{懐かしの}●●エスカフローネ●●

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387名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 00:15:20 ID:z9MwMhI3
皇帝ドルンカークが死に、後を継いだフォルケンは、ドルンカークの遺志を忠実に引き継ぐものだと思われていた。
だがフォルケンを知る大半の者が想像した通り、フォルケンは各国と同盟を結び、無用な争いを避ける働きをし始めたのである。
神かくしと呼ばれ、子供がいなくなることもない、運命に頼ることもない、新しいザイバッハの道を、フォルケンは示そうとしていた。
「ガイア界はこれから、つまんない世界になりそうだよ」
ディランドゥはまんざらでもない顔でそう言って、ひとみを笑わせた。
ひとみはあれから、心配していた皆の元へ行き、今までの事情を話した。
ミラーナもメルルもひとみの無事を喜び、アレンも笑顔でうなずいてくれた。ひとみはアレンの顔を見て、
何か言わなくてはならないことがあった気がしたのだが、それを思い出すことはできなかった。
「あんたのことだから、向こうでも無事でいるって思ってたわよ」
そんな憎まれ口を叩きながら、メルルはひとみを抱きしめる。ひとみも懐かしい巻き毛をゆっくりと撫でた。
メルルはそのままで、ひとみがいない間のバァンのことを話した。
フレイドからの誤解は解けたものの、ひとみを連れ去られてしまったことを、バァンは深く後悔し、
夜な夜なエスカフローネで辺りを飛び回っていたそうだ。
人が変わったようになり、戦にも進んで出向くようになった。その頃から、バァンはエスカフローネの痛みを感じ出し、
エスカフローネが傷ついた箇所に傷を負うようになった。メルルがいくら止めても、バァンはエスカフローネを手放さなかったのだという。
竜撃隊を壊滅させた後は酷く荒れて、殺した男たちの亡霊が見えるとよくうなされるようになった。
「でもあの日、いつものようにエスカフローネで飛んでいたバァン様を、光の柱が…」
メルルはそう言って、泣きじゃくる。
ひとみも責任を感じて、唇を噛んだ。

バァンは、行方をくらましていた。

ドルンカークを手にかけ、フォルケンがザイバッハの皇帝になったことを目の当たりにし、バァンは耐えられないと、その場を去ったのだ。
ひとみはタロットカードでバァンの行方を探してみたが、今は探さないほうがいいという結果しか出ず、メルルは毎日バァンの帰りを待っている。
「バァンのこと、信じてあげて」
ひとみは自分に言い聞かせるように、メルルの背中を撫でる。
「信じる想いは力となる。ずっと想っていれば…星が力を貸してくれるの」
「うん…うん…!」
ひとみは空を見上げた。雲ひとつない空の上、幻の月が浮かんでいる。
――帰還の時が、迫っていた。
388名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 00:15:46 ID:z9MwMhI3
(一緒にいるって、約束したのにな)
ひとみはそう思いながら、ザイバッハのディランドゥの部屋を訪ねていた。
ひとみはディランドゥとの関係をミラーナたちに話し、滞在先を変えていたのだ。
アレンは酷くショックを受けていたようだったが、こうなってしまったものは仕方がない。
扉をノックし中に入ると、ディランドゥはくつろいだ格好で、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「ディランドゥ」
「…なんだい」
今のディランドゥは、半ば抜け殻のようであった。
ドルンカークも殺せなかった彼の中では、決着がついていないのだろう。意欲をそがれてしまったようで、覇気がない。
そんなディランドゥに別れを告げるのは辛かった。だが、時が満ちようとしている。
「もうすぐあたしね、帰ることになる」
「……」
ディランドゥは無言で窓から目を離し、ひとみを見た。
虚ろな赤銅色の瞳が、悲しく揺らぐ。
「おまえも、僕をひとりにするのか…?」
「…ごめん」
ひとみは目を伏せた。その言葉は言われる前から想像が付いたが、実際に言われると身を切られるように痛い。
「……」
ディランドゥはしばらく黙ると、また窓に目を向けた。
「…いいよ、帰っても」
「え…」
突き放された言葉に、ひとみは顔をあげる。ディランドゥはもう振り向かなかった。
「元気でね」
感情のない言葉だった。涙が出た。ひとみは泣くものかとぎゅっと目を閉じ、口を開く。
「あなたのこと、大好きだったよ」
「早くお帰り。…見送りはしないよ」
「うん…」
ひとみは、ディランドゥが見ていないのに、笑顔を作る。
「ありがとう、ディランドゥ」
そう言って、部屋を出て行く。
ディランドゥは振り向かなかった。
ひとみが泣くのを我慢しているのに、自分がこれでは、情けない。
389名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 00:58:57 ID:z9MwMhI3
ひとみは、なんとなくファーネリアの跡地に赴いていた。
見送りはいらなかった。
色々な人に迷惑をかけて、たくさんの人を傷つけた自分に、見送りなどとんでもないと思った。
だからせめて、一番迷惑をかけてしまった人が過ごした国の土を踏んで、帰りたかった。

