ガールズサイドでエロ萌え

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871バイトエロ無 1/8
また、大量に作りすぎた炒飯をタッパーに詰め込んで学校にきたのは
昼休みを少し回ったくらいだった。
別に、サボってもよかったんだけど、2限目の終わりにかけてきたのであろう
留守電(寝てて出られんかった、失敗)の声に少し元気が無い様な気がして。

「…だるー。いつからこんなマメになったんかなぁ」
前から女の子には優しかったしマメだった。けどこういう類のマメさとは違う。
歩きながら声をかけられても、おー、とか、よー、とか。そんな返事しか返さ
ないまま、自分の教室にも立ち寄らず、真っ直ぐお目当てのあの子の元へ。
ガラリと戸を開け中を見渡す。
昼休みの喧騒に、それでも、教室にいた半分はこちらを注視した。
見回すまでもない、あの子は不在。いればきっとすぐ声をかけてくれる。
出て来なさいよー、サボリくん。ってわざわざ電話までくれたくらいだ。
きっと、おそようございます。とか、めちゃカワイイ厭味で、気だるさを一蹴
してくれる、そんな期待をしていたのに。
「ちぇー。せっかく出てきたんになぁ。つまらん」
さて、どうしよう。当て所なく校内を彷徨ったところで出会えるか?
昼休みは10分経過。もう昼を食べ始めている頃だ。
「姫条!なぁーにやってんの。ドアの前につっ立ってないでよ。ジャ・マ」
ドンっと背中に蹴り一発。まったく無遠慮な挨拶。実はコイツ関西人か?
と訝しんでいる相手にできる限り不機嫌な顔を作ってみる。
872バイトエロ無 2/8:02/07/08 00:37 ID:IbqWNTTe
「なにさらすん、凶暴女。俺は繊細なんや。あー骨折れた。慰謝料払えや」
頭をコツくと、いたぁーいとかいいながら、やけに嬉しそうに俺の手をはたく。
やかましくて変な奴。男子に人気あるみたいだけど、俺はちょっと。
どうもオトコトモダチみたいに思えて仕方ない。気軽でいいけど。
「で、なにやってんの?っていうか姫条、今来たんでしょ?遅すぎ」
「うっさい。勤労学生は大変やねん」
他愛も無い会話に、いちいちコロコロ反応する。
女の子のそういう所、可愛くて好き。

あの子もよく笑う、びっくりする、慌てて、照れる。

笑う声が好き。そんなに高くない透明な感じの声。照れたとき伏せる目も好き。
長い睫毛の影が落ちて、急に色付く。
あ、やっぱ会いたい、今、会いたい、すぐ会いたい。

他の女の子と喋ってても、面影を探す。他の子のかわいいとこ見つけても、
あの子のそれと比べて、うん、やっぱあの子の方がカワイイとか、
ひどい事考えてる。重症。姫条まどか、男意気失格?
873バイトエロ無 3/8:02/07/08 00:39 ID:IbqWNTTe
「ちょっとオニーサン!人の話聞いてんの?」
不機嫌そうな声の主は、少しの不安で俺を見上げてる。
ああ、そうだ、コイツ。あの子と仲良かったはず。
前は一緒にいるのをよく見た。最近、見かけなくなったけど。
「ああ、ワルイワルイ」
訊いてみたらわかるかも、居場所。頼みごとをしようと思うと、
途端に笑顔を作る。愛想良くするのは、呼吸するのと同じくらい簡単。
相手もそれに安心したのか、また嬉しそうに見上げて、ナニナニ?と
訊いてきたから、いつもの調子で居場所を知ってるか尋ねてみた。

