」
ようやく梨紗が反応を示した。
それを見た梨紅は梨紗の隣に腰を下ろし、そっと手を握った。
「なにがあったかしんないけど、話したいから私のとこに来たんじゃないの?」
「うん…うん、そうだね」
梨紅の対応にようやく心がほぐれ、梨紗の顔に笑みが戻った。
「あのさ」
「うん」
「私、丹羽君に告白されちゃったの」
「ぇ、ぇ…ええぇっ!に、にに丹羽君があんたにぃ!?」
「うん。って、そんな驚かなくてもいいじゃない」
「あっ……う、うん、そだね。……で、それであんたなんて返事したの!」
「お、落ち着いてよ梨紅」
なぜか相談してきたはずの梨紗がなだめながら話を進めていった。
524 :
125:03/08/16 19:43 ID:dupGBlPJ
「その時は断っちゃったの」
「あ、そう…そうなんだ」
「丹羽君とは友達として付き合ってるから、告白された時はどうしていいかわからなくて…」
「そっかそっか」
大助の告白を断ったと聞き、梨紅は内心ほっとした。
「でもね、断ったんだけど、なんか……」
「え…それって」
梨紅が言おうとしたことを遮って、梨紗が頭を振った。
「よく…わからない。だから梨紅に相談しに来たのよぉ!」
後半は明らかに無理をして明るい声を出していた。
「うぅー。そんな難しいこと相談されても分かんないよ」
「あはは!そうだね。梨紅にこういう話は早すぎるもんね」
「うわっ、言ったなこのお!」
「はは、ちょ…やめてってば!」
「うるさーい!」
ベッドの上で仲良く姉妹はじゃれあった。
だが陽気にふるまっているが、梨紅は気が気ではなかった。
525 :
125:03/08/16 19:43 ID:dupGBlPJ
「――それじゃあ大ちゃん。あなたが初めて盗んでくるのはこれよ」
母さんから渡された写真には今回のターゲットである美術品とその名称が記されていた。
「淫夢の…短剣?」
なんだか…とても卑猥な気がする。
「大丈夫。大ちゃんには害はないわ」
心を読まれた気がする。それよりも、僕には害はないっていうのはどういうことだろう。
「かあさ」
「はい。じゃあこれとこれを身に着けて」
手渡されたのは真っ黒なボディスーツ、それと同じくらい黒いかつらだった。
「さすがに素顔を晒すわけにはいかないから、それで変装してね」
「変装っていったって…」
実質僕の顔を覆うものはない。かつらの毛が前にかかるていどだ。
それに背格好だって、十四歳の小柄な少年のままだ。
「この程度で平気なの?」
「案ずるな。代々丹羽家のダークを名乗る者はそれのおかげ素性を知られずに済んだんじゃ。無論わしもじゃぞ」
「素性をね……?じいちゃん、今ダークって言った?」
「おお。言ったぞ」
いつもどおりの調子で言われて危うく聞き逃すところだった。これは、とんでもない発言だった。
「ダークって、あの伝説の大怪盗のことだよね!?」
「そうよ。あら、知らなかったの?」
「聞いてないよそんなこと!」
「変ねえ…。お父さんが話しておくって言ってなかったかしら?」
「すっかり忘れとったわ」
「じいちゃん!」
「すまんのう大助。着替えながらでかまわんからわしの話を聞いとくれ」
526 :
125:03/08/16 19:44 ID:dupGBlPJ
じいちゃんの話は突拍子もなく、信じがたかった。
でも、それは本当のことで、まぎれもない事実らしい。
丹羽家の男子は代々、十四歳を迎えると怪盗としての家業を継がなくきゃいけない。
そこまでは聞かされていた。だから僕も小さいときからずっと特別な訓練をさせられた。
僕はどうしてそんなことをしないといけないのかずっと疑問だった。
そしてその答えがようやく聞けた。
怪盗ダークの末裔、それが丹羽。
ダークは危険な魔力が宿った美術品を盗み、その力を封印することに心血を注いだ。
けど一生のうちにその全てを終えることはできなかった。
だから子孫である僕たちにその役目を担わせた。
「ということじゃ。わかったか?」
「まあ、無駄のない簡潔な説明だわ」
「…よくわかったよ。じゃあ僕がこれから盗む短剣も危険な魔力が宿ってるの?」
ダークは魔力を使って美術品を封印していたと今の話から聞いた。でも僕にはそんな力なんてない。
「安心せい。そのためにウィズがおるのじゃ」
「ウィズが?」
じいちゃんが呼ぶと、僕の肩にウィズが乗ってきた。
「頭に手をかざしてみろ」
「…こう?」
言われたままにそうする。
「うわっ!」
一瞬でウィズが僕の身体をすっぽりと覆ってしまいそうなほど大きな、漆黒の翼へと姿を変えた。
「ウィズは代々ダークの仕え魔でな、多少の魔術なら使えるようになる。美術品を封印するときはそいつの羽を使うんじゃ」
「へー、ウィズが」
「さ、大ちゃん。準備は整ったかしら?」
「うん」
「それじゃあいってらっしゃい。あなたの最初のお仕事に」
527 :
125:03/08/16 19:44 ID:dupGBlPJ
「うっわー…へー…」
「なに見てんの梨紗」
テレビに夢中になっている梨紗の背中に梨紅が話しかけた。
「これこれ。四十年ぶりに伝説の怪盗ダークが復活だって」
「ふーん。あんたそんなのに興味あったんだ」
「なんとなくよ。怪盗に興味があるなんて言ったら馬鹿にされちゃうわ」
「ははっ、言えてる。じゃあ私先にお風呂入るよ」
「うん。あがったら呼んでね」
「あーい」
「そうじゃ、笑子さん」
「どうかされました?」
「今日盗んでくる淫夢の短剣にはどんな魔力があったかのお」
「忘れちゃったんですか?いやですわ」
「すまんのお。この歳になると忘れ物が激しくてなあ」
「あらあら。いいですか?あの短剣は持ち主を想う人に対して反応するんです」
「ほうほう」
「その人に剣の力が宿って……キャッ」
「おおそうじゃったそうじゃった。そんな力じゃったの。忘れとったがわしもそれが盗みたくてなあ――」
528 :
125:03/08/16 19:45 ID:dupGBlPJ
(思ったより楽だったな)
あまりにも簡単に盗みが終ったことに僕自身が一番驚いたと思う。
手提げのバックの中には、今しがた盗んできた短剣が入っている。
(警察ももっとちゃんとしなくて平気かなぁ…)
本気でそう心配してしまった。でもそうなったら僕が盗みづらくなるんだけどね。
「帰ろう、ウィズ」
漆黒の翼を羽ばたいて、僕は帰途を急いだ。
「これだけ遠回りすれば平気だよね」
念のために警官隊を避けるようにかなり迂回してきた。
「あ」
眼下には海に面した一軒の大きな家があった。見間違えるはずがない。
そこは僕の部屋から見えて、そして今日僕が玉砕してしまった人が住んでいる家。
「あ」
また声をあげた。遠目でよくわからないけど、誰かがバルコニーに出ていたからだ。
529 :
125:03/08/16 19:45 ID:dupGBlPJ
バルコニーの風を頬に感じながら、原田梨紗は星空を眺めていた。
「………丹羽君、か…」
告白は断った。しかし、今日一日考えていたことは丹羽大助のことばかりだった。
(どうして、こんなに気になるの……?)
「梨紗、お風呂」
物思いに耽っていた梨紗が振り返ると、そこには風呂上りのせいか顔が上気した梨紅がいた。
「了解」
ぱちんと手を叩き合わせ、入れ替わるようにして梨紗は風呂へ向かった。
「はぁ……」
梨紗が姿を消した後、火照った身体を冷ますために梨紅は夜風に身をさらした。
いや、本当はもう一つ、別の理由があった。そのことを頭で整理するために独りになりたかった。
(梨紗が、丹羽君に…)
そのことが梨紅の胸の内に、鉄球をぶつけられたようにずしんと響いていた。
(丹羽君は梨紗が好き…、梨紗もちょっと気にしてるし…)
二人が両思いになるならばそれでいいじゃないか、とはどうしても割り切れない。
(私…なに考えてんだろ)
「……丹羽君」
530 :
125:03/08/16 19:46 ID:dupGBlPJ
「――なっ!?」
突然バックの中から膨大な量の光りが溢れ出した。
「どうなってんだこれ!」
中を開け、光源となっているものを取り出した。
「剣が光ってる……、わぁっ!」
さらに光りの強さが増した。その光りが一条の筋を描き、ある一点へと伸びていった。
「あっちには」
それは僕がさっきまで見ていたところ。原田さんの家のバルコニーだ。
光りはそこにいる人影に向かって伸びていく。
「くっ…」
僕はそちらへと翔けだした。
(しまった。封印が……不十分だった?)
自分の不甲斐なさを呪った。そのせいで他人に、それも知り合いの家族に迷惑をかけるなんてゴメンだと強く思った。
「……ん?」
その人影がこちらを振り仰いだ。互いの視線が交差し、それが誰なのかはっきりわかった。
「原田さん、……のお姉さんっ」
剣の魔力が標的に選んだのは、よりによって原田梨紗さんのお姉さん、原田梨紅さんだった。
あっ、という顔をされた。けどその瞬間、原田さんの身体は剣から放たれた光りに射抜かれた。
「原田さんっ!!」
バルコニーへと降り立つと、今にも崩れ落ちそうな原田さんの体を抱きとめた。
「原田さん、しっかりして!」
僕は懸命に呼びかけた。しかし全然反応してくれない。呼吸が止まっている。
「原田さんっ、原田さん!」
僕がいけない。僕がもっとしっかり封印を施してれば、ここを通らなければ、こんなことにはならなかったはずだ。
「原田さん……原田…」
呼びかける声が小さくなっていく。自分が諦めようとしているのが手に取るようにわかる。
(………いや、まだだ!)
そうだ。諦めることなんてできるわけがない。とにかく、何か方法があるはずだ。
(…そうだ。こういったことは母さんかじいちゃんに)
先輩になる怪盗とその娘なら、きっとうまい対処法を知ってるはずだ。
僕は原田さんを抱えたまま飛翔しようとした。そうしようとした瞬間、いきなり原田さんの目が開いた。
531 :
125:03/08/16 19:48 ID:o2VX8d1n
「原田さん!気がついたの?」
僕は声を変えることも忘れて、起きたばかりの原田さんに声をかけた。
「…………」
けど原田さんはそんな僕を見ようともせず、自分の身体をぺたぺたと触っている。身体に異常がないか調べているみたいだ。
手を動かすのをやめた。どうやら終ったみたいだ。そしてその後彼女の口から出た言葉に耳を疑った。
「……なんだ。小娘の身体ではないか」
「へ?」
なにかひどく他人染みたものの言い方で自分の身体のことを口にする原田さんがおかしく見えた。
「まあかまわんか。久々の血肉だ。愉しまなければ。なあ?」
原田さんが僕に視線を向けてきた。
それはひどく淫猥な雰囲気を漂わせ、なんていうか、誘うようなものだった。
「原田さん…どうしちゃったの?」
いつも学校にいるときの雰囲気とは全然違う。
(まさかこれって、魔力の影響……ッ!?)
答えをまとめかけた僕に、原田さんが唇を重ねてきた。
まったく予期できなかったことに、僕の思考は一瞬で停止した。
「ん、はぅ……んちゅ」
彼女の舌が僕の口内へ進入し、焦がすような熱さで中を舐め回された。
「…!」
その刺激でようやく止まっていた思考が動き出した。
原田さんの肩を掴んで引き剥がし、転がるようにあとずさった。
背中に当たるバルコニーの柵が、それ以上の後退を遮った。
「な……なにを…」
口からそれを絞りだすだけで精一杯だった。それ以上は口が空回りしてうまく喋れない。
顔が焼けるように真っ赤になっているのが体温でわかった。
原田さんが腰を上げ、僕を見下ろすようなかたちになる。
「無粋だな。女の誘いを断るのか?」
原田さんの顔で、声で不敵にそう告げる。百戦錬磨の達人みたいな余裕がある。
けどはっきりしていることがある。目の前にいる原田さんは原田さんじゃない。
532 :
125:03/08/16 19:48 ID:o2VX8d1n
「だ、誰だよお前は!」
精一杯の声でそう言った。そうしないと何かに押し潰されそうな気がしたからだ。
「大方の察しはついておろう」
彼女の指が僕の持っていたバックを指し示した。
「我はそれに宿る精、サキュバスだ」
「さ、砂丘…?」
聞き覚えのない単語に疑問符が浮かんだ。
「知らんのか?無知だのう」
「う、悪かったね」
バカにされてしまった。
「とにかく、どうしてお前が原田さんの身体にいるんだよ」
「知らん」
「知らないって…自分のことじゃないか!」
「知らんものは知らん。我はただ欲望のままに動くのみ、だ」
彼女の身体が僕の上に覆いかぶさってきた。顔が近づいてくる。また唇を重ねるつもりだ。
「ちょー、ちょっと待って!」
「なんだ汝は。いい加減素直に喰われたらどうだ?」
「そうじゃなくて!僕はお前を封印しなきゃいけないんだ。だからこんなことするのは…」
「わかったわかった。終ったら封印でも何でも好きにするがいい。今は我と愉しめ」
彼女の顔がさらに近づいてくる。
「ダメ、ダメだよそんなぁっ」
必死に声を出した。こんなことをされるのは初めてだし、かなり抵抗した。
さらに相手はクラスメイトの原田梨紅さんの身体を乗っ憑って、それで攻めてきている。これはもうモラルの問題だ。
(するのはダメだ!)
自分に必死に言い聞かせた。
533 :
125:03/08/16 19:49 ID:o2VX8d1n
「汝はわかっておらん」
僕の手が引っ掴まれて彼女の胸に押し付けられた。
「わ、わわわっ!」
うろたえる僕に彼女の顔が、本当に目の前に突きつけられた。
「わかるか、我の胸の高鳴りが。この情欲が」
ひどく熱っぽい視線で僕を見つめてくる。顔は朱に染まって、興奮しているのが伝わってきた。
「これを押さえぬ限り、我の封印などできはせんぞ」
彼女の顔は、やはり原田梨紗さんに似ていた。瓜二つだ。間近で見るとそのことがよくわかる。
「う…あぅ……」
梨紗さんと梨紅さんが僕の中で繋がりを持った時、砕け散った感情が再び集まり、形を形成してきた。
(最低だ、僕……)
原田梨紅さんを原田梨紗さんに見立てて、それでこんな感情を抱くなんて、梨紅さんを蔑ろにしているに過ぎない。
けど、一度甦った感情はそんなに簡単に消えてくれない。
(原田さん……ごめん)
「その気にならんか?まあ汝がならずとも、我が一方的に攻めてもいいがな。ん、これはかつらか。邪魔だ」
頭から黒い長髪のかつらが取られ、口内への侵入が再開された。僕は逆らうこともせず、ただ流れに身を任せていた。
今は逃げる場所も、心の余裕もありはしなかった。
534 :
125:03/08/16 19:49 ID:o2VX8d1n
原田さんの柔らかな舌が歯の裏を、歯茎を、口蓋をくすぐるように舐めてくる。
優しく這わされる舌が、脳を麻薬に浸したように蕩けさせる。
「はんん…ん、ふぅ」
口と口が離れた。熱く潤っていた唇が外気に触れて薄ら寒くなる。
「舌を出せ」
その言葉に逆らうことはできないのか、僕は口を開いて舌を少し突き出した。
また彼女の口が僕の口を塞いできた。さっきとは違い、完全に口を覆っている。
少しだけ出していた舌に絡みつくようにして彼女の舌が蠢いてくる。
その激しさに、もう僕は考えることさえ億劫になってきた。
考えることを放棄した途端、下半身に熱が集中してきた。その変化に気づかれた。
「なんだ。すっかりその気ではないか」
「はぁ……ッ」
スーツの上からさすられるだけでびくびくと反応してしまう。
指が器用にファスナーを下ろし、そこから張りつめた僕のものを引き出した。
「いいな…いいなこれは」
熱っぽい視線で犯される。さらにきつく張っていくのがわかる。
鈴口に舌が這わされ、それだけで堪えられない射精感がこみ上げてくる。
「んむ、ぷッ…ん、ん、はん…んぷ」
じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てて原田さんの頭が前後へ振り乱れ、漏れる鼻息が下腹部を撫でる。
535 :
125:03/08/16 19:49 ID:o2VX8d1n
「あぁ…ふぅぐ……」
初めて味わう女の人の口内は熱く、狭く、動かされるたびに僕の先端が粘膜と擦れあった。
包み込まれるような感覚を感じながら、限界を迎えようとしていた。
「はぁう…ッ!」
パンパンに張った風船に針で穴を開けられたように、一気に亀頭の先から精液が迸った。
「あ……ぅ…くはっ」
一人でして出すときとは比べ物にならないほど長く、多量の精子が原田さんの口内に飛び散ったに違いない。
一人のときはいつも思い描いている原田さんの、その口内に出しちゃうなんて…。
(…違う。今いるのは魔力に魅入られた原田さんで……、それに…お姉さんのほうで…)
僕がしているのは誰か、そんなことすらはっきりとしないほど意識が混濁してきた。
「ぁぁ……」
出し切ったばかりの僕自身を、彼女の口が丹念に嬲ってきた。
ぬちゃぬちゃとした音が耳の奥深くへまとわりつくように響いてくる。
彼女の口が離れると、そこには再び夜空を突き上げるように勃ったものがあった。
自分が出した精液と彼女の唾液が混ざり合ったものが薄い膜のように全体を白く濁らせている。
「若いな」
嬉しそうな声で言った彼女は立ち上がり、いつの間に脱いだのか、僕の眼前に無毛の、つるっとした股間を突きつけた。
「見えるか、ここが?」
指で自分の割れ目を押し拡げ、中の肉が、穴が見えるようにした。
薄い陰唇で隠されていたそこは、月光と僅かに漏れる部屋の明かりで照らされている。
白いピンク色をしていて、肉は厚くない。上部には陰核が、ちょこんと顔を覗かせている。
入り口付近には、小指の先ほどの小さな穴が開いていて、その周りには襞がある。
奥は暗く、闇が支配している。僕はそこに吸い込まれていきそうな、奇妙な感覚に満ちた。
「この娘、処女だ。嬉しいか?」
(嬉しい…原田さんの処女、嬉しい…奪う、僕が……?)
思い続けた彼女の、その初めてを僕が奪う。
今日ふられたばかりの僕は、そのことにひどく不条理な興奮を覚えた。
536 :
125:03/08/16 19:49 ID:o2VX8d1n
彼女の腰が落ちる。僕の先端と彼女の入り口が触れ合ったところで動きが止まった。
陰唇が亀頭の先端にぴたりと吸い付いている。
目の前には彼女の、初恋の人の悦びに満ちた顔があった。
微笑みかけるその笑顔が、燃えるような興奮を呼び起こす。
「んッ……」
笑顔を浮かべたまま彼女の腰がじわじわと落ちてきた。
焦らすようにゆっくりと亀頭が呑み込まれていく。
たまらず顔を歪めた。もちろん苦痛のせいじゃない。快楽のためだ。
先端に何かが触れて挿入が途中で止まった。彼女が上ずった声で告げる。
「わかるか…ッ……これが、処女の証だ」
「は……うッ」
「汝が、貫いて…みせい」
腕が僕の首へと回され、彼女の熱く、汗で湿った身体がぴったりと密着した。
僕もそれに応えるように彼女の腰へ手を回した。暖かく、肉づきのよいお尻が掌におさまる。
「はぁ……は、うッ!!」
ぎちぎちに締めつけるそこを突き抜けるように腰を突き出し、同時に彼女のお尻を引き寄せる。
「はうぅ…ッ」
さすがに彼女も眉根を寄せて辛そうな顔になった。
でも口からは熱い、甘い吐息が吐き出され、それが僕の首筋を艶かしく触れていく。
537 :
125:03/08/16 19:50 ID:o2VX8d1n
「いいぞ…久々の破瓜の快感……ッ」
ぐいぐいと突き当たったものを押し上げている感触に彼女が愉悦の声を上げた。
僕自身をきつく締めつけるように彼女自身が絡みつく。
先端には進入を遮るものを少しずつ、ぐちぐちと押し拡げていくのが伝わってくる。
「ああ――ッ!!」
狭い進入口が僕を呑みきることができずにぶつりと切れた。
その痛みが強すぎたのか、彼女の身体がびくっと反り返り、崩れるように僕の上体に寄りかかってきた。
気を失ったみたいだけど、僕はさらに進入を続ける。
中が切れたおかげで多少はきつくなくなったが、それでも握りつぶされそうなほどの力で締めつけられている。
「んぐぅ……」
かまわずに奥まで押し込む。濡れていた肉棒と、中から溢れてくる血が潤滑油となってずり、ずり、と挿入されていく。
苦心しながらようやく僕が全部入った。
相変わらず締めつけは痛いほどに強い。手で握るときよりもきつい。
彼女の腰を抱えたまま動き始める。
いつも手でしているように、あれを彼女でしごく。
「んぐ…ぐっ、ぅく……」
さっき出したばかりなのにもう限界が近づいている。
すぐにでも出したいという欲求が一気に首をもたげてくる。
その思いが僕の腰の動きを加速させる。彼女を強く抱きしめて腰を叩きつける。
彼女が気付いたのか、同じように強く抱きついてくる。
「はぅ…は、はぁぁ…」
胎内に出したいという想いがとめどなく湧いてくる。
「う、ぐぁ……は、らだ…さん…」
「はぁッ、に…丹羽、くんッ……はぁ――ッ!」
僕は、ついに自分の汚れた欲望を彼女の中へと解放した。
(最低だ、僕は最低だっ!)
事後処理を済ませて逃げるように帰途に戻った。サキュバスとかいうのの封印もすっかり忘れて。
魔力に魅入られていたとしても、原田さんのお姉さんとあんなことをした自分が許せなかった。
快楽の余韻に浸ることもなく、ただ後悔の念だけが渦巻いていた。
538 :
125:03/08/16 19:50 ID:o2VX8d1n
この日、
「うしっ!今日はなかなかいい画が撮れたぜ!」
僕の十四回目の誕生日に、
「俺も行きゃよかったかな…」
僕の運命は、
「ウホッ!いい男…」
歯車が軋むように、
「丹羽君、か………」
ゆっくりと音を立てて、
「…ん……?なんで私、こんなことで寝てんだろ……」
動き始めた――――
539 :
125:03/08/16 19:51 ID:o2VX8d1n
以上です。自分のオナニー作品でここまでスレ消費してしまい正直スンマセン。
ごめん、125氏マンセーかもしれない。
まず、ダークを設定でなくしたのが(・∀・)イイ!!
梨紗も梨紅も大助の事が気になってるのが(・∀・)イイ!!
大助自身がかつらかぶって怪盗やってるのが(・∀・)イイ!!
すばらしいので「パラレルANGEL」とでも銘うって連載しても
俺は全面的に応援するぞw
541 :
125:03/08/16 21:42 ID:8lRVPaM0
540さんありがd。
ちと誤字発見でつ。スンマセン
×「…ん……?なんで私、こんなことで寝てんだろ……」
○「…ん……?なんで私、こんなとこで寝てんだろ……」
私も125さんの新作は大歓迎です。
本来SSというモノは、大なり小なり設定を改変してしまうモノなのでそこまで気にすることもないと思います。
余所のスレでは、原作が中世風ファンタジーのものを、現代学園風に改変したSSなんかがあるくらいですし。
543 :
125:03/08/17 23:26 ID:Nn7Njumr
なるほど、そこまで設定変える人もいるんですね。
ではこれからは540さんが名付けの親となってくれたパラレルANGELをがんがります。
その前に村々コンビ(+トワちゃん?)でつね。ムズッ! (w
544 :
125:03/08/18 01:20 ID:xCQIKdQN
前半部できますた。鬼畜っぽい大ちゃんの話はこれで三つ目ですね。
545 :
125:03/08/18 01:21 ID:xCQIKdQN
「さ、沢村…」
「あー、なに西村」
西村祐次は意を決して話しかけた。案の定沢村みゆきはつれない態度を示す。
いつもなら彼も彼女に合わせて適当に話すところだ。
だが、今日の彼はいつもと違う。
「お前放課後は暇かっ!?」
「うーん……別に何もないけど」
「じっっ、じゃあよかったらっっっ、オレと」
「おーい委員ちょー!」
冴原が西村に駆け寄っていく。
「なっ、なんだよ冴原、脅かすな!」
「別に脅かしてねえだろ。先生が呼んでたから親切なオレが教えてやったんだぞ」
「先生が?」
「……ねえ、用がないんなら私行くけど」
「え、あ、いや、その…」
はっきりとしない沢村に冴原が続けた。
「さっさと先生んとこ行けよ」
「そうしなよ」
沢村も同意する。そして去っていった。
「んじゃ、オレも行くわ」
「あ………」
一人取り残される西村。
「………ちくしょおおぉぉぉぉっっっっっ!!」
魂の叫びだった
546 :
125:03/08/18 01:21 ID:xCQIKdQN
「なあ沢村」
「なによ、また」
気だるそうに西村を半眼で捉える沢村。いつもどおりの反応だ。
だが、今日の彼は一味違う。
「さっきも言ったけどさ、放課後用事ないんだろ」
「ああ…それがどうかした?」
「あっ、あのさっっ、お、おお、オレと」
「西村。ちょっといいか」
西村の言葉を遮るように横やりが入れられる。
「日渡っ!お前もオレの邪魔をっっ!」
手提げのバックを持った日渡がいた。
「何を言っている?俺は君に聞きたいことがあるだけだ」
「………じゃあ私行くよ」
「い、いや…少しっ、少しだけ待ってくれ!」
機は逃せない。西村は食らいついた。
「じゃあさっさと済ませてよ」
「わかってる!それで、お前の用件ってなんだ!?」
「ああ。女性の前では少し言いにくいんだが…」
「いいから早くっ!」
「……そうか」
ごそごそとバックの中から何かを取り出す。それは一冊の本のようだ。
「先日君から借りた西洋文学作品の中にこんなものが混じっていた」
タイトルは『ぷるぷるっ、萌えっ娘大行進』。明らかにその手の人向けの萌え絵が表紙に描かれた小説だった。
「ひいぃぃぃいぃぃぃっっっっ――――」
「…………サイテー」
沢村の一言が胸をごっそりと抉り取った。すたすたと去っていく。
「だから女性の前では言いにくいと言ったんだがな、これは返す。………続き…貸してくれ」
日渡の頼みも彼の耳には届いていなかった。
547 :
125:03/08/18 01:21 ID:xCQIKdQN
「沢村ぁっ!」
「なによロリコン」
沢村に意気込んで話しかけたがいきなり挫けそうになった。
「違う!断じてオレはそんなんじゃないっっ!!」
「言い訳?見苦しいやつ」
「ぐ…」
いつもならここで二人の言い争いが始まるところだ。
だが、今日の彼はめげない。
「さっきから言ってるけどな、よかったら、放課後、オレと」
「沢村ー、こんなとこにいたのか」
三度彼と彼女を引き裂く魔の手が迫る。
「貴様か関本ぉぉぉっっっ!!」
「な、なに怒ってんだよ?」
「…………はぁ」
「まま、待ってくれ沢村!」
返りそうな沢村をなんとかつなぎ止める。
「……いいけどさ」
「それでお前の用件はなんだ!」
「あ…いや、沢村が側にいると言いにくいんだけ」
「言わないでくれっっっ!!」
先刻の悪夢が甦る。慌てて関本の口を塞ぐ。
「むぐっ?!んごごぐぅ…」
「こ、これはなんでもないんだぞ沢村、……沢村?」
すでに彼女の姿はなかった。
548 :
125:03/08/18 01:22 ID:xCQIKdQN
「丹羽ぁぁぁあぅぅうわあああぁぁっっっっ」
「な、泣くなよ西村」
放課後一人で帰ろうとしていた大助に西村が泣きついた。
「とにかく離れて!」
抱きつくようにして泣いていた西村を引き剥がした。
「いきなり泣かれてもわけわかんないよ。落ち着いて説明してよ」
「丹羽ぁ……ぐずっ、じ、実はな…かくかくしかじかで」
「そっか。でもなんで僕を頼ってきたの?」
「だってさぁ、お前、と原田は…うまく付き合ってるじゃないか?」
西村はぐずぐずと鼻を鳴らしながら喋り続けた。
「冴原も、日渡も関本もさ…オレの邪魔ばっかしてさぁ…ずずっ」
「そっか……。わかった、僕が協力するよ」
「丹羽ぁぁ……お前本当にいいやつだな、ぐすんっ」
西村が強く大助の手を握ってきた。大助も握り返す。
(これはこれで面白くなりそうだし、ね)
549 :
125:03/08/18 01:23 ID:N1HbLFoy
「んぐ、はぁう、ぷっ、くちゅ…はぁ」
自室の椅子に腰掛け、大助はどのようにするか考えていた。
「考え事ですか?」
奉仕していた口を休めてトワちゃんが尋ねた。
口に代わって手で大助のものをしごき続ける。
「うん。いろいろと面白いことをしようと思ってさ」
計画はもうほとんど決まっていた。
後はアシスタントとして誰かの手を借りようかと考えていたが、それも目星をつけていた。
「トワちゃん」
「なんです?」
「明日学校に来て欲しいんだけど」
「あらま、もしかしてわたくしと学校で制服プレイを!?キャッ」
頬を赤らめるトワちゃん。まんざらでもない様子だ。
「それはもう梨紅さんだけで十分だよ。それに自分の歳も考えてよ」
「それはわたくしに言っているのでしょうか?」
「イタイイタイッ!ご、ごめんなさいっ」
顔は笑っているが手はものを握りつぶそうと万力のように締め付ける。
「わかればよろしいんですよ」
「はぁ……。とにかく、明日はトワちゃんに手伝ってもらうから」
「明日とは急ですね」
「こういうのはすぐ実行したいからね」
「わかりましたわ」
「じゃあ、続けて」
大助が促がすと従順なほど素直にトワちゃんの口が大助の大きめのものに吸いついた。
「んふぅ…やっぱり、っん…若い子のおちんちんは、美味しいですわ……むぷぅ」
550 :
125:03/08/18 01:31 ID:xCQIKdQN
また誤字を見つけてしまった…。
>547の十行目、沢村じゃなく西村だった…。
書き手失格だ…、ちょっと逝ってきます。
お疲れ〜。まったりと後編でも待つかな。
( ハァハァ *・∀・*)トワチャンキター!!!!!