「バァン、あたし、帰るね」
朽ちた玉座を見つけた。背もたれは半壊だったし、少しでも触れたら崩れてしまいそうなそれに向かって、ひとみはひとりごちる。
「みんな待ってるよ。だから、早く帰ってあげてね…」
ひとみはそれから、本人にどうしても伝えたかった言葉を告げた。
「あたし、バァンの傍にいるべきだったのかもしれないね…」
風が吹き、玉座の上に散らばっていた小石が音を立てて落ちた。
「ごめんね、バァンが辛いとき、一緒にいてあげられなくて…」
でも、と唇が形作る。
「でもあたしは、あの人を選んだの。運命が変わってしまったのかもしれないけど、それでもいい。
あたしは、あの人を選んだ…最後は、あっさりしてたけど」
自業自得だよねと笑って、ひとみは朽ちた玉座に笑いかける。
「バァン、ファーネリアを復興させて、いつかフォルケンさんと、仲直りできるといいね。バァンなら、やれるはずだよ。
 …もう行くね。それじゃあ」
ひとみはくるりと玉座に背を向け、軽快なステップを踏んで、瓦礫の上を進み、森へと入っていく。
朽ちた玉座の裏に、バァン本人がいたとも知らず、ひとみは幻の月へと帰る。
「お別れだ、ひとみ」
森の中から光の柱が現れるのを見上げ、バァンは傷心の瞳でそうつぶやく。
「俺にはまだ時間がかかりそうだ。だが最後のおまえの頼み、成し遂げてみせる」

――光の柱がガイアのあちこちで見られ、ひとみを知る者はそれに手を振り、別れの言葉を告げ、手を合わせた。

だがひとみと一番心を通わせている男の姿だけは、見当たらなかった。
390名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 00:59:18 ID:z9MwMhI3


地球へと帰り、ひとみにいつもの日常が戻ってきた。
不思議なことに、時間はあの時、バァンとガイア界へ行ったその日まで巻き戻され、ひとみが地球にいなかった時間はなかったようになっている。
ひとみは、天野先輩に告白しなかった。ふとしたことで、ゆかりも先輩を思っていることに気づいたからだ。何故気づけたか。
「不毛な片思いってやつをしてるから」
ひとみはひとりでつぶやいて、わざと悲劇のヒロインを演じてみせる。観客もいないのに。
ゆかりはひとみに後押しされて、留学直前の天野先輩に告白し、ふたりはつきあうようになった。陸上部の後輩たちも、ふたりはお似合いだとはやしてている。
今日の放課後も、ひとみはひとりだ。恋人同士の邪魔はしたくない。野暮というものである。
駅のホームで電車を待っていると、後輩たちがひとみを見つけ、声をかけた。

「先輩! 占いやってくださいよ!」

ひとみは後輩たちを振り返り、にっこりと微笑んでみせる。

「ごめんね、占い、やめちゃったんだ」

タロットカードの占いが当たると、ひとみは学校でちょっとした有名人だった。
人に頼りにされ、占いが当たれば驚かれ、喜ばれた。そんなこそばゆい優越感を抱いていた自分に起こった出来事は、ひとみを占いから遠ざけた。
「ええー!? どうしてですか?」
不満そうな後輩たちに、ひとみはなんと答えたらよいものかと、苦笑する。
「だって、運命って――」
「自分で切り開いていくものだからねえ」
その声にかぶさるものがあった。
えっと後輩たちは振り返り、そこにいる人を見て、その美しい顔に目を奪われ言葉もない。
それはひとみも同じだった。
その人が、ここにいるはずのない人間だったからだ。
そんなことが、あるはずがない。
「ディ…」
「おいおい、僕がそんな変な名前を、ここで名乗っていると思うのかい?」
その人は後輩たちの脇を通り過ぎ、ゆっくりとひとみの前に立った。
「…どうして…?」
「運命だからだよ」
もう銀の髪じゃない。
「運命…?」
頬に傷はない。
「願いが人の運命を変えるんだろう?」
髪も瞳も、真っ黒だ。
「でも――」
その人は、見たこともないような優しい笑顔で微笑んだ。

