調教や洗脳で悪の奴隷になるヒロインの同人誌 part2

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766少女一人・鬼一匹(1)  ◆bWq6CgvhhE
「ヴァジュラ!金剛角―――ッ!」
鬼の肘から突き出た光をまとった角が、醜悪な獣の身体を貫く。
やがてその光が内側からあふれ出すと、獣の身体は膨れ上がり閃光とともに四散した。
「ギャグワァァァ―――!!」
人里離れた神社の境内に、怪物の最後の絶叫が響き渡った。

「やったわ前鬼!」
閃光が消えその中から明らかに「人」とは異なる長身の影が現れる。
その外見はまさに「人」が「鬼」と呼ぶ、異形のそれであった。
普通の人間ならばその姿に恐怖を覚え逃亡、あるいは身が竦んで逃げ出すことすらかなわなかったかもしれない。
しかしその「鬼」に対し、駆け寄ってくる一人の少女の姿があった。
「ありがとう。今回も前鬼のお陰で憑依の実を仕留めることができたわ」
少女はまだ幼さの残るあどけない表情で、「鬼」に対して労いの言葉をかける。
「ふんっ、あの程度なら大したことねーよ」
少女の労いの言葉に対し、「鬼」は軽く憎まれ口を叩く。
「ふふ、前鬼ったら相変わらずね」
767少女一人・鬼一匹(2)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 21:55 ID:ULIGDwiT
少女の名は、役小明(えんの・ちあき)。陰陽師・役小角の血を引くれっきとした祓師である。
鬼の名は、前鬼。かつては小角に使役されし「鬼」の一匹。
現在訳あって、本人は少々の不満を抱きながらも小明によって使役されている。
少女一人と鬼一匹、この2人は「憑依の実」と呼ばれるものを捜し求めている。
いや、それは正確な表現ではない。
「憑依の実」、それはかつて小角たち霊能力者によって封印されし禁断の実。
人間の暗き欲望に反応し、人間に憑りつきその欲望を満たすための強大な「力」を与える。
やがて欲望を食らい成長した「実」は、その人間を縁依として「憑依獣」として覚醒、
さらなる欲望のままに破壊と殺戮を繰り返す怪物と化すのである。
先ほど、前鬼によって倒された憑依獣もその怪物の1匹である。
小明と前鬼は全国各地に散らばる「憑依の実」を探し出し、再び封印を施すか、
あるいはすでに覚醒してしまった憑依獣を倒すために、こうしてコンビを組んでいるのである。
今回も「憑依の実」の仕業と思われる怪事件の情報を追跡していると、
案の定憑依獣に遭遇、いつものように見事な連携で退治したところであった。

768少女一人・鬼一匹(3)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 21:56 ID:ULIGDwiT
「それよりも「実」はどこだ?」
前鬼があたりを見回しながらつぶやく。
憑依獣を倒した後、憑依の実は憑りついていた人間から分離する。
前鬼にとってその憑依の実は大好物なのである。
先ほど「再び封印を施す」と説明したが、ほとんどの場合憑依獣を退治した後は前鬼が「実」を食べてしまうため、封印を施す必要がないのである。
一方憑りつかれていた人間は欲望に任せて「力」を使いすぎた代償として廃人と化すことが多い。
「そういえば、憑依されてた人は……あっ、いた!」
小明は小明で、哀れな(といっても自業自得なのだが)憑依の実の犠牲者のことを気にかけてあたりを見回した。
すると、先ほど閃光があった近くに巫女装束の女性が倒れている。
どうやら今回の憑依の実が封印されていた、この神社の巫女らしい。
「お姉さん!」
巫女の姿を見つけると、小明は心配して彼女に駆け寄った。
一方前鬼はそんなものには興味はないといった風情で、引き続き憑依の実を捜している。
「おっ!あったあった……ん、かーっ!やっぱ戦いの後の「実」はサイコーだぜ」
ようやくのことで「実」を見つけ、拾い上げると即座に口の中に放り込んだ。
この瞬間こそが前鬼にとって至福のひと時なのである。
769少女一人・鬼一匹(4)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 21:57 ID:ULIGDwiT
「オイ、小明―――――」
自分の目的を終え前鬼が小明の方を振り返ると、彼女は倒れている巫女に駆け寄り
その身体を抱き起こそうとしているところだった。
「お姉さん、大丈夫ですか、お姉さん!?」
小明は巫女の身体を抱き起こすと、呼びかけながら軽く身体をゆすった。
「う……う―――ん」
気を失っていた巫女は、小さく呻いて息を吹き返した。
そして軽く身体をよじった拍子に、元々乱れていた巫女装束の胸元がはだけた。
「?まさか!待て小明!そいつから離れろ!」
小明と巫女を見ていた前鬼が、微かな異変に反応し叫んだのは、巫女の胸元に憑りついていた「憑依の実」が覚醒し、
その「目玉」を見開いたのと同時だった。
「きゃあぁァァァ―――――――っ!」
小明が悲鳴をあげるより素早く、憑依の実がその触手を小明の胸元目掛けて伸ばしていた。