相変わらず、すばらしいですなぁ・・・(;´Д`)ハァハァ
後半気になるぅ!!
とりあえず、日渡の性格が垣間見えたww
あと「なによロリコン」激しくワラタ
554 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 22:38 ID:m56/QGz4
good job
555 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 22:43 ID:WBnIOv7o
あぼーん
あぼーん
広告ウザイなぁ・・・
555も取られるし・・・(ヲィ
とにかく、125氏続きキボンヌなので!!
今日、このページ頭から見直してしまいますた。ww
559 :
125:03/08/21 01:41 ID:oVH1sUqZ
>>558 代弁者がおられたっ!w
業者にベルトをとられてしまうなんて…。
ピッピッピッ スタンディングバーイ
560 :
555:03/08/21 01:42 ID:oVH1sUqZ
翌日、西村は放課後に美術室へ来るようにと大助に言われた。
(何でそんなところなんだよ)
西村も少しばかりよからぬ妄想を抱いてしまう。
だがそこは委員長。すぐさまその煩悩を振り払った。
とにかく丹羽ならちゃんとしてくれるだろうという信用からその疑念は次第に薄れていった。
「に、丹羽っ。本当に沢村がっっ!?」
「うん、美術室の中にいるよ」
美術室前で出迎えた丹羽大助はにこにこしたままそう告げた。
「………」
「緊張してるの?」
「ん、あぁ……」
どうして沢村が美術室にいるか、どうして大助が沢村を呼び出せたか、
そんなことを考える余裕は今の西村にはなかった。
中に沢村がいて、大助がそのお膳立てをしてくれたということで気がはやっていた。
「まだ入らないのか?」
「うん。ちょっと準備があるんだけど、もういいかな」
僅かにドアを開けて中を覗いた。
「もういいみたい」
「じゃあ……」
「それじゃあ入ろうか」
大助がドアをくぐり、西村も後をつけて美術室へと入室した。ぴしゃりとドアが閉められた。
561 :
555:03/08/21 01:42 ID:oVH1sUqZ
「っ……!!」
美術室の中の光景を見た瞬間、西村の身体は硬直した。
「はぐッ……、ぶ、う゛ぅぅ」
獣のような声を上げているのはアイマスクを付けられ、口枷によって声を奪われた女子だった。
裸にひん剥かれた彼女は手枷と開脚足枷で身体を拘束されて転がされている。
「な……にを……」
目の前の女性の非現実的な姿に目を奪われ、西村は完全にパニックに陥っていた。
「大助、こっちの準備は万端ですわよ」
裸の女子の傍らには東野第二中学校の制服を着た白髪の女性がいた。
「うん」
女子は必死に声を荒らげるが、大助とその横の女性は気にもせずに笑いあう。
大助はその女性が身につけている服に目を留めた。
「その制服どうしたの?」
「はいっ、この娘のですわ。なんとサイズもぴったり」
それを聞いて西村ははっとした。
「さ、沢村か!?」
西村の声にその女子が反応した。声をうーうーとあげて懸命に西村に話しかけようとする。
「丹羽!お前何をしてるんだよっっ!!」
ようやく思考が動いた。同時に身体も動いて大助に掴みかかった。
襟元を掴むその手を大助が握ると簡単に外され、そのまま後ろ手に捻り上げた。
「やめてよね。西村が僕に適うはずないだろ」
「大助、喧嘩はよくありませんわ。みゆきちゃんが怯えてしまっています」
「う゛ぅ、ぐぅぅーーッ」
「そうだね。ゴメンね西村」
突き放すように開放し、倒れそうになる西村に告げる。
562 :
555:03/08/21 01:42 ID:oVH1sUqZ
「僕ができるのはここまでだよ。お膳立ては十分だろ?」
「ふっ、ふざけるな!!こんな酷いことして、それで、沢村が可愛そうだろっっ!!」
尚も大助に噛みついた。西村の必死な叫びを涼しげな顔で受け止める。
「でもこういうのを望んだのは西村のほうじゃないか」
その言葉に沢村の身体が怯えるように縮み上がった。
「違うっっ!オレはこんなこと頼んじゃいない!!」
そう言って西村自身それが自己弁護に満ちたものに聞こえた。
沢村の身体で妄想をしたことは何度もあった。そう思うと今の状況はそれとさほど変わらない。
しかし彼はただ彼女に告白し、普通に付き合いたかっただけだった。
沢村を助けなければという使命感が西村を突き動かしていた。
「安心しろ沢村。オレがすぐに助けてやる!」
そう言葉をかけるとさっきまで胸を上下させて声を上げていた彼女が少しだけ落ち着いていった。
「このことは先生に報告するからな」
大助には適わない。まして相手は二人だ。
沢村を置いていくのはかなり不安だが、それが確実に助け出せる方法だった。
「別にいいけどさ」
大助の余裕に満ちた態度が西村の怒りを煽る。
踵を返してドアに手をかけて思いっきり開けてやる。
563 :
555:03/08/21 01:43 ID:oVH1sUqZ
「外に出られればの話だけどね」
(――なっ……)
開かない。ドアがびくともしない。鍵がかけられているとかそういったレベルではない。
ドアが動かないのだ。
「何をしたんだよ!?」
「ちょっとそういう細工をね……ありがとうトワちゃん」
「いぃえー、これくらいどってこととないですわ」
「疲れてるに決まってるよ。お礼にいつもみたいにしていいよ」
大助が机の上に腰掛けると彼の股間にトワちゃんが顔を埋めた。
ズボンの上から熱い吐息を吹きかけ、唇で丹念に甘噛みして大助のペニスを弄り回す。
「あ、ああ……」
目の前でいきなり開始された淫行に西村は言葉を失った。
「西村もさ、沢村さんにしてあげたら?」
大助が西村と沢村に交互に視線を向けながらそう言った。
「ぅくっ、そんなことするかよっっ!!」
「なんで?」
「なんでって……、そんな酷いこと、沢村にできるわけないだろっ」
「女の子が裸で誘ってるのにさ、それに乗らないのは失礼だよ」
「さそっ……、お前らが無理矢理こんな格好させたんだろっっっ!!」
怒りに任せてそのまま飛び出そうとするが適わないということはわかっている。
「く……」
結局その場で大助たちを睨みつけるしかできない。己の弱さに苛立ちがつのる。
564 :
555:03/08/21 01:43 ID:oVH1sUqZ
「西村がしないんなら僕が代わりに沢村さんとしちゃうよ?」
その台詞に誰よりも早く反応したのは沢村自身だった。
再び胸中が乱れてじたばたと身体を揺すりだす。
「トワちゃん」
トワちゃんが股間に埋めていた顔を上げた。
「はい。その娘は処女ですわ。間違いありません。確認しましたから」
「だってさ。僕が沢村さんの初めての相手になっちゃうんだ」
途端に西村の頭に血が上った。
つのった苛立ちが爆発して大助に跳びかかった。
「はぁーい、お子様は横で見ていてくださいませ」
力任せに突っ込む西村の背後をいつの間にかトワちゃんが取り、すっと締め上げた。
「ぐっ!?放せ……」
必死に暴れてその腕から逃れようとするが、もがけばもがくほど締め上げがきつくなっていく。
「邪魔しないでね」
にこっと微笑みかける。罪悪感の欠片も感じさせないその笑顔が憎らしい。
「――――ッ!!」
沢村は声を上げずにただひたすらに床の上で暴れていた。
そんな彼女の太腿の付け根をぐっと押さえつける。それだけで暴れていた下半身が動かなくなった。
「ねえ、処女喪失する前に言いたいことある?」
「う、う゛ぐぅ!はぐ、はぅぅッ!!」
「ああゴメン、喋れなかったんだよね」
大助が片手で口枷を外してやる。
「ぶぁッ……西村ぁ!!助けて、お願いっっ!!」
開口一番に西村に助けを求めた。
「沢村、沢村っっっ!!」
「にしむらぁぁ……」
今すぐにでも助けてやりたい。しかし、こんな不利な状況で彼女を助け出すことは無理だと悟っていた。
565 :
555:03/08/21 01:43 ID:oVH1sUqZ
「言いたいことは済んだ?」
大助の温和な声がお互いの名前を呼び合う二人を遮った。
「それじゃあ入れるよ」
大助の腰が少しだけ迫った。
「ひィッ――!!」
先端が僅かに触れただけで沢村は大げさに身体を震わせた。
「いやっ、いやぁぁ!!西村、助けてぇっっっ!!」
彼女の悲痛な叫びが美術室中に響く。だが西村本人には聞こえていなかった。
今まで片思いをしてきた相手の初めてが目の前で、理不尽に行われようとしている。
その事実が彼の思考を極限までに掻き乱す。
そして、掻き乱された思考は一つの結論を導いた。
こんなことがされるなら、
(なら……それなら、いっそ……)
いっそのこと、自分の手で――。
566 :
555:03/08/21 01:44 ID:oVH1sUqZ
「――――丹羽」
大助の亀頭が半分ほど中まで入ったとき、西村が口を開いた。
「どうしたの?」
いつもの調子で聞き返す大助に、今は怒りも何も湧いてこない。
代わりにどうしようもなく膨れ上がった感情が彼の口を動かす。
「オレと……代わってくれ……」
俯き、ゆっくりとそう言った。
「うんいいよ」
相変わらず笑ったままの大助は腰を引いた。
「トワちゃん」
今まで西村を締め付けていた腕の束縛が解かれて身体に自由が戻った。
「西村……?あんた、なに言ってんの……」
沢村の声は震えている。その声が西村の胸にずしんと応える。
「ゴメン、沢村……」
それだけ言うのが精一杯だった。
「ゴメンじゃないわよ……ねえ、やめてよ、お願いだからっ!」
恐怖のせいか、まったく声に覇気がない。怯えている。
「悪い……。でもオレ、もう我慢できないんだよ」
ズボンのファスナーを開け、自分の盛っている欲棒を突き出した。
「お前の裸見たせいで、ずっとオレ興奮してたんだよ」
先端があまり湿っていない沢村の入り口に近づく。
「いやぁ、いやぁ……っ。こんなの、間違ってるっ」
「オレ……っ!」
お前のことが好きだ、そう言おうとして言葉を喉で止めた。
自分にそれを言う資格がないと感じたせいだ。
「ゴメン……」
やはりそれだけ言うのが精一杯だった。
沢村の腰を押さえつけ、自分の身体を彼女に重ねていった。
125氏はいつ仮面ライダーになったの?
っていうか俺は馬のオルフェノクの方が好きなんだが・・・
もっというと555なんかより「ファイナル弁当」の方が好きなんだが・・・
作品感想
えっと、後編の予定が中編になったのかな?
マダ終わりじゃないよね。
>ようやく思考が動いた。同時に身体も動いて大助に掴みかかった。
襟元を掴むその手を大助が握ると簡単に外され、そのまま後ろ手に捻り上げた。
「やめてよね。西村が僕に適うはずないだろ」
・・・これワロタ。
キラキタ━━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━━━ !!!!!!!!!!!! と思った。
丹羽大助はスーパーコーディーなのねw
568 :
名無しさん@ピンキー:03/08/21 20:47 ID:cvmvQRao
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
続きまだー?
しまった、sage忘れた・・・・。
570 :
558:03/08/21 21:40 ID:CJBUe7jI
125氏もとい、たっくん乙。w
まさか、125氏が知っていたとわww
>>567 そ、そうだったのかぁ・・・
そんなところにまで手を広げているとは・・・
やっぱり、125氏は神ですね。
マンセー!!
571 :
555:03/08/22 19:27 ID:5pvUNqj2
>>570 知っているも何も別スレでは555を名乗ってましたがなにか?w
まあただ単にコテ名乗るの面倒だったんで数字で名乗っただけですがw
572 :
555:03/08/22 19:28 ID:5pvUNqj2
>>566 「やっ、やめてよ西村!!んぐッ、ぐうぅ……」
無理矢理に挿入されてくる苦痛に沢村の口が歪む。
西村は小さくゴメンと呟きながらじわじわと腰を埋没させていく。
「いぐ……ッ、や、うぅぐ!?」
「はいはい、ちょっと黙っていてくださいね」
トワちゃんが沢村に口枷をはめ、再び口の自由を奪った。
異物がゆっくりと沢村の中に入っていく。
口枷をぎりぎりと噛み締める。
苦痛に歪むマスクの下の表情を想像し、大助は口の端を吊り上げた。
「西村、気持ちいいだろ?」
大助が訊ねるが彼には答える余裕はなかった。
ぎちぎちと、締めつけというより挿入を拒絶するように中はかたくなに閉ざされていた。
新品のビニールのようにぴったりと閉ざされたそこを少しずつ引き剥がしていく。
沢村の胎温を感じながら強引に犯していく。
とうとう奥にまで到達し、彼女と一つに繋がったことを実感する。
その思いを噛み締めていた時、彼女の喉からは嗚咽が漏れ出した。
「あらあら。彼女も悦んでいますわよ」
嗚咽の意味を考えるより早くトワちゃんがそう耳打ちした。
「ああ……ああ、そうか」
西村はもう考えない。とにかく今は沢村としよう。それだけだった。
573 :
125:03/08/22 19:28 ID:5pvUNqj2
腰を引こうとすると、がっちりと喰らいつかれてなかなか動けない。
腰を乱暴に引き抜くと粘液もほとんどない膣壁との直の摩擦が感じられた。
西村は喘ぎ沢村は叫んだ。
今度は腰を一気に突き挿す。同じように二人が声を上げた。
彼はその快楽にすぐさま虜となり貪るように一方的に腰を抽迭した。
彼女はその痛みから逃れることもできずに自分の穴を犯され続けた。
その様子を大助はじっと見ていた。
「見てるだけじゃ満足できないんじゃありませんか?」
トワちゃんが聞いてきた。その手は誘うように股間から突き出たのを撫でさすっている。
「じゃあ頼むよ」
「はいですわ」
顔を股間へと近づけるとがぷっと喉奥まで咥え込み、激しく頭と手を動かしてしごき始めた。
「ははっ、よっぽど我慢してたみたいだね」
いきなりの激しい責めも余裕で受け止め、視線は床で行われている強姦劇を捉えている。
「他人のセックスはいいね。見てるだけでぞくぞくするよ」
トワちゃんもそれに相槌を打つが咥えたものは放さないのでうまく喋れていない。
574 :
125:03/08/22 19:28 ID:5pvUNqj2
こん、こん、こん
二組の男女が絡み合っている美術室のドアがノックされた。
「開いてるよ」
その言葉を聞いてノックをした人物がドアをいとも簡単に開けた。
「お邪魔しまーす……って、なんかすごいことになってるね」
あははと呆れたように笑う人物は原田梨紅だった。
ドアを閉めて大助のほうに歩み寄る。
その股間に顔を埋めている女生徒に一瞬顔をしかめたがすぐにそれが誰かわかった。
「トワちゃん久しぶり。何で制服着てんの?」
またトワちゃんがもぐもぐと口を動かす。どうやら説明したいようだ。でも口は放さない。
「いろいろあってね。ほら」
大助が床で絡み合う、というより男のほうが一方的に絡み付いているだけに見えるが、
男女を見るように促がした。
「うわわっ、西村とみゆきだ!何でこの二人が!?」
「西村って沢村さんのこと好きだったんだよ。知らなかったの?」
「全然。みゆきが西村のこと好きだったなんて……」
実は西村の片思いだったわけだが、えっちなことをしている二人を見て単純に両思いだと思い込んだ。
「そんでどうして私を呼んだの?」
「二人のえっちを見ながらするのもいいかなって思っちゃって」
「え゛ーーっ!さすがにそれはちょっと……」
梨紅は大助の発言にちょっと、いやかなりしりごみした。
「他人のえっちなんて見るもんじゃないし……あっ!?」
嫌がっていた梨紅を抱き寄せると唇を塞いだ。
「僕、梨紅さんとしたいんだ」
口を離して見つめ、最初に言ったのがそれだ。
これをやられると梨紅はいつも断れない。嫌だといっても最後はこれでしてやられる。
「…………トワちゃんにしてもらってるのにそう言われても説得力ないよぉ」
「あはは、ゴメン……」
結局、照れ笑いを浮かべる大助の前にひざまずいてトワちゃんと一緒にぺろぺろと舌を這わせた。
575 :
125:03/08/22 19:29 ID:5pvUNqj2
アイマスクがしてあって本当によかったと西村は思った。
(泣いてんだろうな……)
沢村の目で見つめられたら間違いなくこんなひどいことはできなかった。
胸が痛い。ずきずきと内側から破られそうだ。
だがそう思うだけだ。思考が止まる代わりに腰は止まらない。
沢村はすでにぐったりとして声を上げる気力もないようだ。されるがままに犯され続ける。
無心になって彼女を犯していくうちに射精感が湧いてきた。
「沢村……くぅッ」
「ちゃんと中に出すんだよ」
その言葉にも沢村は死んだように反応しない。自我が崩れ始めていた。
「出る、出るぞ沢村…………ッ!!」
胎内でびくびくと律動を刻み、沢村の中を濡らし、汚していく。
「沢村……」
出してしまって気がついたのは激しい虚脱感。そして彼女を犯したという現実。後悔。
無意識に頬を涙が伝っていた。
576 :
125:03/08/22 19:29 ID:5pvUNqj2
「終った?」
「ああ」
そう言ってふらふらと立ち上がった。ファスナーを閉じようとする手をトワちゃんが止めた。
「ダメですわ。ちゃんと清潔にして差し上げます」
「う……」
大助にしていたのと同じように西村の萎えてしまったものを咥えこんでじゅぽじゅぽと吸い始めた。
出した後のものを蹂躪され、苦しげに呻いた。
すぐに勃ち直すことはないが、それでも訪れた虚脱感を払拭するには十分な威力を持っていた。
砕けそうになる腰を何とか支え、名も知らない女生徒の頭を両手で掴みこんだ。
「うわっ、西村大胆……」
積極的に奉仕を受け容れる彼を見て梨紅が思わず呟いた。
「梨紅さん」
そんな彼女に大助が耳打ちすると顔を真赤にして俯いた。
それでも拒むことはできないとわかっている彼女は大助から離れて制服を脱ぎだした。
「靴下は履いててね」
「変なこだわり……」
言われたとおり靴下以外の衣服をすべて脱ぎ去った。
そして指示されたとおりに沢村に取り付けられた種々の拘束具を取り外していく。
「あ……」
開放された沢村の目は涙のせいか、赤く腫れあがっていた。
そしてその目がクラスメイトの原田梨紅の顔を捉えた。
梨紅は憐れむような視線を向けて声をかける。
「かわいそう……。無理矢理こんなことされちゃって」
梨紅の指が沢村の膣穴から流れ出す精液を掬い取り、それを彼女の眼前にかざした。
「梨紅……う、うぅ」
まるで何年も経ったような気分がして、涙が次から次へとこぼれだした。
「私はあんたの味方だよ。安心して」
そして梨紅が唇を重ねた。
梨紅の姿を見て心底安心している彼女はそれを悦んで受け容れる。
沢村の中で決定的な何かが崩壊した瞬間である。
577 :
125:03/08/22 19:29 ID:5pvUNqj2
床上で絡み合う女子の姿を、大助は満足そうに眺めている。
その行為を見て彼自身も欲求が股間と連動して膨れ上がってきた。
机に預けていた腰を上げるとトワちゃんのほうへと近づいていった。
西村のペニスをしゃぶり続けるトワちゃんがのお尻を突き出すように持ち上げた。
トワちゃんがもごもごと何かを言う。やはりペニスはしゃぶり続ける。
スカートを捲くって形のよいつるつるなお尻を掌でねっとりと撫で回す。
トワちゃんの性感を知り尽くしたその手の動きには無駄がない。
パンツにできていた縦筋に沿ったしみが一層大きくなる。
パンツを脱がすと前戯もすることなくそのまま貫いた。
相変わらず口からペニスを開放することなくもごもごと喘ぎ続ける。
「ああ……ッ」
トワちゃんの喘ぎが咥え込んだ西村のペニスを痺れさせる。
彼は目の前でトワちゃんをバックから攻め立てる大助の姿に己の欲望を照らし合わせた。
「沢村さんにも、こうしたいだろ」
素直に首を縦に振る。
「もう少し待ってね。梨紅さんが沢村さんの身体をほぐしてるから」
大助と西村が向けた視線の先には、梨紅の指戯で喘ぎまくる沢村の姿だった。
西村は自分の時は声を上げて悦んでくれなかった彼女があれほど悦んでいる姿を見てちょっと悔しくなった。
578 :
125:03/08/22 19:29 ID:5pvUNqj2
「みゆき、気持ちいい?」
「うん、うんいいよ梨紅ッ!!」
沢村は梨紅の右手人差し指と中指だけでいいように弄ばれていた。
二人の汗ばんだ肌と肌が密着する。
柔らかな双房が擦れあい、乳首もぴんと勃起している。
手が、脚が、四肢が妖艶に絡み合う様は芸術的に美しい。
「みゆき、みゆき……」
「はんッ、んぷぅ、あんん」
梨紅は執拗に沢村の唇の柔肉を嬲り続ける。
唇を塞ぎ、舌を入れ、口内で自分の唾液と沢村のそれを混ぜ合わせるように舐め回す。
じゅぷじゅぷと水音が上と下から聞こえてくる。
「どう、イきそう?」
「うん、うんッ!熱いよ梨紅!!」
「そう」
梨紅の指が沢村の膣穴から抜き取られた。
「あ……?」
急に下半身が寂しくなったことに沢村が梨紅にすがるような視線を向けた。
「寂しい?」
「うん。早く、早く埋めてよっ」
「だってさ。呼ばれてるよ西村」
「え?」
梨紅に呼ばれるとは思っていなかった西村は驚いたように顔を上げた。
579 :
125:03/08/22 19:29 ID:5pvUNqj2
「みゆきちゃんがお呼びですわよ」
ようやくトワちゃんが口を放した。
「トワちゃん。二人のフォローお願い」
「はいですわ。ささ、どうぞこっちへ」
西村の背中を押してトワちゃんが全裸で横たわる沢村の側へ連れていった。
「西村っ、早くここにいれてッ!!」
まったく違う豹変っぷりに西村は気圧されそうになった。
「ほらほら。女性を待たせては失礼ですわよ」
ここでもトワちゃんがうまく導いていく。
指で拡げて待ち受ける沢村の中を一思いに貫いた。
「あう――ッ!!」
つい先ほどまで処女だったとは思えないほど簡単に貫けた。
貫かれると今度は腰をくねくねと動かし、股間の異物に波がうねるような刺激を与えていく。
「うう……」
さっきまでとはまるで違う沢村の積極的な攻めに負けないように西村も腰を送り出す。
「お待ちを。やはり愛する二人はこの体位でしたほうがよろしいかと」
正上位でしていた二人にトワちゃんが口を挟む。
寝そべっている沢村を起こして二人が抱き合うように体位を変えた。
「さ、どうですか?」
「すごいよ、西村が奥まできてる!!」
「お、オレもわかるよ」
腰が上の沢村がリードするように二人の腰が上下に動く。
「いいッ、いいよ!私、もうイっちゃうよッッ!!」
「沢村、また、中に出る……」
「いいから、どこでもいいから出してぇぇッ!!」
梨紅に焦らされていた沢村は呆気なくイき、膣壁の蠢動の激しさに耐え切れなかった西村も同時に果てた。
580 :
125:03/08/22 19:30 ID:5pvUNqj2
「梨紅さん」
二人が力尽きて崩れ落ちるのを見届けてから梨紅に声をかけた。
「はい制服」
「ありがと」
手渡された制服を受け取る。
「って、上しかないよ」
「だってスカート穿いちゃったらやりにくいから」
「こ、これからするの!?」
「うん。二人に見とれちゃっててするの忘れてたから」
「……うん。わかった」
おずおずと頷くとカッターシャツを着てから机に腰掛け、大助を受け容れるために股を開いた。
「それじゃあいくよ」
「ん……」
こうしてまた、二人に新たなプレイスタイルが加わった。
ちなみにトワちゃんは興奮しすぎで力尽きて鳥姿のまま連れて帰られましたとさ。
たっくん乙。w
超・意外な展開っす!!そこで梨紅が出てくるとは・・・
梨紅×沢村がかなりハァハァ来たww
でも、まぁ・・・
こ ん な 乱 交 待 っ て ま し た ww
これからも、応援していきます!!
ちなみに、今度のネタは?
たっくんとはどこぞの名前かは知らないけど乙!
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
584 :
125:03/08/23 23:15 ID:hY7tmHRC
エロパロANGEL第2話
家に帰り着いた僕は母さんに短剣を押し付けるようにして部屋に戻った。
ベットの上で布団を被ってうずくまった。
(最低だ、僕は最低だ!なんで……っ、くそぉ!!)
頭を抱えて自己嫌悪に陥っていた。
「どうして、あんなこと……」
原田さんのお姉さんとあんなえっちなことをしてしまうなんて。
僕が好きなのは、原田梨紗さんのはずなのに。
「どうしてだよ……」
(それだけ主の性欲が強かったのだろ?)
「…………へ?」
布団をはねのけて周囲を見回した。今、女の人の声が頭の中に響いた気がした。
(何を慌てておるか?)
「へ、へ?」
その声は耳から入ってきているものじゃない。
直接頭の中から聞こえてくるような、そんな声だ。
(しかし、なんだ。主の中はいづらいな。はやく元の短剣に戻してくれんか?)