「僕の想いは星を越え…君と巡り会わせた」

ただ、学校は違っちゃったみたいだけど…これくらいのミスは仕方ないよね。
そう言って笑う、その人は、抱きついてくるひとみを腕の中に閉じ込めた。

「もう二度と、離れるんじゃないよ」

どこに行っても見つけるからねと冗談めかして言った言葉は冗談でもなんでもなく――
ひとみは後輩たちに冷やかされるのを覚悟の上で、踵を上げたのだった。




終わり
391名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 01:07:39 ID:z9MwMhI3
以上です。こんなに長くなるとは思っていませんでした。気合入れすぎました。
次回があれば、もっと短く、エロを濃くするべく頑張ります。
この終わり方はアニメ版を見たときからあったらいいなとは思っていたのですが、
バァンには背負っている色々なものがあるし、あの終わり方でよかったのだと思う反面、
ひとみがぽつんとホームにいる姿が寂しそうだったので(バァンのフォローはありましたが)、
こちらの話で使わせてもらいました。
長々とお付き合いくださりまして、ありがとうございました。
エロパロじゃないと不愉快に思われた方がおりましたら、心からお詫びします。
前回レスを下さった方、ありがとうございます。
今回の反省を踏まえ、短編を書けるよう精進します。
それでは失礼します。
392名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 05:00:50 ID:tlyBkaTs
映画版のラストの彼を見た時「えー……」と色々消化不良起こしながら、
気付くとその笑顔が一番印象に残ってた事を思い出した。
ディランドゥはあくまで"あっちゃいけない"もので、
作られてしまった時点でもう戻れないと、すっかり信じきってたから。

でもこの話だと、獣なのはバァンだけじゃなく、ディランドゥも同じなんだよね。
前半のあっさりテイストから想像出来なかった考え深いラストでした。
まぁ後でヤバいんじゃないかという所は幾つかあるけど、
これはこれでちょっとイイかも。ゴチです。
393名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 12:21:19 ID:RmceGirH
凄い!!十分楽しませてもらいました!!!GJGJGJ!!!

今更改めて、「ディランドゥ」自体がかわいそうな人格だったのかもなーと思いました。
ディランドゥのあの執拗な性格wwwなら確かにこっちまでひとみを追いかけてきそうだ!
とも思いましたし。本当にお見事です。こんな終わりも自分的にはありだなと思いました。
読みながら色々思い出して、楽しかったです本当に有難う。
次回作も楽しみにしてます!
394名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 00:50:12 ID:02S//flZ
ディランドゥ×ひとみをリクエストした者です。
本当に書いて頂けるなんて・・・感動しました。

そしてそのストーリーにビックリ・・・・。
私が望んでいた『幸せな結末』がディランドゥに贈られていた。
彼が幸せになって良かった。セレナとしての幸せでなく、彼自身の幸せをつかめて本当に良かった。

まさかエロパロで泣くとは思っていなかったよ。

良いストーリーを創って下さって本当に有り難う。
心から感謝します。これからも応援しています。
395名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 20:47:45 ID:LhwrtMwC
あいかわらず過疎してるんだろうな・・・とおもいつつ、たまに見に来てみると
秀逸な、しかも読んだことのないタイプの作品が投下されていて嬉しい。

職人さん本当に乙です!
次回作があったら楽しみにしてます!
396名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 00:40:34 ID:gE4suele
取り急ぎ、祝福の言葉を捧げます。読み終えてない段階ですが、
ディランドゥが前面に出ていてたまらないものがあります。
お疲れ様でした。
397名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 20:04:33 ID:+3DAWgCT
保守age
398名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 00:09:14 ID:vBNznzuB
エロは少なくとも、内容は最高です。
エスカフローネのアナザーストーリーとして、とても秀逸だと思います。

