オーラルセックスは喉の病気を引き起こしたりするんだよなぁ…。
昔声楽をやってたんで喉を痛めることには今だ激しい抵抗があったり。
でも文章として読むのは好き(*´Д`*)
アク制されて書き込めねーヨと
書き込んでいるのはなんでだろう
>>928
前みたいにアラシにおびえながら書き込まなくてもいいし、
込み合ったレスをかいくぐってSS投下ってこともなさそうだから
いいんだろうけど、30秒は長いね。
ところで続きは3ヵ月後??
ええっと、928だけど、なんかアク制解除されたモヨン
とりあえず助かった…(;´Д`)
DIONが規制されたんじゃないかとオモタが
連続投稿規制にひっかかったのかな…
夜書き込み出来なくて、翌日もダメだったんで
ノート持ち出して出先で電話線ひっこぬいて接続したんよ>935
>931
スマソ…
子供虐待ネタには違いないし、苦手なヒトもいるよね
やめといた方がいいかなあ……
938 :
931:03/08/30 00:03 ID:I5mn5mKH
え〜?続きは読みたいよー!!
これがホントの「ノド元過ぎればナントカ・・・」ってやつね(藁
アク制が一時的なものでよかったでつね。
>937
続き切望してる者もおるよ〜
ガンガッテクレ
続き激しく希望。
再び子供に口づける。
子供が固く身を強張らせているのがいささか気になる。
何かまた、ひどいことをされるとでも思って身構えているのだろうか……
まあ、当たらずとも遠からずだな、と俺は内心苦笑した。
ゆっくりと丹念に舌を絡める……子供の緊張が解けるまで、俺は口づけたままその髪を撫でていた。
「そう怯えるな……もう、きついことはしないよ」
そういいながら、華奢な肩や薄い胸に唇を這わせる。
俺の唇が触れるたびに、子供は目を閉じ、あるいはものいいたげに口を開いては
唇を噛み、声を殺していた。
小さく肩が揺れている……まるきり快感を知らないというワケではないらしい。
現に体は反応している。しかし子供はそれを受け入れていない。
普通なら、肌への愛撫は快感とまではいかぬまでも心地よいものの筈だ……
先刻痛めつけすぎたか…と思う一方で、俺は男の言葉を思い返していた。
この子供は母親を知らぬという……
懐に抱かれ、暖められた記憶もないのかも知れない。
髪から耳、微かな胸の突起から子供の薄い下腹へと、刺激を加えながらゆっくり手を滑らせる。
幼い陰茎に触れた時、 子供はびくんと大きく身を震わせた。
片方の手で髪をかき上げやわらかい耳を捏ねながら、再び首筋に舌を這わせる。
子供は耐え切れぬように時折息を漏らしている。
そうしながら小さく跳ねる自分の体を、自ら押さえ込もうとするかのように固く抱いている。
「…………」
俺は子供の体を転がし、尻の辺りを掴んで持ち上げると陰部に唇をつけた。
「…っ!や……っ!」
思いがけず声が上がった。子供の体が跳ね上がり、俺から逃れようするかのようにもがいている。
「おとなしくしていろ……すぐに良くしてやるから」
裏筋から縫い目をなぞり、小さく固い菫色を舌で擦り上げるように舐めてやる。
ヒ…ッ、と引き絞るような声が喉の奥から漏れた。
喘ぐように大きく呼吸をしながら、あきらめたように子供はもがくのをやめた。
逃れるのではなく、耐えてしのぐことを選んだようだ。
この子供の反応は最初からそうだ。
俺のすることは全て受け入れ、決して抗わず、しかし心は頑なに閉ざしている。
よほど己れの心の強さに自負があるのだろう。
いいことだ……と俺は思った。
それでこそシーカーだ。誇り高く、何者にも傷つかない芯の強さが彼らの身上だ。
しかし俺もこれで一人前のおとなだ。
昔馴染みが俺に何をさせようと目論んでいるのか知らないが、
余所者にタダでに手中の珠を貸し与える者などいないことはわかっている。
俺は時間をかけて子供の襞のひとつひとつを、押し広げるように少し強い力で丹念に舐め上げていった。
