今日もいい位置だぞ、きつみは
秋の晴れた日は乾燥して静電気が出やすいな
ブラッシングをする度にバチッ!!とくるのはきつみはも嫌だろう
この静電気を何かに利用できないかな?
ビニール紐を裂いて作った埃取りみたいに静電気を帯びたきつみはの毛皮で・・・
ゴミしか付かないんじゃ駄目か、そうだよな・・・
秋も終盤に差し掛かかり、キノコ狩りなら今のうちだと思い山に行ったがあまり見当たらない
ならばと山の奥に入ってみたら・・・クマーがいた
丸々と肥えたクマーが臍天状態でぐうぐうといびきをかきながら寝ていた
今の時期はクマーも冬眠前で食いまくっていて大変なのだろう
恐る恐る近寄って気配をうかがい、起きないのを確認してそっと触ってみた
「んふ・・・」
実にクマーらしからぬ寝言に呆れながらもどうしたものかと考えた
山に入る際、クマ注意、猟友会がパトロールをしています、なる看板を見たからだ
今、俺の目の前で寝ているクマーには凶暴の様子はまったく無いのだが実際はわからない
ぐうぐうと寝続けるクマーはちょっとぶさかわいくて、ずっと眺めていたくなる
危機感がまったくない様子で寝ているこのクマーをこのままにしてしまうと遠からず駆除されてしまうだろ
流石にそれは忍びない・・・俺は意を決した
「おい、クマー・・・おきろ」
強めにゆすってやったのが効いたかむにゃむにゃ言いながら起き始めた
「ん・・・だれ?」「こんなところで寝ていると鉄砲で撃たれるぞ」
「うん・・・でもねむい・・・巣穴まで連れてって・・・」
お前、それでも猛獣クマーかよ!!おいこら起きろ!!起きないと・・・こちょばすぞ
「ん・・・く、くすぐったい・・・ふぁ」
ほらほら、ちゃんと起きて逃げないと、ずっとこちょばしてやるぞ
「や、やだ!ああ・・・気持ちわるい・・・あぁ!!」ほうら気持ちいいだろ、もっとこちょばせてやるからな
「も、もう・・・やだぁ・・・」
どうだ、俺のテクニックは!!このまま天国にイカせてやるから覚悟し
あれ?俺なにしてたっけ?確かキノコ取りに来てそれで・・・頭が痛い・・・
ん?なんでこんな所にでかい金タライがあるんだ?