エロの量に拘らす、ご自身の個性・感性でもって、これからも良い作品の投下を期待します。
399名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 01:02:07 ID:dZMrO1R7
続けて2回読み返してしまいました。
ラストシーンは3回も。
この凄くよかったです!心理描写、文章力、ともに非凡なモノを感じますヨ。

特にディランドゥの個性を押さえたセリフ回しに感激しました。
投下して下さって本当に嬉しいです。感謝します。
ありがとう。。。お疲れ様でした。。
400名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 10:32:18 ID:A/EMd6nK
401名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 19:37:20 ID:0r2QI+ts
ここらで保守age
402名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 03:17:50 ID:sHSc+7iB
久しぶりに来たら7月からすごいことになってた!
こんなところで神の降臨と出会えるなんて・・・!
最高だー!
新年そうそうすごい幸せをありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします
403名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 19:49:29 ID:wcTzS+rZ
保守
404名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 23:36:10 ID:66QRaJdt
保守。
405名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:16:43 ID:fzCiuxH+
投下した者です。
ナリア×エリヤ×フォルケン投下します。3人です。
苦手な方は、スルーしてください。
406名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:18:20 ID:fzCiuxH+
夜。
誰もがその男を形容する際に思い描くのは、たった一言。
夜のように暗く、夜のように静かで、夜のように寂しい男。
ザイバッハの軍師としてひっそりと、そこにある男。
魔道士たちは同士であるはずの男を見て眉をひそめ、敬遠する。
男が彼らより優れた頭脳を持っているということと、何より不気味だからだろう。
下等生物である獣人、まやかし人まで手なずけて、絶対の忠誠を自ら誓わせている。
ドルンカークの右腕でありながら、その心はどこか遠い場所にあるような雰囲気を漂わせる
その男を、皆が遠巻きにしてみている。
だから男は夜。
誰の前にも現れるが、闇ゆえに先まで見通すことを許さない。
彼は密かに、そんなように言われていた。
407名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:20:43 ID:fzCiuxH+
その男、軍師フォルケンは今や夜そのものとなり、
どこか恍惚とした表情で、虚ろな目を虚空に投げかけていた。
長椅子に深く腰掛け、両手は金と銀の髪をした艶かしい四肢をくねらせる獣人の上にある。
「んん……ちゅ、んく、あ、ふ……」
 金の髪をした獣人は、長い舌を伸ばし、
熱い吐息を混じらせながら、フォルケンの肉棒の先をなぞっている。
すぐ隣には銀の髪をした獣人が、同じように舌を滑らせていた。
「ああ…エリヤ、もう、いいよ…ナリアも……、疲れたろう…」
 フォルケンがふたりの頭を撫でると、ふたりは揃って首を横に振り、
エリヤは肉棒の先端を丸呑みするかのように喉の奥に含ませ、顔を大きく上下に振り出した。
ナリアは立ち上がり、フォルケンの膝に腰掛け、甘えるように首に腕を回す。
「疲れなどしましょうか…愛しい愛しいフォルケン様…
お会いできなかった間、我らがどれだけ寂しかったか…」
「すまなかったな…」
 フォルケンはナリアを引き寄せ、口付けた。ナリアは背に回ったフォルケンの手を取り、
乳房へといざなう。むきだしのそれは信じられないほど柔らかく、暖かく、
血の通った左手で充分にそれを堪能した後、優しく指を曲げてやった。
「あ…ああ、フォルケン様…っ」
 つかまれた乳房の先端を、人差し指と中指で刺激され、ナリアは嬌声をあげる。
フォルケンは乳房から手を離し、ナリアの尻からするりと指を滑らせて、充血した花びらの奥へ忍ばせた。