子供の噛み殺した悲鳴のような息遣いにあわせて、弾力のある、きつく食い締めた筋肉が
呼吸するように緩む。
そこにねじ込むように舌を差し入れ、唾液を絡ませながら愛撫すると
「…は…っ、ああ…っ」
とうとうかすれた甘い声が、吐息と共に子供の唇から漏れた。
自分の声を恥じたかのように一気に肌が熱を持ち、 朱を散らしたように紅潮する。
ぴくり、と微かに、掌で包んでいたモノに反応が来た。
待ってたyo! (*´Д`)ハァハァ…
(゚∀゚)イイ……(*´д`)ハァハァ
「……あ…っ……ああ……」
薄い下腹を痙攣させながら、子供が小さく声を上げる。
懸命にこらえているにも拘わらず、漏れてしまう声……情欲をかき立てられる。
しかし俺は子供の声に僅かな媚びを感じた。俺の反応を意識している。
余裕だな、と思った。あるいは必死なのかも知れない。
やわらかくほころび始めたそこを指で愛撫しながら、片方の掌でもてあそんでいた
子供のつるりとした小さな袋に唇をつけ、くわえ込む。
口の中で転がすと切なげな吐息が漏れる。舌先でいたぶり、軽く吸う……
小さな尻が喘ぐように跳ね、幼い陰茎が別の生き物のように息づいている。
先刻子供にさせたように、今度は俺がそれを根本まで呑みこんでやった。
子供はおとなしくされるがままだ。固く身を強張らせ、感じてなどいない素振りだが、
切迫した息遣いや意志に関係なく収縮する筋肉が快感を伝えている。
俺は子供のモノのやわらかな皮を剥き、先端を愛撫した。
「あああ……!」
鋭い声が上がる。悲鳴のように、高く細い声だ。
再び逃れようとするかのように、子供の体が腕の中で暴れた。
かまわずしっかり押さえ込んだまま、俺は尿道を舌でつついた。
執拗に尿道を刺激する……
子供の鋭敏な反応に煽られて、少し嗜虐的な気分になっていた。
「やめ……!、ダ、メ……」
ついに泣き声が哀訴する。俺は無視した。
「ダメ…だ……っ、で……出ちゃ……」
先刻とはうって変わってうろたえ、懇願し、逃れようとなりふりかまわずあがいている。
それはそうだろう……尿意は意志で抑え込める類の欲求ではないからだ。
「いいぞ。吸ってやる」
そういいながら下腹を強く圧迫してやると、子供は、ああ…!と切羽詰まった声を上げた。
「離せ…!いや──!」
言葉が終わらないうちに……はじけた。
苦い水が俺の喉を打つ。子供は下腹に力を入れ、それを押しとどめようとしているようだ。
俺はそこに置いた手にゆっくり力を込めながら、強めに吸った。
子供は身をふるわせ、しゃくり上げるように嗚咽をもらした……
俺は寝台の傍らに置いた水差しを取り、口をゆすいだ。
たいした量ではなかった……刺激されたことで、時ならぬ尿意を感じただけなのだ。
子供はぐったりと放心したように横たわっている。
全身が汗に濡れている。月明かりに涙の跡が見て取れた。
排泄を意のままにされたのがよほど堪えたのか、今にも消え入りそうな風情がたまらない。
額に手をやり撫でてやると、睫が上がり涙に濡れた瞳が俺を捉えた。
子供は掴むように俺の肩に手を廻すと、歯がぶつかるような勢いで俺に口づけてきた。
「……う」
小さな舌が、俺の口中を這う。先の奉仕とは比べ物にならない熱っぽさだ。
俺の内に残った己れの残滓を舐め取ろうとでもしているかのように、
子供は舌を遣い、唾液を啜った。
頭の芯がぼうっと痺れるような感覚。 熱心で倦むことのない愛撫はやはりいい。
子供を腹に乗せたまましばらくしたいようにさせていたが、いつまでもそうしいるワケにもいかない。
俺は子供の頭を抱くと、子供の舌に自分のそれを絡ませた。
排泄系きたー。やたー。
どきどき。どきどき。
すみません、好きなんです。
さて950ゲトーなワケだが。
#ちょい自信なし;ウチのブラウザ変なんよ('A`)
引っ越しは970辺りでいいよね。
テンプレもこのままでいい?
