きつみはもふもふふもふもふ
週末の雪の予報は無くなったのかな?
ちょっとくらいならいいが、一度にドカンと降られるのは嫌だよな・・・
そろそろ春用の支度でもしようかな、コタツは一番最後に片付けような
目が覚めたら、暗闇の中にいた
あれ?まだ夜中なのかと起きようとしたが体がいつものように動かない
いや、動けるんだが何かがちょっと違う
ふと自分の手に目をやると毛むくじゃらな指が見えた
ああ、まただ・・・また猫になってしまった
小さくため息をしながら三橋廉はそう思った
突然天井が開き、眩し光がさしてきた
そして人間の手が入ってきて逃げようとしたところを押さえ付けられた
「や、やめろ・・・助けて・・・」「はい、じっとしていてね」
優しい声とは裏腹に、強い力で押さえ付けられ身動きが取れない
「ヒヤッ!!」
下腹部の奥まった場所に冷たい物が当てられ、それが体内に入ってきた
「・・・んあ・・・や、やだぁ・・・」「はい、おしまい」
直腸への異物感が去りホッとするまもなく、今度は首の裏をつかまれ細い針が突き立てられた
「い、痛い・・・」「ちょっとだけ我慢してね」
「こ、こんなの・・・夢なら早く覚めてくれ・・・」
「という事があったんです・・・」
その後家に帰り、庭でボスの黒猫に変な臭いがすると問われて三橋は今まで自分に起こった事を話した
「ああ、病院の匂いか・・・でも臭いな・・・」
ボス猫は三橋に尻を向けると、しっぽを立てて力み始めた
「えっ?うわあ!!」
三橋廉は生暖かいものを浴びる感触を受けながら意識を失った
再び意識を取り戻すともう朝だった
窓が少しだけ開いていて、屋根にうっすらと積もった雪には猫の足跡が残っていた
三橋は体に付いた異様な臭いを洗い落とそうと浴室に向かった
どこからか、小さく猫の声が聞こえた