私が最も敬愛する姫様と共に城を出てから2年半余りになります。
毎晩ではありませんが、夜になると手のひらに散る白いもの。
いえ、正確には自分自身でそれを出しているのですから、散らせるといった
方が適当かもしれません。
共に旅をする姫様と、姫様を心配するあまりに厳しくなってしまう老師の目を避けて
息をひそめての自慰。そのとき物理的な快楽は確かにありましたが、
私の空想の糧となってしまった姫様に対してどうお詫びすればいいのか。
白く汚れた指を拭いながら、姫様の寝顔に向かって声を出せずに謝罪するのです。
淫らな姿をさらして私に抱かれている姫様は実在しないのだから。
神はきちんと我々を見ておられるのですから、私がこうして己の浅ましい想いを
吐き出していることもご存じでしょう。
そのような私に、神は罰を与えたのかもしれません。
彼女と出会ってしまってから、私は自分の心がわからなくなってきたのです。
エメラダさんについてミネアさんが仰るには、彼女こそ世を救う勇者だと。
病に伏せっている私にパデキアを届けて下さったのは彼女でした。
そういう意味では、確かに私はエメラダさんに救われました。
姫様の名誉のために言いますと、姫様も私のために健闘なさって下さいました。
ただ、姫様の失敗は、パデキアの納められている洞窟に向かう際の連れの人選を
誤っておられただけなのです。
サントハイムの王女という身分でありながら私なぞのためにもったいないことで、
そのお気持ちだけで私がどんなに嬉しく思ったことか。
エメラダさんの第一印象は、大人しそうな娘さんでした。
実際のところ、姫様と同い年とのことで、私よりも若い方です。
彼女がこの旅に出るきっかけとなった出来事は彼女の心に暗い影を落とし、
今でも辛い夢を見せているようです。
闘いの最中の凛とした彼女は、凶暴な魔物相手に剣を振るい魔法を唱え、
仲間を気遣う、まさに「勇者」に相応しい方です。
けれども、闘いに身を置いていないときの彼女はまるで別人でした。
勇者に対して敬意を込めて、エメラダ様、と呼ばせていただいたら、頬を染めて
恥ずかしげに俯くのです。
自分は私よりも年下であり、勇者とは言われても自分ではそんな立派な人間だと
思ってはいないので様なんてつけないでエメラダと呼んで欲しいと。
そこで、私は人を呼び捨てにするのに慣れていませんので、エメラダさんと
呼ぶのは構いませんかと訊ねたら、小さくこくんと頷くのでした。
その様子は姫様のそれとはまたとは違う雰囲気の可憐さでしたので、恥ずかしながら
姫様に対する感情とは別にどぎまぎしたことを覚えています。
もしかしたら、そのとき既に私はこの方に惹かれていたのでしょうか。
姫様への想いをも残したままで。
エメラダさんは姫様の活発さに憧れているようで、よくお二人で話をしているのを
目にします。姫様も、剣を扱えるエメラダさんに憧れ、戦の話しをなさっているとか。
お二人はすぐに仲良くなり、姫様を追う私の視線の先にエメラダさんも入るように
なるまでさほど時間はかかりませんでした。
姫様と共に談笑しているエメラダさん。
姫様の冗談に頬を染めるエメラダさん。
そんなエメラダさんを見ている姫様の笑顔。
そのうち、姫様を見ているのか、エメラダさんを見ているのかわからなくなりました。
ある野営中の夜、魔物の襲撃に備えて私は見張りをすることになりました。
他の仲間は馬車の中で毛布に包まれ仮眠をとっています。
焚き火に当たりながらまどろんでいると、馬車の中からかすかなうめき声が
聞こえてきました。
どなたか気分を悪くされたのだろうと思い、幌の入り口の天幕をめくり上げると
入り口にいちばん近い場所で眠っているエメラダさんがうなされているのです。
「……いや…ぁ。…だめ、だめ……」
