>>もう唐突にモーニがモンブランを陵辱
ここをマーシュマーシュ言いながらオナヌーしていた所をモーニに見られてに修正希望
>>946-947 クレクレもどうかと思うが、ネタ出してる分、神待ち保守だけの連中よりはよっぽどマシだな。
ところで見事に過疎スレと化したわけだが、次スレって要るか?
立てるなら970辺りで立てよう
今後はFF総合に合流の方が現実的でないの?
>>952 保管庫へのリンクを貼っておけばこれまでの作品を見るのにも不便はないしな。
ちょっと寂しいけどそうしようか。
しかしそれだと一部の「バンガ(;´Д`)ハァハァ ン・モウ(;´Д`)ハァハァ」「モンブラン萌えー。ショタばっちこーい」な住人が肩身狭いかも…
住人だけじゃなくて神作品もそういうの結構あったからなぁ。
そっち方面は人外スレとかに行く方法もあるけどな
「バンガ(;´Д`)ハァハァ ン・モウ(;´Д`)ハァハァ」
の人です
【どうすればいいですか?】
957 :
名無しさん@ピンキー:04/10/27 19:56:03 ID:0PqYoGBS
自分も密かにバンガン・モウモーグリハァハァだ…
ついでに保守っとく(´・ω・`)
TAの魅力は人外さんが使えること。
だから12は買わない。
いやいや、12のモーグリもなかなかだぞ
立体的なバンガもなかなかですよ
使えりゃ絶対買うんだがな
たとえ性能がゴミだろうとどんな時でも主力メンバーとして活躍させる
弱い弱いといわれているキマリを使いこなした漏れの(ry
はいっ
これはいい過疎っぷりですね。
すいません獣人、獣スレに移民しました
みんなー、もどってこーい。
戻ってこないなら、新しい場所に誘導してくれー。
新しい場所なんて僕らには…
資本力あるサミーによる正式運営半年の実績で内容も充実
超安定しゆとりある鯖のために同意どころかログインゲームもラグもほぼ皆無
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969 :
名無しさん@ピンキー:04/11/18 22:51:35 ID:Jg73/hHX
970 :
名無しさん@ピンキー:04/11/19 01:02:26 ID:PTMhWdE7
うめるか
>>970 まだもう少し待っていただきたい。
……誰も書かないようなら私が最後に書いてしまっても良いでしょうか?
…思い付いてるネタがマーシュ×モンブランなのですが…
これから書き始めるので少し待っていただくかもしれませんけど。
>>971 禁忌キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
超歓迎。ガンガレ
最期の最後にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
974 :
名無しさん@ピンキー:04/11/20 15:19:23 ID:FBia7k0j
やっと見つけたのに終了間近…!?
2スレ目は…2スレ目はないのですか!!
エメット最高。
976 :
名無しさん@ピンキー:04/11/21 23:53:40 ID:0WWsKEaw
来ないのかな?
スミマセン!
来月になりそうです…もう少しお待ちください
――またいつか、夢の中で――
北の山脈を、夕陽が朱色に染める。
岩石中に抱かれた宝石…特に豊富に含有される琥珀が、陽光を照り返して煌き、
遠くから見た山肌は、細かいガラスの欠片を混ぜ合わせた砂のような、不思議な輝きを放っていた。
琥珀の谷。
王族の他は立ち入る事すら許されぬ聖域を、その内に隠した山々。
その峰を照らす夕陽を、宿の窓から、モンブランは瞳に焼き付けるかのように見つめ続けていた。
…これが、恐らくは、最後の夕陽になるだろうから。
「……綺麗だね。モンブラン」
同じ夕陽を見ているその横顔をまともに見れないのは、
夕陽がまぶしいせいだと、自分に言い訳して…。
「…うん。綺麗クポ。マーシュ」
溢れ出そうになる感情をおさえ、モンブランはできる限りの笑顔でその横顔に答えた。
…これが、彼と見ることの出来る、最後の夕陽になるだろうから。
