ティファってイイ女だよね♪

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875名無しさん@ピンキー
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 彼女の家は、1階建ての木造建築だった。土台にはゴツゴツとした自然石が使われ、太くて
黒っぽい建築材は、もう既に何十年もの月日がその身を撫でていったような色艶をしている。
 まだ使える廃材を利用したからじゃないかな?…と、彼女は言った。森の木を切り出し、加
工するにも、人手や資金は必要だ。だが、今はこの街も落ち着きつつあるが、3年を経ても尚、
再開発を含めた生活圏の復旧はままならないのが現状だった。
 再開発地区での住居の建築は、整地だけでもかなりの人手を必要とする。実際には、まだ4
0%も進んでいないというのが実状なのである。
『真っ暗だ…』
 窓の外は日がすっかり落ち、闇が満ちていた。
 時刻は、まだ夜の6時にもなっていない。
 精緻な加工技術を行う工場(こうば)が失われたためか、窓にはまっている板ガラスは、わ
ずかに映った少年の顔を歪めてしまうような感じのものだ。窓の外には、モンスター防止用の
ネットの上に取り付けられた、風鳴り音を出す風車の赤い色がうっすらと見ている。
『本当に、街外れなんだな…』
 魔晄炉の運転が年々減らされてゆくにつれ、魔晄炉が開発される以前の、自然燃料を基盤と
した生活へと人々の生活は移りつつある。だが、それでも原始的な生活ではない。風力・水力
によって電気もそれなりに配給されるし、魔晄を触媒にした完全リサイクルなエネルギー抽出
方法も研究されている。魔晄エネルギー利用の全てを否定するわけではなく、「星の命」を出
来るだけ削る事無く、最低限のレベルで利用していこうとしているのが、旧神羅から派生した
新組織の方針であり、現トップであるリーブの意志だった。