腰を浮かしたナリアの乳房がふるりと揺れる。引き寄せられるように、フォルケンはふたつの塊の間に顔を埋めた。
すると肉棒を含んでいたエリヤが立ち上がり、フォルケンの右手、右腕から義手になっている冷たいそれを取り、
おもむろに自分の中へ突き立てるようにして入れる。
「ひあああっ、あんっ、冷たい…!」
 電気ショックのような痺れと体の真ん中から引き裂かれてしまいそうな冷たさが一気に駆け抜け、エリヤは絶叫した。
「エリヤ…大丈夫か?」
 ナリアの胸から顔を離し、フォルケンはエリヤを気遣うようにして振り返った。
エリヤは涙を流しながらはいと答え、フォルケンに顔を寄せる。
「フォルケン様…フォルケン様…っ、ちゅ…む、ん…」
 舌を絡めながら、何度も何度も名を呼ぶエリヤがいじらしく愛しく思えた。
フォルケンはエリヤの中に収まっている義手をわずかに進める。感触など得られないが、
エリヤの身もだえする様子だけ眺められれば充分だった。
408名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:22:30 ID:fzCiuxH+
「ああ…フォルケン様、もう我慢が……っお願いです、フォルケン様を、我らの中…に…っ!」
 フォルケンの左手を自由に動かし、準備を整えたエリヤが震えながら懇願した。
「フォルケン様…遠慮などなさらず…我らを…あなた様の自由にして…!」
 エリヤはぐちゅぐちゅと淫らな水音をさせ、フォルケンの義手を汚し、耳元で囁く。
 フォルケンの答えを聞かぬまま、双子は立ち上がり、互いの体をまさぐり、
舌を交わらせ、そのまま床に倒れた。姉が妹の上に乗り、妹は姉を支え、
フォルケンにふたりの秘部がよく見えるよう、腰を浮かす。
ふたつの花の間からは蜜が滴り、フォルケンを待ちわびていた。
 フォルケンはゆらりと立ち上がり、双子にしごかれてそそりたつものを手に、誘われるまま花に近づく。
双子は豊満な胸をこすりあい、期待に声をあげながら、その時が来るのを今か今かと待っていた。
「あああああああっ! ああ――っ!」
 先に声をあげたのは、上になっているナリアだった。
尻を左右でつかまれ、わずかに広げられたかと思うと、一気に奥まで突き立てられる。
妹は姉の表情に興奮し、夢中で両足を姉にからめ、少しでも快感を共有しようと腰をくねらせた。
「嬉しゅうございます、フォルケン様、もっと、もっとぉおおっ!
あ、あんっ、あうっ、いい、フォルケン様が、わたしの、中に、んああああっ! いい――…っ!」
 正気を失ったナリアの叫びに、フォルケンも、エリヤも理性を捨てる。
フォルケンはぐっと腰をそらすと、肉と肉が打ち合わされる音も聞こえないくらいの速さでナリアの中に押し入った。
ナリアが悦びに更に嬌声をあげると、エリヤは早く代わって欲しいと、ナリアの下半身に手を伸ばし、
茂みをかきわけ、フォルケンの肉棒がおさまる上を指でなぞり、
ナリアの花弁の中に隠れている芽を見つけ、少々きつくつまみあげた。
「ひあああああ―――っ! イ、イく……っ!」
 狼の遠吠えのような姿でナリアは喉をそらし、絶叫した。フォルケンも最後の一突きとばかりに大きく腰を引き、
容赦のない一撃をくらわせる。
 ナリアは口を大きく開けたまま、そのままくたりと妹の上に倒れこんだ。エリヤは姉を横にどけ、
両足を大きく横に広げると、真っ赤に充血し、ひくひくと痙攣している花の奥をフォルケンに見せ、微笑んだ。
「ナリアより激しくして…!」
409名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:24:45 ID:fzCiuxH+
雄となったフォルケンは、言われるがままエリヤの上に覆いかぶさる。
 エリヤの両腕を押さえつけ、むさぼるように唇を奪い合う。
舌をいれ、絡ませ、唾液を流し込み、熱い吐息を何度も何度も味わいつくし、歓喜に震える乳房に噛み付いた。
「あは、ああんっ、もっと、もっとして、フォルケン様ぁああっ!」
 手の中に収まりきらない程豊満な乳房を痛いくらいにこねくり回し、交互に乳房にしゃぶりつく。
エリヤはもっとと叫びながら自由になった両手でぐいぐいとフォルケンの頭を押さえつける。
やがてエリヤがフォルケンを解放し、更に両足を開いてみせた。
フォルケンはびちゃびちゃと愛液の流れるそこへ難なく押し入り、一心不乱に腰を打ちつけた。
「あんっ、あ、ああ、これえ、これなの、これなのぉ…!」
 左右に首を振り、金髪を顔にまとわりつかせながらエリヤは快感に何もかもをゆだねる。
フォルケン様はわたしたちだけのもの。
だけどこうしてフォルケン様が私の中にいるときは、この人はわたしだけのもの…!
「フォルケン様ぁ…」