女王レメディはミュートを連れて姿を消した。
王宮ベルベニアを離れた彼女らが向かう行き先は琥珀の谷。それ以外に無い。
逃げ場はもう他には無い。しかし彼女らとて、逃げ隠れるつもりは毛頭無い。
これが、最後の戦いになる。
負ければ無論のこと、例え勝ったとしても、
その先に待つのは…彼との…
……マーシュ=ラディウユとの、別離。
「眺めのいい部屋が取れて、良かったね」
決戦を明日に控えたナッツクランは、今日は少しだけ贅沢をした。
普段ならクランの資金の節約のために、安い宿で、
しかも相部屋どころか大部屋で全員が雑魚寝、などという光景も珍しくないのに、
今日は少し高めの宿。
流石に、クランメンバー全員ロイヤルスイート…とまではいかないけれど、
ちょっと奮発したツインルーム。
こんなに広い寝室とふかふかのベッドは、本当に久しぶりで、嬉しかったんだけど…
(…やっぱり、最後…なのクポね)
その事実を更に明確に突き付けられているようで、抜けない針が刺さったような痛みが、胸に走っていた。
「……綺麗だね…」
同じ言葉を繰り返すマーシュ。その言葉に再び「うん」とうなずこうと振りかえったモンブランは、
「うん、きれ………ぇ…っ…」
夕陽を見ているとばかり思っていたマーシュの澄んだ蒼い瞳が、
哀しみの色をたたえてこちらに向いているのを目にして、言葉に詰まった。
「…綺麗だね。イヴァリースって」
(ああ、マーシュ。なんでそんな顔をするクポ? 泣きたいのはこっちの方なのに)
「…モンブラン。なんで……」
(なんで、と、問いたいのはこっちの方クポなのに。まだ聞きたいことが沢山あるのに。
そんな顔されたら、言葉になんてならないクポよ。マーシュ)
「なんで、ぼくを…助けてくれたの?」
(え…?そ、そんなこと…?何を言ってるのマーシュ。そんなの…)
「…ただの親切じゃここまで出来ないよ。…ぼくは、ぼくだけがただ元の世界に帰るだけじゃなくて、
世界を元に戻そうと……このイヴァリースを『このイヴァリース』じゃ無くそうとしてるんだよ?」
(そんなの…そんなの……)
「……ぼくは、モンブラン達から見れば、世界を壊そうとしてる悪人なのかもしれない……
そんなぼくを、どうして…モンブランはここまで、助けてくれたの?」
(……そんなの)
「……そんなの、決まってるクポ…!」
先に溢れ出たのは、言葉だっただろうか、涙だっただろうか。
「モグは……モグは、マーシュが…ッ、マーシュが、好きだからクポ…ッ!!」
迫り来る別れの予感は、痛みとなってマーシュの胸を締め付けていた。
元の世界へ帰る道を選んだとはいえ、彼もまた、「このイヴァリース」を愛していた。
両親の離婚の哀しみの影を引きずることも、弟の病を心配することも、
陰湿ないじめっ子と顔を合わせることも無い、夢の世界。
そんな現実からの逃避だけにとどまらず、この世界は魅力的だった。
死の危険を負う事無く、伝説の魔物や名立たる武人と戦い競えるエンゲージの興奮。
子供であろうとも、大人の都合に振り回される事無く、富と名誉に手を伸ばせる自由。
そして、火や雷を思うがままに操り、天空に船をも浮かばせる、魔法という名の奇跡……
…いや、それだけならば、一時の夢幻と割り切り、この世界への決別もためらいはしなかっただろう。
彼の後ろ髪を、最も強く引いていたのは……
「……綺麗だね。モンブラン」
マーシュは、外の風景を窓から<見下ろしていた>。
…彼が見ていたのは、朱色から夕闇に染まりつつある街並みだった。
「…うん。綺麗クポ。マーシュ」
遠くの山を…あるいはその向こうを見つめているかのような、その横顔が答えた。
…ぬいぐるみのような可愛らしい幼げな印象と裏腹な深く澄んだ瞳に、最後の夕陽を煌かせながら。
夕焼けから夜へと、刻々と紫色にその色を変えていく街の陰のあちこちに、一つ、また一つ、灯りが点る。
暮れゆく道を行き交う、様々な人々、様々な種族。家路だろうか、夜遊びに出かけるのだろうか、
…あるいは、これから何処かヘ旅立つ者も居るかもしれない。
母に連れられ、ウサギのような長い耳を揺らしてはしゃぐヴィエラ族の少女。