「ぼ、僕の中ぁぁっっ!?」
その後、冷静さを失った僕をなだめてくれた彼女――さっちゃんと呼べ、らしい。
そのさっちゃんが今の僕の状態を説明してくれた。
僕が原田梨紅さんとつながった時、彼女の意識が僕の内在する魔力に惹かれて僕のほうへ逆流してきたということだ。
「じゃ、じゃあ僕の頭の中にはずっとさっちゃんがいるの!?」
そんなのは嫌だ。僕が何をやるにしてもずっとさっちゃんにそれが筒抜けになるってことになる。
(案ずるな)
不安で焦っていた僕を落ち着かせるようなさっちゃんの声が聞こえた。
(さっきも言っただろう。短剣さえあればすぐにそちらへ戻る)
「わかった!!」
585 :
125:03/08/23 23:16 ID:hY7tmHRC
「母さんっ!!」
「あら、どうしたの大ちゃん?」
二階から駆け下りるとリビングでくつろいでいた母さんに声をかけた。
「あの短剣僕にちょうだい!」
「え?あれが欲しいの?」
「うん」
「でも大ちゃんに短剣なんて、ちょっと危なくないかしら」
「そんな……、どうしても欲しいんだよ、お願い」
僕は必死に母さんに頼み込んでいるけど、どうやら母さんは剣を渡すことに抵抗があるみたいだ。
確かに子どもに刃物は危険だけどこればかりはどうしても譲れない。
「いいじゃないか笑子さん」
必死な僕の姿を見かねたのか、じいちゃんがそう言ってくれた。
「でも……」
「始めて盗んで記念の美術品じゃ。大助もいろいろと思うところがあるんじゃろ。のう」
「じいちゃん……」
「……わかりました」
じいちゃんの説得が効いた母さんがリビングから姿を消し、しばらくして短剣を胸に抱えて戻ってきた。
「はい、大ちゃん」
「う、うん。ありがとう母さん」
本当はさっちゃんを戻したら返すつもりだったけど母さんが僕に短剣を渡すといろいろと言ってきた。
ようするに、大事にしなさいという、それだけのことだった。
(そんなに言われたら返せなくなっちゃうじゃないか)
心の中でぼやきながらも、僕は短剣を大事に自室へと戻っていった。
「あの子に短剣を返しちゃって大丈夫かしら?」
「なに、心配せんでも平気じゃて。大助なら大事に美術品を扱ってくれるじゃろ」
「でも、万一怪我でもしたりしたら」
「笑子さんは心配性じゃの。いつまでも子ども扱いしとると一人前の怪盗に成長できんぞ」
「……怪盗の母親も大変だわ」
笑子は深く溜め息をついた。
586 :
125:03/08/23 23:16 ID:hY7tmHRC
「うむ、やはり慣れ親しんだこの中が一番居心地がよいわ」
頭の中にいたさっちゃんに言われたとおり剣を取り返し、それを額に当てて意識を集中させた。
すぐに頭からさっちゃんの声が消えてその声が手に持った短剣のほうからしてきた。
僕はそのままベットの上に寝そべった。今日一日がとても長く感じられた。
「疲れたか?」
「うん。すごくだるい……って、なんで僕たち普通に会話してるの?」
そういえば初めて盗んだ時はこんなことは起きていなかった。
眠りそうな頭を回転させて疑問を口にした。
「ああ。主と交わったときにその魔力の一部が我に新たな力を与えたのだろう」
「交わった、か……」
またさっきのことが頭を過ぎった。
思い出すたびに下半身が僅かに疼き、罪悪感で胸が痛む。
「思い出して興奮でもしたか?」
「す、するわけないだろ!」
半分だけど当たっていたのが癪に障った。僕の気持ちが見透かされているようで気に入らない。
「大体なんでさっきから『あるじ』とか言ってるのさ!」
「汝の逸物が気に入ってな。我の主に決めたのだ」
「気に……!嫌だよそんなのっ、またさっきみたいなことが、あったり……」
「思い出して硬くなるとは、精力絶倫だな」
けらけらと意地悪くさっちゃんが笑う。
「う、うるさいっ!大体、原田さんとあんなことした時、最後に僕の名前呼ぶなんて悪趣味だよ!!」
「ん……ああ」
そこで初めてさっちゃんが言いよどんだ。
「?」
「いや、そのだな」
「うん」
「入れられたときに破瓜の痛みに堪えられなんでそのまま気を失ってしまってな」
「……それって、どういう……」
「つまり主がハァハァ言って腰を動かしていたのはあの小娘が相手だったということだ」
587 :
125:03/08/23 23:17 ID:hY7tmHRC
「んーー……」
天井を見つめながら、原田梨紅はぼんやりと考えていた。
その手にはバルコニーに落ちていた黒髪のかつらが握られている。
(なんであんな夢見ちゃったかなぁ……)
その夢は現実離れしていて、しかし妙に生々しいものだった。
(誰かと目が合って、それから気ぃ失って、気付いたら丹羽君と……)
そこまで思い出すと下腹部が熱く疼きだした。
ひりひりと痛む股間が、その夢が現実のものだったのではないかと思わせる。
(ダメダメっ!そんなこと、あるわけないんだから)
夢だと思い続けている出来事を必死で否定する。
(丹羽君は梨紗が好きで、梨紗だって丹羽君のこと気にしてるんだからっ)
自分の出る幕ではない。そうわかっていても抑えきれない想いが梨紅の胸の中で膨れ上がってきていた。
588 :
125:03/08/23 23:17 ID:hY7tmHRC
「んん…………?」
ハードな一日を乗り越えてぐっすりと眠っていた僕は胸の動悸が激しくなっているのに気付いた。
「なんだ……」
ベットに貼り付いていた上半身を起こすと、そこは見覚えのない広い空間だった。
「ど、どこだここ?」
よく見ると僕が寝ていたところもベットじゃなくてはっきりしない淡い色の床の上に裸でいた。
「裸ぁっ!?」
あり得ない。状況を確認しようにも周りはただただ広い空間が地平の向こうまで続いていた。
「これって」
(夢、だよね……)
普通に考えればそういうことになる。
でもそれにしては五感がはっきりとしすぎている。現実と全然変わらない。
「そう。これは夢だ」
背後からから今日聞いたばかりの声が聞こえてきた。
「さっちゃんっ、うわわ!?」
振り返ると大人の女性、でも悪戯っぽい表情のせいで子どものような印象の人がいた。
僕が沫を食ったのは彼女が着ていた服が肌の大部分を露出するようなきわどいものだったからだ。
目に入れないように赤くなった顔を両手で覆った。
「他に隠す場所があるだろう」
「わわわっ!!」
綺麗な指が示す先は僕の股間。彼女の大胆な格好を見て興奮してしまったらしい。
「どうやって僕の夢にまで出てきたんだよっ」
「我は淫夢だぞ。主と意思が通じる距離ならば時を問わずいつでも中に入れる」
「そんなの迷惑すぎるよ!」
「つれないことを言うな。まだまだ元気そうではないか」
鋭い視線が僕の股間に突き刺さる。
589 :
125:03/08/23 23:17 ID:hY7tmHRC
「ちち、違うよこれはっ!早く僕の中から出てってよぉ」
「違うのは主のほうだ。本当は」
「早く出してくれ、だろ」
「えっ……!?」
また背後から声が、今度は腕を首に回されてすぐ耳元で聞こえた。
「は、は、は、原っ……」
それは僕が初めてを奪い、僕が初めてを経験した人だった。
夢の中に原田梨紅さんが出てくるという事態に混乱してしまう僕に彼女の鋭い視線が向けられた。
「狼狽えるな。我だ、我」
「さ、さっちゃん?」
その言葉に原田さんそのものの声をしているさっちゃんが頷いた。
「悪趣味すぎるよそれは!!」
「そうか?主とするときはこの姿のほうが悦ばれると思ったのだがな」
「するって何を」
「主は鈍感だのぉ。これに決まってるではないか」
「あっ……」
原田さんの指が僕の肉棒に絡みついてきた。
「こういうことが好きなのだろ?」
「うぐぅ」
原田さんの指がさわさわと動いて僕のものを刺激する。
「こういったことも我の務めだ」
「あ、ああぁぁッ」
590 :
125:03/08/23 23:18 ID:hY7tmHRC
「うわああぁぁぁぁッッッ――」
大声を上げて上体を跳ね上げた。
「うきゅうぅっ!?」
ウィズの声が跳ね上げられた布団から聞こえた。
「あ……」
周囲を見回すとそこは見なれた僕の部屋のベットの上だ。
「夢……」
どうやらあれは本当に夢だったようだ。あの夢のあまりの生々しさに現実と誤認しそうだった。
「ん?」
まさか、とは思ったけど嫌な予感がした。
パンツの中へ手を入れた。指先には生暖かくて粘っこい液体がへばりついた。
「……やっちゃった」
591 :
125:03/08/23 23:19 ID:hY7tmHRC
母さんたちにばれないように後始末を終えて学校に行く準備を始めた。
「学校か?」
紐をつけて壁にかけていた短剣、さっちゃんが僕に話しかけてきた。
「そうだよ」
準備をしながらなので適当に会話していく。
「なあ、我も連れていってくれんか?」
「馬鹿なこと言わないで。さっちゃんがいると邪魔だよ」
「邪魔とはなんだ!主の行動をしっかり把握するのも我の務めだ」
「ああそう。じゃあ行ってくるよ。ウィズ、さっちゃん、大人しくしててね」
「きゅう」
「あ、こら待たんか!」
部屋のドアを大きな音を立てて閉めた。階段を下りるとキッチンに用意してあったパンをくわえた。
「いってきまーすっ!」
「いってらっしゃい、大ちゃん」
「気をつけるんじゃぞ」
「はーい」
ばたばたと家を飛び出した。ようやく一人になれて安堵の溜め息が漏れた。
「まったく、家の中じゃ居場所がないよ」
母さんに短剣を返そうかと何度も考えたけど、今さら返すのも気が引ける。
美術品大好きな母さんに、あんなにねだって返してもらったものをさらに返したとなると、考えただけでぞっとする。
結局あれは僕が持っておくしかない。そう思うと我知らず、長い溜め息が漏れていた。
592 :
125:03/08/23 23:19 ID:hY7tmHRC
「つまらん」
ぶすっとした声でさっちゃんが不満を漏らした。
「きゅう?」
「貴様もそう思わんか?」
ウィズに同意を求める。
「きゅうきゅうっ」
あっさりと同意する。
「そうかそうか。ふふふ」
もしもその時さっちゃんに顔があったなら、口の端を最大限につり上げて不敵な笑みを浮かべていたことだろう。
「ならばちとばかし協力せい」
キター!
連投規制かな?
続きキボン。
っていうか、確かタイトルは「パラレルANGEL」だったような…
さっちゃんキタ―――(・∀・)―――!!
エロパロANGEL やっぱ良いッスネ
梨紅タソもかなり良い味出始めてるし・・・
もちろんさっちゃんもww
続ききたいしま〜す
>>594 あっ・・・ホントだ・・・
・・・・・・パラレルANGEL続き待ってます!!(何事もなかったかのように
597 :
125:03/08/23 23:41 ID:us8KOJVD
うわ、ホントだ。パラレルANGELでした、ゴメンナサイ。
ここは腹を斬ってお詫びを…
続きはまだです。お待ちください。
なかなかよさげなオリキャラだことw
パラレルでは梨紗の扱いがどうなるのか?
梨紅は安泰っぽいのでそっちが気になってますw
続き、まってるぞぉ。
( *・∀・*)イイー!!!!!!!
600 :
125:03/08/24 11:54 ID:Z/GLX48M
ごめんなさい、二話後半は普通の学園ラブコメに仕上がってしまいますた_| ̄|○
エロパロじゃなくてほんとにただのパラレルでございます。
三話で挽回するのでお許しを。
601 :
125:03/08/24 11:54 ID:Z/GLX48M
「あ、丹羽君」
上靴に履き替えている僕に声がかけられた。
「原田さん」
原田梨紗さんが僕のほうを見て笑っている。その笑顔についつい顔が赤らんでしまった。
でも僕は昨日、彼女にふられてしまった。
(いろいろあってすっかり忘れてた……)
昨日のことを思い出すとなんだかいたたまれない気持ちになって、すぐにでもその場から去りたかった。
「おはよう」
「う、うん、おはよう」
彼女のほうはというと全然いつもと変わらない調子だ。
昨日あんなことがあった男子を前にしてどうしてこんなに自然にできるんだろう。
「ねえ丹羽君」
「え?」
原田さんが何かを言いかけたとき、
「あ……」
彼女の後ろから現れた原田さんのお姉さんと目が合った。
不自然なほどに慌てて視線を逸らした。
「ぼ、僕先に行くよ。それじゃあまた」
「あ、待って!」
原田さんが呼び止めようとするけどそれどころじゃない。
お姉さんのほうを見た途端、下半身が素直すぎるほど敏感に反応してしまった。
ばたばたと転がるようにして二人から離れていった。
602 :
125:03/08/24 11:55 ID:Z/GLX48M
原田梨紗は小さく溜め息をついた。
「行っちゃった」
ちょっとだけ勇気を振り絞って話しかけたが彼は逃げるように去っていった。
「やっぱり気まずいのかな」
それが普通の反応だ。彼が告白してきたほうなのでなおさらだ。
(断らなきゃ、よかったかな……)
今になって昨日のことが悔やまれてきた。
原田梨紅は少しだけ腹が立っていた。
(な、なによあれ)
自分と目が合った途端、彼は明らかに慌てて行ってしまった。
(なんか……ムカつく)
それが普通の反応だ。彼とあんなことをした夢の後ならなおさらだ。
「ほら、行くよ梨紗」
夢とのギャップが胸をきつく締め付けた。
603 :
125:03/08/24 11:55 ID:Z/GLX48M
一匹のウサギのような毛玉のような妙な生き物が街中を駆けていた。
その首からは不釣合いな大きさの飾りをつけている。
「いた、痛いぞウィズ!我の身体が削れるではないかっ」
「きゅううぅー」
飾りをがりがりと地面に擦りつけながら、ウィズと呼ばれた生き物は颯爽と走り続ける。
「使い魔なら主の所持品をもっと丁寧に……っ!」
石段を駆け上がると首飾りはかんかんと小気味よい音を響かせた。
その音が気に入ったのか、ウィズは身体を大きく動かして駆け上がっていく。
「貴様ぁ、覚えておれよ」
「きゅうっ」
怒りの声と喜びの鳴き声を上げ、一本と一匹は学校へと向かっていた。
604 :
125:03/08/24 11:55 ID:Z/GLX48M
教室へ入るといつもと様子が違った。
冴原が教室の中央で机に腰掛け、冴原が語る話をみんなが真剣に聞き入っている。
机に鞄を置くと、側にいた関本に声をかけた。
「おはよ」
「おお」
「冴原、なにやってんの?」
「昨日の話、覚えてるだろ」
それは冴原が嬉々として話していた怪盗ダーク、つまり僕のことだろう。関本が続けた。
「それで昨日自分が見てきたことを得意気に話してるってわけさ」
「ああ」
関本からの説明を受けてから冴原の話に耳を傾けた。
「――そしてとうとう犯行予告の十一時!上空からやつが現れたっっ!!」
おぉーっと、みんな合間合間で面白いくらい反応している。
「漆黒の闇の中でさらに暗い光りを放つ翼をはためかせ、現れたのが、こいつだぁっっ!!」
ばっと懐から取り出した写真を、なぜか女子のほうに向けてかざした。
「きゃーッ、カッコいいぃぃっ!」
「惚れちゃいそー」
「端正な顔立ちがいいわっ」
みんなが、女子だけだけど、思い思いに述べる感想に思わず頬が緩んでしまう。
605 :
125:03/08/24 11:56 ID:Z/GLX48M
「何故君が照れる?」
「ひぃいぃぃぃっ!?」
耳に息を吹きかけられた。こんなことをするのは彼しかいない。
「ひ、日渡君……。おはよう」
「僕らの間に挨拶はいらないさ」
「お前は妙なこと口走るなよ」
「は、はははは……」
日渡君はこんなことをいつもしてくる。関本が止めてくれるおかげでまだ手は出されていない。
「ところでお前らさ、ダークのことどう思うよ?」
「ダークねえ」
「うーん……」
僕にとっては難しい質問だ。自分のことだからあまり悪く言いたくはない。
「女子の間じゃ結構話題になってるみたいだぞ」
「へえー、そうなんだ」
「これは俺もうかうかしていられないな」
「…………」
「…………」
「……冗談だ」
日渡君が言うと冗談に聞こえないところが怖い。
「梨紅、梨紗、おはよー」
石井さんの声に思わずそっちのほうを見ようとしてしまった。
(いけないいけない!もう気にしたらいけないんだ!)
そうやって何とか自分に言い聞かせる。
「あんたたちはこの怪盗ダークのことどう思う?」
今度は福田さんが写真を持って原田さんたちのほうへダークのことを聞きにいった。
(ううぅぅぅ)
ダメだとは思いつつもついつい聞き耳を立ててしまう。
「私は別に興味ないな。話題にはすると思うけどさ」
そう言うのは原田梨紗さん。
「私も。泥棒なんてどうでもいいし」
これは原田梨紅さん。
二人からの酷評に少しだけ沈んでしまった。
606 :
125:03/08/24 11:56 ID:Z/GLX48M
「……ウィズ」
「きゅ?」
「……ここはどこだ?」
「きゅうぅ」
学校に向かっていたはずが、いつの間にか見慣れぬ山林へと迷い込んでいた。
「迷子か、貴様迷子か!?」
「きゅっ!」
なんとも力強い眼差しでウィズが頷いた。
「この阿呆があぁぁぁぁっっっ!!」
607 :
125:03/08/24 11:56 ID:Z/GLX48M
昼休み、今日は僕が呼び出されていた。
「なっ、なんか用事?原田さん……」
僕を屋上に呼び出したのは原田梨紅さんだ。
昨日の一件以来どうしても彼女を正視できない僕は手すりに手をかけて背中を向けていた。
「これ。……丹羽君、忘れてない?」
彼女が鞄の中から取り出したのは黒髪のかつらだった。
「え、えと……」
それを原田さんの家に落としていたことをすっかり忘れていた。
原田さんはじっと僕のほうを見据えている。
「あの……」
(原田さん、昨日のこと全部覚えてるんじゃ……)
それなら謝らなきゃいけない。でも、認めてしまうことが原田さんのためなのか。
「ぼ……っ」
それに認めるだけの度胸も僕にはない。
(……ダメだ!!ごめん原田さん!!)
「ぼくのじゃない!」
嘘をつくことにまた彼女に対する罪悪感がつのった。
「…………そう」
それだけ言うと彼女はすたすたと歩いていって屋上から姿を消した。
「あっ」
その時なぜか僕は呼び止めようと声を上げてしまった。
(……いや、よそう)
これ以上話して、それで嘘で塗り固めてしまうのは卑怯だ。
胸が苦しいのを堪えて、僕は彼女を見送った。
608 :
125:03/08/24 11:57 ID:Z/GLX48M
「や、やっと着いたか」
「うきゅぅ」
心身ともにぼろぼろといった感じの一匹と一本はようやく東野第二中学校へと辿り着いた。
「だ、大体だな、貴様がそんなちんちくりんな姿だから苦労するのだ、まったく」
「きゅう?きゅうきゅうっ」
まるで僕にいい考えがあるよ、といった風にウィズが得意気な顔をした。
「ん?なんじゃなんじゃ……うおお!?」
ウィズの身体が眩く光り輝いたかと思うと、次の瞬間には丹羽大助へと姿を変えたウィズが光の中から現れた。
「ほう、ウィズは変身能力があったのか」
「うん」
「言葉まで話せるか。これは便利だの」
「ダイスキ、探す」
「そうだの。探すとするか。ちなみにダイスキではなくダイスケじゃ」
「うん、ダイスキッ」
「こりゃダメか……」
「はぁ……私ってバカだな」
階段を下りながら梨紅は自分がとった行動について考えていた。
「大体あれは夢なんだし、気にするだけ無駄よ無駄無駄」
ただの夢。何度も自分にそう言い聞かせている。
だが、あれが夢じゃなかったら、と思う自分がいることにも気付いていた。
夢のことを思い出すたびに顔が真っ赤に染まってしまう。
溜め息をついて顔を伏せた。
609 :
125:03/08/24 11:57 ID:Z/GLX48M
どすっ
「あっ!きゃっ!?ご、ごめんなさい、ぼっとしてて……?」
下を向いて歩いていたために人とぶつかってしまった。
すぐに謝って、顔を見て驚いたように目を白黒させた。
「に、丹羽君っ!?」
そこにはさっきまで屋上にいたはずの大助が、首から細長い飾りをつけてにこにこと立っていた。
「な、なんで下にいるのっ!?だ、だって屋上に……っ」
しどろもどろでうまく喋れなくなっていた。
「そうか。屋上か」
さっちゃんが確認するように繰り返した。
その声は梨紅には、それどころか周りの生徒にも聞こえない。
「よし、行くぞウィズ」
「屋上?ダイスキっ、ありがと」
「だいす……っ!!」
ウィズは梨紅に感謝の意を現すために飛びついた。
「ひ、ひぃぃっっ!?」
ウィズからすると胸に飛び込むつもりだったのだろうが、今は人型。
自然と抱きつくような格好になってしまった。
梨紅はというと、信号機のように体中がぱっと赤くなった。
「おうおう。ウィズも大胆じゃの」
「こ、この浮気者ぉぉぉッ!!」
「キュッ!?」
梨紅の鉄拳がウィズの顎を的確に捉える。鈍い音を立ててウィズは崩れ落ちた。
顔を真っ赤にした梨紅はばたばたと逃げるようにして教室へ戻った。
「何じゃあの小娘は?ヒステリーか?」
610 :
125:03/08/24 11:57 ID:Z/GLX48M
昼飯を食べることも忘れて屋上で一人、ぼけっと時間をすごしていた。
深い溜め息が漏れ続ける。最近溜め息をつくことが多くなってる。
昨日今日と目まぐるしくて疲れが溜まる一方だ。
屋上の階段をドタドタと駆け上がってくる足音が聞こえる。
ここで昼を食べる人もいるのか、そう思った。
「戻ろう」
手すりに預けていた身体を離し、出入り口へと向かう。
「あれ?」
扉が開いている。そしてそこにはなぜか鏡があって、僕の姿を映している。
「ダイスキーっ」
「うわぁっ!?」
鏡の中の自分が妙なことを口走って駆け寄ってくる。首にかけた飾りがぷらぷらと揺れている。
「さっちゃんじゃないか――っ!!」
自分に抱きつかれて僕は転倒した。
受け身は取れたけどコンクリートの床に叩きつけられた背中がじんじんと痛む。
「あいたたた……、あれ?」
ふと見ると抱きついてきた僕が消え、胸の中でウィズが幸せそうな顔でうずくまっている。
「よう主。久方ぶりだの」
611 :
125:03/08/24 11:57 ID:Z/GLX48M
「学校くらい一人にさせてよ!」
さっちゃんが、ウィズが僕になったこととなぜ学校に来たかを説明してくれた後に発した台詞がこれだった。
「何度も言っておるだろ。主の側にいるのが我の務めだと」
「だからってここまでこなくてもいいじゃないか」
ウィズを頭に乗せて短剣に向かって怒鳴りつける様は、他人から見ればただの電波さんに違いない。
でもこれは僕にとっては大問題だ。
「大体さっちゃんといていいことなんてあるの!」
「ああ、あるともさ」
「例えば?」
「そうだの……、何か困ったことはないか?」
「原田さんとの関係。気まずくて生きた心地がしないよ」
「それは無理だ。諦めろ」
「じゃあ学校に来ないでね」
「わわわ、待て待て!ほ、他にないかっ」
ちょっと頭をひねって考えた。問題問題……、
「そうだ。原田さんにかつら捕られてさ、それでダークとして怪盗ができないんだよね」
「怪盗の子孫が物を盗まれた?なっとらんな」
鼻で笑われてしまった。
「そんな言い方ないだろ。……ていうかかつらを僕の頭から捕ったのってさっちゃんじゃなかった?」
「覚えとらんなあ」
このとぼけた言い方、間違いなく覚えてる。
「とにかく!我がそれをどうにかできれば一緒にいてもかまわんのだな?」
「う……ああいいよ。できるんならね」
612 :
125:03/08/24 11:58 ID:Z/GLX48M
数分後
「どうじゃ?これで文句なかろう」
本当にどうにかしてしまった。
鏡には黒髪長身。僕とはまったく違う青年の姿が映っていた。
さっちゃんが言うには、ウィズの変身能力を自分を媒介として僕の姿を変身させた、らしい。
あの夜僕と交わって増強した魔力のおかげだとも言っていた。
「まあこの程度の変身など今の我には屁でもないわ」
鏡に映った自分の姿にまだ驚いていた。
「それでは明日からは我も学校に連れて行くのだぞ。いいな主?」
約束は約束だ。僕は首を縦に振った。
「そ、その代わり、学校にいる間は無闇に話しかけないで。それが条件だよ」
「わかったわかった。明日から頼むぞ」
その日の午後の授業中、僕の言いつけを守ったのか、さっちゃんはずっと静かだった。
(まあこれなら別にいいか)
迷惑をかけてこないなら問題ないと思った僕は明日からさっちゃんを連れてくることにした。
「丹羽君、一緒に帰ろ」
突然の原田さんからの誘いの言葉。
「え、あ、の……」
「嫌……かな?」
そんな言い方をされて断ることなんてできない僕は誘われるままほいほいとついていってしまった。
613 :
125:03/08/24 11:58 ID:Z/GLX48M
原田さんは真っ直ぐ帰らずに通りをぶらぶらと散策した。
「丹羽君。これ可愛いと思わない?」
彼女が手にしてのは明るい色をした腕輪だ。
「う、うん。原田さんに似合うと思うよ」
「本当?嬉しいっ」
(か、可愛い……)
にこっと微笑んで無邪気にはしゃぐ彼女にくらくらと酔ってしまう。
「主はあの娘に惚れとるのか?」
「か、関係ないだろ」
「何が?」
原田さんが不思議そうな顔で僕を見つめてくる。
いつもの調子でさっちゃんに返したのがまずかった。
「ううん、なんでもないよ」
笑ってごまかした。
「よかったらそれ買ってあげよっか?」
鞄の中から財布を取り出そうとすると原田さんが言ってきた。
「そんな!別に気にしないで。自分で買えるから」
「そ、そう?」
(原田さんのためなら少しくらいのお金は惜しいと思わないけどな)
「初々しいのぉ」
(う、うるさいっ)
614 :
125:03/08/24 11:59 ID:Z/GLX48M
その時、少し開けた鞄の中からウィズが飛び出した。
「あ、こらっ」
ぴょんぴょんと器用に跳ねて僕の頭の上にちょこんと陣取った。
「それ丹羽君のウサギさん?かわいい」
原田さんがウィズにきらきらとした目を向けてきた。
「うん。ウィズっていうんだ。小さいときからずっと一緒に暮らしてるんだ」
「ペットか。いいなぁ。ねえ、ちょっと抱かせて」
「いいよ」
頭からウィズを掴み取ると原田さんが差し出した手に乗せた。
その時少しだけ触れた手にどきんと胸が高鳴った。
「ふわふわして気持ちいい」
ぎゅっとウィズを抱きしめる。
「きゅう」
ウィズも原田さんの胸に埋もれて気持ち良さそうに鳴いている。とても羨ましい。
「丹羽君はいつもウィズを連れてきてるの?」
「ううん。今日は僕の後をつけてきて学校まできちゃったんだ」
「嘘つき」
(さっちゃんは黙っててよ!)
「つれないのぉ」
頭の中でさっちゃんがちょっかいを出してくるのが嫌だけどなるべく気にしないようにする。
「そっか。連れてきてるんだったら毎日会えたのにね」
ウィズノ頭を撫でながらそう話しかける。
(だ、だったら、僕の家に……)
そう言いたくても一度ふられた身という負い目がその一言を喉の奥で詰まらせる。
その日は二人で並んで帰っただけで、何の進展もなかった。
615 :
125:03/08/24 11:59 ID:Z/GLX48M
「――丹羽君誘って帰るから何かと思えば……」
二人を遠くから監視するようにつけていたのは部活が休みの原田梨紅だ。
「で、ででで、デートだなんて、そんなぁ」
遠くから見る限り、彼女の目にはそう映っていた。
「ううぅぅぅ……」
これから自分はどうするべきか、彼女は真剣に考え出していた。
「ふんふんふーん♪」
大助と別れた後、原田梨紗は上機嫌のあまり鼻歌を歌ったりしていた。
今日少しだけ彼と一緒にいて、それだけで昨日ははっきりとしなかった自分の気持ちに気付いていた。
「今度はどこに誘っちゃおうかな」
ウキウキとした気分で彼女は家へと帰っていった。
616 :
125:03/08/24 11:59 ID:Z/GLX48M
「準備はいい?」
「ああ」
「きゅう」
今日のターゲットとなる美術品が展示されている美術館から数百メートルは離れているビルの上に僕はいた。
家に帰り着くなり母さんに『今日はここに言ってきてね』と言われた。
そういうことは朝のうちに言っておいて欲しい。
「母さんも人遣いが荒いよ」
「浮かれて帰った主にはちょうどいい薬ではないか」
「余計なこと言わないで!ほら、いくよ」
図星を突かれてドキッとしたのを隠すように宙に身を躍らせた。
「ふふ、可愛いのお」
「きゅうぅ」
眩い光りが身体を覆う。同時に背中から翼が、姿は青年の男子へと変わっていた。
力強く翼を羽ばたかせ、月明かりが照らす闇の中へと身を翻した。
(今日は、いい仕事ができそうだ)
次回、パラレルANGEL STAGE-03 夏だ、プールだ、スク水だ!
なるほろ、かつらを取り返すのあきらめて変身するようにしたわけねw
で、125氏。無理してエロいれなくても別にいいよ。
エロパロ板に数いる職人さんの中にもずうっとエロにたどりつけないけど
連載してるって人多いし。
純愛エロゲーとかの場合ED前にしかエロがなかったりするけど
そういう職人さんもそんな感じなんだろうと思う。
私も同意
エロエロよりむしろイチャイチャの方が好き
さっちゃんがいいなあ。
いずれは実体化を果たして欲しいな。
「魔力が足らないから」とか理由を付けて見た目は小学生くらいでw
620 :
125:03/08/25 02:02 ID:/wDgzZTM
夢――夢の中。
最近はいつもここでしている、というかされていることがある。
「丹羽くぅん、き・も・ち・い・い?」
「んぐ、んぐぅぅ……」
原田梨紅さんが僕の上で腰を振り、卑猥な言葉で僕を虐めてくる。
「んねえ、早くイッちゃわない?」
「い、いやだぁ……。イく、もんか……」
さっちゃん曰く、『主への奉仕だ』ということで毎晩僕の夢に出てはこんなことをされていく。
「なんで?あたしとのえっちに飽きちゃった?」
「そそ、そんなことじゃ……」
「じゃあいいじゃない。ほら、ほらぁ」
「んぎぎぎぎぃ」
なぜかいつも出てくる時は原田梨紅さんの姿をしている。
さっちゃん曰く、『この娘のほうが主の好みだろう?』ということだ。
しかも質が悪いことに微妙に原田さんの真似、というか甘ったるい声で攻めてくる。
(いつの間にこんな声の出し方を身につけたんだよ)
でも僕の方だってただ犯られていたわけじゃない。
ちょっとずつだけどさっちゃんの腰の動きに対する耐性がついてきていた。
「丹羽君、最近ちょっとのりが悪いよ」
鼻にかかる甘ったるい声。原田さんがこんな声を出すなんてちょっと意外だ。
(って、違う違う!これはさっちゃんの演技なんだから)
「いつまでも、さっちゃんの思い通りになんかならないからね」
今日はイかなくてすみそうだと思い、ちょっと安心した。
だが、その考えは甘すぎた。
621 :
125:03/08/25 02:03 ID:/wDgzZTM
「そうかそうか。主も大分強い男になったの」
途端に原田さんの口調がいつものさっちゃんのそれに変わった。
目も意地悪な悪意に満ちた光りを放つものへとなっている。
「だが我の性戯がこの程度だと思われては困る」
「ふ、ふわあぁぁッッ!!」
下半身を包み込む原田さんの腰がうねうねとくねる。
ぬめぬめと濡れた膣内で僕のものは絶妙な刺激の中で呆気なく果ててしまった。
「あ、あぁ……ッ」
出してしまった虚脱感で身体から力が抜けてしまう。
「ふふ。丹羽君だらしなぁい」
「うぁ……ッ?」
中で萎えかけていた僕のものを原田さんの肉壁がぎゅっと締め付けてくる。
すると僕のがみるみるうちに元気を取り戻し、彼女の中でまた限界まで張ってしまった。
「ど、どうしてっ!?」
「これくらいできないと淫夢の精なんて名乗れないよぉ」
彼女の上半身が僕のほうへ密着してくる。
両手で乳首をくりくりと弄られて感じてしまい、思わず口から声が漏れた。
「可愛い声。さ、もっと楽しもう……」
「はぁぁ、はあぁぁッ――――」
「ああぁぁぁッッ!!」
がばっと布団をはねのけて目を覚ました。最近はいつもこうやって目覚めている。
そしてこれも恒例となってしまったことだけど、パンツの中に手を突っ込む。
「今日も、やってしまった……」
「まだまだ主も若いということだ」
今のところ全戦全敗。毎朝と同じようにパンツを洗濯機に入れにいった。
622 :
125:03/08/25 02:03 ID:/wDgzZTM
今日から待ちに待ったプール開き。体育の授業でようやく水泳が始まる。
「ほー、水泳か」
登校の準備にいそしみながらさっちゃんを首にかけた。
「我も泳ぎたいぞ。できるか?」
「無理じゃないかな?」
「ふむ、残念だの。ウィズはどうだ?」
「キュッキュウ」
ウィズはぶるぶると首を横に振った。
「ダメだよ。ウィズは水が苦手なんだ」
「ほう、貴様の弱点は水か」
「キュウ」
水着を手に取って広げてみる。去年もこれで泳いだから今年もちゃんと着れるはずだ。
「なんじゃそれは。色気のないパンツだ」
「学校指定だからいいの。それに派手なのなんて、恥ずかしくて着れないよ」
「シャイよの。そんな主が可愛いのだがな」
ふふ、と優しく言ってくる。女性のそんな接し方に慣れてない僕はいつも照れてしまう。
さっちゃんに弄ばれてるような気分だ。
「ほれ照れるな。遅刻するぞ」
「言われなくてもわかってるよ。いくよ、ウィズ」
「キュッ」
ウィズの変身能力を生かすために暇があれば言葉を教えようと考えた僕はしばらく学校にウィズを連れて行くことにした。
(それにウィズがいたら)
原田さんと話すきっかけになってくれるかもしれないという淡い期待を抱いていた。
623 :
125:03/08/25 02:03 ID:/wDgzZTM
「いいなー、いいなー。夏はいいなー」
冴原はカメラ片手にプールサイドで女子の水着姿を撮りまくっていた。
「それはさすがにまずいんじゃないかな……」
それとなく冴原に注意してみる。
「心配すんな。防水加工はばっちりだぜ」
「問題がずれてる気がするんだけどな」
なんで先生が注意しないのかが不思議で仕方がない。
「後で原田妹の写真やるから期待して待っとけよ」
「ははっ……」
ぱりーん
音を立てて冴原のカメラのレンズが砕け散った。
「冴原?」
カメラを構えたまま硬直する冴原の目線の先を追った。
「ぅげっ!」
そこには異様にスリットの鋭い、というかTバックと言ったほうがしっくりくる水着を着た日渡君がいた。
「冴原のカメラのレンズを砕くなんて、なんて破壊力なんだ!!」
無意味なところで感心してしまった。
というか学校指定の水着を着ない日渡君を注意しない先生が不思議で仕方ない。
「丹羽、お前は見るな」
「関本?」
関本の声が背後から聞こえ、僕の視界が彼の手で遮られた。
「関本、俺と丹羽の中を裂く気か?」
日渡君の怒気を含んだ声がすぐ側で聞こえてくる。呆れ声で関本が返す。
「何を言っとるんだお前は」
「さてはお前も丹羽のことを付け狙う俺のライバルだな!?」
「お前の頭にはそんなことしかないのか!」
「俺の頭の中はそういうことでいっぱいだ」
「きっぱりと言い切りやがった!!」
「は、ははは……」
一緒にいると楽しいけど、それ以上に疲れるのはいつものことだ。
624 :
125:03/08/25 02:04 ID:/wDgzZTM
「丹羽君」
原田梨紗さんの声が僕にかけられた。慌てて振り返るとそこにはスクール水着姿の彼女がいた。
(う、うわぁっ)
露出する白い肌。シャワーで濡れている束ねた黒髪。身体のラインがはっきりとわかる水着。
可愛い。ドキッとする。
そして充血する下半身。
(わわわわわっ!?)