 ただひたすら同じ動きを繰り返していたフォルケンの背に、復活したナリアがにじりより、抱きついた。
硬くなった胸の先端を、フォルケンの裸の胸に押し付けて、上下に動く。
胸に回した両手は、フォルケンの乳首にたどり着き、下から押し上げるようにして何度も指を行き来した。
フォルケンが吐息を漏らすと、ナリアは立ち上がり、こちらを向いたフォルケンの唇に強引に舌をねじこむ。
がっちりと耳の後ろを押さえつけ、呼吸すら許さない勢いでフォルケンの口内で舌を暴れさせる。
フォルケンが苦しげな息を吐くと、ナリアの目が残酷に細くなった。
そうよ、今は私だけを見て。あなたをこのまま殺せば、最期にあなたが見た女は、私だけになる…!
 ふたりの雌は、容赦なく雄を喰らいつくす。永遠に刻みつけ、二度と離れぬように。
 下にいたエリヤは後ろ手をついて起き上がり、
動きが緩慢になっていたフォルケンに、つながったまま抱きついた。
首を絡ませ、自ら腰を浮かせ、フォルケンを更なる高みにいざなう準備をする。
ナリアはフォルケンの唇から舌を引き抜くと、立ち上がり、太ももをフォルケンの顔に押し当て、
上下に動くエリヤの肩に手を置き、片方の手で足を持ち上げた。
フォルケンの眼前に、グロテスクな花が淫乱な臭いを放ち、押し付けられる。
フォルケンはそこに惜しげもなく顔を埋め、存分に蜜をすすりあげた。
「ああんっ! あ、ああ、フォルケン様、すごい、ああ、舌が、私の…んっ、なか…にっ、はあんっ!」
 ナリアは感極まって涙を流しながら叫んだ。
「ん、ん、あ、ふあっ、フォルケン様、イキます、一緒、一緒に、あ、あ、あ…!」
 激しく動いていたエリヤが涎を流しながら喘いだ。
フォルケンは右腕でエリヤを抱き、左腕でナリアの腰をつかむと、両方の腕に力をこめる。
「ああああああ―――っ!」
 三匹の獣は、同時に果てた。
410名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:26:05 ID:fzCiuxH+
浮遊要塞ヴィワンの一室。
滅多に人が立ち寄らぬその部屋で存分に交わった3人は、フォルケンを真ん中に、眠りこけていた。
衣服は散乱し、引き裂かれ、暗幕は柔らかく床に落ちている。その上で寝返りを打ったエリヤは、闇の中で起き上がる姉の姿を見た。
「ナリア…?」
 髪はほつれ、美しい肢体は情事の痕がくっきりとところどころに残っている。夜なのに、どうしてここまで見えるのかと思っていると、姉はぽつんと言った。
「朝だよ…」
 少し枯れた声で、寂しそうに言う声色に、エリヤは朝日が差し込んだから、姉の姿が見えるのだとようやくわかった。
「フォルケン様は、眠っている?」
 静かなトーンでそう言われ、エリヤは慌ててフォルケンを見た。大丈夫。よく眠っている。
それを告げると、姉はほっと息を吐いた。
「よかった。…朝が来ると、何もかも夢だったんじゃないかって思っちまうねえ…体にこれだけ残ってるのに…不思議だ…」
 そう言って愛しげにフォルケンにつけられた赤い痕を指でなぞる。エリヤはその姿を純粋に美しいと思った。
双子だけど、あたしたちはどこか違う。それを感じるのは、こんなときだ。
「おまえもわかってるんだろう。フォルケン様があたしたちのこんな淫らなお願いを聞いてくださるのは、優しさだけってこと…」
「…知ってるさ」
 エリヤはうつむく。どれだけ愛を注ごうが、フォルケンの心はどこか遠くにあって、どれだけ望もうが、届かない。
「愛なんて大それたものは望んじゃいないさ。ただ傍にいてくれるだけでいい。
あたしたちの幸運の始まりは、フォルケン様に命を助けてもらったこと。この名前を頂いたときからさ」
 ナリアはそう言うと、力なく首を振った。
「でも、なんでだろうねえ。朝が来ると、どうして悲しくなるんだろう…」
「姉貴」
 エリヤは床に落ちていたコインを手に取った。
「かりそめの愛なら、もうすぐ受けられる。…どちらかがね」
「幻の月の娘と、竜の子を引き離すための、例の作戦かい?」
「そうだよ! あたしたちのどちらかが幻の月の娘として、フォルケン様に愛を与えられるんだ」
 コインを指ではじき、落ちてきた所をぱっと手で押さえたエリヤは、にやっと笑った。
「まずは、練習!」
 ナリアもくすりと笑い、眠るフォルケンの両脇で、双子はコインを覗き込む。
「あっちゃぁ、あたしの負けだ」
「ふふっ、どうやら幸運は、あたしにあるようだね」
「待った! これは練習だっつったろ? 本番は、後で!」
「わかってるよ、エリヤ」
「あたしたちは幸運さ。この幸運に、賭けてみようよ。フォルケン様が、あたしたちを愛してくれることを」
 エリヤは悲しげに微笑んだ。姉が、同じ顔をしているから。
「あたしたちの全ては、フォルケン様のために」