彼女はうわごとを繰り返し、額にはびっしりと汗が浮いています。
故郷の村が襲われた情景の悪夢を見ているのでしょうか、そう感じた私はすぐさま
彼女を揺すり起こします。
「エメラダさん、エメラダさん」
彼女以外を起こさぬように小声で呼びかけ、肩を揺すります。
幾多の魔物相手に大剣を振るっているはずの彼女の肩は、ハッとするほど華奢でした。
少しそうしていると、エメラダさんはうっすらと目を開けてくださいました。
「あ……。また、いつもの夢…」
ぼんやりと呟く顔には生気があまり感じられないので、このまま再度寝てもまた同じ夢を
見てしまうかもしれない、少し落ち着いてもらってから眠ったほうが良さそうと判断し、
彼女を馬車から降ろし、焚き火のそばに導きました。
ミルクにハチミツを少々加えたものを火にかけて温め差し出します。
「さぁ、これを飲んで暖まればいくらか気持ちも晴れますでしょう」
私がそう言うと、エメラダさんは消え入りそうな声で、ありがとう、と呟きました。
私も、エメラダさんもしばらくは無言でした。
時折、パチパチと焚き火の爆ぜる音があるのみです。
彼女に渡したミルクがそろそろ冷めてきたのでは、という頃、ぽそっと呟く声がありました。
「迷惑かけて、ごめんなさい」
肩を震わせ、今にもこぼれそうに涙を浮かべていました。
このまま泣かせてしまってはいけない、とっさにそう思った私はあわてて彼女の隣に
腰を下ろしました。そして若草色の柔らかな髪を撫でつけます。
自分でそうしておきながら、子供をあやす親のようでちょっと気恥ずかしくなりました。
「…アリーナがね、よくクリフトさんの話をするんです。気が付くといつもそばにいる、
ちょっとだけ頼りないけど、信用できる兄みたいだって」
何の脈絡もなく、いきなり言われたことですが、私は嬉しく思いました。
姫様が私に対して好意を持ってくださっていることをはっきりと知ったのですから。
それが恋心なのか、ただの親愛の情なのかはまだわかりませんが、それでも私にとって
喜ばしいことだと思いました。
「そうですか、姫様がそのようなことを…」
いくぶん落ち着いた口調で彼女は続けます。
「クリフトさんがいつも見ているのはアリーナですよね。わたしを見ているんじゃなく」
そう言ったエメラダさんの瞳を見ると、はっきり肯定してはいけない雰囲気でした。
なので私が黙ったままでいると、彼女は私に寄り添うのです。
「あの……エメラダさん?」
寄り添うに留まらず、彼女は私にしがみつき、私は抱きしめられている状態になりました。
目の前の焚き火が温かいのに、ぎゅっと握られた服越しに感じる彼女の体温の方が
ずっと温かいのです。
かぁっと頬が熱くなるのが自分でもわかりました。鼓動が大きく、早くなります。
「わたし、迷惑でしょうか?」
真摯な翡翠の瞳の端に、焚き火の朱が混ざり不思議な色に輝いています。
「いえ……そんなことは」
その瞳に捕らえられた私にはそれだけ言うのが精一杯でした。
エメラダさんは静かに、けれど激しく言葉を重ねます。
「アリーナとクリフトさんのことを話していると、わたし、だんだんクリフトさんのことが
気になっていって……不思議ですよね。そして、一緒に旅をしているうちにクリフトさんが
とても優しくて、仲間思いで、素敵な人だっていうことが心に入ってきて、あの……」
そこまで聞き、なんとなく彼女の言わんとすることがわかりました。
その間も彼女は私を腕に捕らえたままで、私の二の腕が柔らかい感触と激しい鼓動を
終始伝えてくるのです。
寒さはないのに微かに震える細い身体。柔らかなくせっ毛が私の首筋を優しく撫でます。
服越しに感じる鼓動、そして首筋にかかる息の熱さは彼女の緊張の顕れ。
私の心は半分混乱し、半分冷静でありましたが、このままでいれば冷静さをそう長くは