本当に眠いのか、特徴的な眠そうな目を更に細めて道を行くン・モウ族の老人。垂れ耳についた飾りも重そうだ。
知的な風貌の神殿騎士と、おおざっぱそうなモンクが大きなトカゲ口(…おっと失礼)を開けて笑いながら話している。
一般に野蛮といわれるバンガ族にも、色々な人が居るということか。
兄弟らしきモーグリ族がふたり、競争しながら路地を駆けていくのを見て、マーシュは、自分の横に居るモーグリに振り向いた。
…彼を引きとめるものとは、この旅の中で出会った人々と、そして、仲間との…
……モンブランとの、別離。
「眺めのいい部屋が取れて、良かったね」
この贅沢は、渋るモンブランにマーシュが珍しく自分の意見を押し通したものだった。
今まで共に戦ってきてくれた仲間への感謝。
明日が恐らくは自分の最後の戦いになるであろうことは、誰にも言っていない。
そんな理由があるなどと知る事も無く
高価な休息を何も知らずに喜ぶメンバー達の姿に、マーシュはほっとした。
(…やっぱり、最後くらいは…ね)
ただ、一番喜ぶだろうと思っていた相手が言葉少なく微笑むだけだったことに、
マーシュはほのかな不安と寂しさを感じていた。
「……綺麗だね…」
話す言葉を見つけられずに、同じ言葉を繰り返す。
「うん、きれ………ぇ…っ…」
振りかえったその瞳と目が合う。ぬいぐるみのような容姿のモーグリだが、その瞳はガラス珠などではなく、
意思の光に透き通っていて… その目に映った自分の姿と共に、マーシュの心も揺れた。
「…綺麗だね。イヴァリースって」
感情が言葉となって口から滑り出していた。
「…モンブラン。なんで……」
今まで怖くて聞けなかったこと。別離の痛みが、聞かずにおこうと封じていた不安の堰を切る。
「なんで、ぼくを…助けてくれたの?」
信じている。自分の選んだ道も、それに応えてくれた友も。だけど…何故?
「…ただの親切じゃここまで出来ないよ。…ぼくは、ぼくだけがただ元の世界に帰るだけじゃなくて、
世界を元に戻そうと……このイヴァリースを『このイヴァリース』じゃ無くそうとしてるんだよ?」
心の片隅でいつも感じていた不安。本来なら彼にとって自分は敵だ。何故彼はここまで…
「……ぼくは、モンブラン達から見れば、世界を壊そうとしてる悪人なのかもしれない……
そんなぼくを、どうして…モンブランはここまで、助けてくれたの?」
善意だと信じたい、が、善意としてはあまりにも大き過ぎる。
他意があったのか?利用していたのか?例えそうだとしても恨みはしない、ただ、真実が知りたい―
「……そんなの、決まってるクポ…!」
モンブランから言葉と共に流れ出た雫をみて、マーシュははっと息を飲んだ。
「モグは……モグは、マーシュが…ッ、マーシュが、好きだからクポ…ッ!!」
叫びの後、空気そのものが揺れる事を拒否したかのような静寂が、しばしの間、部屋を占めた。
涙を堪え肩を震わせるモンブランは、耳の先まで真っ赤だった。
「……好き…だから…」
その答えを聞いたマーシュの胸には喜びが湧き上がる。けれど、
「…で、でも……ぼくだって、モンブランは好きだけど、もし逆の立場だったら、ここまで…」
ただ好きだから、という答えは、マーシュにとって理想ではあったが、あまりにも信じがたい。
それだけの理由で世界を壊すことに荷担するなど、純粋なマーシュですら考えにくい事だった。
事実、元の世界での友人であるリッツやミュート、更には、実の兄弟であるドネッドさえも、
マーシュが世界を元に戻そうとする意思を示した途端、彼に剣を向けた…
元々「このイヴァリース」の住人ではない彼らですらそうだったのだ。
昔から「このイヴァリース」で生きてきた記憶を持つ者が、マーシュの為そうとしている事を知れば、
その時マーシュに向けて彼らが抱くであろう敵意は計り知れない…
そんなマーシュに、モンブランは頭をぶんぶんと振って、嗚咽混じりの声で訴えた。
「…っ、違う…!違うのクポ…ぉ…! マーシュのッ、マーシュの『好き』とモグの『好き』とは…っく…
ちが…ぁっ、違う…んだクポ…ぉッ!」
「え……?」
言っている事が理解できず戸惑っているマーシュに、モンブランは説明の言葉が見つからず、もどかしくて、もどかしくて…