てゆーか……
引っ越す……よね……?
誰も引っ越しのこと言い出さないのが
チョトコワヒ今日この頃
連載に水をさすよーでついジシュク
ああ、もう950過ぎたのか!!SSに夢中ですっかり失念してたヨ…(;´Д`)。
ところで前からずっと思ってたんだが。
>過去スレ、前スレ、FAQは
>>2-10辺りに。
ってあるけど、FAQて"Frequently Asked Question"の略だよ…な??
実際存在してないので、気になってたんだけど。ローカルルールや注意書きはFAQとは言わんだろうし。
細かいことですが、訂正キボン。
連載ちゅうモンではなく、「やめれ阿呆」といわれない限りは
勝手に好きなよーにやってるだけなので(またつまってるしな…;)、
住人諸兄も好きにやっててくらさい。
みんなが雑談してるとこにこそっと落とすのが好きでした。
ホシュがてらのんびり…とかね。
ここはひそひそまったり…っていうのが似合ってると思う。
まさに常連しかいない、ゴールデン街の飲み屋の如くさw
このスレももうすぐ終わりだけど、これからものんびりまたーりやりたいね。
>949
ご期待には添えないような…多分。きっと。スマソ
避難所はもうないし、切れてるリンクもあるからチェックしたほうがいいかも。
翌朝、村で唯一の飯屋に入ると、顔なじみの男がさっそく声をかけてきた。
「なんだ、お前ひとりか。あれはどうした」
「まだ寝ている…」
「まさかお前」
「ばか、部屋にいってその目で確かめてこい」
「ふふん…、まあいい」
鼻を鳴らして、人の顔をまじまじと見る男の視線が俺の勘に触った。
全てを見通しているようなあの目つきだ。
思わず奴の胸倉をつかみ、人目もはばからず声を荒げた。
「本当のことを言え!お前ら、あれをどこから連れて来た?! 本当にこの村の生まれなのか??」
襟元を締め上げられても男は、俺から視線をはずさない。
「相変わらず勘だけはいい奴だな、その手を離せ。今話してやる」
自由になった男は衣服の乱れを直し、声をひそめ顔を寄せてきた。
「…なぜそれに気づいたかは聞くまい。あれはこの村の生まれだがお前が言うように特別だ、
なぜなら…あれは王家の血を引いている、というより」
低く、だがはっきりと、一言一言確認するように男は言った。
「あれの父親は…王その人だ」
「……」
ばかな、と叫んだつもりだが、言葉は声にならなかった。
「信じられない、という顔だな。無理もない」
俺は確かに出来損ないだが、男の言ったことが
とんでもない掟破りだってことくらいは理解ができる。
王家の側近くで仕えていると、たまには間違いも起こる。
だが村の連中は迷うことなく間違いを処理し、闇に葬ってきた。
相手がだれであれ、男であれ女であれ、女の腹にできた子どもであれ、
速やかにこの世から抹殺することで秩序を保ってきた。
王家の血脈は力に通じる。力は禍を呼ぶ。
ここの一族は、権力から離れた場所に身を置き、禍の種となることを王家との無言の契約とし、
忠誠と服従の証としてきたはずだ。
「だがあれが母親の腹に入った時、長老が夢を見たそうだ。
…母親も子どもも殺してはならぬと。そして…」
男は運ばれてきたエールに口をつけ、唇を湿らせ話を続けた。
「城の姫とまさに同じ日同じ時刻にあれは生まれた…姫の影として生きることが
あれの運命なのだろう」
「影として育てるのなら、なぜこの村にいる」
「修行だ。子どもを育てる責任は我々にある。己が分際を身体に叩き込む…無用な野心を
抱かんようにな。だがそれももうすぐ終わる」
男は意味ありげに俺の顔を見た。昨日俺の寝屋を訪れたのも、修行のうちだというのか。
