ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part6
701 :
698:
ただいま・・・・。」
道路工事のアルバイトで泥だらけのスニーカーを貧相な玄関先に投げ出し、
真っ暗な部屋に明かりを灯した。すでに時刻は午後11時近くになっていた。
玄関入ってすぐには3畳ほどの台所、その奥には8畳間が一つに、
バス・トイレがついた安い木造アパートには、小型のちゃぶ台に旧式のテレビ、
最小限の衣類と台所用品があるだけ。極めて殺風景なものだった。
誰も居ない部屋に「ただいま」を言う癖がついたのは、いったいいつからだろうか。
俊はふと思い巡らした。
(たぶん、おふくろが看護婦を始めた頃だ・・・)
女で一つで幼い息子を抱えて生活していくのは容易ではない。
そういった意味では、看護婦は比較的給料も良く、安定していた。
しかし、看護婦の仕事は労働時間も長く、急患も入る。
また、日勤・準夜勤・夜勤のサイクルがローテーションで組まれるため、
夕食も一緒にとれない日が多かった。
まだ幼かった俊にとっては、誰もいない部屋に帰宅する事が、この上なく寂しかった。
だから、自宅アパートに辿り着いてドアの前に立つと、
もしかしたら、この扉を開けると、勤務でいるはずのない母親が、
「俊、おかえり。」
と微笑みかけてくれるのでは・・・という期待をして、つい
「ただいま」
と口をついて出てしまうようになったのだ。
無言の部屋に向かって・・・。
702 :
698:03/02/20 19:16 ID:ACLG+ABy
8畳間のちゃぶ台には、部屋とは不釣合いな可愛らしい布包みがひとつ。
ほんのり温かい。中身は作って間もない弁当である。
一人暮しを始め、高校・ボクシングのトレーニング・日雇いのバイト・・・
疲れ切って帰宅すると、ドア横のポストの上にさりげなくこの包みが置かれているのだ。
毎日、欠かす事無く。
(江藤の奴・・・・)
嬉しいような、心苦しいような複雑な気持ちで、いつもこの包みを開ける。
その中身は、俊の好みやボクシングのトレーニングメニューを考慮しつつ、
栄養バランス良く仕上がっている。
なんの変哲もない弁当には、細やかな心遣いと、言葉では言い尽くせないほどの
蘭世の思いが込められているのだ。あくまでさりげなく。
おかずを口に運びながら、俊はぼんやりと一日を振り返っていた。
703 :
698:03/02/20 19:18 ID:ACLG+ABy
今日は雲一つない快晴で、真っ青な空が無限に広がっていた。
数学の授業についていけないのと、そんな陽気に誘われて、
俊は校舎の屋上でひなたぼっこをしていた。
そこへたまたま、同じように授業を抜けてきた日野が出くわしたのだった。
「よっ、真壁。奇遇だな。」
日野はそう言ってニッと笑うと、俊の隣に腰を下ろした。
最初は部活のボクシングの話題から始まったのだが、どっからか話がそれて、
お互いの恋愛がらみのネタに移っていった。
俊は元来この手の話題は苦手である。まして自分自身についての事となれば、
なお一層口も気持ちも重たくなった。
逆に日野のほうは、ゆりえとの事も含め、なにかと情報交換したそうな口ぶりなのだ。
「江藤とはどうなんだ?それなりに長い付き合いなんだろう?」
「・・・まあな。」
曖昧な言葉で濁したが、日野の質問の真意はわかっている。
つまり、江藤とやったか、やってないか、それを知りたがっているのだ。
もちろん答えはノー。
ポーカーフェースだが、俊の歯切れの悪さから、当然に日野はそれを察した。
「わからねえなあ。年齢だって十分きてるし、両思いなんだろう?
俺から見たら、あんたたちは、そんじょそこらで恋愛ごっこしてる連中とは比較にならないぐらい
精神的に強く結びついているように思えるんだけどね。」
俊は無言で空を見上げた。
今でこそ穏やかな学園生活を謳歌しているが、これまでいろいろなことがあった。
魔界人に生まれ変わり、人間に戻り、再び魔界人へ・・・。その間、数え切れないほどの
試練と戦いにさらされてきた。そんな苦しい時、いつも蘭世は俊の傍らにいた。
704 :
698:03/02/20 19:20 ID:ACLG+ABy
「まさか結婚までやらない主義とか?!
・・・ま、ボクシング馬鹿のストイックな真壁クンなら、あり得なくはない発想だけどな。」
やや皮肉とからかいが入り混じった日野の発言に、さすがの俊もカチンときて鋭く突っ込んだ。
「お前こそ、例のお嬢様とはいくとこまでいったのか?」
日野は返事に詰まって顔を紅潮させた。さらに俊は強い口調で畳み掛けた。
「俺は、一生かけて責任がとれないようなことはしない。それだけだ。」
並々ならぬ堅固な意志感じ、日野も一歩引かざるを得なかった。
互いに視線も合わせず、気まずい沈黙がしばらく続いた。
そのまま何分経っただろうか、俊が腰を上げて立ち去ろうとした時、日野が口を開いた。
「とんでもなく高価で大切な腕時計が手元にあったら、俺なら迷わず常に身につけるね。
それが時計本来の使い道ってもんだろ?