「も…モグはッ…ひっく…モグはぁッ!!」
感極まったモンブランは、マーシュに駆け寄り、力の限り抱き付いた。
顔を胸に(…のつもりだったが、身長差のおかげでお腹に)ぎゅっと埋める。
「わ…っ、も、モンブラン?」
突然のことに仰向けに倒れそうになったマーシュは、かろうじてバランスを保ち、驚きと疑問の声を上げる。
抱き付いたまま、しばらくの間むせび泣きに震えていたモンブランは、そして、ぽつり、とつぶやいた。
マーシュの服に顔を隠したまま、さっきまでのヒステリックな様子と裏腹な、吐息のような小さな声で。
「………してる…クポ…」
かすかに、だけど確かに、彼の言った言葉を、マーシュは聞いて……
……数秒間固まった後、その顔が、ぼっ、と赤くなった。
「…ッ、モグ…こんな…ひっく、こんな、変なモーグリで、ごめ、ぇっ、ごめん、ごめんなさいクポ…ッ
モグ、おとこなのに…ぃっ、おとこの子の、マーシュに…えぐっ、こんな…ぁ」
嗚咽混じりのモンブランの声に、マーシュは答えない。
あぁ、やっぱり嫌われた。頭のおかしい変態モーグリだと思われた。
「どうしようも…ぉっ、なかっ、なかったんだクポぉ! じぶんでも、変だと思ったクポ…けどっ!」
もう言い訳したって無駄だ。取り返しがつかない。…けれど、それならばいっそ。
「モグは、っぐ、親切なんかじゃない、っクポ…… マーシュが、マーシュが喜んでくれると、
とてもっ、とっても、うれしくて…ぇぐ…、
…マーシュがしあわせなら…世界なんて、どうなってもいいと…おもってる、わるいっ、悪い子なんだクポ!」
それならばいっそ、自分の想いをすべてぶつけてしまえ。どうせ、嫌われてしまったのだから。
「ほんとは…ほんとはっ、帰ってほしくなんかないクポぉ!
帰らずに、ひっく、ずっと、ここで、いっしょに…無理矢理プリズンに入れてでも、いっしょにいたいクポぉッ!」
どう思われようと知るものか。これが自分だ。自分の想いだ。今まで隠してきた本当の姿だ。
嫌われてしまった方が気が楽だ。それならば、あきらめだってつく。…つく、はずだ。
「でも、マーシュは、世界を戻したいって、えうぅ、戻したいって、かなしい顔するからぁあっ
マーシュがっ、かなしい顔、すると、えぐっ…モグも、かなしいからっ、だからぁっ!」
「モンブラン」
頭上から降ってきたマーシュの静かな声に、モンブランはびくっと体を震わせた。
もう聞くにたえないのだろうか。罵声を浴びせられるだろうか。絶交の言葉を投げかけられるだろうか。
「…ありがとう」
「……え?」
予想だにしなかった言葉に、思わず顔を上げると…
…マーシュは、涙を流しながら、優しく微笑んでいた。
「そこまで…ぼくのことをそこまで想ってくれてたなんて、考えもしなかった…」
「ま、マーシュ…」
マーシュは床に片ひざをついて、自分の視線をモンブランの高さに合わせた。
「ごめんね…気付いてあげられなくて、疑ったりして、我慢させて、寂しい思いさせて」
「マーシュ…っ」
抱き寄せる。マーシュが、モンブランを。目を丸くするモンブラン。
「…そんなに想ってくれて、ありがとう。…ぼくは、嬉しい」
「マーシュ…マーシュぅ!」
ひょっとしたら、マーシュがまだ、友情と恋愛の違いを知らないから出てきた言葉なのかもしれない。
でも、たとえそうだとしても、モンブランにとっては、その言葉は救いだった。
抱き付いて再び涙を流す。悲しみや苦しみの雨露とは違う、温かい雫が頬をつたっていった。
「我慢なんてしないで、さ。もっと…ワガママ言っても、いいよ。…全部聞くのは、無理かもしれないけど」
マーシュの優しい言葉に、モンブランは、喜びとともに、ほんの少しの寂しさも感じた。
だって、ワガママを聞いてもらえるとしても、それは後一日だけなのだ。
こんなことならもっと早く告白しておけば良かったかも、と、涙ながらに苦笑する。
「…クポ…それじゃあ、ね……」
冗談混じりで、無理な注文を……叶うはずの無いワガママを、言ってみる。
「…キス、してくれるクポ?」
答えは、言葉ではなく、行動で返ってきた。
……レモンじゃなくて、涙の、しょっぱい味がした。
