三橋「うまなみなのね〜あなたとっても〜♪」

きつみはもふもふふもふもふ
時節柄インフルエンザには気をつけているがマスクだけでどこまで防げるか心配だ
今出回っているガーゼじゃないマスクだと使っているうちに水が溜まるんだよな　俺、あれが苦手でな・・・
やっぱり予防注射しておくべきだったか、きつみはもこれから注射しにいく・・・痛いのは嫌いか、そうか・・・

近年、ある食材に人気が集まっている
生産者の俺畑さん「いやー、もう人気で栽培が追いつかない状態が続いてまして
ええ、うちも畑を広げてなんとか量を増やそうとしているんですが・・・」
卸市場の俺野さん「もう人気で人気で、指名で注文する店も多いんですが慢性的な品薄状態で価格も鰻上りでして」
販売店の俺屋さん「ああ、あれね・・・なかなか手に入らなくて困っているんですよ
お客さんにどうしても、と怒られることも度々でしてねﾊﾊﾊ・・・」
加工会社の俺品さん「うちでも色々な商品に加工しているんですがなかなか数を集められなくて困っているんですよ　
なんせ煮ても焼いても甘くしても辛くしてもどう加工しても美味い食材なんて滅多に無いですからね」
発見者の阿部さん「あれね・・・初めて見つけた時はこんなん食えるんか、と思いましたよ
それでも色々と調べてみて、これはとんでもない逸物だと確信しましてね
それからが大変でした、色々と指導したり怒ったり褒めたりして
やっと美味しく食べられるものになったんですよ、あれは」
医師の俺々さん「あれ、ですか・・・あれ自体には中毒成分は無いのですが
最近あれに対しての禁断症状を訴える患者さんがふえましてね・・・まあ、私もですが」
生産者田島さん「ああ、あれ？うちでも作っているけど市場には卸ていないよ
何故ってそりゃ・・・美味いからに決まってんだろ
他の生産者も同じじゃないかな、美味すぎて自分とこで食っちまうからなかなか出荷量が増えない訳さ
あんた、アレを食った事があるかい？一度食べればもう病み付きだぜ」
そういうと田島さんは自家製のロールケーキをご馳走してくれた
柔らかなスポンジに口当たりの良いクリームが巻かれており、その中にアレがまるごと入れられている
一口食べてみた・・・なんだろう、これは・・・
今までに味わったことがない・・・
例えようのない、あえて言うなら天国のような気分にさせられる、そんな味・・・
「どうだ、うめえだろ　俺の作った「ミハシは」」
田島さんの得意げな声に、頷くしかなかった