「小明ィ――――――!」
先ほどは憑依獣の断末魔が響き渡った鎮守の森に、今度は前鬼の叫びが木霊した。
770少女一人・鬼一匹(5)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 21:58 ID:ULIGDwiT
「ムスメ……オヅヌノチヲヒキシムスメヨ……」
小明は自らを呼ぶ声に目を覚まし、ぼんやりとした意識で辺りを見回した。
そこは何も無い空間、完全なる闇の世界だった。
「あれ?確かアタシ、神社で憑依の実に襲われて、それから……」
「ヨケイナコトハカンガエナクテイイ……ワレニ、ナンジノココロトカラダヲササゲヨ……」
「あなたは誰なの?」
質問する小明の口調はまだ意識がぼんやりとしているせいか少し呂律が回っていない。
「ワレハ、ヒョウイノミ。オヅヌニフウインサレテヨリオヨソセンネン……
……イマ、ワレヨミガエリテ、フクシュウヲハタサン……」
「憑依の実ですって!あんたなんかに簡単にやられるもんですか!」
「憑依の実」という言葉に反応しすぐさま意識を取り戻す小明。
「フム、サスガハオヅヌノシソントイッタトコロカ……ショウショウテゴワイナ……
……デハ、オマエノノゾミカナエテヤロウ……」
「アタシの……望み……?」
その時暗闇から一本の触手が一直線に伸びてきて、小明の胸元へ突き刺さった。
痛みは無かったが、その先には「目玉」を見開いた憑依の実が、瞳を怪しく光らせている。
「あっ……!」その瞳を見つめてしまった小明の目から意志の光が消えいていく。
「サァ、ムスメヨ……イマヨリソノココロトカラダ、ワレニユダネルノダ……」
「……ハ……イ」小明は虚ろな眼をしたまま、抑揚のない口調で答えた。
小明の返答に満足したかのように憑依の実は、残りの触手を小明の方へと伸ばしていった……
771少女一人・鬼一匹(6)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 21:59 ID:ULIGDwiT
前鬼が異変に気づき小明に向かって駆け出すより先に、巫女の胸元にあった憑依の実は小明の胸元へと移動し、
それと同時に悲鳴をあげた小明の周囲から、どす黒い妖気が噴出した。
その妖気の勢いに、小明に駆け寄ろうとした前鬼は思わずたじろいでしまい、その場に踏みとどまった。
そうしている間にも真っ黒な妖気は小明の身体をすっぽりと包み込み、その先端は軽く神社の屋根を越えるぐらいの高さにまで達していた。
「きゃあぁァァァ――――…………!」
やがて妖気が小明の身体を完全に隠してしまうとともに、その中から聞こえていた彼女の悲鳴さえもかき消されてしまった。
「小明ィ――――――!」
前鬼は再び彼の仕えるべき相手の名前を叫んだが、もちろん返事は無かった。

やがて黒い妖気の柱が勢いを収縮し始めると、突然黒い閃光が疾った。
「うっ!」思わず右腕で顔を覆う前鬼。
そしてその閃光さえも消えると、あとには妖気の残滓が黒煙のようにあたりに漂っていた。
その黒煙が晴れ、中から少女が姿を現す。
772少女一人・鬼一匹(7)  ◆bWq6CgvhhE :03/12/12 22:00 ID:ULIGDwiT
「小明……」
黒煙のような妖気の中から姿を現したのは、紛れも無く小明であった。
しかしその身体からは生気が抜け落ち、少女らしい溌剌さをたたえていた表情さえ今は虚ろだった。
「小明、大丈夫かっ!」
前鬼は煙の中から現れた小明に声をかけた。しかし彼女はうつむいたままで返事は無い。
「おい小明!どうした!?」
「ウフ……ウフフフフ……」
小明は口の端を醜く歪めると、不気味に笑いながら顔を上げた。その瞳は闇に満ちている。
「ねぇ前鬼ぃ……アタシ、憑依の実に憑りつかれちゃったのぉ……」
以前の小明とは大きく変わった、気だるげな口調で喋りながら、彼女は着ていた祓師の衣装の上着を脱ぎ始めた。
「お、おい!何言ってやがる!」
「ウフフフフ……」
小明が上着をはだけると、彼女の乳房の間には「目玉」を見開いた憑依の実が根をはっていた。