あ、しまった…。

長年の勘。女の子の扱いは慣れてるつもりだったけど、どうも最近巧くいかな
いときがある。あの子が絡むと、なぜかそうなる。いまもそうだ。
目の前で、空気が変わった。
今まで、いつも通りの、や、いつもより?楽しげに喋っていた相手の顔が曇っ
た。いままで見たことない、険しい顔。
ああ、コイツでもこんな顔するんだなぁ、とか。つまんないことで関心して、
すぐに少し引っかかりを感じたけど、だめだ。
あの子が絡むと巧くいかない、余裕が無い。
「…知らない。どっかでお昼でも食べてんじゃん?」
嘘をついてる気がした。なんとなく、でも、わかってて隠してる。
874バイトエロ無 4/8:02/07/08 00:40 ID:IbqWNTTe
けれど、これ以上訊けない雰囲気だった。強引に聞きただしたら泣き出してし
まうんじゃないか、そんな予感はよく当たるし、なにより、居心地が悪くて。
「そか、ならええねん。邪魔したな」
ちょっと後味悪い。べつに、俺がナンかしたとは思えないけど。
そそくさと動き出す。背中に視線を感じたけど、気がつかないふりをして
おこう。こういうときの勘も当たる。

視線から逃れるように、すぐの階段へ避難。
さてと、時間を見えれば、昼休みの残りは10分。これじゃあ一緒に
飯は食えない。どちらにせよ、きっともう誰かと済ましたあとだ。
会えないと思うと何が何でも会いたくなる。教室の前で待ってるのが一番
手っ取り早い、でも今は行きにくいし、会えたところですぐに授業だ。
「帰りまで待つしかないんかなぁ」
確実に捕まえられそうなのは、放課後。
よし、放課後まで待とうと決めると今度は気だるさに襲われる。
「あれー?姫条出てきてたのかー?」
階段に腰掛けていると、級友たちが声をかけてきた。
おめー、おせーよ。とか、飯食いにガッコくんな、とか、軽口を叩く。
875バイトエロ無 5/8:02/07/08 00:41 ID:IbqWNTTe
「5限って体育だし、お前、よく出てきたなぁ」
あ、忘れてた。
「…の、つもりやった。けど、今日はほんまに体調悪くて。今も気分悪くて
こんなとこに座っててん。悪いんやけど、センセに俺は
保健室に行ってるって言うておいてや、な」
考えるより早く言葉が出た。こんなかったるいのに、体育なんか出てられるか。
保健室で放課後まで寝てればいいや、うん、いい案だ。
じゃあ、帰れよー。と、笑い混じりで言いながら去っていく級友たちを尻目に、
保健室へ。帰ってもいいけど、半分意地だ。今日絶対会いたい。

