みんなでフルーツバスケットのエロ小説を書こう!

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752マコ
紫呉さんのお仕事/1

「透君透君、ちょっといいかい?」
夕食の片付けが丁度完了した所に、紫呉から声をかけられる。
「あっ、はい!何でしょうか…っ」
振り向くと、紫呉が手招きしていた。
何でしょうか…と紫呉の側に寄ると、紫呉は深刻な顔を口を開いた。
「実はねぇ…最近、全く筆が進まなくてね…。スランプみたいなんだ…」
大きくため息をつきながら、紫呉はそう言った。
「最初はねー、まあその内書けるようになるだろうと思ってたんだけど…そろそろ本当に危なくてね。」
753マコ:02/10/02 01:38 ID:qIKJCpqJ
紫呉さんのお仕事/2

「ええっ!!そ…っ、それは大変です…っ!」
自信家の紫呉がスランプなんて言葉を口にしたのを、透は初めて聞いた。きっとよっぽどの事なのでしょう、と思う。
「今回のはね…出版社は同じだけど掲載誌は初めてのもので…。流石の僕もここでつまづくと…みっちゃんが…」
その名前を出されて透はサッと青くなる。目の前の小説家の担当は、毎回なかなか原稿上がらない(本当は上げないだけなのだが)事に、毎回泣き叫んだりパニックに陥ったり挙句自殺までしようとする人物だ。
「私に出来る事なら何でもお申し付け下さい!」
754マコ:02/10/02 01:39 ID:qIKJCpqJ
紫呉さんのお仕事/3

途端に紫呉の顔が明るいものに変わる。
「本当かい!?いやあ助かったぁ…きっと透君ならそう言ってくれると思ったよ!さあ早速書斎へ来て貰えるかな!?」
「はいっ」
自分が役に立てると知り、透は嬉しくなる。
二人はニコニコしながら書斎へ入る。…相変わらずそこら一帯散らかっている。
「あー…じゃあ先ずコレに着替えてくれる?」
差し出されたのは…黒いワンピースにフリル付きの白いエプロン。これはどう見ても…
「メイドさんの服、ですか…?」
「そ!君には今からメイドさんになりきってもらうよ」
755マコ:02/10/02 01:42 ID:2rd8TmeR
紫呉さんのお仕事/4

「あ、そうそう。より気分を出すためにコレもね」
黒いニーソックスにガーターベルトも差し出され、透は赤くなりながら聞く。
「あ、あの、これはどういった意味が…?」
「だからメイドさんになってもらうんだよ」
にっこりと、紫呉は続ける。
「今書いてる話はね、両親を早くに亡くしてとても苦労をしている女の子が主人公なんだ…けど、そのコがある屋敷へ住み込みのメイドとして雇われたとこから…話が進まないんだ…」
そこまで話して、紫呉は真面目な顔をして透を見つめる。
「書けない原因は多分透君なんだ」
756マコ:02/10/02 01:43 ID:FPJ9njCU
紫呉さんのお仕事/5

「わ…私…ですか?」
「そう。まるで透君と境遇が同じで…何度考えても君の姿しか浮かばなくて。君の伝記にでもなっちゃいそうでねぇ。そんなの公表したらマズイだろう?だから主人公になりきった君の助言が欲しい」
言われて透は思う。それでは紫呉がスランプに陥ったのは…自分の所為ではないか、と。だったら自分は紫呉に償わなくては。
「あ、では私は着替えてこさせていただきます…っ」
部屋を飛び出そうとした透を紫呉が止める。
「あーいいよいいよ。僕原稿チェックしてるからここで着替えちゃいなさい」
757マコ:02/10/02 01:45 ID:bIuJbQay
紫呉さんのお仕事/6

「え…そんな…」
真っ赤になってしまう透。
「大丈夫、見ないようにしてるから。それに結構時間無いし」
そう言われれば、じゃあ失礼します…と言ってしまう透だ。紫呉の真後ろで着替え始める。…が
(あ、あれ…このリボンはどこと結べばいいのでしょう…?)
複雑な程に細かい所までこだわった服だった。おそらく綾女の手製なのだろう。
しかしこんな服を自分は持っているはずもなく、どう着ていいかいまいち分からない。迷っていては紫呉の仕事も遅れてしまう。
こうなったら…
「紫呉さん…」