さっちゃんのせいか、最近どうも敏感に反応しすぎている。
(落ち着け、落ち着けぇ)
言い聞かせて何とか下半身の暴走を抑え込んだ。
「丹羽っ、俺以外の人の水着姿を見るな」
「いいからお前はこっちにこい。な?」
騒ぎまくる日渡君を関本が連れていってくれた。
こういうとき普通の友達がいることがなんと心強いことか。
「そ、それで丹羽君」
日渡君の奇行に唖然としていたのか、原田さんがしりごみしながら話してきた。
「どうかな、私の水着姿」
「ど、どうって言われても」
似合っていないわけがない。これ以上女の子に似合う格好は数えるほどしかない。
「ん……」
そう漏らして首を縦に振るのがやっとだった。
「梨紗ー、あんたこっちでしょっ」
反対のプールサイドから福田さんと石井さんが原田さんを呼んだ。
「じゃあ私いくから。じゃあね」
「う、うん」
手を振ってくれたので僕も振りかえした。
「…………」
彼女は今までとなんら変わりなく僕と接してくれている。だから僕もできるだけそうしている。
(僕、ふられたんだよね……)
その事実を気にしていないように接してくれて、それは彼女が優しいからだと思う。
でもそのことが、僕の胸中に複雑な、入り組んだ思いを抱かせている。
625 :
125:03/08/25 02:04 ID:/wDgzZTM
「丹羽君」
また声をかけられたので振り返った。
「あれ、あれれ?」
そこにはつい今しがた福田さんたちの元へと行った原田さんがいた。
「どしたの?」
「えぇっと、……あ、原田さん」
髪を束ねた原田梨紗さんと原田梨紅さんがとてもよく似ていてすぐには分からなかった。
本当によく似ている双子だと思う。
「…………」
なぜか原田さんが僕を睨んでいる。こういうところは全然似てない。
「な、なに?」
「なんか、やだな」
「え……」
「原田さんじゃあたしか梨紗かわかんないじゃない」
「あ」
言われればそうだ。同じ呼びかたじゃいろいろ混乱されてしまうのはあたり前だ。
「そっか、ごめん」
「べつに、いいけど……」
「え?何?」
「て、点呼よ点呼!!私と丹羽君はペアなんだからね」
「あ、うん。そうだっけ」
「しっかりしてよね」
「はは……」
なんだか原田梨紅さんには怒られてばっかりいる印象がある。
626 :
125:03/08/25 02:04 ID:/wDgzZTM
「原田梨紅・丹羽ペア」
『はい』
「うん、揃ってるわね。それじゃ次――」
先生の点呼が終ると、それからは気まずい沈黙が僕と原田さんの間に漂っていた。
「………………」
僕のほうは彼女に負い目がある分、なおさら声がかけづらい。
(ど、どうしよう……)
こんなに気まずいのは心臓に悪すぎる。
その時、僕に助けの手、もとい鳴き声が差し伸べられた。
「キュウ」
「ウィズ」
プールを囲むフェンスの上にウィズが、さっちゃんを首から提げて尻尾をパタパタと振っていた。
「危ないよ、そんな所にいたら」
「キュウ」
「案ずるな。我がついておる」
(だから心配なんだけどなぁ)
「馬鹿にするでない。我の力があればウィズもすいすいと泳げるに決まっておる」
(変な自信……)
(あれって……)
大助が話しかけるウサギのような毛玉のような生き物に見覚えがあった。
それは昨日、大助と梨紗を尾行した際に彼の鞄から現れた生き物に間違いなかった。
それにその生き物が首から提げている首飾りにも、いつかは忘れたが見た記憶があった。
(……ちょ、ちょっと話しかけてみよっかな)
梨紅がそう思い足を踏み出した時、
「梨紅さん。次は丹羽君の番だからちょっと丹羽君呼んできて」
「あ、はい」
(うう、タイミング悪すぎぃ)
627 :
125:03/08/25 02:05 ID:/wDgzZTM
(大体泳げるようになってもウィズの水嫌いが治るわけじゃないでしょ?)
「ま、まあそれはそうだが」
「ほらウィズ、お前も早くここから離れて」
「……丹羽君、先生がプールに入りなさいって」
「えっ?あっ、う」
後ろから原田さんに呼ばれた。
急いでプールに入ろうと指定された飛び込み台まで駆け出した時、
「……わっ!」
ずるっと脚を滑らしてしまった。
バランスを失った僕はそのままプールへドボンとダイブ。
「おい丹羽っ」
「あいつ落ちたぞーっ!」
「シャッターチャーンス!」
「ちょっと、大丈夫?」
「あははは」
僕の後を追ってプールに入ってきた原田さんには笑ってごまかした。
「丹羽君って泳げないの?水泳教えたげよっか?」
「あっ、ありがとう。でもいいよ。僕けっこう泳げるし」
「……本当?」
「うん」
原田さんが疑わしげな視線を僕に向けてくる。
(まあ学校じゃあ運動音痴ってことにしてるし)
普通にやったらみんなが驚く以上に引いてしまいかねないから母さんに釘を刺されている。
628 :
125:03/08/25 02:05 ID:/wDgzZTM
「丹羽君っ」
振り返ると原田さんがプールの水を掻き分けてこっちに近づいてくる。
(なんだか今日は呼ばれっぱなしな気が……)
「梨紗……」
「ねえねえ、さっきいたのってウィズじゃない?」
「見てたの?」
「うんうん!連れてきてたの?だったら見せて」
まさか本当に思惑通りにいくとは思っていなかった。ありがとうウィズ。
「やめときなよ。丹羽君だって迷惑じゃないの?」
「別にかまわないよ原……あ、んーと、梨紅さん」
「ぁ……」
さっき原田さんに言われたことを思い出し、僕は少しだけ考えて梨紅さんと呼んだ。
(さすがに梨紗さんって言いづらいし)
「あれ?いつから梨紅って名前で呼ばれてるの?」
「へっ?あ、の、いや、えぇっ!?」
「梨紅さんって言ったほうが原田さんとちゃんと区別がついていいかと思って。ね?」
「う、あ、うん!そうそう」
「えー、梨紅だけずるいよ。丹羽君、私も名前で呼んでよ」
「それはちょっと……」
629 :
125:03/08/25 02:06 ID:/wDgzZTM
「…………」
「おい日渡、向こうまで競争しようぜ」
「ああ、いいぞ」
冴原の挑戦にあっさりと日渡は乗った。
「よっし!そんじゃ関本、お前スタート出してくれ」
「めんどいなぁ……。じゃあやるぞ。よーい……スタートっ」
二人が同時にクロールでスタートを切った。
「うぉっしゃあぁぁっっっ!!」
「お、冴原のやつなかなか速いな」
「ふん」
「日渡もなかなか……って、コースずれてるぞおいっ!」
日渡は大きくコースを外れ、そして向かう先には――。
「丹羽!危ねーぞっ!!」
名前のことで言い合っていた原田さんたちの声より大きく、はっきりと関本の声が聞こえた。
「!?」
僕が周りを見渡そうとした瞬間、原田さんがバランスを崩して僕のほうに倒れ掛かってきた。
「うわっ!?」
絡まるようにして僕と原田さんは水の中へと沈んでいった。
「!っウィズ、主の危機だ。行けっ!」
「ウ、ウキュウ……」
大助が転倒したことに対してさっちゃんがいち早く反応した。
ウィズにプールに飛び込むよう命令するが、水嫌いのウィズは躊躇った。
「何を怯えておる!我を信じよ、さあ行くのだっ!主の危機を救えぇぇっっ!!」
「ウ、ウゥ、ウキュウウゥッッ!!」
さっちゃんの言葉に不思議な勇気をもらい、ウィズはプールへと飛び込んだ。
630 :
125:03/08/25 02:06 ID:/wDgzZTM
(ま、まずい……!)
何かよくわからないけど今の状況はまずすぎる。
原田さんの肌が、胸が僕の身体に密着している。
また下半身が少しずつ疼きだした。
(くぅぅっ)
必死に理性を保とうと心を落ち着かせる。
でも原田さんのほうが突然の出来事に慌てていて僕にしがみついたまま離してくれない。
僕に掴まる腕にぎゅっと力が込められると身体がさらに強く触れ合う。
(こういうときこそ夢の中で培った強さが役に立つはずじゃないのか!?)
全然役に立たなかった。
次第に股間に通う血の量が多くなっていく。これ以上硬くなると原田さんにばれてしまう。
(だ、ダメだ、もう……)
「諦めるな」
不意に頭の中に響くさっちゃんの声。
「我を抜き放て」
(な……?)
薄っすらと霞む視界に、ウィズと、その首に提げられたさっちゃんが飛び込んできた。
「さあ抜け。我の力を引き出すがいい」
藁にもすがる思いで手を伸ばした。
首飾りとしてウィズが提げていた短剣の柄を掴み、もがくようにそれを抜き放った。
瞬間的に魔力が膨れ上がるのがわかり、水中でその力が爆発した。
631 :
125:03/08/25 02:07 ID:/wDgzZTM
Aパート終了でつ。
Bパートはまた後ほど。
ひ、日渡よ・・・_| ̄|○
爆笑しましたw
総司令が・・・w
乙です。独特のマターリ感がいいですね。
日渡ぃぃぃぃ・・・・
完全なる「ソッチ」系のキャラになってしまった・・・・
前に、「ホモ渡はちょっと・・・」って言ってた俺だけど、
このキャラなら・・・いや、むしろ125氏の描く日渡なら、
ぜんぜんおっけぃッス!!
Bパート期待sage
改めて初めから観てみました。
いやぁ〜・・・何回読んでも面白い!!
そして、ハァハァ来てる。w
125氏初登場の頃なんかは、
まさか、125氏のSSスレになるとは想ってなかったよなぁ・・・
あらためて、これからもよろしくお願いします!!
そして、がんばってください!!
( *・∀・*)モエー
637 :
125:03/08/26 14:09 ID:JXVc+0mx
>>635 自分のssスレと言われるとちょっと…。
あくまでここはDNスレですから。
でもこれからも頑張ります。応援ありがとうございます。
いつか酒に飲まれたみんながメタメタになるのを書こうかと思う今日この頃…。
飲みすぎイクナイ(・A・)!!
638 :
125:03/08/26 14:09 ID:JXVc+0mx
「おわぁっ、なんだよあれ!」
「み、水柱……?」
「おい、丹羽と原田はどうした!?」
「シャッターチャーンスっ!!」
爆音を轟かせてプールから水柱が高々と突き出す。舞い上がる水飛沫、+日渡君。
どさくさに紛れ、僕はプールから更衣室へ続く通路の陰に隠れた。
「ぷはぁっ、助かったよさっちゃん」
「なに、あれくらい造作もないことだ」
手に持った短剣を鞘に収めようとして、
「あれ……ウィズは?」
「ん?」
ウィズがいない。
「に、丹羽君大丈夫!?」
僕の名前を誰かが口にした。でも、僕は姿を隠していて見つかっていない。
どういうことかと思って声がしたほうを見ると、そこには僕が気を失って倒れていた。
「あっ」
「あれはウィズだの。飛び込んだ衝撃で混乱して主に変身したのやもしれん」
「大丈夫だって言ってたじゃないか」
「……やはり無理だったようじゃ」
てへ、とかわいこぶった声でさっちゃんは言った。
「とにかく今はウィズを助けるほうが先決じゃ」
溜め息を一つついてからそれに頷いた。
639 :
125:03/08/26 14:10 ID:JXVc+0mx
「丹羽君!丹羽君!」
大助に変身して気絶しているウィズのそばで原田梨紗が彼の名前を懸命に呼んでいる。
その首にはいつの間にか首飾りが提げてあったが騒然とするその場の人間で気に留めるものはいない。
「溺れたのね。ほらみんな、しゅしゅっと迅速に救護活動っ!」
教師の野澤菜海がてきぱきと周囲に指示をだす。
「嘘だろ、こいつ泳げるはずだぜ」
冴原がカメラのシャッターを切りながら慌てふためいている。
「カメラやめろよ」
呆れた口調で関本が突っ込む。
「丹羽く……」
「梨紗、どいてっ」
「梨紅……」
大助と梨紗の間に梨紅が割って入った。心音と呼吸を確認する。
「息してない!」
梨紅の一言にその場がさらに混乱に包まれた。
「人工呼吸しないと」
「え……り、梨紅がするの!?」
「だ、だってあたしが丹羽君とペアなんだし」
二人が顔を真赤にして言い合う。
「俺はライセンスを」
「持ってないだろ。こっちこい」
「は、放せ関本ぉ!そうまでして俺と丹羽を……」
日渡のわけわからない行動は関本の手によって未然に防がれた。
「……と、とにかくっ。あたしが責任持つからね」
「あ、梨紅ちょっと――」
640 :
125:03/08/26 14:10 ID:JXVc+0mx
(わわわわわわわわぁぁぁっっっっ!!)
梨紅さんの口が少しずつ僕の……じゃなくてウィズの口へと近づいていく。
「あの小娘、主が抵抗できんと知って好き勝手しおってからに」
(それは違うよっ)
不機嫌そうな声のさっちゃんに一応突っ込んでおく。
(人工呼吸しようとしてるんだ。このままじゃまずいよ)
何がまずいかはっきりとしないけどとにかくまずい。
「ああ、まずいのう。どれ、もう一度力を使うか」
(力って、さっきの爆発?)
「案ずるな。人には当てん」
(ちょ、ちょっと――)
もう少し落ち着いて対策を、という僕の思念は再び轟く爆音の前に霧散した。
641 :
125:03/08/26 14:11 ID:JXVc+0mx
「…………」
「ねえ梨紅」
「な、なによ」
「人工呼吸する気あるの?」
さっきから大助の眼前三十センチといったところからまったく梨紅の顔は近づいていなかった。
「あるわよ!でも心の準備ってやつが……」
「なに言ってるの?」
「なんでもないわよ!そ、それじゃあいくよ、丹羽君」
「…………」
ようやく梨紅の顔が近づいていく。その様子を梨紗は不安そうな表情で見つめている。
(に、丹羽君の唇……)
(ふ、二人のキス……)
姉妹がちょっと馬鹿な妄想を抱いた。
もう数センチで唇が触れ合う距離になったところで、異変は起きた。
『うごぁぁぁぁああっっっ!!?』
「な、なにっ?」「どうしたの?」
背後から突如聞こえた絶叫に梨紅と梨紗は振り返った。
『きゃあぁぁぁっっ!!』
同時に仲良く叫んだ。
そこにはプールサイドから決壊したダムのように勢いよく噴き出す水柱があり、
男子二人――日渡と関本が鳥のように宙を舞っていた。
しかもプールサイドに刻まれたひびは拡大し、さらに噴き出す水の量も多くなっていく。
「なにこれっ!?」
「いてぇっ!股間に、当たっ……」
「ああっ、オレのカメラ……!」
「みんなしゅしゅっと逃げて!水は私の得意分野よ!」
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられ、文字通り音を立ててプールが崩壊していった。
642 :
125:03/08/26 14:11 ID:JXVc+0mx
「さ、最悪だ……」
「そうか?うまくいったと思うがの」
ウィズを助けるために学校のプール一つを犠牲にしてしまった。
「キュ?」
ウィズはというと、何事もなかったように愛らしい笑顔を僕に向けてくる。
「しかしプールとは面白いものだな。また連れてきてくれ」
「もう、いやだあぁぁぁっっっっーーーー!!」
結局水泳の授業が行われたのはその日の一時間だけだった。
プールの補修作業のため、来年までそこは使えなくなってしまった。
「はーあ。夏を水泳なしで乗り切るなんて、酷すぎるぞ」
「だね。ところで……」
四人で靴を履き替えて玄関から出る時、精気がまったく感じられない二人のことを関本に訊ねた。
「冴原はカメラ失くして鬱。日渡はお前に人工呼吸できなくて激しく鬱。これでいいか?」
「そ、そんな理由……」
いつものように呆れてしまう。楽しいんだけどね。
「丹羽君……」
僕たちの目の前に原田さんが、少し悲しそうな顔をして現れた。
「なにか僕に用?」
「ん。でも」
原田さんの視線が他の三人へ向けられた。
「じゃあ俺らは先に行くからな」
「あ、おい」
関本が他の二人を連れて離れていった。手を振って、すたすたと歩いていく。
途端に僕と原田さん二人だけが取り残され、沈黙が降り立った。
643 :
125:03/08/26 14:12 ID:JXVc+0mx
(あれって)
ラクロス部の練習をしていた原田梨紅は、そこから見える二人の姿を捉えた。
グラウンドから通学路までは距離があるが、梨紅の視力ならその二人の顔の判別くらいできる。
(丹羽君と、梨紗じゃない)
まただ。あの二人がいるところを見ると、自分だけが大助から離れていってるように感じ、それがたまらなく辛い。
(丹羽君が部活に入ってれば、私だって……)
一緒に帰れるチャンスがあるんじゃないか、そう思う。
実は大助が美術部に所属しているということは、クラスの中ではまだ誰も知らなかったりする。
「梨紅、前、前ーーっ!」
「へ――」
声に反応して首をひねると、顔面に剛速球のボールが直撃した。
「ふぎゃっ!」
顔を抑えてうずくまった。
「大丈夫!?」
部員数名が駆け寄って梨紅の安否を気遣った。
「も、もういや……」
644 :
125:03/08/26 14:12 ID:JXVc+0mx
原田さんはプールで僕が溺れた責任は自分のせいだと言って頭を下げた。
「いいよそんな。原田さんが悪いわけじゃないし」
「でも私が倒れちゃったせいで、丹羽君があんな目に」
原田さんの目にじんわりと涙が滲んでいる。
「な、泣かないでよ!僕が困っちゃうよそれじゃあ」
「ごめんなさい」
ぐしぐしと手で涙を拭う彼女を見て、僕はポケットからハンカチを取り出した。
「はいこれ」
差し出されたハンカチをきょとんと見つめていた彼女は、笑って僕の手からそれを取ってくれた。
「ありがとう」
その笑顔は本当に可愛くって、魅力的で、どうしていいかわからなくなりそうだ。
(僕は、どうするつもりなんだろう……)
未だ整理のつかない彼女への気持ちを抱え、僕は自問自答を繰り返していた。
その日も、僕は彼女と一緒に帰った。
645 :
125:03/08/26 14:12 ID:JXVc+0mx
夢――夢の中。
いつものようにさっちゃんの力でそこに取り込まれた。
でも、その日はいつもと少し様子が違っていた。
「さっちゃん!?」
床に突っ伏すようにさっちゃんがぐったりと倒れている。
その姿はいつも僕をからかうために変身している梨紅さんのものじゃなく、彼女本来の姿だ。
ブルーのロングヘア。透き通るように白い肌。もうしわけ程度に身体を隠すコスチューム。
大人の女性の、スレンダーで肉付きのよい身体。
いつもしている梨紅さんの姿とはまた違ったよさがそこにはある。
(…………何を考えてるんだ僕は!!)
「さっちゃん、どうしたの。気分悪い?」
気を取り直して彼女の肩を抱いて優しく揺する。まぶたが重たそうにゆっくりと開き、小さく口が動く。
「ん……ちと疲れてな」
「疲れたって、もしかしてプールのあれ?」
「そうだ。無理をし過ぎたらしい」
プールを崩壊へと導いた爆発を起こしたせいでこんなに疲れてるのか。
「どうしたらよくなるの?」
なんだか今にも死んじゃいそうなようすのさっちゃんだったから僕も気が急いていた。
「魔力、補給……」
「魔力を補給するんだね!どうやるの?」
僕が訊ねるとさっちゃんが精一杯の力で手を動かし、
「犯ってくれ」
そう言ってばっとコスチュームの前部を裂き、ふくよかな双房をあらわにした。
646 :
125:03/08/26 14:14 ID:lBOvovlG
僕が驚きに口をパクパクとさせていると、
「我の魔力の源は主の精じゃ。さ、早くしてくれ」
両腕を僕の頭に絡ませて思いっきり引き寄せられた。
「んぶ!」
顔が胸の谷間に完全に挟まれた。呼吸が苦しくてんぐんぐと呻いてじたばたと暴れる。
「んああッ」
さっちゃんが、今まで聞いたこともないような嬉しそうな声を上げた。
「さっちゃん……?」
その反応の良さに僕はまた驚いた。
「信じられん、といった顔だな」
首を縦に振った。
「魔力で身体を覆ってないとな、感じやすくなってしまって困る」
「じゃあ魔力が尽きると敏感になっちゃうの?」
「ああ。だから主がどんなに下手糞でも感じてしまうのだ」
「へ、へたくそって」
「さ、お喋りはもうよい。続けてくれ」
「ん……うん」
せがんできたのでおずおずと彼女の真っ白な肌の上に手を這わせた。
「んんッ……」
まだ腹の上しか撫でていないのに、それだけで彼女の顔が赤らんで汗を噴き出している。
さっちゃんの大きな胸の乳首が勃起している。
僕ははそれをきゅっと摘むと、それだけで大きな声を上げて悦んでくれる。
647 :
125:03/08/26 14:15 ID:lBOvovlG
「はぅっ、はぁ、ほあぁぁ……」
「か、可愛い」
「ぁんっ、茶化す、な……んんうっ!」
あのさっちゃんが僕の手で感じて、よがっている姿に僕はひどく興奮した。
「茶化してなんかないよ。こんなに可愛いさっちゃん、初めて見る」
「ん……そ、そうか?」
「うん。だからもっと感じてくれる?」
「は、あぁぁッッ、ひぐぅッ!」
空気のように柔らかなおっぱいをぐにゅっと揉むと、面白いように形を変える。
調子に乗ってさらに強く胸を揉みしだいた。
「はんッ、んふぅ、イく……もうイッて……はぁぁッッ!!」
彼女の腰が宙に浮き、背中を反らしてぴくぴく痙攣する。
口はだらしなく涎を流して、目は満足気に笑っている。
「もうイッたの?」
あのさっちゃんが愛撫だけで果ててしまったことに多少の驚き、そしてそれ以上の悦びが胸を占めた。
「今日は僕の勝ちかな」
「あ、侮るな……まだ、していい」
その言葉を聞き終える前に僕は彼女の乳首にしゃぶりついた。
「んふッ」
歯で甘噛みし、舌で転がし、吸いたてる。
乳首を責めると同時に胸も手で優しく揉んであげる。
さっちゃんの甘い声が耳の奥に届き、その声が下半身へと力を与える。
勃起した僕のをさっちゃんの恥丘に擦りつける。擦りつけるだけだ。
「んあぅッ、はぁぁ……」
切ない声を出しながら擦りつける僕のものを見てくる。
648 :
125:03/08/26 14:15 ID:lBOvovlG
「入れて欲しい?」
「あん、うんッ!」
熱く、おねだりするような視線を向けられ、僕の興奮は最高潮に達した。
こんなに気分が高揚しているのは初めてだ。焦らすように先端をぐちょぐちょの割れ目にすりつける。
「んンッ、ひはァ……」
肢体をくねらせて全身で喜びを現しているさっちゃんの艶かしい姿が堪らない。
何も言わずに先っぽを彼女の中に少しだけ入れた。
「ひあぁぁッッ!」
「すごい反応だね。中も濡れ濡れだよ」
「は、はぁ、んあぁッ」
言葉でさっちゃんの気持ちを煽るなんて、僕ってこんなやつだったのか。
「も、もっと、もっと奥まで……ッ」
「はいはい、わかってるよ」
腰をゆっくりと突き入れていく。
梨紅さんのときは進入を拒むようにきつく締めてくるのに、本来の姿だとするすると呑み込まれるように入っていく。
いつもと違う膣内の感触をじっくりと味わうように挿入する。
すぐに僕のものがすべてさっちゃんの中に隠れてしまった。
腰の動きを止めているのにさっちゃんの壁はうねうねと搾り取るように動いている。
(す、すごすぎ……)
普通なら入れているだけで果てているところだけど今日の僕は一味違う。
さっちゃんを虐めたいという思いが暴発を我慢する歯止めになっている。
僕が腰を動かすと吸い付く彼女の淫唇がめくれ、押し込まれ、卑猥に形を変えてくる。
「ひ、ぐッ、んはぁぁぁッッ!」
数回ピストンしただけで呆気なくさっちゃんはイッてしまった。
ぎゅうぎゅうと肉壁がくっつきあいそうな勢いで僕のものを締めつけてくる。
「く、うぅぅ」
強烈な快楽に堪らなくなった僕は女にぱんぱんと腰をぶつけた。
未だに激しく収縮を繰り返す彼女の中に、僕はどばどばと白濁の液体をブチ撒けた。
649 :
125:03/08/26 14:16 ID:lBOvovlG
「はぁ、はぁ、はぁ……」
僕とさっちゃんの呼吸が同じリズムで重なっていた。
「ふぅ」
余韻を惜しむようにゆっくりとさっちゃんから身体を離した。
栓を失った穴からはとろとろと精液が逆流し、お尻の穴まで垂れていく。
彼女の目の前に僕のものを持っていき、疲れきった表情をしているにもかかわらず僕は頼んだ。
「舐めて」
「んうぅっ」
半開きの口に強引に割り込ませるように押し込んだ。
苦しそうな声を出したけどすぐに小さくなった僕のを根元まで咥え、舌で丁寧に舐めだした。
じゅるじゅると音を立ててきれいに、雁首のところまで舐めてくれる。
「ああ……」
さっちゃんの舌が僕のを這いずり回るたびにそこに元気が戻ってくる。
口の中で大きくなっているのがわかったのか、さっちゃんが驚いた表情をした。
でももう遅い。僕のは再び天を突くように反り返った。
「それじゃあまたいくよ」
「い、いや、我はもう十分……」
「僕はまだイけるから、遠慮しなくていいよ」
拒もうとするさっちゃんの足元に移動し、脚を開いて割れ目がよく見えるようにした。
今日は、いままでやられた分をきっちり返すまでやめる気はない。
「ま、待て、本当にもういいから……」
「それじゃあイくよ」
精液で白く染まったさっちゃんの秘裂に再び僕のものをブチ込んだ。
夜は長い。あとどれくらい楽しめるだろうか――。
次回、パラレルANGEL STAGE-04 ダブール・クッキン!!