一番星が小さく煌く、夕陽の沈んだ、紫色の空。
モンブランが驚きに目を見開いて5秒。喜びに目を閉じて11秒。
もっと深く求めるモンブランが舌を入れてきて今度はマーシュの方が驚いた2秒。モンブランに任せてなすがままになってみた12秒。
口の中がこそばゆいようななんとも言えない感覚に、真似してマーシュが反撃を試みた4秒。
その舌にモンブランが積極的に舌を絡めた3秒。歯と歯が軽くぶつかってちょっとお互い引いたのが1秒。
段々エスカレートして、二人の唾液と吐息が混ざったものを飲み下しながら互いを味わうような濃厚な21秒が過ぎ……
ぷは、と唇を離して、互いの間に掛かる銀色の糸を見つめた1秒。
計1分の接吻。
「はぁっ、はぁ…ま、マーシュ、ほ、ホントにやる、なんて…クポ」
荒い息を吐きながら、改めて、信じられないという表情をするモンブラン。
「はふっ、はぁっ…だって…モンブランなら、してもいいかな、って、思ったんだ」
少し恥ずかしそうではあるが、あっけらかんとした言動。やはり、性というものに対する意識がまだ希薄なのかもしれない。
「……でも……」
「…? でも、何クポか?」
息を整えながら、頬を染めて呟くマーシュ。
「……キスって…あんなに気持ちいいものだなんて、知らなかった」
「………」
あまりに率直な感想に、思わずモンブランの方も赤面する。
モンブランも素人なのだが、それなりに上手く出来たようで…
…ひょっとして、度々の夜の妄想が、イメージトレーニングの効果でも果たしたのだろうか?
―――夜の、妄想―――
どくん、と、モンブランの鼓動が高鳴った。
…今なら、ひょっとして……いや、いくらなんでも……あぁ、でも……
「……ま、マーシュ…あ、あの、その、モグ……」
「? なに?モンブラン」
首を傾げるマーシュを見て、ごくり、と喉を鳴らし、しどろもどろながら、モンブランは言った。
「……モグ…も、もっと…気持ちいい、コト…知ってるんだけど、クポ」
いつしか夕焼けの余韻の紫色も薄れ、紺色へ変わりゆく空に、星が瞬く。
「もっと、気持ちいい…こと?」
マーシュの問いに、モンブランはゆっくりうなずく。
「へぇ、どんなことなの? 教えてくれる?」
「……う…」
好奇の色を浮かべてこちらを見つめる無垢な瞳に、モンブランは早くも後悔した。
「いや…でも…それは…ちょっと……クポ」
「…教えたくないの?」
「いや、その…ちょっと、えっちな…コト、なの、クポ」
「…え」
モンブランの白状に、マーシュは赤面して固まった。
「……ほ、ホントは、男の人と女の人でやるものだし…男同士クポだし…
マーシュ、嫌がるだろうから…や、やっぱりやめるクポ!」
良心の呵責に耐えかねて断念する。
マーシュの無知と素直さと場の雰囲気を利用して、なし崩し的に行く所まで…などと考えた自分に自己嫌悪。
その時、マーシュがぽつりと呟いた。
「……モンブランは」
「…え?」
聞き返すモンブランに
「モンブランは、どうなの? モンブランは、やりたいの? 『それ』を」
「……っ」
言葉に詰まる。こんな時ですら、彼の表情は真摯だ。
そんな顔をされて嘘をつくこともできず……モンブランは、赤くなりながら、こくり、とうなずく。
「…なら、いいよ」
「え…で、でも!」
「…モンブランなら。いい」
……その言葉そのものが、彼を抱ける、という事よりも、嬉しかった。
「…じゃ、ベッドに座って、ズボン脱いでクポ……パンツも」
「……やっぱり、ちょっと、恥ずかしい、かな…」
言われるままに下半身を露わにしたマーシュは、顔を赤らめて両手で前を隠す。
「……そこ隠されると、なにも出来ないクポ…」
「え、そ、そうなの?」
マーシュが「えっちなこと」に対して抱くイメージというのは、「女性の裸や下着を見てはいけない」程度である。
興味が無いと言えば嘘になるが、大人達が「それ」について触れる事を禁忌のように言うので、
真面目なマーシュは、同年代の中でも、性に対する知識に乏しい方だった。
「どんなことするのか、全然わからない…」
手をどかして、羞恥でさらに頬を染めながら呟くマーシュ。
「心配無いクポ…モグが手取り足取り教えてあげ…」