やはり俺は、この村の住民ほど無情にはなれぬ。
「ところで…俺なんかにそんな大事なことをベラベラ話していいのか」
男は白い歯を出して楽しそうに笑った。
「言えといったのはおまえじゃないか。与えるべきものに与えてこその情報だ。
お前は野心もなければそれを実現させる力もない。つまり人畜無害だ。
巷の民のように、噂話をもて遊んで喜ぶ趣味がないことも良く知っている」
「言ってくれるよ」本当に話せないことは、殺されても話さない…それがヤツラだ。
「それに、まさかの時には…いや、まぁいい」
男は急に口をつぐんだ。
「母親は城に召し上げられたと言ったな」
「ああ、姫に乳を差し上げていたが、乳離れすると掟に従って自ら命を絶った。
人並み外れた美しい娘だったが…」
「…惜しいことを」
「俺の…許婚だった」
俺はエールを一口飲む。
北の国にいる女の顔が目の前に浮かんだ。
ホシュ&スレ促進の脳内補完
都合が悪けりゃスルーしてくり
>>953&住民諸氏
【ローカルルール】
・【オトコキャラ限定】
・このスレは男も女もゲイもドジン女もいますが何か?
・荒らし=リンクきゅんです。仲良くしようね。(旧書庫参照)
・シークたんは男です。魔法で肉体も変身。少なくともこのスレではそうなってます。
・ノーマル(男女)、百合(女女)でハァハァしたい人は、他スレでお願いします。
【SSを書くことについて】
「本とか執筆すれば、読者から届くのはファンレターばかりじゃない。
批判的な文章はもちろんのこと、差出人不明の脅迫状や危険物も一杯届くし、
理不尽なバッシングで四面楚歌になることだってあたりまえ。
でも、そういう連中がいるのはしょうがないことだ。
一個人の対応でどうにかできるようなものではない。
ものを書いて公開するって、そういうことだ。
お気楽にやるのは結構だけど、荒らしごときでがたがた騒ぐなと思うことも多い。」
>955
ヽ(´ー`)ノオモロイー
話転がすのホントうまいなー。素直に羨ましい…
ただ、実はラスト2章ばかしすでにローカルで書いちゃってて、
貧乏性なもんでコレをオクラにするのはチョトもったいなかったり…スマソ
955には、読み手としてこのまま続けて欲しいナリ。きっと全然趣向の違った物語になると思うから。
(…といいつつ。同じような仕掛け考えてるような記述も見つけたりw)
オフで身動きとれなくなっちゃって、月半ば越えなきゃ続きが書けそうにないって
極個人的な理由もあるんだけど、
他の住人諸氏にも、きっとその方が楽しんで貰えると思うし。
問題は、ふたりでえっちら書いてると、とうていこのスレでは終わらないだろうって
ことなんだけど……
むしろ新スレで即死防止に書き込む方がいいのかも。
新スレ記念氏が来てくれればいうことないけど、それはフタを開けてみなきゃ
どうなるかわからないことだしね。
*****以上、私信でした。この期に及んでスレ浪費ゴメソ
次スレ立てもままならぬ時期ゆえ
大変恐縮ではござるが
禿しく続きを所望す
>>964
>書き手さんALLへ
ちょい提案。
簡単でいいから「タイトル」を付けてみるというのはどうかしらー。
そうすると、スレで話題にするときに、しやすい〜。
連載の場合は混乱防止になるとおもうのだ〜。
>>話転がすのホントうまいなー。素直に羨ましい…
なんだか
書き手さんが楽しそうなのが伝わってくるのが、
読者として一番楽しいよねえ。
>>964 なにしろコバンザメなんで、先の予定はないんよ。思いつきで書いちゃって。
結果的に邪魔しちゃったみたいでスマソ。
トットとスレ消費して引越ししちゃったほうが落ち着いていいスか?