リアルタイムで乙〜
次回は原田姉妹の料理対決ですか、面白そうです。
125氏最高!!もぅ(;´Д`)しまくりです
日渡はどんどんヘタレてくな。ww
遅れながらにも、乙。
ところどころに笑いどころがあるのがいい!!
声優も変わってないみたいだし。www
>水は得意
関本がとてもいいやつに見える。w(そして、目立っている気がするw)
そして、日渡がとてもヘタレに見える。ww
「ダブール・クッキン!!」期待してます!!
ヴラボー、ヴラボー125氏!! ここはこの世の桃源郷か・・・
なんか最高だな。
何となく描いてみました。
125氏じゃないんで下手ですけど。
「う…ん」
ボンヤリとした意識がハッキリしてきた。
――― あれ?…此処は何処?
なんだか古風な部屋のに自分がいることに気付いた梨紅は、まだハッキリしない頭で考えた。
――― えーと、うーんと思い出せないなぁ……
まあ、まずは此処が何処か確認すればいいと部屋の外へ行こうとしたが……
「えっ、躰が動かないって……キャー!!なんで私、裸なのよ」
梨紅は自分が全裸の姿で部屋の中央に立っている事に気付くとパニックに陥った。
「なっなななんで裸で、どっどどどうして動けないの」
躰はロープで縛っても無いのに全く動かない。それどころか一糸まとわぬ裸なのだ。
「だれ…か………」
思わず大きな声で助けを呼ぼうとしたが、今の自分の姿を思い出し声が消えて無くなった。
――― どうしよう……
このままでいるわけにも行かず。しかし、この姿では助けを呼ぶことも躊躇われる。
梨紅は途方に暮れてしまった。
ガチャガチャ
「えっ。だ、だれ!」
扉の鍵を開ける音に梨紅はあせって声を掛けた。
しかし、返事のないまま扉が開くと人が入ってきた。
「に、丹羽くん……? いやっ!見ないでっ!!」
部屋に入ってきたのは大助だった。
大助は、まっすぐ梨紅の方を見ると、まっすぐ近づいてくる。
「いやぁ〜、お願い見ないでぇ」
梨紅は羞恥の叫びをあげたが、大助は全く気にしないように躰を見つめていた。
――― 丹羽君どうして?
梨紅はまるで自分に気付かないかのような大助の態度に困惑した。
「これが日渡君の家から寄贈された暁の乙女か、綺麗だなぁ」
「??!!」
梨紅は大助の言葉に再びパニックを起こしかけた。
――― えっ私が? 暁の乙女?
昨日、日渡家から学校に美術の教材として使って欲しいと寄贈された事は知っていた。
しかし、何故それが自分と重なるのかが解らない。梨紅の頭は混乱しておかしくなりかけた。
そうしているうちに、大助はキャンバスを準備して自分の姿を絵に描こうとしていた。
「丹羽君、丹羽君っ」
梨紅の必死の呼びかけも大助には届かないようで、いつものように椅子に座ると、じっと此方を見つめてきた。
「やだっ、見ないで」
大助の目には暁の乙女に見えていても、梨紅にとっては自分の裸を見られているのと同じ思いで、恥ずかしくてたまらない。
――― ああ、見られている…
大助の絵を描くときの真剣な眼差しに、梨紅は視姦されているような感覚を覚えた。
今自分の何処を見ているのかが解るくらい、梨紅は自分の肌に大助の視線を感じる。
顔から首筋、胸へと大助の視線による愛撫を受け、梨紅は自分が羞恥と共に快感を得ている事に戸惑っていた。
大助に見られることの恥ずかしさと、自分のことをもっと見てもらいたいという思い……。
そして、自分のことを書いてもらいたいという隠れた欲求などが複雑に絡み合っていく。
そんな気持ちが自分の中で膨らむのと、今感じている大助の視線とが、梨紅の心をかき乱していた。
そう思っているうちに大助の視線が下腹部に降りていくのを感じると、梨紅の躰は熱く燃えるようになった。
恥ずかしさと大助の視線による愛撫の快感、それによって梨紅のアソコは濡れていた。
その事実と、それを見られているという思いが、よりいっそう梨紅の躰と心を官能で満たしていった。
――― いやぁっ、だめぇ!
丹羽君に自分の恥ずかしいところを全てを見られたという思いが梨紅の心を満たした瞬間、梨紅の意識が真っ白に薄れていった。
「…り…く…さん、梨紅さん」
――― あれ?丹羽君の声がする……
目を開くと、目の前に心配そうに自分を見つめる大助の顔があった。
「丹羽君……あ、見ないでっ」
梨紅は、自分の躰を腕で隠すようにして躰を縮めた。
「?…梨紅さん、どうしたんですか?」
「見ないでって、あれ?私……服着てる」
手にいつもの制服の感触を確かめると、梨紅は自分の躰を確かめた。
「梨紅さん、大丈夫?だいぶうなされてたけど」
「夢だったのかな……夢だよね」
「夢って?」
不思議そうに自分を見つめる大助に、梨紅は慌てて
「なんでもないの」
と言うと、自分の寝ていたソファーに座り直した。
ふと、部屋の中央を見ると、布をかけた等身大の像が立っていた。
「これってあの……」
「ああ、梨紅さん。これが見たいって行ってた『暁の乙女』ですよ」
大助が布を外そうとしたとき、日渡が部屋に入ってきた。
「丹羽君、すまないけど布を外すのは待ってくれないか」
「え?」
「チョットした手違いがあってその像を持って返ることになったんだ」
「そう、描いてみたかったんだけど。残念だな」
「また、別の作品をもってくるから」
「うん、元々日渡君の家のだしね」
「すまない、じゃあ運んでくれ」
日渡がそう言うと、何時来たのか廊下から運搬業者が入ってきて、像を梱包して運び出していった。
「じゃあ、僕はこれで……」
そう言い残して日渡が帰ると、部屋には2人だけが残った。
「残念だったな、暁の乙女を一度だけでも見たかった」
「ふ〜ん、見るだけじゃなく描きたかったんでしょ」
「うん、でも僕は………」
「??なによ」
「うん……僕は……」
「ハッキリ言いなさいよ、もう」
モジモジしながら言いどもる大助に梨紅は思わず大きな声を出してしまった。
大助は梨紅の方をまっすぐ見つめると意を決したように口を開いた。
「僕は暁の乙女より梨紅さんが描きたいんだ」
「え……わたし……」
梨紅は夢と同じ大助の真剣な眼差しに見つめられ、真っ赤になって俯いてしまった。
「梨紅さん…」
「あ……」
大助が俯いた梨紅を抱き締め優しくキスをしたとき、外を走る車の内で日渡が小さく呟いていた。
「後……………だったのに……」
その言葉は日渡のみにしか聞こえなかった。
おわり
超ひさしぶりの125氏以外のネタだぁ。
おつかれー。梨紅の視姦プレイ(・∀・)イイ!!
>>660 日渡が何を企んでたか解らない私はバカですか?
663 :
125:03/08/27 15:02 ID:ypeZTMi5
もつかれー。
書き手が増えるというのは嬉しいことです。これからもがむばってください。
664 :
125:03/08/27 15:02 ID:ypeZTMi5
夢――夢の中。
今日も今日とて僕はさっちゃんに犯されていた。
「どうしたの丹羽くん?そんな突きじゃあたしイかないよ」
「んあぁ、む、無理だよ……」
四つん這いになってお尻を突き出している梨紅さんの後ろから攻めている。
ように周りからは見えるかもしれないけど、実際は彼女の手の上で踊らされているだけだ。
「ほらほらぁ、こんなのどう?」
彼女が腰を回すと僕のペニスが胎内でこねくり回されて耐え難い射精感が一気にこみ上げてくる。
「ふぁぁッ!」
情けない声を出して僕の尿道からどぷっと大量の精液が彼女の膣道内へと流れ込んでいった。
「丹羽くん、だらしないよ」
「んくっ……」
肉の壁が僕からさらに精を吸い出すようにうねうねと波打つ。
これをされると僕のがまたむくむくと膨らんでいく。
夢の中でのさっちゃんの性戯のせいで果てることが許されない。
「これで七回目だよ。早くあたしをイかせてよぉ」
その口調はとっても甘くて、でもその余裕ぶった姿勢が悔しい。
「んぎぎぎぃッ!」
梨紅さんのぷっくらとしたお尻の肉を両手で掴んで形を変えるほど強く揉んだ。
「んあッ、ちょ、ちょっと丹羽君!?」
「今度からは僕が攻めるからね!」
今まで梨紅さんの腰で弄ばれるだけだった僕はそれを覆すように自分から攻めだした。
「ンンうッ!ふ、ははっ、積極的だなぁ主よ」
にたにたと意地悪い表情で僕のほうを振り返った。
「何度も遊ばれるだけじゃ気が済まないからね」
強がってそう言った。実のところもう八回目の絶頂が近づいてきている。
それだけ梨紅さんの――それともさっちゃんのだろうか、膣内は熱く、濡れ、締まる。
「そのような台詞は一度でも我をイかせてから口にしてもらいたいな」
うりゃ、とさっちゃんが腰をくねらせると正直者の僕のは素直に吐き出してしまった。
「不甲斐ないの」
その一言に男としての僕の自信は砕け散ってしまいそうだった。
665 :
125:03/08/27 15:02 ID:ypeZTMi5
溜め息を一つついてからティッシュでザーメンを拭き取ってトランクスを穿き替えた。
結局、僕がさっちゃんを満足させられたのはプールがあったあの日だけだった。
それから後はそれまでのように、いやそれ以上に激しい攻めで僕を虐めてくる。
それに比例するように吐き出される精液の量も増えてしまっている。
「まあしばらくすれば主も一人前の男になれるじゃろ」
「そうかなぁ」
「そうじゃ。なんせ我が直々に性の手ほどきをしておるのだからな」
「それが困りものなんだけどね」
登校の準備を済ませ、朝食を食べにキッチンまで下りていった。
666 :
125:03/08/27 15:02 ID:ypeZTMi5
母さんとじいちゃんに挨拶を済ませて席に着くと母さんが話しかけてきた。
「大ちゃん、今日は調理実習よね?エプロン持った?」
「うん、持ったよ」
「ほほう。で、何を作るんじゃ?」
「カレーだよ」
「そう。じゃあお夕飯はカレー以外のものにしなくちゃね」
しばらくして、母さんが唐突に切り出してきた。
「ねえ大ちゃん。最近欲求不満かしら?」
思わずパンを喉に詰まらせるところだった。慌てて牛乳を流し込んだ。
「い、いきなりなに言い出すのさ」
「だって、最近大ちゃんのパンツが……」
「っ!!」
僕が夢精したトランクスのことを言っているのだろうか。というかそれ以外考えられない。
トランクスにこびりついた精子はティッシュで拭き取り、そのティッシュはトイレに流している。
だからばれることはないと思っていたけど、僕の考えが浅はかだったのか?
(そ、そうだ。母さんの目を誤魔化せるわけがなかったんだ……!)
体中から汗が噴き出し、そわそわと挙動が怪しくなっていく。
急いでパンを口に詰め込み、何か言われる前にキッチンを飛び出した。
「ごちそうさまっ」
そのまま鞄を部屋までとりに行き、そのままの勢いで家を出て行った。
「行ってきます!夕飯楽しみにしてるよ」
667 :
125:03/08/27 15:03 ID:ypeZTMi5
大助が家を出た後、笑子は穏やかな笑みを浮かべて彼の行く先を見ていた。
「大人に……なったのね」
「何のことじゃね、笑子さん?」
「お父さんはもう枯れ果てているからいいんですよ」
「すまんのう。最近耳が遠くて聞こえんのじゃ」
「あの子もお父さんに似てきた、って言ったんですよ」
学校に行く途中、僕はある対策を思いついた。
(そうだ、あれだよあれ。避妊具)
「それがどうかしたのか?」
(あれでカバーすれば夢精してもトランクスにも付着しないからどんなに出しても母さんにばれないよ)
「ふむ、それが主の思いついた対策か。悪くはないの」
(だろ?じゃあ機会があればいつか買おっと)
「主の小遣いで足りるか?」
(んん……、どうだろ。その辺は誰かに訊いてみようかな)
朝からそんなことを考えながら学校へ行くなんて、僕はただのエロガキじゃないか。
668 :
125:03/08/27 15:03 ID:ypeZTMi5
教室は今日の調理実習の話で持ちきりだった。
いつものように四人で輪になってぐだぐだと話をしている。
「もう夏だぞ。なのにどうしてカレーなんだ?」
「確かにな。熱すぎて堪らないだろ」
「だが夏の食欲増進にはカレーなどはいいとこの前あるるー大辞典で言っていたぞ」
「うん。それに自分で作るんならきっと美味いと思うし」
「ま、火傷しないように気をつけないとな」
「お前らの中で料理できるやついるか?ちなみに俺はダメダメだ」
関本が訊いてくると冴原が一番に答えた。
「ふん、愚問だな。オレに不得意な分野はねえ」
「すごい自信……。僕は、まあ普通かな。自分で作ることはそうないけどね」
「俺は料理はしないからな。インスタントがほとんどだ」
日渡くんがそう言うと冴原が身を乗り出して熱く語りだした。
「んなのはダメだ!いいか、料理というのはだな(中略)だから今度暇あったらお前んち行って作ってやるぜ」
「そうか。なら機会があれば頼む」
そんなこんなで楽しいひと時はあっという間に過ぎるのであった。
669 :
125:03/08/27 15:03 ID:ypeZTMi5
「きゃああぁぁぁぁっっっ!!」
本日何度目だろうか、調理実習室に原田さんの悲鳴がこだまするのは。
「またお前か原田ァ!」
そしてそれと同じ数だけ加世田先生の怒鳴り声が響き渡る。
「小麦粉を焦がすなと何度言ったらわかる!!」
「ご、ごめんなさいっ」
ぺこぺこと原田さんが頭を下げる様をちらちらと見ながら、僕は人参の皮を剥いていた。
「梨紗ったらまたやってる」
目の前でジャガイモの眼を取っている梨紅さんが同じ数だけ溜め息を漏らす。
「ったく、料理に対する真剣さってやつが欠けてるからああなるんだ!」
左隣で玉ねぎをきざんで涙を流す冴原が同じ数だけ僕にそう言ってくる。
実習は四人一組でまとまってカレーを作るように班分けされている。
僕がいる班のメンバーは冴原と梨紅さん、そしてもう一人が委員長の沢村みゆきさんだ。
沢村さんは僕の右隣で小麦粉をしゃもじでこねている。
実はその日までカレーに小麦粉を使うとはまったく知らなかった僕。
そのことをこの班で言ったら三人から一斉に突っ込まれてしまった。
(なんか、僕以外はみんな料理できる人ばっかだな)
670 :
125:03/08/27 15:03 ID:ypeZTMi5
改めて沢村さんの手つきを見ると、手首のスナップがよく効いて、滑らかな動きで小麦粉が見事に形を変えていく。
「丹羽くん、自分の手元見ないと危ないよ」
沢村さんの手元を見る僕を彼女自身が注意してきた。
「ごめんごめん。上手に小麦粉混ぜてるからそれ見ててさ」
「これくらい少し練習すれば誰だってできるよ。やってみる?」
そう言って僕のほうに小麦粉の入ったボールとしゃもじを差し出してきた。
「じゃあちょっとだけ」
二つを受け取って、さっき沢村さんがしていたように見よう見まねで手を動かした。
「違う違う」
すぐさま注意されてしまった。
「もっと手首のスナップ効かせて……力入れなくていいから、こう」
沢村さんが僕の手を取って事細かに教えてくれる。
それを聞き逃すまいと真剣にその教えを噛み締めていく。
「うん……そうそう。大分上手になってきたよ」
「そうかな。沢村さんのおかげだよ」
「丹羽くんが飲みこみいいんだよ。器用なんだね」
「へへ、ありがとう」
671 :
125:03/08/27 15:04 ID:ypeZTMi5
(なによなによ、でれでれしちゃって……)
原田梨紅は苛立っていた。
(あ、あたしだって、教えてくれって言ってくれればもっといろいろ教えてあげるし)
丹羽大助に沢村みゆきがいろいろ教える様を見て、軽く嫉妬していた。
(そんでそんで、ああ、あたしのこともいろいろ教えてあげるよー、なんて言っちゃったりして、ってキャー!)
ちょっと最近大助のせいでいけない妄想が拡がりつつあった。
「――原田姉、手元見とかねえと……」
(でも料理か。丹羽君、あたしが作ったりしたら食べてくれたりするかな)
「おいっ!」
「え……きゃッ」
目の前にいた冴原が突然声を上げた。実際はさっきから呼びかけていたが、梨紅にはそう思えた。
その拍子に手を滑らせ、左手人差し指の指先を少し切ってしまった。
「わ、わりい。大丈夫か?」
怪我の引き金を引いてしまった冴原が心配そうに声をかける。
二人の騒ぎを聞きつけ、大助と沢村が梨紅の側へ駆け寄った。
「梨紅、血が出てるよ!早く手当てしないと」
沢村の言葉に頷いてエプロンのポケットから絆創膏を取り出して指に巻きつけた。
梨紗が怪我をしたときのために持ってきたものを自分が使うことになって少しだけ惨めな気分になった。
「大丈夫?」
「平気。もう大丈夫だから」
素っ気無く告げて調理へと戻った。
大助は梨紅に突き放されるような言い方に戸惑った表情を浮かべたが、沢村が促がすとしぶしぶ作業へ戻った。
素直に言いたいことが言えなかったことをひどく後悔する梨紅であった。
672 :
125:03/08/27 15:04 ID:ypeZTMi5
僕らのカレーのデキは上出来だ。加世田先生からもクラスで一番だというお墨付きだ。
(あの三人が揃ってまずいのができるわけがないんだけどね)
後から聞いた話によると、梨紅さんと沢村さんはクラスの女子の中じゃ料理上手で知られているそうだ。
僕一人だけがこの班で少し浮いている気がした。
原田さんの班はというと、まあ、言うだけ酷かもしれない。
先生から(原田さんだけが)こっぴどく注意を受けてしょんぼりしている姿が印象的だった。
――昼休み、とんでもないお誘いを僕は受けることになった。
「私の家に料理食べにこない?」
原田さんの口からそんなことを言ってもらえるなんて夢にも思っていなかった。
「といっても私の手料理だから全然自信ないんだけど」
「そんなことないよ!行くよ行く行く」
意気込んで答えた。
「嬉しいっ。じゃあ今度の日曜に私の家に来てくれる?場所わかるかな?」
その後二、三言葉を交わしてから原田さんは向こうへいった。
「それじゃ期待しないで待っててね」
「うん、期待して待ってるよ」
すっかり舞い上がって有頂天になっていた。
(日曜か)
「楽しみだの」
(さっちゃんも行くの!?)
「当然だ。主に寄る害虫は取り払わねばならんからな」
(原田さんは害虫なんかじゃないよ!)
「あやつの料理のことを言ったつもりだがな」
(うぐっ)
否定できない自分が悲しかった。
673 :
125:03/08/27 15:04 ID:ypeZTMi5
「料理、料理か」
自分の席に腰掛けて日渡はぶつぶつと呟いた。
「面白いことになりそうだな。なあ丹羽?」
さっきの二人の会話を盗み聞きしていたのは言うまでもない。
674 :
125:03/08/27 15:05 ID:ypeZTMi5
「っていうわけだから、今度の日曜丹羽くんが家に来ることになったの」
それからきっちり五秒、梨紅は席から跳ね上がり梨紗に詰め寄った。
「な、な、な、な、な、な、な」
眼を白黒させて声にならない声を出してわたわたしている梨紅に言ってくる。
「だからお姉さまぁ」
「ひッ……」
梨紗が、何かをお願いする時の声を出す。
そしてさすが双子。何をお願いするつもりか瞬時に悟った。
(料理を教えてもらうつもりね)
大助が訪れることになる数日間の間に特訓するつもりだ、それがわかった。
そんなことになれば大助の中でさらに梨紗の株が上がっていくことは目に見えている。
(そうは、させるもんですかっっ!!)
「そっか。じゃああたしもなんか作ろっかな」
「…………え?」
「だって梨紗の料理だけじゃせっかくきてくれた丹羽くんがすぐ帰るじゃない」
「そ、そこまで言うかな!?」
「だって事実じゃん」
「そんなことないもん!」
「じゃあ証明してみなさいよ」
「わかってるわよ、見てなさい梨紅!」
「それじゃせいぜい頑張ってね。変なのができないようにね」
「むかーッ!ぜっっっっったい美味しいの作るからね」
梨紗の台詞をひらひらとした態度で受け流して梨紅は教室から出ていった。
「本当に見てなさいよ。丹羽くんも梨紅もぎゃふんと言わせてやるんだから……っ!!」
並々ならぬ決意であった。
(やった。これで丹羽くんにあたしの手料理食べてもらえるじゃん!)
策士梨紅は見事梨紗の計略から脱し、さらに大助に料理を披露することとなった。
(これであたしの株が急上昇、ゆくゆくは丹羽くんのお、おおお、お嫁さん……なんちゃって、キャー!)
このところ壊れ気味の梨紅だった。
675 :
125:03/08/27 15:05 ID:ypeZTMi5
「――そうか!原田妹もついに改心したか!」
「はい。是非ともあなた様の下で料理の修行がしたいのです」
冴原にぺこりと頭を下げて料理の修業を頼み込むのは梨紗である。
冴原の説得は思いのほか簡単すぎた。
「冴原先生……料理が、したいです……」
その一言で冴原は容易にオーケーしてくれた。
「わかった、オレに任せろ。週末までにわお前を一人前の料理人にしてやる」
「ありがとうございます。しかし、私は一人前の料理人では満足できません」
「どういうこった?」
「せめて、あの原田梨紅に勝るとも劣らない実力を身につけたいのです」
「原田姉に……」
冴原は少しの間逡巡した。梨紅の実力は今日の実習の時間で十二分に理解できていた。
「辛い、修行になるぞ……」
「覚悟の上です」
「そうか。ならば何も言うまい。オレについて来い、原田妹!!」
「はい、師匠!!」
ここに、なんとも奇妙な師弟関係が結ばれてしまった。
676 :
125:03/08/27 15:06 ID:ypeZTMi5
Apart終了でし。
Bはのちほど。
妙に冴原がかっこいいなww
そして、日渡の策略も気になるところ・・・w
面白い事になりそうじゃないかww
125氏、Bパートもまってまぁす!!
頑張れ!!
原田姉がどんどん壊れていくのがワラタ
初めましてーnだ〜〜
125氏の小説はステキでんなぁ= キャハッо(*^▽^*)о
コレカラモガンバテちょーだい♪
ホモ渡殿・・・はてしや・・ドーなるダロねっ
大ちゃんイかされちゃぅのかっ! トカ思っとりまス!
続ききになりますー!゛o(><)o″ 村村コンビの話・良かったデス!!
〜(m”。”)/ デハデハ ガンバテくだせぇ!
>>678 萌え萌えの方向に壊れてるので問題ないし
わはは。パラレルはキャラの性格がいい感じではっちゃけてるから大好きだw
>680
禿同
655の新人さんも、
乙!!
良かったよぉ〜
これからも、日々精進ですぜ!!
これからもよろしく!!
そして、がんばってください!!
683 :
名無しさん@ピンキー:03/08/28 16:19 ID:52c+Djii
684 :
125:03/08/28 22:06 ID:+yQEXW/9
どこの業者か知らんが久々にマブイという言葉を聞いたw
685 :
125:03/08/28 22:07 ID:+yQEXW/9
日曜日、午前十一時――
「へー。ここが原田邸か」
「……」
「なかなか大きな家だな」
「……」
「悪いな、誘ってもらって」
「……」
「私二人の家初めて来たよ」
「……」
「うん、私も」
「……」
「まったく。どうしてあたしが料理作りにこないといけないかなぁ」
「……」
原田邸の玄関前には僕と冴原と関本と西村、石井さんに福田さんに沢村さんの姿があった。
「やあ、遅くなってすまない」
僕らの後ろからのん気に遅れて現れたのはみんながここに集まる元凶となった日渡君がやってきた。
「遅いぞ日渡。企画の立案者が遅れんじゃねえよ」
企画の立案者。いつの間にか日渡君がそういうことになっている。
その企画というのは『女子対抗・クッキングバトル選手権』という、当初の予定から大分かけ離れたものになっていた。
(普通に原田さんの手料理が食べたかったんだけどな)
「諦めい。あの小僧、なかなかの策士だな」
(はぁー……)
686 :
125:03/08/28 22:07 ID:+yQEXW/9
「本当にすまないな。うん、どうやらみんな集まっているな」
日渡君がざっとその場にいる全員の顔を見回してから原田邸のインターホンを押した。
ばたばたと中から二人分の足音が聞こえてくる。
扉が開かれると原田さんたちが中から出てきた。
「やあ二人とも。今日はお呼びいただい」
『消えろおぉぉぉぉぉっっっーーーー!!』
二人の拳が日渡君の顔面へ炸裂し、どういった原理か、彼が宙を舞い、僕らの頭上を越えて地面へ激突した。
『…………』
全員が起こった出来事を理解できずにただただ唖然としていた。
『丹羽くんいらっしゃい!さあこっちへ!!』
「あ、ちょっと、ちょっとぉ」
二人に腕を引かれ、僕は家の中へ連れ込まれた。
「さあみんな」
『ぬぅをっ!!?』
置いてけぼりに去れていた彼らに頭から血を流し吐血しメガネ割れて悲惨な姿の日渡が言う。
「俺たちも中に入ろうじゃないか」
先陣を切って日渡がずんずんと原田邸に上がりこんだ。
残りのみんなに躊躇いが見られるが、おずおずと彼の後に続いていった。
687 :
125:03/08/28 22:08 ID:+yQEXW/9
「俺の記憶が確かならば」
暗闇の中で一条のスポットライトの光りが日渡君を照らす。
「かの有名な料理人、道端三郎太はこう言った」
「誰だよそれ」
「僕も知らないよ」
テーブルに座らされている僕ら男子はこそこそと囁きあった。
「『口に入ればみな同じ』と」
『なんじゃそりゃ!』
みんなで一斉に突っ込むが日渡君は気にする様子もない。別にいいけどね。
「それでは今回のバトルの出場者の紹介に移らせてもらおう」
六つある入場門の一つからスモークがもくもくと噴き出した。
「無駄に凝ってるな」
「ああ無駄だな」
「金の無駄だな」
「無駄だね」
とりあえずみんなで無駄を連呼した。
スモークの向こうからは女子が一人歩み出てきた。
「がさつな性格とは裏腹に案外料理が得意、委員長・沢村みゆき」
「日渡君泣かすよ?」
「暴言だ!謝罪と賠償を要求するっっ!」
「西村も熱くなるなよ」
続いて別の入場門から同じようにスモークが噴き出す。
「その実力は如何ほどか、クラスメート・石井真理」
「どもども」
手を振る石井さんにみんなで振り返した。
688 :
125:03/08/28 22:08 ID:+yQEXW/9
「こちらも実力は未知数、クラスメイトその二・福田律子」
「うわ、ひどい紹介されてる?!」
「ああひどいな」
「可哀想だな」
「司会失格だな」
「降板したほうがいいね」
とりあえずみんなで日渡君を責めた。
「……続いてはこの日のために特訓しました。原田妹こと・原田梨紗」
「ふふん」
「なんか妙に自信ありげだな」
「あたり前だ。オレが懇切丁寧に教えたんだからな」
「へー。じゃあ期待できそうだね」
そして日渡君が最後の選手の紹介に移った。
「実力は折り紙付き。原田姉こと・原田梨紅」
「ここって、うちのダイニング……だよね」
「ああそうだな」
「ダイニングだな」
「間違いないな」
「変わってるけどね」
ダイニングの異様な変貌ぶりに梨紅さんが驚いてるのが伝わってくる。
「ちなみにここのセットは『調理の達人』をイメージしたものにしている」
「どこから資金調達したんだ?」
「セット、食材、食器、その他諸々はすべて俺の提供だ。原田家の両親が不在ということだが坪内氏にも無断で改装しておいた」
「この変わりようはあんたのせいか!?っていうか坪内には相談しときなさいよ!!」
梨紅さんが怒っている。家をこんな風にいじられればあたり前か。
689 :
125:03/08/28 22:09 ID:+yQEXW/9
「では選手の紹介も終ったところで本日の勝敗の決め方を教えておこう」
すっと姿勢を正して日渡君が告げてくる。
「料理は一品。それをもって丹羽・冴原・関本・西村の四人の票を最も多く獲得した者の勝利とする」
「はい、しつもーん」
「なんだ関本」
「一番の女子が複数いた場合はどうすんの」
「その場合は俺の独断と偏見で勝者を決めさせてもらう」
『ひどっ!!』
とりあえずみんなで突っ込んだ。
「まあこれを機会に女子の諸君も男子のハートを射止めてくれ」
「これってそういう企画なの!?」
沢村さんが訊ねると日渡君は大仰に頷いた。
「では一位の者には一日だけ男子一人を好きに扱える権利も与えよう」
「異議ありっっ!!」
ばん、と音を立てて席を立ったのは関本だ。
「それは男子の尊厳を明らかに無視している!」
「待ったっっっ!!」
西村が同じようにして席と立ち関本に反論した。
「俺は別にいいと思う!」
「それでも委員長かお前は?!」
「今はそんなことは関係ないっ!!」
わーわーと二人が言い争うのを軽く聞き流して司会者は話を進めていく。
「それじゃあ外野は無視して調理のほうに取り掛かってくれ。制限時間は三十分だ」
ちーん、と手にしたトライアングルを鳴らし、戦いの火蓋が切って落とされた。
690 :
125:03/08/28 22:09 ID:+yQEXW/9
原田梨紅は燃えていた。
(これを気に、一気に丹羽君に近づくんだから)
並々ならぬ気迫をみなぎらせ、また板の上の鯉を切り刻んでいく。
(あたしが優勝すんだかんねっっ!)