言いながら、マーシュの下腹部を見つめるモンブランは、小さく感嘆の溜息を吐いた。
男性の象徴。マーシュのそれに触れる日を、夢にまで見た(ホントに見たクポ。起きたら夢精してて隠すのが大変だったクポ)
風呂や水浴びなどで見る機会はあったが、こんなに間近で見るのは初めてだ。
人間としてはまだ幼いのかもしれないが、モーグリのサイズで見れば十分過ぎるほど立派なものである。
分泌量の増えた唾液を飲み込みながら、そっと、それに手を沿えた。
「も…モンブラン!? ちょっ…そんなとこ触っちゃ、汚いよ…!?」
「平気クポよ。チェックインしてすぐオフロ入ったクポ? 汚くなんてないクポよ」
(それに……モグは、マーシュの体を汚いなんて、絶対思わないクポ…)
まだ勃ちもせず柔らかいままのマーシュのそこを、マッサージするように優しく揉みしだく。
「…どうクポ? 気持ち良くなってきたクポか?」
「…気持ちいいって言うより…恥ずかしくて…なんか、変な感じ…」
しかしその言葉に反して、モンブランの手の中でそれはどんどん固さを増していった。
この初めての特異な状況に、興奮しているのだろうか。
(あぁ…マーシュの…マーシュのぉ…)
その感触に、自らも興奮の度合いを強めたモンブランは、鼻息も荒くそれに顔を近づけ…
接吻し、そのままそれを口に含んだ。
「え、えぇ!? モンブラン、な、なに…を!?」
思いも寄らぬ行動に、マーシュはパニックに陥った。
モンブランの衛生上の心配、このまま食べられてしまうのではないかという不安、
そして、今まで感じたことも無い、温かい口腔内の感触。
そのマーシュの混乱をよそに、モンブランは半ば恍惚とした表情でそれを頬張っていた。
「んむ…あむぅ…ん」
自分は性器どころか性感帯の一つも触っていないのに、
マーシュを味わっているという歓喜が快楽となって身体を駆け巡り、甘い声が漏れる。
「も、モンブラン……」
そのモンブランが乱れる様を目にし、マーシュの中で言いようの無い感情が膨れ上がっていき、
それに伴うかのように、モンブランの口内で、自分の一部が更に膨張していく。
「あぅっ!」
膨張に伴って皮の剥けた敏感な部分を舌が這い、痛みと同時に、今まで経験した事の無い感覚が走る。
モンブランは、その声を聞いて、舌を少し優しめの、愛撫するかのような動きに変えた。
唇で締め付け、皮を扱くかのように往復させる。しゃぶり貪るような動作ではなく、口全体を使って奉仕するように。
「うぁ…あっ、ぁあっ…もんっ、モンブラン…んっ」
最初のうちは痛みや違和感によって上げていた小さな悲鳴が、段々と、浅い呼吸と甘い声とに取って代わられていく。
先端から滲み出す液体がわずかな塩味の刺激を舌先に与え、モンブランの脳を更にしびれさせた。
「あぁっ、変、何か、何か、…んっ、で、出ちゃいそ… だ、だめ、モンブランッ!」
何か、尿とは違う何かが、奥底から湧き出し、噴出しそうになる感覚。
初めて感じるその感覚に、快楽と恐怖がないまぜになった悲鳴を上げるマーシュ。
と、その声に従ったというわけでもないだろうが、モンブランが舌の動きを止めた。
「ん…ぷぅ…」
吐息と一緒にモンブランの口から引き出されたそれは、皮が剥け、はちきれんばかりに膨張し…
マーシュは、今まで見た事も無いような姿になっているそれが、自分の体の一部だと信じられないような気分にとらわれた。
「口の中には…出してもらいたくないクポ」
「…そ、そうだよね…ごめん…」
「違うクポ」
モンブランは、自らも下半身の衣服を脱ぎ捨てて言った。
「……出すなら、ここに…出して欲しいクポ」
「ん…んんっ…」
唾液で濡らした指を自分の尻に挿し入れるモンブランの姿、切ない喘ぎ声からは、いっそ女性的な印象すら受ける。
「…んっ…うん、多分、コレくらいでいいクポ…」
「……ホントに、大丈夫? そんなところに、いれても…」
モンブランを案じて、マーシュが心配そうな声をあげる。
「…いれて、欲しいんだクポ。……最後に、マーシュと一つに、繋がりたいんだクポ」
……最後に。
別離を前にした一夜の夢。だからこそ、絆を深めたい。