 その後の双子の行く末は、とても辛く悲しいものだったが、ふたりは幸せだっただろう。
 愛しい人に、全てを捧げたのだから。



 終わり
411名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:28:57 ID:fzCiuxH+
以上です。すみません、最初間違えてあげてしまいましたorz
もうちょっとエロを巧く書ければと思います。
前回レス下さった方、本当にありがとうございます。励みになりました。
今年もひとりのエスカ好きとして、作品を投下できたらと思っております。
それでは失礼致します。
412名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 00:39:48 ID:HIBgxVC7
>>411
うほっ、充分エロエロですぜ。
エロがドライな感じの時程キャラに汁気を感じますよ。お世辞じゃなくうまいです。
自分の中でかなり影薄かった3人がえらい気になりだしました。
次回も楽しみに待っとりますのでよろしくです。ごっつぁんでした!
413名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 01:05:25 ID:+1VkrvAv
GJ
414名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 03:36:38 ID:NjK/DLYD
うあああ〜
最高です、神!
415名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 01:18:57 ID:241Cwe35
うわあああああああああんんんんまたアップされてるよママ〜〜ン!

あんたほんとネ甲ですよ。何モンなんだよ。
エロとか関係なくすごいよ。
416名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 01:39:35 ID:euAiAQ70
>>411
この二人にフェラされたらさぞや幸せだろうと思ってたが
予想を上回って濃かった。えがった
夜が明けてからの二人もエロ美しかったハァハァ
417名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 04:32:05 ID:c1KSZizo
ほしゅ
418名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 22:22:30 ID:KXh8FuRO
ほしゅほしゅ
419名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 00:49:58 ID:fhNpbpA6
ほしゅ
420名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 00:13:38 ID:p2tosMj1
3月32日記念保守
421名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 14:40:37 ID:n5beTXBA
良スレほしゅ
422名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 21:39:08 ID:4NTMpruC
ほっしゅ。CATVまた再放送やってくれないかなー
423名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 12:57:24 ID:G46mAD2E
全力で保守。
424名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 19:44:42 ID:OpVnsBdU
ほしゅ
425名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 18:37:58 ID:vCkWD0V3
うわああああああーーものすごい久しぶりに来たら
神きてたあああああーー!
レンタル屋行ってくる!
426名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:19:53 ID:UOHOOUY4
 
427名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 11:58:59 ID:llBc6FTp
ほしゅ
428名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:28:54 ID:WPHAs778
保守age
429名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 03:06:14 ID:y+4oHZtQ
hosh
430名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 11:21:43 ID:ncAee8w7
保守で
431名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 13:55:00 ID:hE/gqGda
hosyu
432名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:38:34 ID:RPrWFqaP
ほす
433名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 08:49:07 ID:DOk9ovkO
ほしゅほしゅ
434名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 02:54:15 ID:OZEe1hTW
435名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 16:33:19 ID:aYl3thKR
age
436名無しさん@ピンキー
ディランドゥもの、今になって見たよ。
これならいい!!
この続きで学園ものとか期待。