【由奈タン】プリティフェイスのハァハァ小説【理奈タン】
「今日こそ由奈の夢を見られますように…」
俺はそう願いながら布団に入った。
…眠りについた後、現れたのは由奈ではなかった。
「貴様をマンガの世界に入れてやろう」
「ま、漫画神ハイデガー!?」
ヤツは夢のなかで俺の頭を鷲掴みし、どこか遠くへ引きずり込んでいった。
遠くへ…遠くへ…。
瞼越しに光を感じる、雀の鳴き声が聞こえる。
朝か…。体が妙にだるい、何か夢を見た気がするが内容はなにも思い出せない。
「ふああふ…」
大きくノビをしてベッドから出る。
…ん?ベッド?
おかしい、と思った瞬間跳ねるように後ろを振り返る。
部屋が違う?
そう、寝るときは布団に入ったはずだ。ところが起きたらベッドの上に…。
部屋がまるで違う。俺の部屋はこんなに綺麗なはずがない!
そう冷や汗を流しながら疑問に思っていると、後ろのドアが開く音がした。
驚いて振り返る俺。
「お兄ちゃんおはよう、今日は起こさなくても大丈夫だったね」
「理奈!?」
「どしたの?」
理奈が首を傾げながら、凍り付いた俺を見る。
どうなってるんだ、理奈は漫画、俺は現実…。
いや、理奈が現実になっちまったんだ…。
一体これからどうなるのか、今の俺には全く想像がつかなかった…。
(続くかも)