一度でも一つに繋がれば、別れの後も、きっと、お互いを感じる事ができると、そう信じて……
「……わかった」
そんなモンブランの想いを感じたのか、マーシュも静かにうなずく。
「それじゃ…いくクポよ…」
ベッドの上で向かい合うように、マーシュの膝の上に腰を落とすモンブラン。
マーシュはその腰を掴んで、そして……ずっ、と、その先端を、モンブランの中に沈めた。
「ク…ポ…ぉッ」
「んく…ッ」
マーシュはまだ子供だとはいえ、人間とモーグリとの体格差はやはり大きかった。
マーシュを想い自らを慰めた夜毎に、油を塗った杖で尻を慣らしていたので裂ける事こそ無かったが、
それでも内側からの圧迫感に体が軋む。
マーシュにとっては、体格差がきついほどの締め付けを生み気持ち良いほどであったが、
その快楽からモンブランの体内で更に大きくなってしまい、モンブランの苦悶の声も高くなる。
「…っく、だ、大丈夫?モンブラン」
「へ、平気…ックポ…ぁ、はうぅんっ!」
モンブランに負担を与えないように、ゆっくりと動いていたマーシュだが、今までとは違う色の悲鳴に動きを止めた。
「……ここ、気持ちいいの?」
「う、うん…ッ、そ、そう…クポ、あっ、ひゃぁんっ!?」
マーシュは、そこを重点的に責めるかのように、そのポイントの近くを小刻みに往復しはじめた。
「あぁんっ!マーシュ、まぁしゅぅ…きもち、きもちい…クポぉ…ひぃ…っん!」
モンブランはいつしか苦痛も忘れ、快楽に嬌声を上げつづけていた。
肉体的な快感だけでなく、マーシュと繋がることができたという喜びが、そうさせたのかもしれない。
一つになる、とは、こういうことなのか。
喜びを与えるでも受けるでもなく、ただ重ね合った体と心から溢れ出す悦び。
しかしそれでも、どこか切なくて涙が流れるのは何故だろう。
この歓喜も永遠では無いと、知っているからだろうか。
「マ…ぁっ…シュ…ぅうっん!」
ずっと、こうしていたい。だけど、その願いは叶う事は無い。
願いによって生まれたこの世界でも、願いは必ずしも万能ではなかった。
だからこそ人は限られた幸せを求め、時に争い、時に傷付き……、
時に憎み合い、そして…時に愛し合うのだろう。
すべての願いが叶うのならば、人はひとりで生きていける…。
弱さを庇い合い、悲しみを慰め合うことも無く、人と人とが、触れ合う必要の無い世界。
それを理想の世界と言うのは、あまりにも哀しくないだろうか?
「モン…っブラン…んぅっ!」
「このイヴァリース」はそんな世界ではない。
しかし、魔法にすがって、願いが全て叶う幻想の世界に逃避しようとするミュートの思いを肯定してしまえば、いずれは……
魔法に頼らなくとも、人は願いを叶えられる。そう、信じたい。……でなければ……
「まぁ…しゅぅっ! す…っ、すき…っクポ! だいっ…すき、クポ…ぉん!」
…でなければ、彼との旅も、想いも、無意味だったと認める事になる。
想いのために、自分たちの力でつらい道を越え、その度に絆を深めてきた、この旅を。
「ぼくも…大好き…だよっ、モンブラン…っ!」
マーシュの服のすそをぎゅっと握りしめ、快楽に耐えるモンブランのその姿がいとおしい。
力なく垂れ下がった耳が、腰を突き上げるたびにびくんと跳ねる。
温かい体、柔らかな体毛、頬を染める血色、涙に潤んだ瞳、そして、じかに伝わる鼓動…
確かに感じる、今ここにある「モンブラン」という存在のぬくもりは、決して夢幻なんかじゃない。
モンブランだけじゃない、ノノも、エゼルも、バブズも、シャアラも、エメットも、モーニも、カロリーヌも……
みんな、血肉を備えた一個の命なんだ。
体を合わせ、心を繋げ…今、確信できた。例えこの世界が夢であっても、彼らは、消え去ったりはしない、と。
(ありがとう、モンブラン。もう、迷わない。ぼくは、この世界を…)
「う…ぐっ…!?…モ…ン…ブラ…んんッ! 出ちゃ…、もう、出ちゃうよ…ッ!」
「だ、だしてぇっ、だしてクポッ…モッ、モグ、マーシュの、欲し…ぁあっ、ふあぁ……ッ!」
マーシュが体内ではじけたのを受けてか、モンブランも熱いほとばしりを放つ。
『う…ぁあああ……ッ!』
歓喜と快楽に両者の嬌声が重なる。