保っていられないという予感がしました。
「ごめんなさい、わたし、あなたのことを」
それ以上は言わないでください。そう思ったけれど声にならず、代わりに彼女の身体に
腕を回していました。少しだけ力を入れると、私に伝わる温かさが増しました。
「本当はわかっています。あなたが想っているのはわたしじゃないって。だけど」
そこで言葉を切り、彼女は私に唇を重ねます。
女性の唇がこんなにも温かく柔らかいのだと初めて知り、姫様もそうなんだろうなと
意識の片隅で思いながらも、私の身体はエメラダさんに反応していきます。
身体がぽうっと熱くなり、知らず知らずのうちに腕に力が入ります。
そっと唇を重ねるだけの接吻でも、私の中心に熱を集めるのに不足はありませんでした。
そして、唇を離した彼女は濡れた瞳で言いました。
「わたしを、抱いてください」
「あなたの本当の気持ちがわたしに向いていなくてもいいんです。今だけでいいから
わたしを見てください」
脆さと、頑とした意志の強さが混在した表情。
「エメラダさん……本当にそれでよろしいのですか?」
私の本心は姫様を想っていると知っているのに。
「今だけ、わたしを愛してください。わたし、それだけでもじゅうぶん幸せですから」
潤んだ瞳が、私が少し顔を下ろせば易々と再び接吻を交わせる距離で煌めきます。
このひとときだけ、エメラダさんを愛し、抱く。
そうすることで彼女の気持ちが安らぎ、救われるならそれが彼女のためだと思いました。
世界の希望である勇者が、私への想いが原因となって揺れていてはいけないんだと。
神に、そして自分に言い訳をしているような気もしましたが、それは無視しました。
私は何も言わずに目を閉じ、生まれて2度目の接吻をしました。
彼女の甘い吐息を胸いっぱいに吸い、滑らかな頬を撫でます。
「エメラダさんのこと、好きですよ」
それは本当のことですから。
「姫様とは違うけれど、同じように私にとって大切な存在です」
彼女が勇者だからではなく。
「…ありがとう」
そう言ったエメラダさんの儚い微笑みに私は理性が融けていくのを感じました。
先ほどよりもきつく抱きしめ、吸い付くように何度も唇を重ねます。
舌先で唇をなぞり、その間に割り入って綺麗な歯の根元を擦り、舌を絡めあいます。
「……ん…ふぅ」
次第に呼吸が乱れていきますが、それが私のものなのか彼女のものなのか、
最早わかりません。
ただ、衝動に突き動かされるかのように深い接吻を続けます。
唇を重ね、互いの唾液の混ざる口内で舌を絡め、吸いあいながら私の手は
彼女の身体を撫でまわします。
華奢な身体をぴったりと包む衣類の上から柔らかな膨らみに右手を当てて、
ゆっくりとこね回しながら、もう片方の手は肩胛骨の下から括れた腰を辿り、
張りのある臀部へと下がっていきます。
唇を離すと、その間に一瞬だけ透き通った橋がかかりすぐに消えていきます。
柔らかいだけでなく、心地よい弾力を持った右手の中のそれの頂がツンと
固くなっています。その先を指先で軽くなぞると、
「はぁ、ん」
と鼻にかかった甘い声が漏れ、うっとりとした瞳が私を見るのです。
私はもう躊躇うこともなく彼女の衣服を脱がし、生まれたままの姿にします。
白い肌がほんのりと桃色に染まり、胸の双丘の頂は固く尖っています。
私も上衣を脱ぎ、それを敷いた上に彼女を横たえてその横に膝をつきます。
「ちょっと、恥ずかしいです…」
そう言って頬を染める様子が本当に愛らしいのです。私は微笑みを返し、
ふるんと揺れる胸に口づけます。
ちゅっ、ちゅっ、という微かな音がして、一緒にエメラダさんが声をあげます。
「あぁん、あっ…」
痛いくらいに尖った胸の突起を口に含み、舌先で転がすように舐めると、彼女は
