661 :
SOZ:
>>588 遅レススマソ
咲耶とのデート編です。
「どうした咲耶。今日は甘えんぼさんだな」
にこにこしている兄。そんな彼の腕に縋り付いて少し汗をかいている咲耶。
いつもであれば颯爽として彼の腕を引っ張り、ショッピングだなんだと主導権を握りっぱなしの彼女であるが、今日はまるで借りてきた猫のようにおとなしい。
「大丈夫かい?」
「ああっ……」
咲耶が胸に付けているメカニカルなブローチ。実は鈴凛謹製の隠しマイクなのである。
マイクから伸びた細いコードの先には、MDプレーヤーのような機械があり、そこから伸びたもう一本のコードは、咲耶の股間に……ショーツの中で彼女のもっとも感じやすい部分に噛み付いている小さなワニ口クリップに繋がっている。
弱めのバネでソフトに肉芽をホールドしているクリップの先端には圧電素子がセットされており、接続されたコードを流れる電流の強弱を振動に変換する、一種のヘッドホンになっているのだ。
マイクで拾われた周囲の音がアンプで増幅され、咲耶のそこに直接振動として叩き込まれる。街の雑踏、行き交う車、歩行者用信号機の信号音、そして優しく語りかける兄の声さえも愛撫と化して彼女を辱めているのだ。
普段、誘惑するような言動で兄を振り回している彼女も、いざこんな仕掛けを施されて責められるとは思っていなかったし、機械によって与えられる快楽でトロトロに融けた状態でデートに出かけるなど想像したこともなかった。
言うなれば、発情した状態での市中引き回しである。快楽に数倍する羞恥心で締め上げられた彼女は、普段の余裕を完全に失い、兄の言うままに頷くだけの状態になってしまっていた。
662 :
SOZ:02/10/05 01:19 ID:VUpZVKhZ
>>661 続き
「じゃあまずCDショップに行こうか。欲しいCDがあるんだ」
「え、ええ」
一声ごとに甘い息を漏らす咲耶。もともと綺麗な彼女だ、色っぽいことこの上ない。そんな姿を見てニヤリと微笑む兄。
「あ……ああ……」
そう、咲耶は忘れていたのだ。普通CDショップなどというものは新曲がガンガン店内に鳴り響いていて、周囲は音に満ちあふれているということを。
たまたま店内に流れていたのは今となってはオールディーズと言うべき古いスタイルのハードロック。今の咲耶にとっては、感じやすいところを爪で引っかかれるようなものであった。
泣きそうな声で兄に哀願し、アンプのボリュームを下げてもらわなければ、CDショップの中で彼女はイッてしまっていただろう。
目当てのCDをGETしホクホク顔の兄。一方咲耶は熱でもあるかのような状態である。
「少し休んでいこうか?」
「……うん」
そう言って兄はショッピングセンターのトイレの個室に彼女を連れ込んだ。
家からここまで来る間ずっと快楽と羞恥心で責められ続けた彼女が抗える筈も無く、狭い個室の中で咲耶は一方的に犯された。いつも兄を誘惑し弄ぶ小悪魔の姿はそこにはなく、発情しきった柔肉を突き上げられる快感にひたすらわななくばかりであった。
663 :
SOZ:02/10/05 01:20 ID:VUpZVKhZ
>>662 続き
1ラウンドこなして多少落ち着いた咲耶。濡れきってぐちゃぐちゃになったショーツを新しいものに替え、デート再開である。
もっとも、あのクリップは再び彼女の股間の一点を咥え込んだままである。
周囲のあらゆる音がふたたび彼女を陵辱する。
「少しボリュームを下げるよ。この後はきついだろうからね」
「……?」
兄が彼女を連れてきたのは映画館。上映されているのは洋モノのSF映画だ。看板を見て咲耶は青ざめた。
「鈴凛が面白いって言っていたよ。宇宙戦争のシーンが凄い迫力なんだってさ」
こっち方面の映画に詳しい鈴凛の言葉に嘘はなかった。
飛び交う戦闘機。連射されるミサイル。連続する爆発音。
砲門を開く巨大戦艦。画面を真っ白に輝かせる巨大なエネルギー砲の砲撃。
被弾し煙を噴く友軍機。慟哭する主人公の絶叫。
映画を観終えた咲耶は、物語などまったく憶えていなかった。
二時間弱、ひたすら絶頂寸前で悶え続けたのだ。
彼女の目には、戦闘機の機銃や、宇宙戦艦の主砲など全てが自分を、自分のクリトリスを狙い撃ちしているようにすら思えていた。
映画館という場でなければ、兄は躊躇せずアンプのボリュームを上げ彼女をイかせ続けただろう。そうでなかったから、絶頂寸前の彼女を慰めてやらねばならなかった。
彼は再び、咲耶をトイレの個室に引きずり込んだ。彼女はまたも逆らわなかった……いや、そうしないと自分を保てないことは、彼女にもよく解っていた。
664 :
SOZ:02/10/05 01:21 ID:VUpZVKhZ
>>663 続き
「……酷いわお兄様……」
「ん?」
「こんなこと……しなくても……いつでもOKなのに……」
「たまには俺も主導権を握ってみたかったのさ。それに……」
「それに?」
「こうでもしないと外でさせてくれないだろう?」
咲耶は、あの小悪魔じみた言動とは裏腹に結構シャイな一面もあり、外での行為には消極的だったのだ。おそらく、自分を独占してもらいたいと思っているために、他人の視線に晒されたくないのであろう。
「ごめんごめん、これからまっすぐ帰ろう。続きは俺の部屋で……いいよな?」
「うん……」
映画館のトイレで2ラウンドこなしたというのに、まだシてもらえる。そう思って咲耶は頬を染め頷いた。
だから、彼女はすっかり忘れていた。行きと違ってまっすぐ家に帰ると……途中のビル工事の現場の脇を通らねばならず、そこでは大地にパイルを打ち込む機械が、ハンマーを盛大に打ち鳴らしていることを。
その暴力的な騒音が、彼女の身に付けているブローチのマイクに届かないはずがないであろうことを。
終