原田梨紗も燃えていた。
(修行で会得した明鏡止水の境地、ここで見せてあげるわ)
指に巻かれた無数の絆創膏が修行の厳しさを彷彿とさせる。
(優勝は私のものよっ!)
福田律子もなぜか燃えていた。
(ここで丹羽君と近づけばもっと出番が増えるっ)
ただのクラスメイトからヒロインの座へと上り詰める絶好の機会である。
(優勝はいただきよ!)
石井真理さえも燃えていた。
(男子を好きに、男子を好きに、男子を好きに、男)
実はすきものの彼女だった。
(子を好きに、男子を好きに、男子を好きに、男子)
沢村みゆきもやはり燃えていた。
(委員長として、男子を好きになんてさせてなるもんですか)
委員長としての責任感に燃えていた。
(あたしが優勝して、それから…………ぽ)
691 :
125:03/08/28 22:09 ID:+yQEXW/9
「…………つまらんな」
(なにが?)
「誰も彼も真剣に料理に取り組みおって。つらまん」
(それはそういう企画なんだし)
「もういい。我は寝る」
(せっかく来たのに?)
「ああ。それではこの下らん企画が終ったら声をかけてくれ」
(はいはいわかったよ)
それに、さっちゃんがいないほうがゆっくり楽しめるかもしれないし。
「なんか言ったか?」
(いや、別に)
692 :
125:03/08/28 22:10 ID:+yQEXW/9
「さて、もう料理が完成したわけだが」
「相変わらず展開が早いな」
「無駄のないストーリー展開だと言って欲しいな」
「さいですか」
日渡君と関本の掛け合いもそこそこに梨紅さんが皿を持って現れた。
「丹羽くん、召し上がれ」
どすんと僕の前に皿を置いた。
「こ、これはっ」
「鯉の刺身か」
「美味そうだな」
「早速いただくか」
僕らは鯉の刺身を一切れ口に運んだ。
「――!」
「う、美味い」
「確かに」
「こりこりとした食感。さらに鯉の新鮮味を(中略)さすがだ、原田姉」
「ふふんっ、これで優勝はあたしのもんね」
693 :
125:03/08/28 22:10 ID:+yQEXW/9
「見事な一品だった。それでは次の選手」
「はい」
てくてくと現れたのは原田さんだ。
「さあ丹羽くん」
また僕の前に皿が置かれた。
「こ、これはっ」
「お、おにぎり……」
「おにぎりだな」
「オレが教えたとおり、見事なデキだ」
それは見事とは言えない、と思う。
(か、形が……)
「まあ重要なのは見た目じゃないぞ。さあ、お前ら食え」
冴原がそう勧めてくるので、おずおずとそのおにぎり、のような芸術的な多角形をしたものを手に取り口にした。
「……」
「…………」
「………………」
「どうかな?」
原田さんが期待したような目で僕を見てくる。でも、これは答えていいのだろうか?
「すまん原田妹」
「えぇ、なんで?なんで冴原君が土下座しちゃうのっ!?」
すべてを察した、というか始めからわかってたと思うけど、とにかく冴原が土下座で謝った。
「とりあえず君はもう退いてくれ」
「ち、ちょっと待ってよ。私まだ感想聞いて――」
騒ぎ立てる原田さんを日渡君がどこかに連れて行った。
694 :
125:03/08/28 22:10 ID:+yQEXW/9
「少し問題が発生してしまったがさして重大なことではない。では次、福田律子選手」
口の中がもっさりひりひりしている僕――おそらく他の三人もそうだと思うけど――は、とにかく口直しがしたかった。
「はいはーい」
福田さんが調理を終えたものを両手に抱えて現れた。
『なんかもくもくしてるっっっ!?』
一斉に席を立って突っ込んだ。
「当たり前だよ、お鍋だもん」
『熱っっ!!』
夏だというのに鍋ですか、福田さん。
「ささ、召し上がれ」
でんと置かれた鍋を取り囲むように僕らは移動した。
『うぐっ!』
ごぽごぽと気味が悪いほど沸騰している。
「これは……」
「熱湯と言ったほうがよくないか?」
こぽっ
「おわあぁっ、かかったぁっっ!!」
「西村!」
いけない。西村の腕がしゅうしゅうと硫酸をかけたようにただれていく、ような気がした。
「無理だ、これは無理だ」
「撤収させてくれ、頼む日渡」
「いや食ったほうが面白そうじゃ」
日渡君がすべて言い終わる前にみんなで殴っておいた。
695 :
125:03/08/28 22:11 ID:+yQEXW/9
「さて、次は石井真理選手、どうぞ」
さっきこてんぱんに殴られたはずの日渡君が五分後には何事もなかったように司会進行している。
タフだ。
「はーい」
石井さんが鍋を抱えて姿を見せた。
「鍋はもういい。別のものを食わせてくれ」
みんなの気持ちを関本が代弁してくれた。
「これは鍋じゃないよ。スープだよ」
そう言って石井さんがテーブルの上に鍋を置き、その蓋を開けた。
蒸気がもくもくと立ち上り、それが薄くなり中の具が目に入った。
『すっぽんかよ!!』
「遠慮せずに全部食べてね」
にこにこと彼女の浮かべる笑みが、怖い。
696 :
125:03/08/28 22:11 ID:+yQEXW/9
「さ、精力を養ったところで次、沢村みゆき選手」
「はいよ、ってなんかみんな目が血走ってる!?」
料理を持って現れた沢村さんが僕らの様子に驚いている。
石井さんのすっぽんスープをいただいたせいでみんなぎんぎんになっていた。
「違うぞ沢村。血走っているのは目だけじゃな」
「余計なこというな委員長」
自爆しそうな勢いの西村の口を関本が塞いでくれる。
「ま、まあいいけどさ。んじゃはいこれ」
沢村さんがみんなの前においた料理はカツ丼だ。
「お、原田姉以来のまともそうな料理じゃないか」
「そう、じゃない。美味いに決まってるさ」
「食う前から決めつけんな」
「でも本当に美味そうだよ」
期待しつつカツ丼を口にした。
「……うん」
「いいな」
「普通に美味いね」
「さ、沢村ぁぁっっ!!」
西村だけ泣き叫んだが、僕らも泣きたいくらい美味かった。前フリが前フリだっただけに。
697 :
125:03/08/28 22:11 ID:+yQEXW/9
「みんな喜んでいるところすまないが次で最後だ」
久々にまともな料理が食えて満足している僕らに日渡君が言った。
「あれ。おかしくねーか」
「どうした冴原」
「いや、原田姉妹に石井に福田に沢村。全員終ってるじゃねえか」
「ホントだ」
僕らが疑問に思っているところに日渡君の不敵な笑いが響く。
「まさか……」
「そう!まだ俺の手料理が残っているぞ」
どどんと僕らの目の前に置かれたのは、
「カレー?」
「ああ、カレーだな」
「夏なのに」
「カレーかよ」
「ちなみに季節の風味をふんだんに取り込んだ夏野菜カレーだ」
スプーンで少しだけすくい取ってみた。明らかにどす黒く渦巻くオーラを発する食材が入っている。
「ささ、冴原ぁ、これは一体なんだ!」
「知らねえ、見たこともないぞこんなの」
「どこから調達してきたんだよ」
「食えない、食えないよこんなのっ」
「遠慮するな。さあ食え、食せ!」
「絶対無理だ!命に関わる」
「そうだ、まずはお前が先に食え」
「俺が食えばみんな食うというんだな?約束したぞ」
ぱくっと平然とスプーンを口にした。変わった様子も無く、彼は元気に生きている。
「約束だ、さあ食え」
「普通……みたいだな」
「ああ、そうだな」
「じゃあみんな一斉に食ってみるか」
「そう、だね」
それでも、本能的に危険を察していたのか、僕らはスプーンの先端にちろっと付けたカレーを一口だけ口に含んだ。
698 :
125:03/08/28 22:12 ID:+yQEXW/9
四時間後――
原田邸のリビングで僕、沢村、関本、西村は腹を抱えて悶え苦しんでいた。
原因は言わずもがな、あれのせいだ。
それを作った張本人は女子全員から殴り倒された挙句に坪内と呼ばれた初老の人物に車のトランクに押し込まれて去っていった。
「大丈夫?」
原田さんの心配そうな声がリビングに響くが、それに答える気力のある者は誰もいない。
女子が総手でグロッキー状態の男子を介護してくれたことがちょっと嬉しかった。
でもその代償がこの苦しみとなると、釣りが大分でてしまう。
冴原にいたっては体中にへんな発疹が浮き出ている。死ぬんじゃないだろうか?
(ああやばい……、意識が……。なんでさっちゃん助けてくれない、の)
こうして僕らの第一回クッキングバトルは悲惨な結果に終った。
699 :
125:03/08/28 22:12 ID:+yQEXW/9
「ははっ、それは災難だったの」
「笑い事じゃないよ、ったく。今も頭がずきずきしてるんだから」
すでに時刻は夜七時を回り、太陽も消え入りそうに沈んでいる。
身体に変調をきたして死にかけていた僕らに梨紅さんと沢村さんの二人がお粥を作ってくれた。
それを口にした途端冴原の血色はよくなり、僕らも身体中あちこちに痛みがみるみる退いていった。
それでもまだ微妙な痛みが身体を苛んでいる。
「まともな夕飯を食えたんじゃ。それで満足しておくんだな」
「人事だと思って。でもお粥は本当に美味しかったよ」
「ならそれで善し、じゃな」
「まあね」
帰途についていたところ、ふとさっちゃんが訊ねてきた。
「だが主。もし途中で中止にならなければ誰に票を投じるつもりだったのだ?」
「誰って、それはもちろん料理が一番美味しかった人にだよ」
「だからあの娘たちの中で誰に投じるのだ?」
「だから、それは……」
ほんのちょっと言いよどんだのは口に出すのが少しだけ気恥ずかしかったからだ。
「それはもちろん――――」
次回、パラレルANGEL STAGE-05 狂気
きたーっ!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
全然ダブルじゃねぇ〜〜〜〜ww
日渡・・・パラエンだと、料理ヘタなんだ・・・www
まぁ、日渡の暴走・その他暴走・各種暴走については、
これ以上触れないでおきます。
多分、125氏の思惑通りの場所で爆笑してますんでw
しかも、その中に軽い純愛モノを・・・
あえて言うなら「元キャラ暴走ラブコメ」w(どないや
エロ無しなのは、全然結構!!
作家の卵として、ここを練習の場所に出来て、
俺たちを楽しませてくれたら・・・
もう、みんないいことだらけだしね!!
次回のタイトルは・・・なんか意味深ですな・・・
期待してます!!頑張って!!
まてまてまてまて〜〜〜〜!!!!!
梨 紅 さ ん 、 刺 身 は セ コ イ ! !
というわけで優勝は沢村さんだw
な、なるほどww
そういう考えもありかww
てか、700突破したんだなぁ・・・
704 :
名無しさん@ピンキー :03/08/29 00:25 ID:e++8RPSg
125氏・・・、最高だ
(・∀・)イイ!!
706 :
125:03/08/29 22:50 ID:Kt/KIJyl
この町にある最も大きな美術館の前に一台のトラックが停まっていた。
トラックの周囲は数名の警備員が取り囲み、厳重な警戒が施されていた。
そのトラックの荷台から次々と荷物が搬入されていく。
「おい、さっきので最後か?」
作業着を着た青年が荷台の中へ呼びかけると、同じ年頃の青年がその中から答えた。
「ああ……いや、待て。確かもう一つあったはずなんだが」
彼は手にしたリストと館内へ運び込んだ美術品の数が合わないことに気付いた。
「紛失したのか?いつ」
「わからねえ。つうかあんなに警護してもらってたんだから無くなるなんて考えられねえよ」
「けど無くなったのが事実なら隠すわけにもいかねえだろ」
「だな。あーあ、最近はダークのせいで俺らもたいへんだってのに、また面倒起こしちまったよ」
「まあ警察に届けりゃ探してくれるだろ」
二人は警備員に事情を説明してからトラックに乗り込み、美術品の搬入を依頼してきた会社へと謝罪に向かった。
その後すぐに警察へと連絡が行き、一つの美術品が捜索対象とされた。
707 :
125:03/08/29 22:51 ID:Kt/KIJyl
深夜、美術館から数百メートル以上はなれた町の一角。
この時間帯にはまったく人通りはなく、ただ静寂が支配するような、そんなところだ。
大通りの脇から延びる路地裏へと続く通りを少し奥に進んだ袋小路で男女が絡み合っていた。
「っんぐ、んんんっ!」
男のほうが女の上に覆いかぶさり、手で女性の口を押さえて声が出ないようにしている。
薄汚いコートを身にまとっている彼が、スーツを着たOL風の女性を乱暴に犯している。
下にいる彼女が泣き叫び、どうにかして逃れようとじたばたと身をよじる。
男が口を押さえつけていないほうの手をすっと女の腹の上を撫でるように動かした。
尾を引くように彼女の腹の上に赤い筋が走る。薄く皮を斬られたのだ。
驚愕で目を見開く彼女の腹をさらに数回、同じように手で撫でた。
次々と浮き出るように腹に傷が刻まれていく。
それはつまり、歯向かえばこうなるという脅しに他ならない。
彼女は目を硬く閉ざし、歯を食いしばってその凌辱に堪えねばならなかった。
男の腰が乱雑に、膣壁を傷つけるようにしてばんばんと打ちつけられる。
708 :
125:03/08/29 22:51 ID:Kt/KIJyl
「ん、ん、ん、んん、……ッ」
無理矢理な抽迭にも必死に声を押し殺してそれに堪える。
その様に男はさらに興奮を覚える。女性の腰が折れるほどの力で強引なピストンを繰り返す。
腰が突き刺さるたびに身体が歪み、傷口から鮮血がじわじわと溢れだす。
男は何も言わずにただ荒い息遣いを繰り返し吐き続ける。
「んご、んむうぅぅッッ!?」
股間に入れられたものの異変に気付いた。
それが彼女の中でむくむくと巨大に腫れ上がっていく。
「んんんッ、ん、んん――ッ!」
膣口を、膣道を、膣壁を限界まで押し拡げ、女性器を破壊するかのように巨大化した。
彼女はその激痛に気を失い、白目をむいて昏倒した。
がくんと力なくうな垂れる彼女の胎内に、子宮を撃ち抜くほどの勢いで大量のザーメンが放出された。
男のもので栓をされて逆流を許されない大量の精子が女の腹の形を不気味に変えている。
次第にものが萎えていくと、結合部にできた隙間からぶしゅぶしゅと勢いよく精子が噴き出した。
男は町を彷徨う。闇雲に歩き回っているわけではない。明確な意思を持ち、それに従い歩き続ける。
足リナイ・・・マダ、足リナイ・・・・・・
709 :
125:03/08/29 22:58 ID:wv2Ms56e
夢。いつも見る夢。
そして僕は、いつものように梨紅さんとしている。
「あふ、ううんッ」
対面座位で向かい合っている彼女の乳首を少し噛んであげる。
甘く漏らす吐息が脳髄を溶かすように耳から入ってくる。
「丹羽くん、ちょっと逞しくなった?」
今夜はまだ三回しかイッてない。これは自分の中じゃすごい記録だと思う。
「ちょっとね。なんかいいみたい」
腰を突き上げると彼女の身体がかくっと揺れる。
「ぅんッ、じゃあそろそろレベルアップかなぁ」
梨紅さんが腰を引き上げ、暖かな中にあった僕のものが外に吐き出された。
寂しい思いをする間もなく、背中を向けて僕のほうに寄りかかってきた。
「さっちゃん、何するの?」
後ろから彼女を抱きとめる。このとき自然と手が胸へ延びてしまうのはもはや病気だ。
「んッ、揉まないの。丹羽くんったら気が早いんだから」
ぷりぷりと怒った口調で注意された。
(こうなったのもさっちゃんのせいなんだけどな)
責任転化されたようでちょっと苦笑いが浮かんでしまう。
「それじゃあいくからね」
ずっと腰が落ち、そのまま一気に奥まで貫いた。
「んぅッ!これは……」
体位が体面から背面に変わっただけなのに、まるで別人とやっているみたいに挿入感が変わった。
「くぅッ、気持ちいい……!」
嬉しそうに梨紅さんが腰を動かし、なれない刺激にどんどん下半身に血が集まってきた。
僕も負けじと彼女の胸を下から揉み上げるように愛撫し、腰を突き上げて奥まで挿入した。
短い声で鳴いているのが僕の性欲をさらに煽り、発射寸前まで上りつめる。
「丹羽くんッ、丹羽くんッ!」
僕の名前を連呼しながら彼女の腰がぐりぐりと回転を交えた動きで最後の攻めを始めた。
感じた声で名前を呼ばれることで僕のほうも興奮が高まる。
彼女の腰の動きをもっと楽しみたかったけど、その快感の前にいつものように呆気なく吐き出してしまった。
どくどくと彼女の膣内へ放出するのを感じながら、意識がまどろみ、そして堕ちていった。
710 :
125:03/08/29 22:58 ID:wv2Ms56e
ぱちっと目が覚めた。いつも目覚めだけはいい。
上体を起こすとまず確認しなければいけないことがあった。
昨日の夜、僕はさっちゃんの力を借りて変身した姿で薬局に行き、そこで避妊具を購入した。
寝る前にさっちゃんの指導の下、それを装着しておいた。
僕の考え通りなら寝ている間に吐き出され続けた精子がその中に溜まっているはずだ。
ズボンとトランクスをばっと持ち上げて一気に確認した。
「げっ」
無残にはち切れたコンドーム、お腹の上にべっとりと付いた精子。
「どうやら主の精液の量が多すぎたようだな」
「はぁ……、作戦失敗か」
「落ち込むことはない。一晩にこれほどの量を出されれば世の女どもはよがり狂って主の僕になるぞ」
「僕って、そんなこと考えてないし」
「勿体ない。これほどの男などそうはおらんというのに」
また溜め息をついた。
そういえば溜め息の数だけ幸せが逃げていくとトレビアンの泉で言っていたけど、なら今の僕は不幸のどん底なんじゃないか?
そう思うときが重くなり、また溜め息をつきそうになったけど頭を振って気を取り直した。
「さ、後始末後始末っと」
いつものようにティッシュで拭き取りトイレに流し、トランクスを洗濯機に入れた。
加えて今日は破れたコンドームというおまけ付きだ。
「また別の対策考えないとな」
「主が射精しなければそれで万事解決ではないか」
「それができないからあれこれ考えてるの」
711 :
125:03/08/29 22:59 ID:wv2Ms56e
着替えを済ませてダイニングへ行くと母さんが挨拶と、今日の仕事の話をしてきた。
「おはよう大ちゃん。今夜は久々にお仕事に行ってもらうわね」
「今日はなに?」
母さんが写真を差し出してきた。
「これよ、蒼月の鏡。今日から展示される最新の美術品なの」
今日から展示されるものを盗んでくるなんて、一般のお客に悪くて少し気が引ける。
写真を手にとってよく見ると、その鏡は名前の通り蒼く、淡い光りを放っているような、そんな気がする。
「あれ?」
蒼月の鏡が写されている写真の下にもう一枚写真があることに気づいた。
「こっちはなに?」
そっちの写真には蒼月の鏡の蒼さとは正反対なほど見事に真紅に輝く剣が写っている。
写真の裏には紅円の剣と書いてある。おそらくその剣の名称だ。
「ああ、そっちのほうはもういいの」
「どうして?」
「ホントはそっちが今日のターゲットだったんだけど、業者の不手際で紛失したらしいの」
母さんがちょっと悲しそうな瞳をした。美術品が紛失したことを悲しむなんて母さんらしい。
「それから、今日は六時を犯行予告にしたからそれまでには帰ってきてね」
「やけに早いね」
いつもは九時以降がほとんどなのに今日に限ってはまだ日も落ちていない時間だ。
夜のほうが正体がばれにくく犯行もしやすいと言っていた母さんだけにそのことが引っかかった。
「あれのせいよ」
母さんがテレビを指し示した。
「昨日三人の女性が何者かに襲われたの。夜の十時以降。同一犯の可能性が極めて高いそうよ」
「へぇ」
「大ちゃんの勇士を見にたくさんの人が集まるでしょ?あまり遅くするとその人たちが犯人に襲われるかもしれないから」
「一般人を巻き込まないことも怪盗としての心得じゃ。肝に銘じておくんじゃぞ」
「わかったよ。じいちゃん、母さん」
食事を終えて荷物を手にとり家を飛び出した。
「行ってきまーす」
「六時前には帰ってくるのよ」
母さんの声を背に僕は学校へと向かった。
712 :
125:03/08/29 23:00 ID:wv2Ms56e
笑子は大助を見送ってから郵便受けを覗いた。
数通あった手紙を取り出してざっと差出人を確認した。
そのうちの一通に彼女の目は釘付けとなった。
「小助さんからだわ!きゃあああ、うそーっ、うそうそーっっ」
玄関前で年甲斐もなくはしゃぎまわる笑子の声が聞こえ、大樹は思わずちゃを吹いた。
「な……なんて書いてあるのかしら」
手紙には
近いうちに帰ります。 小助
それだけが記されてあった。
その簡潔な文体を笑子は信じられないといった様子で見つめた。
(小助さんが……帰ってくる)
713 :
125:03/08/29 23:00 ID:wv2Ms56e
教室に入ると冴原が中央に陣取ってみんなに話しをしている。
「今日はなに?」
「あれだよ、昨日の連続婦女暴行事件」
関本が答え、、そういえば母さんもそのことを言っていたなと思い出した。
「――親父から仕入れた情報によるとどうやら同一犯で間違いないらしい」
冴原の父さんは刑事だ。僕も何度か怪盗の現場で顔をあわせている。
「狙われた女性に共通点もなく、無差別に襲っているという線が強い」
クラスのあちこちから女子が恐怖におののく声が上がる。
「だから女子も夜の外出は控えたほうがいいぞ。今日はダークが現れるけど行くんじゃねえぞ」
冴原が釘を刺したところで先生が教室に入ってきたので、クモの子を散らすようにみんな席へついた。
714 :
125:03/08/29 23:01 ID:wv2Ms56e
朝と夕方のホームルームで言われたことは同じだ。
放課後の外出は極力控え、さらに部活動も全面的に禁止ということになった。
美術部では夏のコンクールに向けてそろそろ作業に取り掛からないといけなかったので
活動の禁止という知らせを受けた時は溜め息が漏れた。
(まあしょうがないか)
他の部活だって夏にはいろいろとあるから僕がぐちぐち思っていてもしょうがない。
時刻もそろそろ家に帰ったほうがよさそうだったので教室を出た。
下足箱で靴を履き替えていた時、背中のほうから声をかけられた。
「ねえねえ丹羽くん」
「原田さん。なにか用かな」
「あのね、一緒に帰ってくれないかな?」
少しだけ逡巡した。時間のことが気になったけど六時前には間に合うだろう。
「うん、いいよ」
「ありがと。ほら、梨紅もこっち来なさいよ」
「あっ」
「梨紅さん」
原田さんに腕を引かれて廊下の角から姿を現したのは梨紅さんだった。
「あ、や、あたしはいいよ別に」
「なに言ってるの。三人で帰ったほうが安全でしょ」
「そうだよ。今は危険だから大勢で帰ろう」
僕と原田さんが梨紅さんを説得すると彼女はしぶしぶといった感じで頷いた。
(あの娘、乗り気ではないな)
(そうだね。僕のこと嫌いなのかな)
(それはないと思うがな)
(なんで?)