私の頭をその胸に押し付けるように強く抱くのです。
胸だけではなく、鎖骨、臍、脇腹と、思いつくままに唇を落とし、舐めていきます。
あえて秘唇を避けるように太腿や下腹部に唇を這わせながら、柔らかい茂みの先の
瑞々しい割れ目に指をあてがうとそこはすっかり熱を持って潤んでいるのです。
そこは焚き火の照り返しでいっそう淫靡にきらめき私を誘いますが、ぐっと堪えます。
花弁にそっと指を挿すと、熱い襞が優しく包み込み、指を軽く前後させると、きゅうっと
心地よく締め付けてきます。
「ふぁっ、んっ……あん、あぁん」
空いている手の指を悩ましい喘ぎを漏らす彼女の唇に入れ、耳朶を甘噛みしながら
馬車の中の者を起こさぬようにと囁くと、こぼれる声を堪えるために口の中の指をきつく噛み、
その痛みさえも私にとっては鈍い快感を呼ぶのです。
熱い襞の壷からは止まることなく蜜が滲み、滴っています。
いったん指を抜けば中からとろりと溢れます。
エメラダさんの匂いの染みた指を丹念に舐めとった後に、直接そこに口をつけます。
「ひゃぅ、あん…はっ、……ぁぁん」
ぷくりと飛び出している花芯をぺろりと舐めあげると、びくんとその身が震えます。
2度、3度、繰り返していると、エメラダさんの様子が変わってきました。
ひくひくと震え、何かを堪えているようで、瞳は欲情の色を湛えています。
「もっと今の、して欲しい…」
切れ切れになった呼吸の合間から訴える声。
彼女は私の愛撫で感じ、絶頂が近い状態であるのだと理解したので舌での愛撫を
再開します。どうやら弱点らしい花芯を集中的に狙います。
「くぅ、ん……ん」
声を殺し、快感に震えるエメラダさんのそれを夢中になって舐めまわしていると
「あ、あふぅ、んぁ……あぁっ!」
大声ではないけれど、確かにそれは叫び声で、恐ろしく艶を含んだ声色でした。
その声と同時に秘唇から透明な液体がパシャっとあふれて私の顔を濡らします。
彼女の恍惚とした表情と、余韻に震える体を見て彼女が達したのだとわかります。
私も上半身だけでなく全裸になり、脱いだ服の懐をまさぐって手近な布で顔を拭い、
それから荒い息をつく彼女のうっすらと汗ばんだ額ににそっと接吻します。
「すごい、気持ちよくなれたの」
そう言ってにっこりと笑顔を見せてくれ、緩慢な動きで私の首に腕を回して抱き寄せます。
そのまま温かな胸に覆いかぶさり、唇を重ねます。
「……来て」
何度交わしたのかわからない接吻の後で、彼女は言いました。
「すみませんけれど、声を抑えてくださいね」
やや上擦った声でそう告げ先程自分の顔を拭った布の綺麗な部分を彼女に噛ませます。
そうして彼女が頷いたのを確かめてから肌理の整った脚を掲げて開き、その間に
身を置きます。そして未だにひくついている秘唇から蜜をすくいとり自分のものに
塗りつけます。既にそれは既に天を仰ぎ、ひくひくと脈打っています。
充分に湿らせたのでこれで準備はできたと思い、自身を花弁にあてがいます。
ぬるり、と先端が飲み込まれますがそこで止まります。
これから私が彼女を突き破るのだ、彼女もそれを望んでいるのだと思うと、
浅ましい欲望に火がつきました。
ひと思いに貫きます。何かを裂いたような感覚があり、直後にエメラダさんの
眉間が寄せられ、瞳に涙が溜まり、くわえた布がきつく噛みしめられます。
そして私は、女性の身体はどこまでも温かく柔らかいのだと思いました。
「…ひとつになりましたね」
私がそう言うと、彼女は痛みの中で精一杯の笑顔を作って頷きます。
喪失の痛みの波が退くまで私は動かずにいました。
「もう、平気だから。ゆっくり動いて」
意外としっかりとした口調で言われ、力一杯頷きます。そして、膣内からゆっくりとものを
引き出していきます。そこにねっとりと襞が絡みつき、ものすごい快感です。