>>966 根がネタ師なもんで、タイトルなんて大層なことって思ってたんで。
SSの話題がいつまでも続いて、エロカキコの邪魔になってもイカンって気もあったし、
前にタイトルつけてもらってうれしかった時のこともどっか頭のスミにあって…
書庫管さんの手間もあるし、勝手ばかりも言ってらんないんっしょね。
>タイトルつけてもらってうれしかった
書庫管さんにかな?
あの人もまた、何か書いてくれればいいね。
…もしかしたら名無しで書いてるのかも知れないけど……
タイトルはあってもなくてもいいかな…
思いつくときはつけてもらえればいいし、
思いつかないならなくていいような。って、つまりこれまで通りかw
タイトルって、実は作品(絵でも漫画でも小説でも)そのものだから
けっこう気をつかうものだよね。
書き手が「コレダ!」ってタイトルつけるのでなく、便宜上の記号のようなものなら
個人的にはいらない気もする。
このスレ的SSの位置ってのは967のいう通り、「雑談の合間の箸休め」だと思ってるし。
でも966のいうこともわかるよ。
まあ書き手の自由でいいんじゃないかな……
969 :
店主:03/09/07 19:36 ID:/wKWqpUH
テンプレ最後尾辺りに
絵師さん及び絵師さんの美技に(;´Д`)ハァハァ(ノ′∀`)ノ*ホンワカしたい方はコチラ
http://秘密酒場.jp/ラッテ.html #要英訳
合い言葉は"The Untouchables"になった気分でどうぞ(笑
絵師見習い、絵師さんと話してみたい、ココでは出来ない打ち明け話などしてみたい…
という方もどうぞ。
但し秘密を共有できる方のみ。
トカ加えてくださると嬉しいデス
乙です。
落とさないようにしなきゃね…
って、ここと新スレのどっちのこといってんだかわかんない状況(ニガワラ
めちゃ底にいるので気をつけといた方がいいな。
ゆっくり埋めて行きましょい。
じゃあ、955の後日談ということで最後のワガママ。
めちゃめちゃ微妙な脳内設定なので、すらっと流しちくり。
「城の外庭を警戒するように」
それがその日ぼくに与えられた使命だった。
姫の夢見の噂が広まり、物見高い連中が押しかけてくる。
見張り兵の警戒を突破した輩はもれなく捕らえるように、
そういう命令だった。
城へ来て数ヶ月。城の構造は完全に把握した。抜け道や隠し扉の位置まで
しっかり記憶している。ぼくは盲点になりそうな場所を、
重点的にまわってみることにきめた。
「中庭の用水が流れ出ているところ…あそこが確か…」
目星をつけた場所にやってくると、
派手な音をたてて城壁の木戸が開き、兵士が顔を出した。
「二度と来るなよ、このチビが」
捨て台詞とともに兵士が放り出したのは、
小さな男の子の身体だった。
彼はしばらくそのまま大地につっぷしていたが、
木戸が閉まって兵士が戸口から立ち去るのを確認して、
「いってぇ〜」とうめき声をあげて身体を起こした。
田舎じみた緑色の服に緑の帽子、貧相な木製の盾と申し訳程度の剣、
一体どこから入り込んだのか…それより、
この子もやはり捕まえて連行しなければならないんだろうな…。
そんなことまで考えていたのにぼくは、
なぜか彼に声をかけていたのだ。
「君、大丈夫かい?」
泥だらけの顔の真ん中で、人なつこそうな青い瞳が輝いていた。
「うん、大丈夫だよ。ちょっと汚れちゃったけどね」
