綾波レイのエロ小説キボン

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118泥濘・7
 溜め息のような吐息が漏れた。
 甘い言の葉に酔っているのは、どちらだろうか?

「いい…の?」
「入れて……繋がりたいの」

 蕩けるようなレイの瞳を、シンジは見ていない。そんな余裕は無くし
ていた。自身の滾りを解放したくて焦っていた。
 そしてレイ自身も、渇きに喘ぎ少年を省みる余裕が無い。
 ただ目を瞑り、その時を待ち構える。

 まるで、もう一つの心臓が波打っているかのようだった。
 胸の内で高まる鼓動と共鳴するように、胎の底で脈打つ塊を感じる。
 自分では触れる事の出来ないそれに、少年なら触れる事が出来る筈だ。
 飢えて渇いて飲み干そうとする、得体の知れない熱い塊。
 胎の底に、恐ろしい生き物を飼っている。
 日常は飢えている事を意識しないのが、別の生き物である証拠だ。
 汗に塗れた肌が渇くと、腹の底の獣が目を覚ます。
 目を覚ませば、癒されるまで眠りはしない。

「んっ……」

 息を詰めて、少年が腰を退いた。
 熱い先端が揺れながら、間隙に触れる。
 常に虚ろな、胎の底へ通じる隙間。
 満たされる時だけ癒される。
 癒される時に陶酔を感じる。
119泥濘・7:02/07/09 23:32 ID:M3lqunPB
「はっ」

 押し付けられる圧迫感に、レイが息を飲む。
 熱く滾って濡れてはいるが、前戯を知らない二人を繋ぐ間隙は、まだ
固く閉ざされて容易には開かなかった。
 その狭い隙間を抉るように、先端が入り込む。

「ああっ」

 レイの背筋が仰け反る。
 絞るような喘ぎが漏れる。
 キリキリと軋むように、少しずつ隙間が押し広げられていく。
 疼くような痛みと、圧倒的な存在感が、瞼の裏を真っ赤に染める。

「止まらないでっ」

 余りの狭さに躊躇する少年の腰を膝で引き寄せ、背中に回した腕に力
を込める。
 一息に埋められたかった。余りに渇いていた。

「あっ……熱いよ」

 少年が漏らした吐息は、レイにとっても同じ事だった。
 胎の底めがけて穿たれた路が、少年の体温で満たされていく。
 少しずつ進んで、下腹が重なり合う。
 一分の隙も無く肌が重なり合った時、身体の中の飢えた獣が、少年の
先端に触れた。
120泥濘・7:02/07/09 23:33 ID:M3lqunPB
「はあっ」

 その感触に短く喘いで、一層強くしがみ付く。
 ようやく隙間が埋まった。
 満たされない、癒されない隙間が。
 少年の前髪が額に触れる。頬が重なり、吐息が耳にかかる。

「綾波……」

 耳朶を打つ声すらも心地好かった。
 荒い息を吐きながら、少年の頬に頬を寄せる。

「はぁ……碇君」

 目を瞑り、息を吐く。
 重ねた胸と、入り込んで繋がった胎の中。
 そのどちらもが、鼓動していた。
 二つの身体に、四つの熱い鼓動が響く。

「あっ……うっ」

 狭い隙間が僅かに軋むと、少年が呻いた。
 震えているのは少年のモノだろうか。
 それとも少年の一部を呑み込んだ、自分の胎だろうか?
 繋がった部分が震えていた。蠢いていた。
 まるで別の生き物のように。
 そして、その震える脈動が一つに重なっていく。
121泥濘・7:02/07/09 23:34 ID:M3lqunPB
「あ…あ……だ…だめだよ。もうっ」

 胎の底で、熱く硬い少年の一部が更に膨らんでいた。
 張り詰めて、大きくなる。
 逃げようとする少年の身体にしがみ付く。

「あ…あ…綾波っ」

 くうっ……と息を吐きながら、少年の先端から熱い飛沫が迸る。
 注がれる。胎の底へ。

「んんっ」

 固く目を瞑り、その熱さを受け止める。
 奔流は一度では収まらない。二度、三度、震えるように絞り出す。
 ただ繋がっただけで、まだ動きもしないうちに、レイの身体の熱さと
狭さに、少年は果てた。

「あぁ……ああ」

 溜め息が漏れる。
 互いの身体が震えているのを感じながら。

「ああ……ごめん……中で」

 溜め息と共に呟きながら、しかし時折思い出したように蠢く。
 また少し、吐き出される。熱い飛沫。
122泥濘・7:02/07/09 23:35 ID:M3lqunPB
 最後の一滴まで受け入れる。
 胸を合わせた少年の肌が、冷めていく。
 しかしレイは、その手足を解こうとはしなかった。
 まだ陶酔には、遠い。

「離れないで」

 身体を起こそうとした少年の背中を抱く。
 荒い息。細い腕の中で少年が息づく。

「まだ、離れないで」

 レイは繰り返した。少年の耳元で。
 全てを放ってもなお、胎の中の熱さは冷めていなかった。
 しかし、張り詰めた硬さは徐々に失われていく。
 締め付けるレイの中でゆっくりと萎えていく。

「ごめん……気持ち…良すぎて……」

 なにもしない内に一方的に果ててしまった事を、少年は恥じているよ
うだった。
 俯いた瞳が、照れを隠して苦く笑っている。
 レイは少年に唇を寄せた。また舌先が絡み合う。
 互いの肌を手の平で確かめる。
 合わせた胸にもう一度、吐息と鼓動を感じる。
 レイは待つつもりだった。
 再び、少年が張り詰めるのを。
                                  第七話・了