ガールズサイドでエロ萌え

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720王子×主人公 その1
「お疲れ様でした。」
重たい裏口の扉を開けて帰路につく。
今日は思ったようにバイトが出来なかった。
裏口から出ると珪くんの居る撮影所が見える。
まだ明かりが点いてる。
仕事に自信が持てなかった時は
こうやって仕事終わった後に撮影所の明かりを
しみじみと眺めてみる事にしている。
(珪くんも頑張って居るんだから私も頑張ろう)
あの明かりを見ると自然とそう思える。
でも、今日のはきつかったなぁ。
足元の石をコツンと蹴ってみる。
私のバイトの日は大体珪くんも撮影の日。
そして、珪くんのファンの子がサテンに集まる。
その度に何処からともなく囁かれる言葉。
『あの子が珪の・・・』
『あんなのの何処がいいの!?』
いつもの事なんだけど、今日は正直キツかった。
最初は(勝手に言っていれば?)って思ったけど
段々それがストレスになってきて自然と仕事が上手くいかなかった。
ふぅ、っとひとつ、大きく溜息をついてみた。
そして、コツンとまた石を蹴る。
小石が何かにぶつかり動きを止めた。
「お疲れ」
小石の転がる音の変わりに甘く低い声が細い路地に響き渡る。
「珪くん・・・、あ・・・。お疲れ様です・・・。」
珪くんが立ってる。月に照らされて逆光で顔がよく見えない。
一歩、一歩、近づいていってみる。
「撮影が思ったより早く終わったからおまえの事待ってた。」
そう言った珪くんの顔は月の光のように優しいし眩しい。
この顔を見たらさっきまで落ち込んでいた事が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
「嬉しい。ありがと。」
「オレ、送っていくから。」
「うん。」
ゆっくりと私のペースで歩き出す。
721王子×主人公 その2:02/07/07 01:12 ID:awcaUeR9
私の右側に珪くんがいて、同じ歩調。一番安心出来る時間。
会話は殆ど無いけど足音とかで十分に互いを分かり合える。
月明かりと、街灯と、2人の足音しかないこの空間。
ガサッと無造作に珪くんが音を立てて荷物を持ち変える。
「荷物、多いんだね。」
「ああ、ちょっとな。」
大きな紙バック。中を見なくても何だか一目で分かった。
中には手紙とか、物品とか、とにかくファンの子の思いが詰まっている。
今まで私が独占していた珪くんと私の空間に
そんな思いが邪魔をしてくる。
そして、忘れていた昼間の事とかを一気に思い出させた。
「珪くん・・・。私・・・。」
「ん、何?」
またもや珪くんの声にはっとした。
「あっ、ごめん、何でもない。」
「そう?」
あの声にはっとしなければ続きを言ってしまったかも。
(その紙バック、私との間に置かないで。)
そんなのただの嫉妬。私が言える立場じゃない。
まだ私は珪くんからは何も言われてない。
何となく、一緒にいたりしているだけなのかも。
珪くんからすれば私だってその紙バックの思いと何ら変わりないのかも。
そう思ったらこの場から動けなくなった。
「どうした?」
一歩先に進んだ珪くんが慌てて振り返った。
「あ、ご、めん。何でも・・・」
(何でもないよ!)