ぼくより二つ三つ下といったところだろうか。
「一体どこにいく気だい、ここは勝手に入れない場所だよ」
「ぼくはどうしても、お城のお姫様に会わなきゃいけないんだ」
やれやれ、こんな子どもにまで噂は行き渡っているのか。
「城の門まで送っていくから、町へお帰りよ。この城の兵士の中には、
油断のならない奴もいる」
「たしかに、油断ならないよね。何度行ってもつかまっちゃうんだ。あのブドウ棚の下で」
「ブドウ棚?君はあの下を走って過ぎようとしていたのかい?」
「だってほかに、仕様がないじゃんか」
泥まみれの顔から今度は、口先が突き出てきた。
「ばかだなぁ、あんな見通しの良いところを走り抜けようとするなんて…。
あのブドウ棚は上を歩けるんだ。兵士の隙をみて登ったらいいんだよ」
しまった…ぼくはなんて事を…
「ありがとう、君っていい奴だな!」
少年は満面の笑みを浮かべて、ぼくに飛びついて、そして、
ぎゅっとぼくを抱きしめたんだ。
こんな感覚は初めてだった。
抱かれた経験は数え切れないほどあるけど、
純粋な親愛の情とむき出しの好意だけの抱擁。
何も求められない、ただ抱きしめられているだけ。
それがこんなに心地の良いものだったなんて。
いつまでも、いつまでもこうしていて欲しい…。
どれだけの人に奉仕してきたかも、覚えていない。
けれど、
「ありがとう」と言われたのも初めてだ。
「いい奴」、ぼくのことをそういったんだ、彼は。
どのくらいそうしていただろう。
もしかすると、ほんの一瞬だったのかもしれない。
彼は「じゃあね、ばいばい」とだけ言って、
排水口からさっさと城の中へ入っていってしまった。
「やっぱり…」
ぼくはしばらく、そのままぼんやり立ち尽くしていた。
「任務失敗だな」
声がしたほうを振り返ると、
乳母殿が腕組みをして立っていた。
「…すみません…今から行って捕らえてきます」
「いや、いい。あの子こそ、姫が心待ちにしている少年に違いない」
「え?」
「お前にもいずれわかる。お前自身にも深くかかわってくる者だ。
それにしてもたいした少年だ。お前ほどの者を手玉にとるとはな。」
「手玉になど取られてはおりません」
「気がついているか?今のお前は、瞳と同じように真っ赤な顔をしているぞ」
「……」
顔がほてる。胸の動悸に、気づかれなければいいのだが。
乳母殿は鋭い目つきで、今しがた少年がもぐりこんだ排水口を見詰めている。
乳母といっても、この人が姫に乳を含ませたと信じているものは誰もいない。
実際は警護役兼教育係り、といった役回りなのだが、伝統的に乳母と呼ばれていた。
ぼくを生まれた村から連れ出し、この城へ連れてきたのもこの人だった。
「情には気をつけるのだな」
「え?」
「情は時に人を滅ぼす。交わす相手を選ぶことだ…」
「それは、どういうことですか?」
「今は理解できなくとも、肝に銘じておけ」
乳母殿は現れたときと同じように、静かに姿を消した。
980 :
オシマイ:03/09/09 02:34 ID:Q6GVVcBR
「彼は無事に、ブドウ棚を通り抜けただろうか」
なぜ乳母が彼を通したのか、ぼくにはわからない。
知らせられないことは、知る必要のないことだ。
知りすぎたものは、命を狙われる。
幼いころから、そう教えられてきたのだから。
夜更かししてた甲斐があった(*´∀`)
シークたん…。
微妙な脳内設定に
自分と通ずるところがあってすごく…イイ!!