がんばってるなきつみは
俺も海かプールに行きたい
今日はいつもより暑く感じるのは何故だろう
雨が降らない
都会ではゲリラ豪雨なんてものもあるらしいが
こちらではそれどころか普通の雨さえ降りゃしない
乾燥して土埃は舞うし、田んぼや畑の水やりはいつもの年より大変そうだ
困ったなと俺が言うときつみはも困ったね、と言う
二人で困った困ったと言いつづけていても仕方が無いな
天気予報でも見て・・・当分雨は降らないだと・・・
こりゃ雨乞いでもするしかないかな
「じゃあ俺、やってみる!」といってきつみはは家を飛び出していった
やってみるって、何をだ?雨乞いか?
しばらくするときつみはが何かを手にして帰ってきた
きつみはの手の中には小さなカエルが数匹いて、隙あらば逃げ出そうとしている
それを虫かごに入れると今度は庭に出て木の枝を持ってきた
それに白い和紙で作った飾りみたいなのをつけて、きつみははカエル入りの虫かごに向かって何か舞い始めた
「雨ふれー、雨ふれー・・・降らなきゃこの枝ではったくぞー」
なにやらむにゃむにゃ言いながらカエルの周りをぐるぐる回っている
後で聞いた話では、山ではこうやって雨乞いをするんだそうな
カエルは儀式の後でちゃんと元にいた場所に返すことになっていてそこで儀式は終わるんだと
さて、きつみはの雨乞いの結果はどうなるかな?
あれ?なんだか今までに見たことも無いような雨雲が近づいてきたけど・・・