そう言おうとした瞬間言葉の変わりに涙がこぼれてきた。
珪くんのびっくりした表情が私の中に飛び込んできた。
「おまえ、泣いてるのか?」
「珪くん、ごめん。私、今日ちょっと可笑しいの。気にしないで。」
慌てて涙を拭こうとした。その瞬間。
挙げた手を珪くんに掴まれた。
珪くんの手から感じる温もり。
触れられていると心を全部読まれそうな気がした。
読まれるのは恥ずかしい。でも読んで貰いたい。
心の中の葛藤が私の邪魔をしてその手を振り解けなかった。
「もう遅いけど、おまえ時間あるか?」
コクンと頷くだけしか出来なかった。
「俺の家、来いよ。」
ドキン、と胸が強く鼓動を打った。
一瞬にして淫らな事を想像してしまった自分が恥ずかしい。
でも、不思議なもので珪くんのその一言で足がその場から動いた。
722王子×主人公 その3:02/07/07 01:13 ID:awcaUeR9
「適当に座ってて。飲み物でも持ってくる。」
「うん。」
荷物を持ったまま珪くんは部屋を出た。
珪くんの部屋へ入ったのは初めてじゃない。
でも前と違う風景に見えた。
線の細い家具や銀細工が整然と並べられた部屋。
電気スタンドの間接照明で銀細工が赤みを帯びて鈍い光を発している。
ゆっくりとソファーに深く腰を掛ける。
天井を仰いでゆっくりと目を閉じた。
今、ここに居る自分が恥ずかしくて仕方なかった。
ドアが開く音が室内にこだました。
「おまたせ。」
「あ、有難う。」
テーブルにグラスを並べる。
カラン、とグラスの音が部屋に響く。
珪くんは私の隣に腰を降ろして大きく呼吸をひとつした。
深い沈黙が続く。私は何を切り出せばいいのか分からなかった。
緊張の所為か喉が渇いてくる。
思わず一気にジュースを飲み干してしまった。
「ごめん。」
グラスをテーブルに置くのと同時に珪くんがぼそっと言った。
「え?何が?珪くん何も悪い事してないよ?」
「最近、ファンの子とかにもおまえの事聞かれるようになった。」
「・・・!?」
驚いて言葉にならなかった。
やっぱり珪くんは私の気持ち気付いてたんだ。
「俺、ファンの子におまえの事何も言えないし。」
「・・・うん。分かってるよ。」
「でも、俺、おまえの事は別だって思ってるから。」
「うん。」
「俺・・・」
お互いにそれ以上言葉も出なかった。
ただ見つめ合うだけしか出来なかった。
珪くんが私の頬を手の甲で撫で、
そしてそのまま髪をゆっくり撫でていく。
私は目をつぶった。自然と自分から珪くんを誘っていた。
そしてそれに珪くんは応えてくれた。
723王子×主人公 その4:02/07/07 01:14 ID:awcaUeR9
最初は軽く。唇から珪くんを感じる。
それだけで鼓動が高鳴った。
体中に一気に血が駆け巡るのが分かった。
唇から珪くんのぬくもりが離れていく。
ゆっくり目を開ける。
今まで見た事もない優しい珪くんが目の前に居る。
「俺でいいのか?」
コクン、と頷く。
そして今度はもっと熱く、激しく、唇を重ね合う。
珪くんは無造作に私の髪を掻き乱す。
珪くんの重みを全身に感じる事が出来てくる。
私も自然と珪くんの背中に手を這わせていた。
何度も何度もお互いの唇の形を唇でなぞる。
珪くんの唇が私の唇から首へ、耳へと這って行く。
珪くんの手が段々下に落ちてゆき腰へとまわってゆく。
シャツの中に手が伸びて直接肌で珪くんを感じる。
欲望で膨らんだ胸に手が触れた。
「んっ、あっ・・。」
「どうした?」
「・・・何でもない。」
「ごめん、止めた方がよかったよな。こんないきなりなんて・・・。」
「違うの、その、ちょっと恥ずかしいって思っちゃって。」
「そうか。明かり、消すから。」
珪くんが明かりを消しに行く。
「服、脱がせてもいい?」
「うん、いいよ。」
珪くんが慣れた手付きで私の服を脱がせていく。
もう私は恥ずかしさのあまり珪くんを直視出来ない。
珪くんは何度も何度も私が感じる部分を優しく触れてくれる。
そして珪くんの指先が私の一番感じる部分へ触れた。
体中が電流が流れるかのように一気に一箇所へ神経を集中させた。
声にならない声が部屋中に響き渡った。
私の体は珪くんが欲しいとはっきり主張している。
珪くんもそれをちゃんと分かっている。
「いいかな?」
「う・・・ん。」
耳元であの声で囁かれたら“No”などと言える筈もない。
そして珪くんが私の中へ入ってきた。
何度も珪くんを感じ、そして何時の間にか自分の知らない世界に達していた。
724王子×主人公 その5:02/07/07 01:16 ID:awcaUeR9
「ごめん」
「何で珪くんが謝るの?」
「その・・・、こんな事でしか気持ちを表現出来なくて」
「だったら、私こそ。私、凄く卑怯だわ。」
「俺、仕事上、はっきりとみんなに言えないから・・・。」
「うん。分かってる。我侭になってごめんなさい。」
「いいよ、俺の前でだけは我侭で居ろよ」
「珪くん、有難う。」
「遅くなっちゃったけど送っていく。」
「うん。」


以上終了。703です。文法になってない上に支離滅裂でスマソ。
しかもエロも中途半端だな。
「人気急上昇中の高校生モデル」と言う設定を生かしたかったもので。
お目汚し失礼しました。勉強しなおしてきます。では、退散。