(我があの娘に憑依できたことがその証拠じゃ)
(どうしてさ)
(知らんのか?まあそっちのほうが面白いといえば面白いの)
どういうことか何度か訊いたけど、結局さっちゃんは答えてくれなかった。
715 :
125:03/08/29 23:01 ID:wv2Ms56e
日が沈みかけている頃、美術館内に潜入した青年姿の僕はじっくりと罠の一つ一つを解除して進んでいた。
今日はいつもより気合を入れているみたいだ。
(けど、このくらいならどってことないけどね)
「しかし、今日の標的がよもや蒼月の鏡だとはな」
「なんか知った風な口ぶりだね」
罠を解除する手を休めることなく話しかけた。
「知るもなにも、我がこうなる前はよく二人で遊びまわっていた」
「こうなるって、短剣に宿る前?」
「ああ。それが二人で遊んでおったらどこぞの阿呆に捕まってな、そのまま封じられた」
「災難だったね」
それからしばらくして不意に思っていたことを訊いてみた。
「どうしてさっちゃんは話ができるの?」
「どういうことだ?」
「今まで僕が盗んできた美術品ってさ、さっちゃん以外は話せないのばかりだったからさ」
「そういうことか。簡単なことだ、さっきも言ったように我はこの剣に宿るだけの精霊だからな」
「じゃあさっちゃんは精霊だから話ができるんだ」
「ああ。ちなみに主がこれから盗む蒼月の鏡も我と同じ存在だ。話ができるぞ」
「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー 」
「精霊が宿る美術品は稀有でな。大抵はそれ自身の魔力が働いて力を行使しているだけじゃ」
「なんか難しいね」
「そう難しく考えるな。意思を持っているかどうか、そういった違いと考えればよい」
「( ´_ゝ`)つ〃∩ フーンフーンフーン 」
716 :
125:03/08/29 23:02 ID:wv2Ms56e
よっ、と罠という罠を解除して蒼月の鏡が展示されている大ホールへと辿り着いた。
「今日はあまり警備がおらんな」
確かにいつもより三割減といった数だ。
「多分婦女暴行犯のほうに人員をまわしてるんだよ」
声を潜めてさっちゃんと話した。
「じゃあ頼むよ、ウィズ、さっちゃん」
「ああ」
「キュウ」
ウィズの首に短剣を掛けて天井近くまで飛び立たせた。
数名の警官が気付くがもう遅い。さっちゃんの力が解放されて警官隊に向けて強烈な光りが降り注いだ。
その場にいたすべての人が、眠るようにして崩れ落ちた。
「終ったぞい」
「キュッキュ」
「お疲れ様」
僕との夢中セックスで新たにさっちゃんが身につけた力がこれだ。
誰も傷つけることなく行動不能へとすることができるこの力は重宝してくれる。
蒼月の鏡を守る最後のロックを難なく解除した。
「ふぅ」
どうにか今日もうまくいった。じいちゃんや母さんが言って聞かせるような満足感はないけどほっとする瞬間だ。
「よう、久しぶりだな」
さっちゃんが蒼月の鏡に向けて声を掛ける。
「……」
「おい?」
「……」
「これ、何とか言ってみせろ!」
「……」
「反応しないね」
「まったく。どういうつもりだこやつは」
ぷんぷんとさっちゃんが怒っている。
「とにかくこれ盗っていくから」
蒼月の鏡をリュックに押し込むと窓ガラスを突き破って上空へと飛翔した。
717 :
125:03/08/29 23:03 ID:wv2Ms56e
「しっかし、どういうつもりかの」
「なにが」
「主が背負っているそやつじゃ」
町の上を悠々と舞いながら僕とさっちゃんは自宅へと戻る途中だった。
「なにか封印でもされてるんじゃないかな」
「封印、封印か……」
それからさっちゃんはしばらくの間黙り込んだ。
「では主に封印の解除をしてもらおうか」
口を開いたと思えばいきなりそう言われた。
「そんな……。僕なんかに封印なんて解けるわけないだろ」
「主ならできる。自信を持て」
「まあ、いいけどさ」
町の大時計は八時を指している。けっこう時間がかかってしまった。
718 :
125:03/08/29 23:04 ID:wv2Ms56e
男は町を彷徨っていた。
当てもなくそうしていたわけではない。明確な行動理念に基づいている。
彼の目は一人の女の子を捉えている。
まだ発育途中のその身体は少女ともいえるようなものだ。
男はその日の、始めての標的として彼女を選んだ。
なぜその子がそこにいるか、そういったことに興味などない。
考える必要もない。それはただの獲物なのだから。
そう、獲物。ただの餌。男の目には、それはただ動く力を得るために犯す、ただの餌に過ぎない。
背後から忍び寄り、少女の制服を引き千切らんばかりの力で掴み路地裏へと連れ込んだ。
コノ娘ナラ、足リソウダ・・・若ク、精ニ漲ルコノ娘ナラ、満足デキル・・・
719 :
125:03/08/29 23:05 ID:wv2Ms56e
封印の解除を手伝わなくちゃならなくなったので、母さんにわがままを言って蒼月の鏡を譲ってもらった。
絶対に何か言われると思っていたけど思ったより簡単に僕にくれた。
今日はとても上機嫌だったような気がした。
「で、どうやって封印を解くの」
寝る前にベットの壁側に掛けた短剣と鏡に向けて訊いた。さっちゃん曰く、寝る前のほうが都合がいいそうだ。
「うむ。まずは寝てくれ」
「ね、寝るの!?なんで」
「そうせねば夢に出れないではないか」
「封印って夢の中で解くの?」
「なに、難しいことなどない。いつも通りにしておればいい」
いつも通りということは今日も僕は精を貪りとられるのか。
「一日くらい休ませてくれてもいいじゃない」
「贅沢言うでない。我を従えるならそれくらいの代償は毎日払え」
「ひどい。ひどいよさっちゃん」
涙を流しながら布団へ潜り込んだ。
720 :
125:03/08/29 23:05 ID:wv2Ms56e
夢。いつも見る夢。
けどこの時はいつもと違っていた。
さっちゃんが本来の姿をしているし、その横に女の人が横たわっていたからだ。
「さっちゃん、この人……」
「ああ。こやつが蒼月の鏡に封じられた精霊だ」
その人の顔を覗き見た。
ショートヘアで眼鏡っ娘、メイド服を装備している。年齢的に僕とそう変わらないように見える。
(というかさっちゃんとは正反対の容姿してるな)
二人を見比べてみる。さっちゃんはぼいんとしていて、こっちの娘はぺったんとしている感じがする。
「何をじろじろ見ている?」
「い、いや別に。それより封印を解くってどうするの」
うむ、と言っておもむろにさっちゃんが倒れている娘のお尻をぺろんと出した。
「犯せ」
両手でむんずとお尻の肉を掴んで左右に拡げると、本当に見事なまでの縦筋が割れてピンク色の柔肉がぷっくら姿を現した。
「お、犯せって、そんなこと言われてもっ」
いきなりの出来事に顔を赤くして両手をぶんぶんと振って後ずさった。
バックの体勢でお尻を突き出している娘の背中に跨るようにしてさっちゃんが誘ってくる。
「主がせねば、こやつ一生目覚めぬやもしれんぞ」
「んぐっ」
「なにも無闇に犯せと言っているわけではない。こやつのために、だ」
「その娘の、ため?」
「ああ」
そう言われると拒む理由がないように思えてきた。
枷がなくなると僕のは正直に大きくなってびんと直立した。
「素直だの」
おかしそうにさっちゃんに言われるのが恥ずかしい。
721 :
125:03/08/29 23:06 ID:wv2Ms56e
「わかったよ、やればいいんでしょ」
それまでのことを払拭するようにわざとらしく大声でそう言った。
くすくすとさっちゃんが笑っている。
「そうかそうか。ならば入れてやれ」
彼女の手がさらに割れ目を拡げ、膣壁がめくれそうなほどぱっくりと見えた。
興奮が高まり、ペニスがびくびくと脈打ち始めた。
「ちと待て。濡れてないと痛かろう」
さっちゃんが舌なめずりし、突き出されたお尻に近づけていたペニスを咥え込んだ。
「んッ」
口内は熱く、舌使いも絶妙で鈴口をピンポイントで攻めたり、亀頭全体を撫でるようにぺろぺろとしてくれる。
「ほれ、これで十分だ」
あっさりと口から僕のを引き抜いた。
「寂しいならば早くこっちに入れてやれ」
さっちゃんが促がすけどその必要はない。僕はもうその気だ。
くちゅくちゅと乾いているその娘の膣口へ先端をすりつける。
ぐっと腰を突き出すと、さっちゃんに舐めてもらったのが幸いしてずっと入った。
しかしすぐに挿入がとまった。
彼女の中は締めつけが強いとかそういったものじゃなくて、硬い。
全然使い込まれてないそこは、初めて梨紅さんとしたときの感覚と似ている。
「ふむ。穴が小さすぎるか」
さっちゃんの指が両方からずんっと彼女の中に入り込み、穴を拡げるようにぐっと指で開いた。
「ほれ、これで少しは拡くなったか?」
「そんな無理矢理な」
「かまうものか。これほどやってもまだ声さえ漏らさんやつにはこれくらいで丁度いい」
そうかなと疑問に思いつつも少しは拡くなった穴の奥へと自らを押し込んでいった。
ぎちぎちと食いついてくるけどさっちゃんの指が拡げているおかげで噛み付かれずにすんでいる。
722 :
125:03/08/29 23:07 ID:wv2Ms56e
「おお、奥まで入ったか」
さっちゃんの指が引き抜かれると、途端に膣壁が隙間なくぎっちりと締めつけてくる。
「んうッ、すごい締めつけ……」
「相変わらずこやつは……。まあいい、さあ主、はやく精を放ってやれ」
「いや無理だよ無理。こんなに締めつけがすごいと動けないよ」
「そうか」
さっちゃんが僕の後ろに回りこんだ。
「ねえ、何するつもり」
「前立腺を刺激しようと思ってな。なに、夢の中だから少しは我慢できる」
ずぶんと僕のお尻に何かが入ってきた。
「んぎぃッッ!い、痛いよさっちゃん!」
「こら、そんなに締めるな。指が折れるではないか」
「指ッ、指入れちゃったの?!ひぐッ、痛い痛い、こねくり回さないでッッ!」
「うん……うん、ここか。えいっ」
「ひぐぁぁぁあッッッ!!?」
僕の腸内でさっちゃんの指が曲がるのが伝わってきたかと思うと、途端に射精が堪えられなくなった。
動かすこともなく、僕は彼女のなかでびゅるびゅると精液を放ってしまった。
なんだろう、この感じは。一気に絶頂まで到達させられてしまった。
「よく出るの。さすが前立腺効果といったところか」
さっちゃんの言うこともわからずにぐったりと身体が重くなってくる。
「こら、まだ終らんぞ。もっと注いでもらわんと効果が薄い」
「ま、まだ……するの?」
「当たり前だ。ほれっ」
また中でさっちゃんの指が動き回り、僕のもあっという間に力を取り戻した。
「今回はずっとこれでしてもらおうか」
さっちゃんの声が絶望的に遠く聞こえる。その言葉が理解できないまま、僕は延々と弄られ続けた。
723 :
125:03/08/29 23:07 ID:wv2Ms56e
「――あれだけ精を注いでやったというのに、あやつは目覚めぬかよ」
ひりひりと痛むお尻をさすりながら、僕は教室へと向かっていた。
「せっかく主の尻まで使ったというのに、まったく」
夢の中で感じた痛みがそのままお尻に残っている。
(もう尻なんか弄らないでよ)
「さあな。主の反応が面白いからこれからも弄るかもしれんな」
(絶対にダメっ)
さっちゃんに釘を刺しつつ教室のドアを開けた。
『…………』
今日も冴原が中央に陣取っているが、クラス中が重い雰囲気に覆われている。
「今日はどうしたの」
鞄を机に置いてからいつものように関本に訊ねた。
「今日のニュース見てこなかったのか?」
「う、うん」
さすがにお尻の痛みでニュースどころじゃなかった。
「昨日もあったんだよ、婦女暴行事件」
「昨日も?」
二日続けてあったのは確かに驚いた。でもそれだけじゃこのクラスの雰囲気の重さが説明できない気がする。
724 :
125:03/08/29 23:08 ID:wv2Ms56e
理解できていない僕に後ろから日渡君が話しかけてきた。
「昨日の被害者は六名。そのすべてが東野中、つまりうちの女生徒だ」
「そんなっ!?」
沈黙を続けている教室の中に僕の声だけが木霊した。それを機に冴原が口を開いた。
「で、だ。昨日も襲われた被害者の中に共通点は、ない。あるとすればうちの生徒だったってことだけだ。
そのことがよっぽど効いたのか、警察もダークそっちのけでこの事件の解決に乗り出してる」
冴原がふっと一息ついた。
「けどだからって安心すんなよ。いつ誰が標的になるかわからねえからな」
その言葉は女子だけじゃなく、クラスの全員に向けられていた。
「けどこのクラスからはまだ被害者がでていないことが救いっていや救いか」
関本の言ったことにクラスの何人かが頷いた。
「死者がでていないことも救いだと、そう思いたいな」
日渡君がそう言った時に重い空気を打破するようにチャイムが鳴り響いた。
(そうだね。そう、思いたいよ)
(ああ。それにもし主が襲われれば、我が身を挺して守ってやる)
(僕ならいいよ。でも、他のみんなが襲われたらって思うと……)
(心配なら主がそいつを倒せば済む。怪盗の仕事ではないがな)
僕が犯人を倒す。さっちゃんのその台詞が、放課後までずっと耳の奥に残っていた。
725 :
125:03/08/29 23:09 ID:wv2Ms56e
Apart終了です。
ちと今回は萌え要素を排除気味です。了承ください。
おうおうおう・・・・
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
っとw
いつものをかましてから、
125氏乙です。
久しぶりにまともな日渡を見た。www
メイドと聞いてトワタソを思い出したけど、
ぺったんと聞いて、脳内から消え去った。ww
さてさて、小助さんも帰ってくるし、
この、パラレル具合がまたいいですね・・・ww
・・・・どうやら、俺のレスは長くなるようですな・・・w
長いのは一人しかいないと思ってくださいなv
ではでは、Bpartもお待ちしております・・・
かしこ
猟奇萎え
キタ━━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━━━ !!!!!!!!!!!!
おもろい。本物のDNではまずありえない事件なのが(・∀・)イイ!!
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェー を本文中に使う職人さんをはじめてみましたw
梨紗も梨紅も精霊も・・・ハーレムEDめざして?頑張ってくださいなw
125氏を見習ってSS考えるかなぁ・・・
730 :
125:03/08/30 22:01 ID:J9/AO2yo
>>729 おお、ぜひぜひどうぞ!!
お待ちしております。
このスレの容量あと40ちょいの寿命ですね。
次で使い切るでしょうか・・・。
731 :
125:03/08/30 23:00 ID:V4H8uLjI
その日の放課後は大世帯になった。
男子は僕に日渡君に冴原に関本。女子は原田さんと梨紅さんと福田さんと石井さん。
つまりいつものメンバーということだ。
二人の委員長は学校でいろいろとあるということで一緒じゃない。
「まあこれだけ固まってりゃ狙われることもないだろ」
冴原の言うことに、しかし誰も頷かなかった。
うちの学校の女子が襲われたことがまだみんなの胸につっかえていた。
冴原が小さく息を吐き、それっきり別れるまで誰も口を開くことはなかった。
家に帰り着くと母さんが出迎えてくれた。
「お帰りなさい。大ちゃん、昨日の事件のことは知ってる?」
「うちの女子が襲われた事件のことだね」
母さんが頷く。
「かなり危険な犯人らしいから、大ちゃんもしばらくお仕事のほうは休業よ」
わかったよ、と頷いてから部屋にいって着替え、それから夕飯を食べた。
テレビからは一昨日から起きている事件の特番みたいなものをやっていた。
部屋に戻り宿題をしようと机に向かうけど、どうあっても手につかない。
「あの猟奇事件が気になるか」
壁にかかるさっちゃんが言うことを肯定した。
「主も心配性だな。少し気をつける程度でいいだろう」
「それはそうかもしれないけど」
732 :
125:03/08/30 23:01 ID:V4H8uLjI
僕らの話を階下から響く母さんの声が遮った。
「大ちゃん、電話よー」
「はーい」
階段を下りると母さんが子機を手渡してきた。母さんの顔がすごくニコニコしている。
「はい、代わりました」
怪訝に思いながらも電話の向こうの相手に話しかけた。
「――もしもし、丹羽くん?」
「原田さんっ!?ど、どうして」
いきなり聞こえてきた原田さんの声に僕の体温が沸騰するように上昇していく。
でも舞い上がって慌てる僕を一気に現実へ引き戻すようなことを原田さんが言ってきた。
「梨紅が、梨紅が外に行っちゃったの!」
「え……」
「電話かかってきて、それで、友達が呼んでるとか言って、それで、それで」
「落ち着いて原田さん。冷静になって」
だいぶ混乱してるのが声からも伝わってきた。
僕も彼女につられて混乱しそうになるのを堪えてなだめるような口調で話しかけた。
僕がそうしたのが効いたようで、落ち着いて説明してくれた。
ついさっき原田さんの家に梨紅さん宛てに電話がかかってきて、梨紅さんがそれを受けるとすぐに出かけると言い出したらしい。
原田さんが問いかけると、梨紅さんの友達が今から家に帰ろうと思ったけど、一人が不安だということで梨紅さんを呼んだということだ。
733 :
125:03/08/30 23:02 ID:V4H8uLjI
「私不安で、どうしたらいいかわからなくて……」
原田さんの声が震えている。犯罪者がうろついている町中に梨紅さんが一人で飛び出したから当たり前だ。
僕は時間を確認した。七時になりかけるところで、空には雲がかかって少し翳っている。
だからって安心できない。事件が起きる時間帯も不定期で、もしかしたらもう活動しているかもしれない。
「原田さん、梨紅さんの服装はわかる?」
「う、うん。黄色のシャツに青のショートパンツ。でもどうして……」
「わかった。僕が梨紅さんを探してくるから、原田さんは家で待ってて」
「そんな!」
「いいから、僕を信じて」
少し間をおいて、原田さんが受話器の向こうで小さく頷く声が聞こえた。
「ありがとう。じゃあまた」
「ぁ……」
電話を切る直前向こうから何か聞こえた気がした。
少し気にはなったけど、今は梨紅さんを探すほうが先決だ。
急いで二階に駆け上がり、
「ウィズ、さっちゃん、ちょっと出かけるよ」
クローゼットの中から黒い服を取り出してそれに着替える。
「仕事はないのではなかったか?」
「仕事じゃない。梨紅さんを探しに行くんだ」
「あの小娘を?危険ではないか」
「わかってる」
着替え終えるとさっちゃんを首に提げ、ウィズを肩に乗せてベランダから暗雲に覆われた空に飛び出した。
翼と化したウィズが僕の身体を上空へと飛翔させる。
「それで、小娘の居場所の見当はついておるのか?」
「全然ないよ。でも探すしかないよ」
胸の奥がざわざわして気持ち悪い。嫌な感じがして、不安で堪らない。
734 :
125:03/08/30 23:04 ID:J9/AO2yo
「梨紅、ありがと」
梨紅にお礼を言うのは、少し気の弱そうな女生徒である。
彼女がいつものように塾へ行くと、今日から無期限の休業に入っていた。
しかし彼女はそのことに気付かず、そこが開くのを待っていたらこんな時間になったと説明した。
「ホント、あんたっておっちょこちょいなんだから」
「うう、ごめんなさい」
ぺこりと地面に額がつきそうな勢いで謝るのを見て梨紅は苦笑した。
「いいってば、顔上げて。んじゃあたし帰るね」
電話で呼んだ友人を家まで送り届けてから梨紅は自転車に跨り帰ろうとした。
「待って!一人じゃ危ないよ。今日は泊まっていったら?」
その申し出を受けて少し困った表情を浮かべた。
「今は親もいないし、梨紅が泊まっても問題ないよ」
「ありがと。でも梨紗を家に一人にしとくわけにもいかないから」
この事件のせいで坪内も家族の元へ戻っている。つまり原田低には梨紗しかいないということだ。
「そう……じゃあ気をつけてね。今日は本当にありがとう」
梨紅は笑って手を振り返し、そしてその場を後にした。
自宅までは大体七分。遠いような近いような微妙な距離である。
七時を少し過ぎた時間だが空には雲がかかり暗い雰囲気が町全体を覆っている。
通りには事件を用心してか、人通りはほとんどおらず、梨紅だけが自転車でそこを通っている。
(なんか、やな感じ)
空気がぴりぴりと張りつめたような、そんな緊張感がそこかしこから滲み出ているのを敏感に感じ取った。
「さ、帰ろ帰ろっと」
陰鬱な気分になりそうなのを吹き飛ばすようにわざと声を出してペダルを漕ぐ脚に力を込めた。
735 :
125:03/08/30 23:05 ID:V4H8uLjI
どういうことだろう?
先ほど目を覚ましたばかりの男はそう思う。
昨日まではまばらとはいっても餌の姿がいくつかは見えていた。
だが今日はどうだろう。まったく姿が見えない。
ああ。
男の中にどんどんと苛立ちがつのる。
このまま何もかも破壊してしまおうか。
それはいけない。餌がなくなってしまう。
ああ。
どうしよう、どうしよう、このイライラが治まらない。
男がそう考え、行動に移そうか迷っていた時、獲物の気配を感じ取った。
すぐにその気配のほうへ駆けて行き、そして見つけた。
自転車に乗ってすいすいと進んで行く女の後ろ姿を。
それも少女だ。男の好みの少女だ。
どうするか?一気に後ろから襲い昏倒させるか?
いやだめだ。それだと女の絶望も、絶叫も、恐怖も抵抗も甘美な喘ぎもなにも味わえない。
それが男の望むもの。
ああ。
もう考えるのはやめよう。面倒だ。襲ってしまおう。
男は流れるような速さで梨紅の背後へ迫り、そして右手を振り上げた――
736 :
125:03/08/30 23:07 ID:V4H8uLjI
背後から聞こえたごっ、という鈍い音に梨紅は振り返った。
そこには薄汚いコートを着た男の頭を壁に押しつけている黒服の少年の姿があった。
「丹羽くんッ!?」
その光景に驚いた梨紅は思わず脚をついて止まった。
「梨紅さん逃げて!」
男を押さえつけたまま大助は大声で怒鳴った。
「逃げてって、なんで……」
「いいから早く!」
事情が飲み込めずにわたわたとしている梨紅に切羽詰ったようすで怒鳴り続ける。
(っ!まずい、離れろ!)
「――!?」
男の右腕が振り上げられた瞬間、さっちゃんが大助の頭の中で叫んだ。
右腕が振り下ろされる直前に押さえつける手を放して飛び退いた。
振り切った腕の先、コートの中からは一筋の光りが放たれている。それは――
737 :
125:03/08/30 23:09 ID:K+LyNIHv
「あれは……紅円の剣?」
見覚えがあった。
それは二日前に蒼月の盾の写真の下にあったもう一枚の写真に写っていたそれと同じものに違いない。
あの真紅に染まる刀身の、その色だ。
この状況下ではその色は、ありきたりな表現だけど血のように真っ赤だ。
(なるほど。この事件の犯人とはこの美術品だったか)
(美術品が……。そんなことがあり得るの?)
(何かの拍子に剣の魔力が暴走したのだろう。不安定な魔力しか持たぬやつに稀にあることだ)
さっちゃんの説明は相変わらず僕の頭じゃ要領を得ない。
けど今は関係ない。どうにかしてこいつを梨紅さんから遠ざけないといけない。
(けど、どうやって)
あの長い刀身を受け止められるのは首に提げている短剣くらいだけど、はっきり言ってこれでやりあえる自信はない。
(そうだ。さっちゃんあれ、プールでやった時みたいな衝撃波を)
(無理だ)
あっさりと否定された。
(彼奴を一時的に行動不能にはできるかもしれんが、それ以上は効果は望めん)
(そんな!どうして)
(わからんか?彼奴と我では力に差がありすぎる)
さっちゃんが嘘を言うわけもなく、その声には緊張が満ちている。
「くっ……」
完全に手詰まりだ。倒す手段がない。
738 :
125:03/08/30 23:10 ID:K+LyNIHv
男が梨紅さんに向き直る。僕なんか相手にしないつもりか。
「ひっ」
梨紅さんが恐怖に身体を引きつらせた。男が一歩一歩と彼女に近づいていく。
黙ってみていることもできずに二人の間に割って入ろうとした。
(……ひとつ、考えがある)
「え」
(ウィズ、主の部屋から蒼月の鏡をとって来い)
(蒼月の鏡?それがあればどうにかなるの)
(わからん。が、これは賭けだ。うまくいけば小娘を助けられる)
「……わかった。行け、ウィズ!」
「キュウゥッ!」
ウィズが僕の肩から黒翼に姿を変えて上空へ飛び立った。
それと同時に男に駆け寄って脚払いをかけて転倒させた。
「――」
転倒して起き上がる前の隙に梨紅さんの腕を掴み、身体を引き寄せて抱きかかえた。
「わ、わわっ?!丹羽くんっ……」
「黙って。舌噛むよ」
梨紅さんを抱いたまま建物の外壁を蹴って跳びあがり、反対側にある外壁も同じように蹴り、そのまま建物の屋上へ向かった。
ああ。
邪魔をされた。狩りの邪魔を、食事の邪魔を。
ああ。
あの少年、目障りだ。殺そう。
739 :
125:03/08/30 23:10 ID:K+LyNIHv
屋上に梨紅さんを降ろすと目をぱちぱちして僕を見てきた。
「あ、あの、に、丹羽くん……だよね」
「うん」
「今、今壁蹴ってここまで……」
「梨紅さん」
曲芸まがいの壁蹴りをしたせいで驚かせた梨紅さんの肩に手を置いた。
「僕が時間を稼ぐ。それまでにできるだけ遠くに、人の家に上がりこんでもいいからとにかく逃げるんだ」
「丹羽くん、丹羽くんが時間稼ぐって、どうして……ッ」
背後でどすんと何かが落ちる音がした。それを見て梨紅さんの目が恐怖で見開かれる。
「いい?合図したらすぐあそこの扉から逃げるんだ」
目でそちらのほうを促がす。後ろからは足音が近づいてくるのが聞こえる。
「あ……、あ……」
「梨紅さん」
がしっと肩を強く掴んで僕のほうに意識を向けさせる。
「逃げるんだ。いいね」
「ああ……」
後ろから近づく音が大きくなってきた。。
740 :
125:03/08/30 23:12 ID:V4H8uLjI
「行って……早く行って!」
梨紅さんを扉のほうへ突き飛ばした。
「に、丹羽くんっ」
「早くっっ!!」
僕が怒鳴ると一瞬だけ僕を見つめ、そして背中を向けて走り去った。
それと同時に後ろから聞こえる足音も速くなる。
梨紅さんを追うつもりだと確信していた僕は振り向きざまそいつに足をかけようとし、
「避けろっ!」
行動に移すより早くさっちゃんの怒号が聞こえてきた。
「!?」
わけもわからず、でも言われるままにその場から飛び退くと、さっきまで僕がいたところに男が右腕を振り下ろした。
「なっ」
梨紅さんを追いかけると思い込んでいた僕にはその行動が信じられなかった。
さっちゃんが危険を知らせてくれなかったら僕の身体は二つになっていただろう。
「どうやら主から始末するつもりのようだ」
「それは……好都合、かな」
強がりを言うのが精一杯だ。
空からはぱらぱらと雨が降り始めていた。
741 :
125:03/08/30 23:13 ID:V4H8uLjI
「雨……」
ぱらぱらと自室の窓を叩く音に気付いた梨紗はまどろみかけた意識を頭を振って呼び戻した。
窓へ近づき、指でなぞるように窓に触れた。
「梨紅」
ぽつっと姉の名前を呟いた。雨の中、まだ外にいるであろう彼女のことを思うと不安で堪らない。
「……丹羽くん」
続けるようにして姉を探してくれている彼の名前を口にした。
梨紅を探しに行くと言ってくれたとき、少しばかり姉に嫉妬していた自分がいることに気付いていた。
「最低ね、私」
卑下するように言い、こつんと窓に額を当てた。
「あら?」
その時、雨の中を飛ぶ一つの影が目に入った。
「鳥……かな」
それにしては飛び方がおかしい。がくがくと、今にも墜落してしまいそうだ。
梨紗には見えなかったが、その黒い鳥は首に蒼く光りを放つ何かをかけていた。
雨は本格的に降り始め、明日までやみそうにない。
742 :
125:03/08/30 23:14 ID:V4H8uLjI
雨を斬り裂いて男の剣撃が繰り出される。
それを紙一重でかわしていくが、すでにいくつかの裂傷が身体に刻まれていた。
「ウィズはまだ戻らんか!?」
「雨が降ってるし、濡れて体力が落ちてる、と思う」
「ちいっ。主、危ないと思えばすぐに我を抜け。体勢を立て直す時間稼ぎにはなる」
「わかってる!」
ウィズが着くまで魔力は温存してくれと言われたので、今はさっちゃんなしで闘わないとならない。
僕の魔力の制御が未熟なせいで短剣を抜いた瞬間魔力の大半が漏れるからだと言われた。
体力には自身がある。だからかわし続けられると思っていたけど甘かった。
「くぅっ」
男の剣撃はどんどん速くなっている。目が追いつかなくなりそうだ。
「――あ」
「なに?!」
雨で濡れた屋上に脚をとられた。尻からどすんと転倒した。
見上げると男は頭上高く右手を掲げている。
(死ぬ……?)
ただ漠然とそう思った。死が、僕の心臓をがっしりと掴んでいる。
「抜けえぇぇっっ!!」
言われるまま、僕は咄嗟に短剣を抜き放った。
短剣が、いやそれが放つ強烈な閃光が男の右腕を受け止めた。
僕と男の間で激しい爆音が響き、僕の身体は宙へ放り出された。
743 :
125:03/08/30 23:15 ID:K+LyNIHv
頭の中にイメージが流れ込んでくる。
制服を破かれ、地面へ押さえつけられる少女。
ショーツを脱がせて、ただの縦筋でしかないそこに無造作に男の先端が割り込んでいく。
少女の苦悶の叫びが男の耳に届き、そいつは悦んでいる。
いやだ、こんなのは聞きたくない。
けど男の動きは止まらない。腰を動かす。
動かすたびに少女の小さな膣道が裂けていく。
気持ち悪い。僕には不快でしかない。
こんなことをしてこいつは悦んでいる。そのことが僕の理解を超えている。
させちゃいけない。こんなことを、あいつにさせちゃいけない。
(そうだ……、梨紅さんを、守らなきゃ!)
744 :
125:03/08/30 23:16 ID:K+LyNIHv
朝目覚めた時のように意識がはっきりと覚醒した。
「って、落ちてるうぅぅっっ!?」
浮遊感を感じたと思うとすぐに下に引っ張られていく。
「うわわあぁぁあぁっっっ!!」
「慌てるな」
(さっちゃん冷静すぎ!)
もう声も出せない。体勢を立て直そうにもすでに勢いがつきすぎている。
ただ地面に向かい一直線に落下していく。
「案ずるな。間に合った」
え、と思う間もなく僕の身体が上のほうから引っ張られる。
「ぐへっ」
かえるが潰れたような声を出し、さっきまでとは逆に身体が上昇する。
「ウィズ!」
「ンキュウ」
そいつの名前を呼ぶと嬉しそうに声を上げ、僕を屋上へと運んでくれた。
「キュウゥ……」
僕を屋上へ降ろすとウィズが白い毛玉のように丸まった元の姿へと戻った。
降り続ける雨に濡れて体力を消耗しすぎている。
745 :
125:03/08/30 23:17 ID:K+LyNIHv
「ありがとうウィズ」
ウィズに礼を述べて屋上をぐるっと見回した。
「いない?」
「彼奴め。もう動けるのか」
「あれからどのくらい経ったの」
「十秒かそこらだ。まだ遠くまで行っておらんはずだ」
「わかった」
急いであいつを追おう。さっき頭に過ぎった嫌なイメージみたいなことはもうあっちゃいけない。
「待て」
駆け出そうとする僕をさっちゃんが呼び止めた。
「ウィズの努力を無にする気か?あれを、蒼月の鏡を身につけい」
眠っているウィズの横には薄暗い今でも淡く光りを放つ蒼月の鏡が転がっている。
「身につけるって?」
「裏側に腕へ固定するためのものがついておる」
「本当だ」
鏡の裏にはさっちゃんが言ったとおり腕に丁度はまるように器具がついている。
「昨日そいつと一緒に壁にかけられたとき気付いた。おそらくそれが本来のそれの使い方だ」
がきんと腕に鏡を装着した。こうやって見ると、鏡というよりも……。
「いや、そんなことより早く梨紅さんを探さないと」
「あの小娘を追っていったと思うか。まあ間違いなかろう」
ウィズを雨に濡れないように懐に入れて、僕は梨紅さんを追って駆け出した。
「探しながらでいい。我が言うとおりにそれを使え。それを――」
746 :
125:03/08/30 23:17 ID:K+LyNIHv
「はあっ、はあっ、ん……は、はぁっ」
梨紅は走り続けていた。ただがむしゃらに、大助が言ったように逃げていた。
雨で濡れた服の重さがラクロスで鍛えた梨紅の体力を吸い取るように消耗させていく。
(なによ、なんなのよあれって!)
自分の身に降りかかった非現実な出来事に混乱し、どうしていいかわからずにただ走り続ける。
闇雲に走り回ったせいで、そこが居住区から少し離れていたことに気付かなかった。
「あうっ」
足を滑らせて前のめりに濡れた地面に激突した。
「うう……」
痛くて、気持ち悪くて、理解ができていないが、それでも大助が言ったから、彼女は走り続けようとした。
だが、雨が降り続ける中で微かに、しかし聞き違えることのない音が梨紅の耳に届いた。
「あ――」
ぱしゃぱしゃと水を踏みながら、前方の闇から人影がすっと現れた。
「あ、あっ」
意味のない音だけが喉から漏れる。這うように後ろへ下がっていく。
(丹羽くん……は?)
あいつがここにいるということは、つまり、そういうことなのか?
梨紅の中でどうしようもないくらいぽっかりと大きな穴が開き、そこから虚無感が押し寄せてくる。
男が駆け寄ってくる。もう無理だ、諦めだけが梨紅の胸を占めた。
「――くさん!!」
747 :
125:03/08/30 23:18 ID:K+LyNIHv
ああ。
またあの少年だ。
せっかく獲物が目の前にいるのに、彼がまた立ちはだかった。
獲物を守るように上空から降り立ち、また立ちはだかるのか。
あれだけ傷を負わせ、恐怖を植えつけ、それでも立ちはだかるのか。
いや。
止めを刺さなかったほうが悪いか。
大丈夫、安心しろ。次こそちゃんと仕留める。
これで最後にしよう。
こちらに向かってくるその頭に、右腕をぶち込んでやろう。
あんなに短い剣を構えても無駄だとわからないのだろうか。
腕を振り上げ、そして狙った一点に振り下ろした。
「――今だ、防げ!」
さっちゃんの掛け声にあわせて左腕をかざした。
装着した蒼月の鏡が振り下ろされてきた紅円の剣の剣撃を受け止めた。
腕にビリビリとした衝撃が伝わる。
(けど、斬れてない!)
748 :
125:03/08/30 23:19 ID:K+LyNIHv
蒼月の鏡なら防ぐことができる。そう思った瞬間、
パリィィィン
「割れたぁっ!?」
鏡が音を立てて粉々に砕けた。
「いや、これでいい……と思うがな」
「なにそれっ……?」
腕に残った鏡の装飾部が光りを強く放ちだした。
淡くぼんやりとするだけだった光りがその町の一角だけを蒼く染める。
「これって……?」
「ふふん。喜べ、賭けは我らの勝ちだ」
勝ちとはどういうことか飲み込めない僕の頭の中にさっちゃんとは別の声が聞こえてきた。
「あら?おはよーございます」
「んんっ!?」
その妙に間延びしたような呑気な声がまったくこの場にそぐわない。
「やっと起きたか、レム」
レムっていうのは、今頭の中に聞こえた声の人物のことなのか?
