921 :
919:03/04/02 00:43 ID:J1nh5fRR
「晒してやろうか?」だと?
ああ、知ってるんなら頼むよ。
生まれて初めて粘着に感謝することだろう。
ここにヒクテンの小説を投稿しようと思っていたんだけど
粘着荒らしのせいで投稿し辛いなぁ…。
どうしたらいいだろうか…。
「ヘタレ文章書くな、氏ね」とか言われるの
相手が荒らしといえども嫌な気持ちになるし…。
ヒクテン小説ものすごく読みたいです……!
ヒクテンモエー(;´Д`)
粘着の書き込みだけあぼーんしてもらうとかできないかね?
>925
単なる煽りレスは削除対象外。
粘着の書き込みは名札下げてるみたいにハッキリわかるんで
専用ブラウザ入れて、ローカルであぼーんが吉。
同じ荒らしでも439君の方が盗作と泣き寝入りしたくらいでまだマシだったな。
超粘着君と同一人物かもしれんが超粘着君の方が限りなくうぜえ。
439君は低脳ななりにもコミュニケーション(プを取ろうとしてただけ
面白みはあったな。
439君→脳は幼稚園児並。一応日本語は話せる。
超粘着君→知的障害者。言語障害(プ
↑みたいな煽りも十分荒らしだってば
神が書き込みにくい雰囲気ができちゃうだろう
ヘタレ文章書くな、とかの煽りは読みもせずに書き捨ててるだけなんで
作品投下神が嫌な気持ちになることはじぇんじぇん無いと思う。
おまいら、粘着荒らし・煽りは通常の三倍無視してください
↓このスレの荒らしを読む漏れ
∧_∧
(´∀` )<マタヤッテルヨ(憫笑)
( )
すでに、空気と同じくらい気になりません。アボーンする必要もなし。
933 :
498:03/04/03 01:07 ID:/77TJkyu
ルシア×クリス
ビュッデヒュッケ城の地下に、鞭が空気を切り裂く音が響く。
そして、その鞭が肉体に食い込む音も。
クリス 「ぐう..っ..」
声にならない嗚咽を上げ、冷たい床にうずくまるクリス。
鞭が当てられた個所がジンジンと熱くなる。おそらくまた、赤く太いみみず腫れになって
しまったことだろう。目視で赤い複数の跡を確認する気にはとてもなれない。
先ほどから幾度と無く味わわされたこの痛みと屈辱に、思わず涙を滲ませる。
ルシア 「..まったく..これしきで倒れられちゃあ困るんだけどね?
そんなんで騎士団長なんて務まるのかい?」
クリス 「..た、頼む..これ以上は耐えられない..許してくれ..もう..」
ルシア 「何を言ってるんだい?許してってのはお門違いだろう?..まあ嫌だと言うならそれもいいさ。
その無様な格好を城の皆に見てもらう事になるけどね」
クリス 「!!そ、それは..」
ルシア 「嫌だろう?なら、もうちょっと頑張って貰わないとね。
しかしクリス、まだ私が教えたことを全然守れてないようだね。
そんなんじゃ、また痛い思いをすることになるよ」
クリス 「...う..し、指示どおりに..頑張るから..」
ルシア 「私だって好きでこうしてるわけじゃないんだよ?
全部お前が原因だろう?違うのかい?」
クリス 「...はい...私の..せいです」
ルシア 「分かってるんならほら、いつまでそこにへたり込んでるつもりだい?
さっさと立ちな。また最初からやり直しだよ。今度こそはうまくやりな」
クリス 「は、はい..」
覚悟を決め、鞭の両端を左右の手で持ち、よろよろと立ちあがるクリス。
ルシア 「しかし縄跳びもろくに出来ないとは不器用すぎるね..」
934 :
498:03/04/03 01:10 ID:/77TJkyu
どうせシリアスなんか書けないよ〜う(開き直り)
それはそうと、長めの創作って投下してもまだ大丈夫でつか?
(と言っても私の「長め」なんざタカがしれてますが)
おぉっ!?
シリアス路線ですか!!(・∀・)ワクワク
今477Kなのでもうちょい大丈夫です。
相変わらずおもろいですな
長めの創作とやらもまってます!>498神
…縄跳び?(w
ガンガレ!!