大事にしているつもりでも、いつくるともしれない晴れ舞台のために、
延々と金庫に押し込んでおくほうが時計にとっては飼い殺しもいいとこだ。
まして生身の人間が相手なら、なおさら残酷だよ。」
705 :
698:03/02/20 19:21 ID:ACLG+ABy
俊が蘭世との関係を慎重に運ぶのには、彼なりの理屈があった。
俊にとって、愛する事は責任を果たす事である。責任を果たす事とは幸せにする事だ。
(大切な相手には、おふくろのような苦労はかけさせてはならない。)
母子家庭で育った彼は、人並みはずれた強い責任感を女性に対して感じていた。
経済的・精神的に自立し、万全の受入態勢が整って初めて、その責任を果たせると考えていたのだ。
しかし、この一見男らしい気概の裏で、彼は性行為への怖れを感じていた。
うちに激しい気性を持ちながら、母に気苦労をかけまいとする気遣いから、
元来の一匹狼的性格に拍車がかかり、自分の感情や衝動を極端に抑制するようになっていた。
性行為は大なり小なり自分をさらけ出す行為である。
感情や衝動を適度に出してコントロールした事がない俊にとって、未知の世界だ。
性的な激情の赴くままに振舞う自分の姿は、あまりにぶざまで想像に耐えない。
かといって俊も仙人ではない。20歳目前の生身の男である。
自分の命にかえてでも守りたい程強く思っている蘭世に対して、性欲を感じない訳がない。
気を緩めれば、少し肩を寄せ合ったり、手を繋いだりするだけで、体が反応してしまう。
それをごまかすために、蘭世をからかって、するりと身をかわすのだった。
「・・・・臆病者め・・・。」
食べ終わった弁当箱を洗いながら、ぽつりとつぶやいた。
706 :
698:03/02/20 19:22 ID:ACLG+ABy
その夜、俊はなかなか寝つけなかった。
日野の時計の話が頭の中でぐるぐる回っているうちに、蘭世との様々な出来事が思い浮かんできた。
手を繋いだ事、抱き寄せた事、くちづけた事・・・。
それらがただの頭の中のイメージだけでなく、
その時その瞬間のリアルな感触まで呼び覚ましてしまった。
つられて俊の体の芯も敏感に強く反応した。
俊は顔をしかめて寝返りをうち、興奮を冷まそうとして、
ボクシングのトレーニングをイメージしようと試みた。しかし、無駄な抵抗だった。
「仕方ねえなあ・・・。」
かったるそうに仰向けになると、パジャマごとトランクスを腰骨の下辺りまで押し下げた。
大きく隆起したそれは、握ると全身の何処よりも熱いのがわかった。
俊は、右手を上下させてゆっくりとしごき始めた。
握り加減は強すぎず弱すぎず、自分にしかわからない微妙な強さだ。
俊の目の前には、蘭世の白くしなやかな裸体があった。
無論、頭の中のイメージとしてである。
彼自身、水着姿どまりで実物は見た事がないし、
抱き寄せたときに服の上からざっくりと触れたことがあるにすぎない。
しかし、イメージの中の蘭世は一糸まとわぬ姿で自分の腕の中にいた。
鎖骨の線が綺麗な華奢な体に、大きくはないが俊の手にすっぽりおさまる程度の形良い乳房。
雪のように白く、絹のようにきめ細やかな肌に、桜の蕾のような乳首が色づいている。
俊は、ゆっくりと蘭世に唇を這わせた。
右頬、右耳、唇、左頬、左耳、唇、首筋、鎖骨・・・・。
唇が触れる度に蘭世はピクッと体を振るわせ、途切れ途切れに甘い息を漏らした。
そして、唇の触れた個所は美しい桜色に染まった。
707 :
698:03/02/20 19:23 ID:ACLG+ABy
右手の動きは速度を増し、さらに微妙な緩急が加えられた。
俊の息遣いも思わず荒くなる。
脳内で、俊の唇はゆっくり下を目指す。
右の蕾を指先で弄びながら、左の蕾は舌先で転がしたり吸い上げたりした。
右手をそのままに、彼の唇は、あばら、へそ、下腹部へと移動していく・・・。
快感の高まりにつれ、握りが強く、しごきはさらに激しくなってきた。
ピークはもうそこまできている。
俊はぐいっと左腕を伸ばし、ちゃぶ台の上の箱ティッシュから何枚か無造作にとりだし、
先端にあてがった。その刹那、
「あうっ・・・・・。」
両足に痙攣が走り、ティッシュに液体が放出された。
放出の痙攣にあわせて右手でしごき、最後の一滴まで搾り出した。
どうってことはない毎日の生理現象だ。
(これで眠れそうだ)
達した後に訪れる独特の虚脱感と疲労感に包まれながら、俊は眠りに落ちていった