昼休みもあと数分。廊下から人が引き、特に、学校の端にある保健室の側は余
計に静かで、窓から差し込む日差しは急に午後になった。
「センセー、頭痛くて気持ち悪くて、めまいに動悸、息切れや。アカン、立っ
てんのも億劫やねん。少し休ませてや」
部屋に入るなり、そう言う俺を見て保健のセンセーはあきれた風に、
あらまたなの?と言った。
保健のセンセー、そらもう、健全な男子高校生ならいかがわしい妄想のひとつ
でも抱かなきゃ病気だと思う。俺もかなり期待していたけど。
目の前で忙しなく書類をしまうセンセーは中年より年をとった、恰幅のいい、
食堂にでもいそうなオバチャンだ。
ちょくちょく保健室を利用する俺には慣れたもので、しょうがないわねぇとた
め息をつき、まぁ久々だからいいわ。と笑った。
876バイトエロ無 6/8:02/07/08 00:41 ID:IbqWNTTe
「センセー大好きや、俺があと30早く生まれとったら、結婚申し込むで?」
冗談を言うと、センセーは、30じゃきかないわ40は早く生まれてくれなきゃ、と言ったあと立ち上がった。
「悪いんだけど、今日はこれから会議があるの。少し休んで、
調子がよくなったら帰るなり、授業出るなり、しなさいよ」
そう言って、バタバタと小走りで横を通り過ぎて行った。
はいはーい、がんばってなーと声をかける。部屋から出て行こうとしたしとき、
あっと声を出すと、そうそう、と続けた。
「一人、お昼から休んでる子がいるからうるさくしないで、いいわね?」
と言い残し出て行った。
「独りでどううるさくするんやっちゅーねん」
ため息交じりに呟くと、思った以上に部屋が静かで、
ツマラナイ独り言がやけに大きく聞こえた。
もう一人休んでる奴に聞こえたんじゃないかと、なんだかバツが悪くなって、
カーテンで囲まれたベッドを見遣ったが、何も反応がない。
さて、自分も休もうと、空いてるベッドに腰をかける。上着を脱いで、
シャツのボタンをひとつあけて、校内履きを脱ぐ。
視線を落とした先に、カーテン越に見えないお隣さんの校内履きが、
きちんと揃えられて置いてあった。
ごろりと、勢いよくベッドに身を沈めおざなりにカーテンを引きながら、
隣で寝てるのが女の子でよかったとか、
履物のサイズと置き方で咄嗟に判別できる自分に苦笑した。
877バイトエロ無 7/8:02/07/08 00:42 ID:IbqWNTTe
目をつぶっても保健室はなんだか明るい。部屋中真っ白で、眠ろうとすると
反射光のような光をまぶたの上から感じで、引き戻される。
目の上に両腕を置く。腕の重みが心地いい。
それからぼんやりと今日のことを思い返す。
炒飯持ってきたのに食えてないとか、
昼飯どころか今日一日なんも食べてない、とか、
そういやなんであの凶暴女キれたのか、とか、
体育サボって保健室で寝てるのサイコーとか。
そうだ。なんで今日はこんなにあの子に会いたいと思ったのだろう。
そもそも、本当に今朝は調子が悪かったのだ。
だから、学校を休もうと思ったのに、炒飯詰めて学校に来てる。
ああ、電話だ。留守電。あの子の声に元気が無い気がしたんだ。
そういや、おととい一緒に帰ったときも少し元気が無かったな。
最近、寝不足気味だって言ってたし。
それに、たまにだけど、貧血起こして辛そうにしてる事もあった。
それほど丈夫って訳でもないみたいだ。

アレ?

何かふっとひらめきそうな予感。
もう少しで、何かこう、パズルがカチっとはまりそうな気がして。
まどろんでいた意識をゆっくり覚醒させようとした時だった。
878バイトエロ無 8/8:02/07/08 00:43 ID:IbqWNTTe
ギシっと一回ベッドの軋む音の後、バサっと隣から何かが下に落ちた音がした。
さして大きな音でもないのに、ドクンと心臓が大きく鳴ってひどく驚いた。
暫くの静寂。指で挟んでカーテンをすこしずらす。
どうやら寝返りでもうった拍子に上着を落としたみたいだ。
ベッドとベッドの間、校内履きが脱ぎ置かれた上に上着が落ちている。
だらしなく落ちたそれが、なんだか気になって、
ゆっくり音を立てずに起き上がり拾う。
センセーの机の上にでも置いとけばいいだろうと、軽く上着をたたもうとして
気が付く。内ポケットからのぞく小さな鏡に見覚えがあった。
去年、このアンティークのコンパクトを蚤の市で買ったからだ。
あの子がずいぶん気に入っていたから、10倍返しやでーと冗談交じりに
プレゼントしたものに間違いない。
「ああ、なんや。そうか…」
まじまじと、鏡を見つめたあと、さっきのパズルがカチリと符合した。
帰りまで待つ必要はない。
閉まっている隣に目をやる。ゆっくりと、そうっと、音を立てないように、
なぜか息を殺して。なんだかひどく、善からぬことをしているような、
後ろめたさと奇妙な高揚感をお供に、カーテンを少しだけずらす。
片目をつぶって覗くとそこに、いた。やっぱり、そうだった。
こちら側に横向きになって、腕をすこし上げ気味に、
すぅすぅとよく眠っているのがわかった。