938 :
498:03/04/03 22:02 ID:axG8QZDM
シリアスに見せて最後にぎゃふん系(どんなジャンルだ)は序盤のシリアスが
書けないのでよく考えれば私には無理すぎました。エロスキルがもうちっと欲スイ..
とりあえず様子見分割うp。よく数えてみりゃ大して長くなかったんですけど(3分割)
◆その1
アンヌ 「おっ、来たねヒューゴ。待ってたわよ」
ヒューゴ「アンヌさん、いったい何なの?ゲドさんとかも呼ばれてるみたいだけど..
とりあえず酒場に行けとしか聞いてないんだ」
アンヌ 「ふふ..君さぁ、炎の英雄として真なる紋章を継承したでしょ?
真なる紋章の継承者はご褒美として専属パーティを構成できるのよ」
ヒューゴ「え?そうなの?でも今は戦闘があるわけでもないし..」
アンヌ 「またすっとぼけちゃって。女性をパーティに入れて、好きに楽しんで良いって
言ってるんじゃない。早い話がハーレムだよね」
ヒューゴ「!!!え、えぇ?そ、それホント?」
アンヌ 「そうよ。ほら、早く選ばないとゲドさんにいい女取られちゃうよ?」
ヒューゴ「そ、そんなら俺、まずはク」
アンヌ 「ク?」
急激にアンヌの顔から笑みが消え、刺すような視線がヒューゴに向けられる。
そしておもむろに、わざとらしいため息を吐きつつ独り言が始まった。
アンヌ 「あーあ、それにしても、ホントならば今頃はカラヤで自分の酒場を
切り盛りしていたはずなんだけどねぇ。
こんなボロ城の雇われだなんて、お姉さん悲しいな。
まったく..焼かれちまうとはね」
間違ってもクリスを指名するわけにはいかない、とヒューゴは観念した。
939 :
498:03/04/03 22:04 ID:axG8QZDM
ヒューゴ「...イーンさん」
アンヌ 「なるほど、クイーンさんね。良い趣味だよヒューゴ。うんうん。
どうせ君、経験ほとんど無いんでしょ?
やっぱりお姉さんキャラが良いわよねぇ。クイーンさん、ご指名よ!」
クイーン「イってくるかね」
ヒューゴ「よよよ、よろしくお願いします」
クイーン「炎の英雄ともあろう男がそんなにオドオドするもんじゃないよ。
何、取って食いはしないさ。
ただし、あと4人を選ぶにあたってひとつ忠告しておくよ。
化粧塗りたくって顔ごまかしてるようなやつは止めといた方が良いね」
エレーン「....ちょっとアンタ、それ誰のことを言ってるのさ」
クイーン「あらアンタ居たのかい?ところでさ、その顔に塗ってるのは石膏かい?」
エレーン「ぐぐ..!ふ、ふん。
やれやれ、セーラー服着て喜んでる変態が何言ってるんだか」
クイーン「な!ああああ、アンタ、み、見てたのかい!」
エレーン「いい年して恥ずかしくないのかねぇ。
まぁ、アンタとこの大将もバンカラ帽に学ラン着て喜んでたみたいだし。
同じ変態趣味同士、仲良くやってるようで羨ましいねぇ」
クイーン「わ、私があの時どれだけ屈辱を味わったか..」
エレーン「くつじょくぅ?アンタに羞恥心が残ってるとでも言うのかい?
しかしスクール水着は笑ったわね。よくアンタのサイズに合うのが
あったもんだねぇ...ああそうか、アンタ、スレンダーだもんねぇ。
肩ぜんっぜんこらないでしょアンタ?羨ましいわあ」
クイーン「うくく..言わせておけばッ..!
アンタはおとなしく毎日牛乳だしてりゃいいのよホルスタイン!」
940 :
498:03/04/03 22:05 ID:axG8QZDM
アンヌ 「ほら、酒場でケンカはやめてくれないかい?