「あ、さっちゃん!おひさぁ」
「挨拶はいい。目覚めて早々ですまんがお主の魔力をすべて我によこせ」
「えぇっ!?なんでどうして!ってもう吸われてるうぅぅーー……」
腕の装飾から魔力がしぼむように小さくなり、右手にした短剣に爆発するほどの力が集中していくのが僕にもわかる。
749 :
125:03/08/30 23:21 ID:K+LyNIHv
「うわあぁぁぁぁっっっ!!」
逆手に構えた短剣で薙ぐように男の腹部へ斬りつけた。
眩い閃光が視界を奪う。
耳をつんざくような不可聴の音が周囲の建物に亀裂を生じさせる。
そして金属が地面へ落ちる甲高い音がかろうじて聞こえた。
白い世界に覆われていた視界がが少しずつ現実の世界を捉えだす。
斬りつけた体勢のままの僕の足元に、真紅の刀身をした剣が雨に打たれていた。
短剣を鞘に収めて右手でその剣を拾い上げた。
「やった……の、かな?」
その問いかけに答えてくれる声はなかった。けど、僕にはわかっていた。
「……は、はは。そっか、やったんだ」
そう思うと急に足腰から力が抜けて、建物にもたれるようにして腰を下ろした。
「紅円の剣、いただきました」
怪盗らしくそう言っておいた。しばらく、このまま動けそうにない。
遠くのほうからばしゃばしゃと水飛沫を立てて駆け寄ってくる人の姿が目の端に映った。
「丹羽くん!」
動けない僕の顔を梨紅さんが覗き込んできた。
「大丈夫!?あ、ああ大丈夫じゃないよねっ、こんな切り傷いっぱいで……ッ!」
「無事で、よかったよ」
石みたいに思い左腕をなんとか上げ、彼女の頭をそっと引き寄せた。
「ホントに、よかった……」
「に、丹羽くん、……ぅぐっ、ひぐっ」
心底安心した僕がそう囁くと、堪えてきたものが決壊したように梨紅さんがしゃくり上げた。
「もう大丈夫だから。絶対に」
なだめるようにして、彼女にずっと声をかけ続けた。
降りかかる雨をひどく鬱陶しく感じてしまう。
750 :
125:03/08/30 23:22 ID:K+LyNIHv
しばらくそうしていると、泣き疲れた梨紅さんが僕に寄りかかるようにして寝息を立て始めた。
僕もそのまま寝てしまいたいと思ったけどさすがにそうもいかない。
「ウィズ」
名前を呼ぶと僕と梨紅さんの間からウィズがもぞもぞと姿を現した。
「飛べるかな?」
雨はまだ降り続いている。ウィズは首をぶんぶんと横に振った。
「そっか。じゃあ歩いていくしかないね」
立とうとしたけどまだ身体中が軋むように痛い。
「まだ動けないか。いててっ」
再びどすんともたれかかった。その時、首から提げた短剣が音もなく崩れ去った。
「…………え?」
僕が疑問に思っている間にも短剣は、砂が風に飛ばされるようにさらさらと、この世から消え去った。
「さ、っちゃん?」
呼びかけても答えは返ってこない。
「さっちゃん?ねえ、さっちゃん!」
首だけを廻らせて周囲に何度も呼びかけた。
「なんだ、騒々しいぞ」
どこからか答える声がした。
「え、さっちゃん……?」
けど、何か違うと思った。その違和感の正体はすぐに察しがついた。
僕が訝しく思ったのは、その声がいつものように直接頭に響くようなのじゃなくて、肉声が耳から聞こえてきたからだ。
それになんというか、口調は間違いなくさっちゃんだけどすごく若々しい、というか幼い感じがする。
「呼んだか?」
梨紅さんの影になって見えなかったところからぬっと人影が生えてきた。
「え、え、ええぇぇぇっっ!!?」
その容姿は、彼女特有の小悪魔的な雰囲気を残しつつ、それを小学校中学年まで引き下げたような、そんな感じだ。
もちろん彼女というのはさっちゃんのことだ。
「どうし、どうして、って、あれ……?」
混乱したせいか、なんとか保っていた僕の意識はぐんぐんと引きずり込まれて堕ちていった、
751 :
125:03/08/30 23:22 ID:K+LyNIHv
雨が降り続ける中、一人の男が傘も差さずに一軒の家の前に立っていた。
その家の表札には『丹羽』と書かれている。
「久しぶり、かな?それとも……」
何と言って家に入ろうかなどと考えつつ、彼は玄関のドアを開けた。
次回、パラレルANGEL STAGE−06 幼女との死闘
きたー!!
アクション巨編きたー!!
幼女なさっちゃんきたー!!
梨紅に色々と見せちゃったけどどうなるのかな。
梨紅vsさっちゃんの女のバトルが始まるのかな。
続きをまたまた期待!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
最近、125氏はここのアップが早いですねぇ・・・
嬉い限りです!!
梨紅は・・・なにやら大変な事になりそうですなww
んで、新キャラのレムタソこの性格は・・・
(゚∀゚)イイ!!じゃないですかぁw
しかも、最後の男はもしや・・・もしや・・・
坪うt・・・・ゲフンゲフン
期待ばっかだけど、キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━イ!!!
ついでに、729氏にも、キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━イ!!!のエール!!
キタ━━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━━━ !!!!!!!!!!!!
次回もツインズです! じゃなくて原田姉妹と精霊達に幸あれ。
>>730 それじゃ、次スレに行ったらネタを考えてみます。
おぉ!はじめてここに来たけどすごい人がいる!
続き楽しみにしてまふ。
とりあえず、保守。
125氏がんばってねぇ〜
みんなも応援汁!!(w
よ・・・・・ 読む時間が・・・・・・・・・・・___| ̄|○
>>758 いつでもくればいいさ!!
その時間じゃさすがに読めないさぁ
○
/\
_| ̄|○| ̄|_
専用ブラウザ使ってるからわからんのだけど、
あと容量どれくらい?
(・・・IEで見れば良いのでは・・・)
>>760 かちゅーしゃでもスレ容量は表示されますよ。
現在479kbです。
>761
thx
A bone使ってるんで・・・(汗)
512-479=33・・・・・・ま、なんとかなるよねw
>>762 でもSSを投下するには微妙だよねw
用心のために次スレのテンプレは用意しておく?
>763
そだね。ww
じゃあ、テンプレとローカルルール(・・・あるか!?)などをまとめておいて、
あとは、125氏がstage06ができたら、報告してもらって、
それから、立てればいいかな?
梨紅たんショートだから結構描きやすい・・・。
766 :
125:03/09/04 02:01 ID:xVqmUpsV
>764
パラレルのほうはもうすぐApartが終了しますよ。
ん〜では、次スレ立てます?
とはいっても、まだ日が浅いんで、立て方よく知らないからな・・・
一応、挑戦してみます。
やっぱ駄目でした _| ̄|○
すいません・・・どなたかおねがいします・・・
やっぱスレタイは
「D・N・ANGELのハァハァ小説 Stage2」
でつかね?
あとは・・・
・801は801板で
・原作や、アニメの話以外は、「大っ嫌いよ!!」って方はご遠慮ください。
・↑に準ずる方もご遠慮ください。
ぐらい?
下手ですいません・・・
長文が多く、スレ数以上に容量を食うので、480kbを目安に次スレの準備を。
こんなのは?
770 :
名無しさん@ピンキー:03/09/04 19:54 ID:If8kUkAi
スレタイは今回の形式を引き継いで
「【トワタン】D・N・ANGELのハァハァ小説 Stage2【瑪瑙タン】」をキボンヌ
若しくはフリーデルトタンと時の秒針タンかで悩みたい
Stage2を第2巻とかでもいいかも
個人的な意見なので流してくれても結構でつ
771 :
770:03/09/04 19:56 ID:If8kUkAi
ageてしまった・・・スマソ
【トワタン】D・N・ANGELのハァハァ小説 Stage2【瑪瑙タン】
☆前スレ☆
【梨紅タン】D・N・ANGELのハァハァ小説【梨紗タン】
url略
★注意★
・801は801板で
・原作やアニメの話以外は、「大っ嫌いよ!!」って方はご遠慮ください。
・↑に準ずる方もご遠慮ください。
・480kbを目安に次スレの準備を。
・sage進行でマターリとss職人さんを待ちましょう。
今の所こんな感じで
何か注意に入れる事ありますか?
>>772 初めと終わりは今のままでもいいのでは??
ネタ的に見ても、梨紅・梨沙が多かったし、検索したときに
大抵皆梨紅とか梨沙で検索するのでは??
>>772 保管サイトへのリンクは要らないかな?
知らない人もいるかも。
>773
たしかにそうかも・・・
梨紅梨沙は検索もネタもおおいよな・・・
まぁ、梨紅がダントツだが・・・w
それは抜きにして、その方向がいいかな?俺は。
あと、注意のところで
・原作やアニメの話以外は、「だいっっキライよっ」って方(ry
に変えといてください(汗
ちょっと、気に入ったセリフだったので表記もあわせようとおもって・・・w
【梨紅タン】D・N・ANGELのハァハァ小説 Stage2【梨紗タン】
☆関連スレ☆
【梨紅タン】D・N・ANGELのハァハァ小説【梨紗タン】
url略
2chエロパロ板SS保管庫
url略
★注意★
・801は801板で
・原作やアニメの話以外は「だいっっキライよっ」って方はご遠慮ください。
・↑に準ずる方(ry
・480kbを目安に次スレの準備を。
・sage進行でマターリとss職人さんを待ちましょう。
他にも書き足しor変更点あれば
次スレ立てるのは800ゲトしたヒト辺りで?
>776
125氏をあんまり待たせるのもどうかと思うケド、
まぁ、800ぐらいまでは、まったりしながら、テンプレ練ってもいいし、
もちろん、A partも完成するみたいだから、
適当なところで建てちゃってもいいと思うさぁ
まぁ、800でいいかな?
(取らないようにしないとな・・建て方知らないし・・・汗)
>>777 まあ、パラレルANGEL1話分くらいなら残された容量でも収容できるんだが。
779 :
125:03/09/04 22:31 ID:xVqmUpsV
>>778 でしたら投下しますよ。Apartだけですが。
780 :
773:03/09/04 22:44 ID:VD0XGDAc
781 :
125:03/09/04 22:50 ID:xVqmUpsV
玄関のチャイムが鳴らされる。
まどろみかけていた意識が呼び戻され、原田梨紗は玄関まで駆けていった。
「梨紅っ!」
ドアを開けると同時に帰りを待っていた人の名前を口にした。
そして、そこに立っていたのは原田梨紅ではなく、彼女を背負った丹羽大助だった。
「丹羽くん、梨紅、梨紅は?!」
「大丈夫。気を失ってるだけだから」
彼は微笑むが、身体中あちこち刻まれている切り傷が痛々しい。
「その傷……」
「そんなことより早く梨紅さんを。雨に打たれて身体が冷えちゃってる」
「でも、丹羽くんだって傷の手当てしないと!」
「僕は平気。だから梨紅さんをお願い」
梨紗の言うことをそっと断り、梨紅を床の上に降ろした。
「服を着替えさせて身体拭いて、しっかり暖めてあげて」
「う、うん」
「じゃあ僕は帰るよ。それじゃ」
「あ、待って」
玄関から出て行く大助の背中に呼びかけるが、彼には聞こえないのか、そのまま扉を閉めて姿を消してしまった。
「…………ありがとう」
彼女は彼に言えなかった台詞を口の中で小さく呟いた。
782 :
125:03/09/04 22:51 ID:xVqmUpsV
痛い。身体中がぎしぎしと悲鳴をあげている。
ここまで歩いてこれたのは原田さんに梨紅さんを探すという約束をしていたおかげだ。
それが終った今、僕にはもう歩くほどの気力も体力も残されていない。
玄関を出ると倒れそうになるのを堪え、雨の止んだ世界を踏みしめて歩き出した。
「終ったか?」
フラフラと危な気な足取りで歩く僕を支えるように、鏡――ではなく、
盾を抱え、剣を背負った少女がぴったりとくっついてきた。
「うん、帰ろうか」
ウィズを呼ぶとさっちゃんの肩からひょっこりと顔を覗かせた。
「いける?」
「キュッキュッ」
身体が乾いたおかげですっかり元気を取り戻したみたいだ。元気に返事をしてくれた。
「じゃあ帰ろう。さっちゃん、掴まって」
ウィズが黒翼に姿を変え、さっちゃんが前から腰にしがみついてきた。
「うんん、すりすり」
「……さっちゃん」
「なんじゃ」
「どうして股間に顔を埋めて頬擦りしてるの?」
「おお、悪い。久々の生の男を前に少し自制できなんだ」
「まあ、いいけどさ」
ぶわっと翼を扇ぎ、上空へと飛翔した。
783 :
125:03/09/04 22:52 ID:xVqmUpsV
「ねえさっちゃん」
「どうした?」
前にしがみつかれると飛びにくいと言うと、渋々背中に乗ってくれたさっちゃんに訊いた。
「どうしてそんな姿になっちゃったのさ」
「そのことか。説明してなかったな」
「うん」
「レムから魔力を譲り受けた時にその量が多くてな、一時的に実体化することでその魔力を外へ逃がしたのだ」
「どうして外に逃がしたの」
「そうせねば短剣という器に収まりきれぬ魔力が漏れてしまい予測できぬ事態が起こることがあるからな」
「そっか。じゃあどうして短剣は崩れちゃったの?」
「おそらく我の魔力の増強が急すぎて耐え切れなかったのだろう。それにもともと戦闘には向かぬ代物であったしな」
「へー。あ、それともう一つ訊いていい?」
「何でも訊いてみろ」
「蒼月の鏡……じゃなくて盾、かな。とにかくさ、今も言ってたレムっていうのは」
「ああ。察しの通りこれに宿る精霊の名だ」
盾をこつんと叩いて答えた。
「ちなみにレムはゴーレムと呼ばれる種族の一人だ。主も聞いたことくらいはあろう?」
「ゴーレムって、なんかごつごつしてるあれ?」
「そう、それだ」
「へー。でもさ、僕が夢で見た女の子はそんなのとは全然違う細い娘だったよ」
「見た目で判断するな。現にこやつはあの紅円の剣の一撃を防いだだろう?」
「それって関係あるの?」
「精霊が宿った物にはその精霊の特性が少なからず影響する。だからこれも盾として機能したのだ」
「へー」
「勉強になったか?」
僕より幼い女の子が得意げに聞いてくる。ちょっと複雑な気分だ。
でも僕には魔力やそれに関する類の知識がまったくない。さっちゃんに頼ってしまうのも仕方がないことだ。
784 :
125:03/09/04 22:53 ID:xVqmUpsV
さっちゃんと話しているとすぐ家に着いた。
家を出たときと同じように部屋のベランダから自分の部屋へ戻った。
ベランダに足がつくと途端に身体が重くなり始めた。
「うっ……」
ふらっとからだが揺れて窓にどんともたれかかった。
「本当に大丈夫か?今日はもう休んだほうがいいぞ」
「う……ん、そうするよ」
窓を開けて部屋へ入った。
「お帰り」
「ただいま」
のそのそと二段ベットに上りごろんと寝っ転がった。
「その様子だと大分疲れたようだね」
「うん……」
天井を眺め、すぐに瞼が重くなってくる。
「ん?そっちの少女はどちらの娘さんかな?」
「我は主に仕える精霊だ。今は訳あってこのような姿をしている。で、貴様は誰だ」
「僕は丹羽小介。そこで寝ている大助の父さんだよ」
「って父さん!!?どうして僕の部屋にいるのさっっっ!!」
がばっと跳ね起きた。
「やっと気付いたのか」
ははっと僕に笑いかけてくるのは紛れもなく僕の父さんだ。椅子に腰掛けている。
「どど、どうして父さんが?っていうかいつ帰ってきたの?」
「ついさっきだよ。ちゃんと帰るって手紙出したんだけど、笑子さんに聞いてなかったのかい?」
「全然。そんなこと言ってなかったよ」
「笑子さんも意地悪だね」
「あー……、親子水入らずのところ悪いが」
僕と父さんが話しているところにさっちゃんが口を挟んできた。
「主よ。我のことが見つかったが、それは構わんのか?」
785 :
125:03/09/04 22:54 ID:xVqmUpsV
それから父さんにさっちゃんのことを話した。
どうして僕に仕えているか、どうして今こんな姿をしているかを。
もちろん恥ずかしい部分は伏せてだけど。
「ふむ。それは少しまずいかもしれないな」
「どうして?」
さっちゃんがこの姿になったことを話すと、父さんの表情が曇ってきた。
「この実体化は一時的なものなのだろう?」
「その通りだ」
「なら、君は時間が経てば元の鞘に納まらなければいけない」
「うむ」
「でも、その短剣はすでに消滅している」
「あ、そうか」
「短剣の代わりを見つけてあげないとさっちゃんがどうなってしまうかわからない」
「代わり、代わりの美術品か」
「ふふん、その心配ならせずともよい」
頭をひねって考えようとしていたらさっちゃんが自信満々といった感じで言ってきた。
「これを使えばよかろう」
彼女が掲げたのは、
「紅円の、剣?」
「それでいいのかい?」
「うむ」
大仰に頷いた。
「でも、美術品は母さんに」
「いいではないか。これはもともと主が手に入れたものだ」
「さっちゃん……」
「父さんもいいと思うよ。盗んでこいって言われたわけでもないんだしね」
「父さんまで……」
「そういうことだ。我の新しい器はこれに決めた」
786 :
125:03/09/04 22:55 ID:xVqmUpsV
「じゃあ寝る前に傷の手当てをしないとね」
「え……」
「そんなぼろぼろの格好で明日は学校に行く気かい?」
「あ、そっか」
「救急箱を取ってくるから待ってて」
父さんが腰を上げて部屋から出て行った。
「いい親父殿だな」
不意にさっちゃんがそう言ったので照れくさくなった。
「うん。僕もそう思う」
787 :
125:03/09/04 22:55 ID:xVqmUpsV
ふわふわと身体が軽い。――夢だ。
「今日もするのか」
実体化しているときくらい夢には出てこなくてもいいじゃないか。
そう思いつつ辺りを見回した。
「あれ?」
いつものように梨紅さんが現れる。そう思っていた僕は間抜けな声を上げた。
なぜならそこにはメイド服でショートヘアで眼鏡っ娘の女の子がぐったりと倒れていたからだ。
昨日の夢に出てきた女の子、つまり蒼月の盾に宿る精霊のレムさんだ。
「君、大丈夫?」
側に駆け寄って身体を揺すってみると、声を漏らして目を薄っすらと開けてきた。
「……あ」
目が合った。すると、
「ご主人様だーっ!」
がばっと抱きつかれた。
「うわわわわぁっ!?」
僕はそのまま、身体の小さな女の子に押し倒されてしまった。
「んふぅー」
嬉しそうに頬擦りをしてくる。
「ま、待って待って!」
「ふにゅ?」
そう言うと目をぱちくりさせて首をひねった。
「あのね、どうして僕が君の主人になってるの」
僕が訊ねると彼女ははじけるような笑顔で答えてきた。
「さっちゃんにあれを吸われてる時にいろいろ見えたのです」
「あ、あれって……」
「それでわかったのです。あなたがさっちゃんのご主人様で、だから私のご主人様になってもらうのです」
「いや、そんな一方的に決められても……」
「私のことはレムちゃんと呼んでください」
「あのさ、だから……」
「それにさっちゃんに吸われた魔力も補給しなくてはならないのです」
「それって、つまり……」
「それでは今日はさっちゃんに代わって、僭越ながら私が奉仕させていただきますよー」
788 :
125:03/09/04 22:56 ID:xVqmUpsV
「そんな……ああッ」
舌で胸をくすぐられて素直に反応してしまった。
「ご主人様、敏感ですねー」
レムちゃんの目がぎらぎらと光っている。明らかに楽しんでいる。
それに敏感なのはさっちゃんのせいだ。すっかり性に対して貪欲になってしまった自分が情けなく感じる。
「敏感なのはいいことなのです。やるほうもやられるほうもびんびんになるのです」
可愛い見た目とは裏腹にとても過激なことを言っている。きっと彼女もさっちゃんに汚染されたのだろう。
でもこんな可愛さが溢れる感じの娘は、ちょっと虐めてみたくなる。
「じゃあさ、レムちゃんも敏感なのかな?」
「ふぇ……きゃッ!」
上に乗っていたレムちゃんと身体を入れ換えた。
手を押さえつけて、さっきされたことを返すように頬擦りをした。
「ひゃうッ、くすぐったいのですぅ」
「くすぐったいのはいいからさ、服脱がせてもいい?」
「も、もう本番ですか!?もっとゆっくりとしてください」
「ダメ。もしかしてレムちゃん、言うこと聞いてくれないの?」
「そんな悲しそうな目で見つめないでください。胸がぎゅぅってなっちゃうのです」
「じゃあ脱がせてもいいんだね」
「あうぅ……どうぞ」
涙ながらに背中を向けてきた。じゃあ遠慮なく脱がしてみよう。
さすがにメイド服の脱がし方なんて知らないけど、なんとなくでやってみた。
背中についていたボタンを三つ外すと、さっちゃんと同じくらい白い彼女の肌が露になった。
上をはだけさせて、ぷくっと膨らんでいる胸を優しく揉んであげる。
「んうぅッ」
「レムちゃんも敏感だね。可愛い声」
「は、恥ずかしいですよ、ァンッ!」
始めは僕のほうが喰われちゃうかと思ったけど、やっぱりこんな娘は虐めるほうがいい。
789 :
125:03/09/04 22:57 ID:xVqmUpsV
調子付いた僕はふにふにとした小振りな胸を揉む指に力を加えていった。
「はぁんッ、ご、ご主人様、とっても上手ですぅッ!」
思った以上の感じ方だ。この娘、本当は受けのほうだなと直感した。
「そんなにいい?」
「はいぃッ、き、気持ちよすぎて死んじゃいそうですぅッ!」
レムちゃんの感じ方は本当に死んじゃいそうな程だ。
まだ胸しか弄っていないのに、僕の胸に触れる彼女の背中は熱く、汗もどんどん噴き出している。
「息も絶え絶えだね。苦しいかな」
「あ、ああッ!く、るしいですッ、早く、イかせて欲しいのですッッ」
さっちゃんでは見ることがほとんどできない喘ぎまくる姿にどんどん興奮してきた。
「……あ」
そこでちょっと思い当たることがあった。
「ねえレムちゃん」
「あぅ……なんですか?」
胸を弄られるのをやめられたせいか、物寂しそうな表情を向けてきた。
「君もさっちゃんみたいに、魔力がなくなってるから感じやすくなってるの?」
そんなことがあったと思い出した瞬間、自分の実力で喘がせているんじゃないのかと不安になった。
「それはさっちゃんだけですよ。私は普段からこんな感じなのです」
でもレムちゃんの口からそう聞いたら、さっきまで抱いていた不安がすっきりと消えていった。
「そうなんだ。じゃあ僕は、自信持っていいのかな?」
「はいです。だからお願いです、早くご主人様の、入れてください」
入れます。
不安の代わりに興奮がどんどん溢れてきてもう我慢できない。
790 :
125:03/09/04 23:00 ID:xVqmUpsV
「お尻出して」
突き出されたお尻にかかるスカートをぺろりとめくると、水色の縞々のストライプのショーツを穿いていた。
ショーツの股間部が、筋がわかるように湿っている。
膝までショーツを下ろすと、小さなお尻に皺のよった蕾、粘膜で光る秘裂が姿をみせた。
「きれいなお尻してるね」
すべすべしたお尻を撫で、すぐさま割れ目に僕のを押し付けた。
そういえば昨日無理矢理入れたときはとてもきつきつだったけど、今日は入るのだろうか。
(なんて考えるよりまずは動かないとね)
「ひぐッ、んんッ!」
ぐにっとレムちゃんの中へ押し込んだ。すると昨日はあんなに挿入を拒んでいたそこにするすると入っていった。
膣がぐちょぐちょに濡れているせいだろうか、呑み込まれるように最深部まで到達した。
彼女の膣壁は中ほどの圧迫感が強い。もともと狭い道がさらにきつくなっている。
堪能するようにゆっくり腰を引くと、その狭いところで雁首が圧迫されて気持ちいい。
「は、はぐぅッ、い、いいですッ」
「僕もだよ。ほら、ほら」
バックからぱしぱしと出し入れを繰り返すと、そのたびに快い鳴き声が耳に届いてくる。
さっちゃんとは違う挿入感に、もう果ててしまいそうだ。
でもまだ堪えることができているのは、レムちゃんをもっと虐めたいという虐待心のおかげだ。
「はうッ、あう、んぎッ、ぐッ」
突くたびに上げる声が性欲を煽ってくる。
久々の攻めに酔いしれ、今回の夢はさっちゃんとやる時より長く、多くしてしまった。
791 :
125:03/09/04 23:06 ID:pcfmQmtd
「ふいー」
起きてまず出たのは欠伸ではなく、満足からくる悦びの声だった。
(今日はちょっとしすぎちゃったかな)
反省しつつトランクスの中へ手を伸ばした。
「あれ?濡れてない……」
でも今日はなぜか精子が出ていない。いつもと違っていることを訝しく思っていると、
「おや、起きたか」
僕の横でさっちゃんが寝ていた。驚いて身体が強張った。
「いやしかしこう口が小さいと奉仕もしにくいな」
「え、えっ?なに言ってるのさっちゃん!」
「しかし現実で久々にあれを飲めたのだ。満足満足」
「あれ!?あれってあれのことなの?!」
自分でも何を言ってるかわからなくなってきた。
「ふいー。今日は疲れた。もう少し寝させてもらおうか」
そう言ってさっちゃんはまたベットに潜り込んでいった。
「現実でも、弄ばれてたんだ……」
なんだか急に身体がぎしぎしと痛み始めた。
朝食は家族四人でテーブルを囲んでとった。
母さんもじいちゃんも楽しそうに父さんと会話していた。
僕は父さんがさっちゃんのことを言ってしまわないかどうかはらはらしてたけど、そんなことはなかった。
ついでに家を出る前に、部屋で寝ているさっちゃんのことを父さんに頼んだ。
父さんは簡単に了解してくれた。父さんに感謝しながら、僕は学校へ向かった。
792 :
125:03/09/04 23:07 ID:pcfmQmtd
教室に入ると、
「あ」
僕の顔を見るなり原田さんが腕を引いて僕を廊下に連れ出した。
「なに、なんなの?」
腕を引かれると痛みが走る。傷が開いてしまうかもしれない。
「丹羽くんっ」
両手をぎゅっと握られた。原田さんの柔らかな指の感触にどきっとする。
「昨日言えなかったんだけど、梨紅を連れてきてくれてありがとう」
「あ……うん、気にしないで」
手から伝わる感触にぼうっとしていた意識を連れ戻した。
原田さんがにっこりと笑いかけてる。頭がくらくらして吹っ飛んじゃいそうだ。
「それでね」
また意識を連れ戻す。気付いたけど、原田さんはずっと手を握ったままだ。
「梨紅、今日は風邪でお休みなの」
「梨紅さんが……そっか」
昨日はあれだけ雨に打たれたんだ。気も失っていたし、仕方ないことだと思う。
「あの娘のこと、気になる?」
「へ?う、うん、当たり前だよ」
「そう…………」
「あの、原田さん」
なんだろう、突然しゅんとしてしまった。
「ううん、なんでもないの。梨紅のお見舞いに行ってあげて。きっと喜ぶから」
そう言って原田さんは教室へと戻った。
僕は、未だにどきどきと高鳴る胸をひとなでして気分を落ち着かせた。
793 :
125:
「うん……」
ベットの中でもぞもぞと動いているのはさっちゃんだ。
「ふぁ、ん……、少し寝すぎたか」
首をちょこんと出して辺りを見回す。
「ん?おい主、どこだ」
大助を呼んでも返事は返ってこない。部屋の時計を見ると時刻はすでに十一時を回っていた。
「しまった、寝すぎたか。おいウィズ」
「キュ?」
ベットからもぞもぞとウィズが這い出してきた。
「主の元へ行くぞ。一刻も早くだ」
「あー、さっちゃん出かけるのですか?私も連れて行くのですっ」
「レム、もう魔力が回復したのか」
「はい。ご主人様からいっぱいもらったのです」
「なにっっ!?貴様、何を勝手なことをしている!主は我だけのものだ。貴様には渡さん!!」
「そんなー。ひどすぎですよぉ」
さっちゃんとレムちゃんががみがみ言い合っていると、そこに小助が現れた。
「やあ。もう少し静かにしたほうがいい。今はお父さんも笑子さんもいるからね」
「親父殿、ちょうどよかった。我はこれから出かけるのでこれを頼む」
「これって私のことですかぁっっ!?」
抗議の声を上げるレムちゃんは無視して小助に押し付けた。
「へぇ、これにも精霊が宿ってるんだ。はじめまして、かな」
「あらら。ご丁寧にどうもなのです。レムちゃんとお呼びください」
「……ちょっと待て」
ウィズを黒翼に変身させようとぽくぽく叩いていたさっちゃんがある違和に気づいた。
「親父殿。レムの声がどうして聞こえるのだ?」
違和の正体はそれだ。普通の人間では決して聞くことのできない声を小助は聞いていた。
「ああ。世界中を旅してるとね、いろんなものに出逢うんだよ」
小助が左手をさっちゃんに見えるようにした。
「中指にはめている指輪があるよね。それが僕にちょっとした力を貸してくれてるんだ」
「さすがは親父殿だ。そんなものを持っているとは」