白い液体がモンブラン自身の体毛を濡らし、
マーシュはまるで自分がモンブランの内側も外側も染め上げたかのような錯覚を受けた。
(……ぼくも、大好きだよ。モンブラン)
心の中でもう一度呟いて、マーシュの意識は、気だるい快楽の夢の中に沈んでいった……。
……雪が降る。
舞い散る白き花びらのような結晶は、世界へと積もり、やがては、全てを白く覆い隠していくのだろう。
人の罪や過ちや傷までは、雪も隠してはくれないけれど、
同じように、彼らと過ごした日々の記憶は、たとえ深い根雪に埋もれようとも、消えることは無い。
最後の戦いが終わり、あるべき姿へと還りはじめた世界。
旅立ちのあの日に降っていた雪が、旅の終わりのこの日に再び降り積もる。
あるいは、彼らの別れの涙が姿を変えたものなのか。
神秘の雪は、野に、街に、湖に……、果ては砂漠や、火山に至るまで、その白い花を咲かせた。
涙を浮かべながら、それでも微笑んで、皆は、別離の時を迎えた。
バブズに、今日までの感謝を伝えるミュート。ミュートの、明日からの幸せを祈るバブズ。
シャアラを、これからも絶対忘れないと誓うリッツ。リッツに、その自分の強さを忘れないでと願うシャアラ。
空を見上げ、レメディに心の中で別れを告げたシドには、答えは返ってきたのだろうか……
白く染まった琥珀の谷で、光に包まれ、輪郭を薄れさせていくマーシュ。
モンブランが、小さく呟いて……、
その言葉が届いたか届かなかったか確かめる間も無く、マーシュの姿は、雪の中に消えて……
「おやすみ、お兄ちゃん」
「…あぁ、おやすみ。ドネッド」
寝室の明かりを消し、ベッドに潜りこむドネッド。
マーシュも自分のベッドに向かおうとして……ふと、窓に歩み寄り、カーテンを開ける。
夜空の中、無数の白い欠片が舞い降りる。
……雪の日の夜には、いつも、あの別れ際の最後の言葉を思い出して、夜空に願うのだ。
―――モグ達は…いつでもここで願ってるクポ。
だから…またいつか、夢の中で、会えるといいクポ…マーシュ…―――
〜おわり〜
……さて、ここでこの物語はお終いです。
一冊の古書と一つのゲームから始まった不思議な旅……
夢物語と笑われる方も居るかもしれませんが……これが本当にあった話だと言ったら、貴方は信じますか?
この物語の登場人物は、伝説に出てくる英雄でも、おとぎばなしの魔法使いでも無い、本当はちっぽけな人々。
完璧でもなく、無敵でもない。傷付き、迷って、泣いて、怒って……
けれども、そんな、ちっぽけな、血肉を持った彼らだからこそ、人はそこに、魅力を感じるのかもしれません。
それ故に、何人もの作者が、彼らの活躍を、素朴な私生活を、……あるいは、舞台裏の情事を想像し、
数多くの小説や小話をえがいたといいます。
それらの物語も……そして、この物語も、ただの夢物語なのか本当の話なのかを知り得るのは数少ない当事者のみ。
信じるか信じないかは皆様のご判断にお任せしますが、例え夢物語と思われたにしろ、そこから何かを感じていただければ本望です。
…兎にも角にも、この長い物語にお付き合いいただき、ありがとうございました。
…え? その後の彼らはどうなったのかって?
モンブランとマーシュは夢の中で再会できたのか?
…残念ながら、彼らが、夢の中で会うことはありませんでした。
……しかし……
…おっと、いえ…やはりあまり多くを語るのは止めておきましょう。例え実話でも、物語には夢を持ってもらいたい。
……ただ、一つだけ、ヒントを出しておくならば。
「人は、誰でも、願いを叶える力を持っているのだ」……とだけ、言っておきましょう。
〜「最後の夢」 ドネッド=ラディウユ エゼル=バルビエ 共著
なんとか間に合った…書き込めるレス数が残ってないんじゃないかとヒヤヒヤでした。
……夢見過ぎなのはわかってますが、あくまでも「訳者」ということでどうかおひとつ(;´Д`)
何はともあれ…FFTAスレの皆様、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
機会があれば、またいつか、どこかで。
キター!まだ読んで無いけどこれから読む!