さぁヒューゴ、2人目は誰にするのさ?」
ヒューゴ「え..そんなこと言われても..そ、その..えと..ユミィさんを..」
アンヌ 「何照れてんのさ。遠慮なんかすることないよ。
選ばれるのは女冥利に尽きるってものよ。
ユミィさん!ほらお呼びだよ」
ユミィ 「はい。がんばりましょう」
ヒューゴ「は、はい。がんばります」
ユイリ 「やはり私ではなくてユミィか..ミニスカートじゃないのがまずいのか?」
ユミィ 「胸の差じゃないかしら..」
アンヌ 「あんたもさらっとキツイこと言うねえ。で、ほらヒューゴ、あと3人だよ」
ヒューゴ「じゃあついでにユイリさんも」
ユイリ 「ご一緒しましょう(ついで、か..)」
ヒューゴ「..あとはうーん、リリィ..」
リリィ 「当然ね」
ヒューゴ「..やっぱ止めた。ネイさん」
ネイ 「はい。よろこんで」
リリィ 「ちょっと!どういうつもり!?」
リード 「お、お嬢さん..わざわざ陵辱されたいんですか?」
サムス 「まったく、何考えてんだかわかりゃしねぇ」
リリィ 「なに?何か言った?こんな屈辱許せないじゃないの!こんなシチュで
私を選ばないなんてどうかしてるわ!第一に私を指名するでしょ普通!」
リード 「(ヒューゴさん賢明だよなぁ)」
サムス 「(ああ、せっかくの酒池肉林ハーレムがぶちこわしになるもんな)」
941 :
498:03/04/03 22:10 ID:axG8QZDM
ヒューゴ「と..最後はエステラさん..かな」
エステラ「ふう...しょうがないねぇ。性病うつるけど良いかい?」
ヒューボ「え?ホント?」
エステラ「うそ」
アンヌ 「見事に姉さん系でまとめたねぇ。
更におまけであと一人、サポートキャラ入れられるよ?
ふふふ..あらやだ、困ったわね。『お姉さん』系でサポートキャラと
言えばねぇ..まぁ、ヒューゴなら私はかまわないよ。
さあ、恥ずかしがらずに言ってごらん?ん?」
ヒューゴ「ミオさん」
アンヌ 「...そうかい。ミオさん、ご指名だとさ」
ミオ 「はい。ヤりすぎには気をつけてくださいね」
アンヌ 「それじゃヒューゴ、そっちの奥に特別部屋を用意しておいたから、
たっぷり可愛がってもらいな。ふふ..素敵な時間を過ごしてね」
その2(ゲド編)に続く
..レス残量と容量残量見ながら残りupします。一旦ご意見待ち。
>バンカラ帽に学ラン
似合います! 似合いすぎる!
でも若い人が多そうなので
バンカラ帽ってなんですかかもしれない。
相変わらずイィ仕事してますね。
笑いをこらえなきゃならん状態だったので、悶えてしまいました。
やっぱヒューゴはお姉さん系か…なっとく。
ン…ゲド編と、最後はクリス編でつか?
現在483K
まだまだイけます!<(*゚Д゚)=3
今度セーラークイーン描いてみようかな……
945 :
498:03/04/03 23:09 ID:axG8QZDM
◆その2(ゲド編)
アンヌ 「さてと..ゲドさん、あんたは誰をご指名するの?クイーンはヒューゴに
取られちゃったわよ」
ゲド 「...ビッキーだ」
ビッキー「あ、わたしですか??」
ゲド 「...小さい方」
ちびビッ「仕方ないな」
アンヌ 「...なんかそら恐ろしい選択だねえ、いきなり..で、次は?」
ゲド 「...メル」
メル 「え〜!!わ、わたし?ちょ、ちょっと待ってよ」
アンヌ 「ほら、セリフ違うわよメル」
メル 「ぐすん。...が、がんばろうね、ブランキー」
ブランキ「頑張るのはお前だけだろ。俺はじっくりと見物させてもらうからよ。
ゲヘヘ、それにしても大変だなぁメル?ゲドの持ち物はスゲェ巨根らしいぜ?
お前のちっちゃなおまんこじゃぁ間違いなく裂けちまうなゲヘヘ」
メル 「そ、そそそんなことゲドさんはしないもん!