「あ…っ」
切なげに眉を寄せ快楽を得る表情を目の当たりにし、それまで抑えていた衝動が
一気に押し寄せて私を攫っていきます。
私の怒張した性器は彼女の蜜と鮮血とでぬらぬらと光っているのです。
その光景がさらに私の衝動を加速させます。
抜け落ちる寸前まで引き抜き、一気に奥まで突き立てます。
「んっ、んーっ」
私の身体の下で彼女は布を噛んだままうめき声をあげますが、その表情は苦痛ではなく
明らかに快楽に浸り、悦びに彩られています。瞼からひと筋の涙が滑り落ちます。
私はそれをついばむように唇を落とし、彼女をより悦ばせようと奥深くを擦りあげます。
「んふぅ、んっ……んぁ」
くぐもった嬌声に後押しされる形で私は腰を動かしています。
熱い膣内は窮屈でしたが非常に居心地のよい場所で、私自身をしっかりと包み込み、
締めつけてくれるのです。その最奥のわずかに手前と、入り口付近の2ヶ所が彼女の
弱いところであることが彼女の反応から窺えました。
その場所を擦ると、膣内全体がきゅうきゅうと中の私を締めつけ、襞が茎を撫でさすり、
私も彼女も気持ちよくなれるのです。
繋がった部分からくちゅくちゅと水音がします。
緩急をつけて出し入れを続けていると、彼女に再び絶頂の兆候が見え始めます。
「あっ、あふぅっ…んんっ……」
既に彼女の秘唇からあふれる蜜は後ろの密やかなすぼまりにまで流れ落ちている程で、
私の袋をペトペトに濡らしています。
その充分すぎる潤いによってスムーズに動けるので私の限界も確実に近付いています。
できることなら同時に絶頂を向かえたい、その一心で私は腰の動きを激しくしていきます。
「ん、ん、んっ…」
私は雄の本能に従うまま、獣のように攻め立てます。
彼女はぷはっ、と布を吐き、無意識に腰を振って私の限界を誘います。
「もう、だめ、わたし、また……」
「う…私も、そろそろ限界です……」
湿った音に、パンパンと人肌同士のぶつかる音が重なります。
「平気だから、中に、いっぱい……」
その言葉が引き金になり、一瞬早く私が限界に達しました。
どくん、とソレが脈打ち、膣内に白濁した欲望を吐き散らします。
「くっ……ぅ」
膣内の奥深くを精が叩く感触に彼女も頂上に上りつめました。
「はあぁ…んっ!」
ぎゅうっと膣内が収縮し、今までよりずっと強く私を締めつけます。
まだすべての精を出し切っていない私から1滴残さず絞りとるかのように。
そして心地よい気怠さを漂いながらどちらかともなく見つめ合って、接吻。
くすり、と笑みがこぼれます。
「ありがとう」
最初に声を発したのはエメラダさん。私は何も言わないで頷きます。
着衣を整えたエメラダさんは馬車へ。私は夜明けまでの見張りを再開。
夜が明けたら、次の目的地をめざしてまた旅立つのです。
それから半年ほど経って。
「あのとき以来、例の夢を見なくなったんですよ。クリフトさんのおかげかな」
エメラダさんにそう耳打ちされ、"あのとき"を思い出して赤面してしまいました。
そんな私の横を通りがかった姫様がふふっ、と微笑んでからかいます。
「あ、クリフトがエメラダに口説かれてる」
「ひ、姫様っ、誤解です!」
「そうよ、わたしはヒトの男とっちゃったりしないもの♪」
姫様は笑っておられます。
おそらく、姫様が私とエメラダさんの間にあったことを知ることはないでしょう。
それが姫様にとっても、エメラダさんにとっても、私にとっても望ましいことですから。
ほんのひとときの、貴重な思い出なのです。
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……生まれた初めて書いたマトモな(?)小説がエロパロとは(w
お目汚しスマソです。
今後はROMに戻って逝ってきます。