三橋「 (*´◇`*) アアン…」

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423fusianasan
ナイバッチきつみは!!
がんばったご褒美に今日は油揚げ料理を作ってやろう、チーズ焼きと肉詰めの巾着煮のどっちがいい?
ん?選べないだって・・・よし、両方作ってあげよう、今日の俺は太っ腹だぜ、腹が太いのはいつもの事だけどな・・・

何年ぶりかに神社の夏祭りに行ったら新しい趣向の屋台が増えていた
軽くカルチャーショックを受けながらも、物珍しさからいくつか楽しんでみた
その中の一つに面白いものを見つけた
「ミハシすくい」
ミハシ・・・すくい?金魚すくいとかじゃなくてミハシ?ミハシって・・・なんだ?
気になって屋台を覗いてみたら、金魚すくいよりも若干大きい水槽の中に頭の黄色い生き物がひょこひょこ動いている
ひよこかな、と思いよく見ると小さな人間にそっくりの生き物で髪の毛が黄色いぽわぽわで色々な色の簡単な作りの服を着ていた
「あっ!また駄目かよ、くそっ!」
俺の目の前では若い男がおもちゃのような小型の釣り竿を使ってその黄色い生き物を釣ろうとしては何度も失敗していた
なんだ、ミハシすくいとあるが金魚みたいにじゃなくて実際は釣るタイプなのか 物は試しだ、と俺も挑戦してみることにした
釣り糸の先には餌としてニンジンが縛られており、それを水槽に垂らすと数匹のミハシが寄って来た
先を争って餌に食いついたところを見計らって釣り上げるのだが、これが難しい
水槽の高さまで上げればミハシはお持ち帰りだが、その高さに食いついたミハシが耐えられなくて途中で落ちてしまう
何度が挑戦していたが、ことごとく失敗に終わった
そろそろ帰ろうかと思っていると、ある一匹のミハシがこっちをジッ、と見ていた
なんだこいつ・・・もしや俺に連れて行ってもらいたいのか?いやいや、きっと餌が欲しいだけなんだろうけど・・・
俺もジッと見つめ返し、釣り糸と餌を見せて、水槽の高さまで釣り上げるのに頑張れるかをジェスチャーで伝える
ミハシは大きく頷くと俺が垂らした釣り糸に真っ先に喰らい付こうと他のミハシを押しのけながらやってきた
なんとか食いついて俺が静かに上に上げると、絶対に離さないというように餌のニンジンに必死に食い付いていた
お前、そんなに俺に連れて行って欲しかったのか?
口から釣り糸を外してやると、俺の手のひらでこっちを見てにこっ、と笑いやがった
くそう・・・可愛いじゃねえかよ 俺はこのミハシを飼う事を決めて帰路についた
調べてみると、ミハシは数年前に発見された謎の生物らしい
小さい小人状の生き物で群れを作る、頭が黄色くて、ヒヨコのようにひょこひょこと動く
声はあまり発せないが、人間の言葉を理解し意思の疎通が図れることも可能、だがまた生態については謎が多い
大きなニンジンが好物、太いきゅうりやゴーヤも好む・・・
それとうまく育てればある程度まで大きく育てられる、だと?それは・・・楽しみだな
俺は用意してやったペット用の寝床の中で幸せそうスースー寝ているミハシを眺めながら頬が緩むのを感じた