そういう酷いこと言う子はこうだよ?こうだよ?」
ブランキ「痛い痛い!や、やめろ!俺が悪かった!悪かったって!....
..ゲへへ、1時間後に痛がって泣いてるのはお前だがなあ..
痛い痛い!やめろメル!」
メル 「違うもん!そんなことないもん!そんなこと言う子はこうだよ?こうだよ?
こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?
こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?こうだよ?
..はあはあ...、ゲ、ゲドさんは何もしないよね?」
ゲド 「ょぅι゛ょ..ハァハァ」
メル 「ひいぃぃ〜やだよう〜!」
946 :
498:03/04/03 23:09 ID:axG8QZDM
アンヌ 「...で、3人目は?」
ゲド 「ハレック」
ハレック「本気か」
ゲド 「すまん、冗談だ。...セシルを」
アンヌ 「ちびビッキー、メル、と来てセシル...アンタって..いや、まぁいいや。
おーい、セシル〜!ゲドさんがパーティメンバにご指名だよ〜!」
身に余る重装備を身につけてる割にはぱたぱたと軽快にセシル登場。
セシル 「は、はい!!ありがとうございます!がんばります!」
アンヌ 「...いきなり呼んどいてなんだけどさあ..
アンタ実際のところ、何されるのか全然わかってないだろ」
セシル 「え?このお城を守るための作戦か何かですよね?」
ゲド 「..すっぱだかにひん剥いて未成熟の体を鑑賞しまくって舐めまくって
揉みまくっていじりまくって口やまんこにちんぽつっこみまくって
色々道具使ったりしてさんざおもちゃにする」
セシル 「ええ?そ、そんなあ、そんなあ..そ、そんなのダメです!ダメです!」
アンヌ 「はいはい、諦めて。さてゲドさん、あと2人」
ゲド 「..ロディ」
ロディ 「は、はい!実戦も修行です!」
アンヌ 「ゲドさん..ロディは..男だよ?」
ゲド 「...かまわんさ」
アンヌ 「..アンタが良いのならいいけど..」
947 :
498:03/04/03 23:13 ID:axG8QZDM
ゲド 「最後はシャロン」
シャロン「うッ..ボ、ボクなんかよりも、まだサナエさんとかエミリーさんとか、
あ、あとシャボンとか居るじゃないか!」
アンヌ 「違うでしょ、間違えちゃダメよシャロン。
あなたのセリフは『うん、ボクにまかせて!』でしょ?」
シャロン「むむ、無理だよお」
アンヌ 「無理なもんか。さて、最後にサポートキャラは?」
ゲド 「アーニー」
アーニー「あ..はい。フィールドワークですね?」
ゲド 「フィールドワークだ」
アンヌ 「..ふう。あっちの部屋で楽しんで来ておくれ..
ちょっと怖くて覗けないねぇ、あれは.....」
一息ついた後、アンヌがにやりと微笑む。彼女の視線の先には、銀の乙女が居た。
その3(クリス編)に続く
その1に(ヒューゴ編)ってつけるの忘れるわ、941の3行目がヒューボになってるわ..
まぁ推敲するほどのもんでもないし。
>>498氏
(・∀・)イイ!!んだけど、続きは次スレの方が良くない?保守も兼ねて。
即死判定とか色々あるし。
既に笑い死にそうでつ・・・続き、楽しみにしてまつ〜
>ゲド 「ょぅι゛ょ..ハァハァ」
ハゲシクワロタ!
で、次スレはどうします?
そろそろ立てていいんじゃないですか?950超えたし
これもつけたして>粘着荒らし・煽りは通常の三倍無視
…なんか自分がつけたレスがテンプレに定着すると嬉しいね。
関係ないや。ごめん。
955 :
952:03/04/04 17:51 ID:vYViEHJR
956 :
952:03/04/04 17:57 ID:vYViEHJR
957 :
498:03/04/04 21:41 ID:aek4jIIy
新スレおめでとうございます。
あと、コメント戴いた方々、いつもアリガトウございます。
励みになると同時に、自分の予想もつかなかった部分がツボになってたり勉強になります。
(クイーンのセーラー服なんてネタづまりの結果だったんですが..)
えーと、こんな腐れコメントしててもウザかろうと思うので本題なのですが..
中途半端に投下中のやつ、あと4レスぐらいに多分収まるんですが
このスレで書ききるのと次スレに落とすのとどっちが良いのでしょうか?
>948さんのアドバイスに従えばよろしいでしょうか?
・新スレ第一弾がギャグでいいのかなぁ
・しかも前スレの続き
なのでちょいと気が引けておりまつ。
神が新スレ記念に作品投下してくれたりしたら気が楽なんだが..
...あ、次スレでは498と名乗るわけにはいかんのか。
感想レスもつくでしょーから、新スレでイイのではと思ったり。
正直言うと、即死が怖いのだったり。
ここはもう使わないんですか?
つかわないよ
じゃあ埋めてしまえ(w
新スレも色々大変だなあフゥ
そう思うなら向こう行って言ってこいや
964 :
山崎渉:03/04/17 12:25 ID:Ac1CXwMS
(^^)
こっそりこっちに置いておこう。
中途半端に終わってるし。
結界を抜け、原生林を奥に奥に進んでいくと少し開けた場所に出た。
グラスランドの部族、巫女だけの村、アルマ・キナン。
そこは大昔から生き続ける木々たちの原生林の隙間に間借りしているような、
そんな印象を受ける小さな村であった。
大きな城中心で生きてきたクリスにとってはギャップが大きいだろう。
そこそこ旅をしてきたフレッドやリコ、諸事情で旅なれているナッシュはクリスほどのギャップの
違いは感じないかも知れないが、それでも村に流れる空気とか匂いなどはには少々驚いていた。
だいたい、この村に来るときも入り口にたどり着けないように術がかけられていたのも、違和感の
原因かもしれない。それは全てこの村のあるモノが原因ということはあとで知ることになるのだが………………。
ひとまず、彼らはこの村の長の所へ向かった。
「とりあえず、宿を用意してくれるとさ。やつら、まだ話がしたいみたいだったけどユンが何か言って、
今日のところは許してもらえるみたいだ。なんだか、忙しそうだったしな。」
退屈そうにフレッドが言う。考えるより先に正義で動く彼にはさぞかし窮屈な村であろう。力の有り
余る彼にはこの村ののどかさは肌に合わなさそうだ。
「どうします? 宿で休みます?」
リコがクリスを見て問い掛ける。年頃の女の子には失礼かもしれないが少々ふくよかな彼女は自
分の主であるフレッドとは違い、細かい気配りが効く子である。
「そうだな、少し休みたい」
ココまで相当な強行軍であったために、騎士である彼女は剣を握らせれば一騎当千の強さを持つ
が旅なれていないクリスには少しキツイ。
ちなみにいっしょにいるナッシュは素性はよく分からないが、旅なれているのはよく分かる。そしてな
にか得体の知れない不気味さも持っていた。その不気味さも気持ちの悪いものでないところも彼の
得体の知れない所であった。
「そうですよね。ほらほら、フレッドさま。みんな疲れているんですよ。まったく疲れていないなんて
言ってるのフレッド様だけですよ。」
長い付き合いであるフレッドをリコが嗜める。どちらが年下なのか分からない。
「うるさい。俺はあの程度でなんか疲れてもなんともないぞ。」
意味も無く胸を張ろうとするが、
「フレッドさま、先行っちゃいますよ。」
リコが呆れたようにフレッドを振り返る。すでに他の仲間は宿屋に向かっていた。
きれいに空になった皿にフォークを置いて、
「ご馳走様でした!」
大きな声でフレッドが言う。アルマ・キナン唯一の宿屋で出された夕食は山鳥のソテーや木の実
のパンなど野趣溢れるもので、かなりのボリュームがあり、リコは半分くらい残してしまっていた。
クリスは何とか食べきれたのだが、彼女の普段の食事量からすると確実に多かった。ナッシュはし
っかり平らげて、唯一おかわりをしたフレッドだけがだったいま最後の皿を空にしたのだ。
不思議なもので、食事をしているときは奇妙なほど静かで礼儀よく食べていたのだが、食事が終る
がいなやいつものフレッドに戻ってしまう。
「みんなとっくに食べ終えてますよ、フレッドさま。」
食後のお茶を飲みながらリコがツッコミを入れる。こちらもどこか上品さがある食事の仕方であっ
た。それ自体は旅の途中でなんども見た光景なのでクリスもなれたが最初はビックリした。そりゃ
そうだ。ふだんの正義が猪突猛進しているフレッドやそのあとを必死でついていくリコを見ていたら
そんな風には見えないからだ。クリスがリコにそのあたりの理由に聞くと「騎士たるもの礼儀作法は
必須、何時いかなる時もそれは不変である。例え敵中だろうとも獄中であろうとも、騎士としての礼
儀を無くすのは騎士の命を絶つことに等しい! という祖父の言葉が身に染みているんです。」とのこ
とだった。リコも従者として一通りに礼儀は見についているようだ。クリスは自分の部下たちの一部
にフレッドの爪の垢でも飲ませないなとも思ったりもしたくらいであった。
「皆さん、食後のジュースはいかがですか?」
食事を終った頃を見計らってユミィが琥珀色の液体の入ったビンと人数分の陶器のカップをお盆
に乗せてきた。女性と少女の狭間から抜け出したような彼女はクリスたち一向をもてなす担当のようだ。
「あ、ください。」
少女そのもののリコが遠慮なくお願いする。
「それじゃぁ、私ももらおうか。」
リコに続いてクリスもジュースを注いでもらうとナッシュも琥珀色のジュースを注いでもらう。
フレッドさんは?」
ユミィは食後のお茶を飲もうとしていたフレッドの斜め後ろから聞く。
「え、ああ、あとでいい。それより砂糖はないか?」
「あらそれでしたら、砂糖よりもいいものがありますよ。」
そう言ってフレッドの横からお盆に乗っていた小さな入れ物を差し出した。
「これは?」
「このあたりの木の樹液から作ったシロップです。お茶には合うと思いますよ。」
トロリとした液体は甘い良い香りが香っていた。
「へぇ、じゃあ・・・・・・・・・・・・・・・。」
シロップをお茶に入れて、軽く混ぜて口をつける。
「お、美味い。」
「そうでしょ。甘いけど甘ったるくなくていいのよ。」
賞賛の声を上げたフレッドに嬉しそうにユミィが答える。
「ジュースはどうします?」
「そっちも貰いたい。」
「フレッドさま、そんなに飲むとお腹壊しますよ。」
ジュースを飲み終えたリコがイラついた声を出す。
「リコ、俺がそんなヘマをすると思うか?」
紅茶を飲み終えて、ジュースに移ろうとしたフレッドが反論する。
「グリーンヒルの一件を忘れたんですか?」
「う、それは・・・・・・・・・・・・・・・。」
たじろぐフレッド。
「なにかあったのか?」
2人のやり取りを聞いていたクリスが問う。
「はい、じつはですね、」
「リコ、いい加減に止めてくれ!」
「私も興味あります。聞かせてください。」
ユミィも乗りだしてくる。ちょうどユミィの柔らかく女の子らしい胸がフレッドの肩に押し当てられて
ひしゃげる。
「グリーンヒルでおじい様たちと・・・・・・」
悪乗りするリコ。と、
「いい加減にしろ!」
顔が赤いのは怒りだけではない。フレッドが大きな声を上げる。ちなみにナッシュは苦笑しながら
若者たちの会話を聞いていた。
「ふぅ。」
あてがわれたベッドに腰掛けてフレッドは一息つく。リコはクリスとともに斜向かいの部屋になった。
さすがに2人旅の時のようにリコと相部屋ではない。リコも女の子だからな。フレッドは苦笑した。
あまりリコが女の子と認識しないのだが、たまに思い出す。
「少々寝るかな。このあとの儀式とやらに出ないといけなさそうだし。」
ここまでの疲れと柔らかいベッドで寝れることが重なったのか体が重く、鎧を脱ぐことも億劫になり
そうだが、やっとこさ鎧を脱いで、剣を枕もとにおいて目を閉じた。
ふと、ここまで体が重いのは何でだろうと自問自答したが、スグにその答えは出た。
「そういえば、あのシロップの効果なの………か。」
そして、フレッドの意識は心地よい世界に漂っていった。
目が覚める。
訓練の賜物で目覚めてから数秒で意識をハッキリさせる。寝込みを襲われた際の対処である。
もっとも今は殺気などはないのだが。
しかし、いささか状況がおかしかった。手足が動かない。
ベッドの脚から伸びていると思われるロープに四肢を縛られて、ベッドの上で大の字であお向けに
なっているというなんとも情けない状況である。
フレッドは大きく深呼吸をして四肢に力を込める。引きちぎろうというのだ。
しかし、腕にロープが食い込むだけで、ロープ自体は伸びも軋みもしない。
「くぅ、こいつはキツイかな。もう一回っ。」
そう呟いて両腕、両足に力を入れる。ギチッという音が聞こえそうなくらいに力を込めて引っ張る。
しかし、腕と脚首に赤い痕が出来るだけで、やっぱりロープ自体にはなんにも変化は無かった。
「だめですよ、そのロープはいろいろと処理をしてあって、そう簡単には切れません。」
聞いたことのある声が聞こえた。頭を動かしてなんとか声の主を捉えると、銀の壷を持って
申し訳無さそうな表情のユミィがソコにいた。先ほど給仕していてくれたときのアルマ・キナン独特の
服装では無く、豊満とはいえないが形が良さそうな胸を布で軽く止め、下半身の丘や腰を布で、
そう褌のように隠して、その上から腰布を巻いただけの煽情的な格好で。
「ごめんなさい。こんなことをしてしまって。でも少しだけ、少しだけ何も言わないで協力してください。」
そんなユミィの言葉を聞く暇が無いほどにフレッドは焦って目を逸らす。
「な、なにをしている。早く服を着て…………く、それよりこの縄を外してくれ!」
フレッドは激しく暴れようとするが、身体に力が入らない。いや正確には身体に力が入らないのでは
なく、四肢の感覚がないのである。その替わりのように内蔵や胸、腹、大腿や腰の感覚がいやに敏
感に成っていた。
「身体の感覚がおかしい原因はこの香です。さっきのシロップと作用してそんな効果が現れるんです。
大丈夫ですよ。別におかしなクスリでは無いですから。」
そういって、手にもった銀の壷を見せる。良く見ると薄い匂いの紫煙が立ち上っていた。
「さっきも言いましたが、麻薬や心を壊すような薬じゃないです。アルマ・キナン伝統の秘薬ですよ。
シロップにはちゃんと滋養強壮の効果も有りますし。」
ユミィがそう言って、カップに注がれた液体を口に含む。紅色の頬が少し膨らむ。
暴れるフレッドの頬にそっと手を添えて顔を近づけて行く。
それまで暴れていたフレッドはその動きを止めてしまう。ユミィは瞳を閉じ、そっとフレッドに口づけると、
ユミィの舌がフレッドの唇を舐めて、ゆっくりと強引にフレッドの口内に進入ていく。そして、甘く、どこか
苦酸っぱい液体がフレッドの口に流れ込んでいく。
「うぐぐぐぐうぅぅ、んんんんんんむむぐん〜〜〜〜!〜〜〜〜ん〜〜〜!」
口移しで無理やりに液体を飲まされていく。舌で何とか拒もうとするが、ユミィの舌がそれを邪魔する
かのごとくヌルリとフレッドの舌に潜り込み、フレッドの舌を押さえ込む。しだいにユミィの口内にあっ
た液体がフレッドに全て流し込まれる。しかし、ユミィの舌はかすかに残った液体の味の唾液を、舌
の柔らかい感触とともにフレッドに伝えていた。
部屋にはヌチャヌチャペチャペチャという舌同士の粘液が攪拌される音、時折聞こえる息継ぎの為の
息の音しか無かった。その息音も次第に熱の篭ったものに変化していく。ユミィの手がフレッドの頬を
離さまいとするように包みこむ。フレッドの頬にユミィの汗ばんだ手のひらの感触が伝わると抗おうと
する気持ちが萎え始めていた。