きつみはもふもふふもふもふ
そろそろ鯉のぼりを片付けようかな、と思ったが
きつみはに断固反対されそうなのでしばらくは毎日揚げておこう
でもな、夜になって取り込んでおくとその中で寝るのはほどほどにしろよ
お前が見当たらなくて、どっか行ったのかと俺が心配するから・・・
「お、おはようございます、ご主人様・・・」
召使いが朝の挨拶をして俺の部屋のカーテンを開ける
その光の眩しさで、俺は一気に夢の世界から現実へと引き戻される
部屋の中には長い耳をした召使いが落ち着かない様子で俺を見ている
毎日繰り返される光景だ
「あ、あの・・・お食事は・・・」
「いつもの通りでいい」
「は、はい・・・かしこまりました・・・」
召使いは白くて丸い尻尾をフリフリさせながら部屋を出て行った
いつもの朝、いつものやりとり
でもこいつ、何時までたっても俺の前ではキョドりやがる
なんでそんなに緊張しているんだろう
今日の朝飯は・・・いつも同じだが目玉焼きと野菜サラダ、カリカリに焼いたトーストが三枚とコーヒー
俺が食っている最中も召使いは俺の一挙手一投足に気を配るかのごとくそばにいてじっと俺を見ている
「あ、あの・・・今日のお味はどうです、か・・・」
「ん・・・いつもと同じだぞ」
俺は二枚目のトーストにジャムをつけながらそう答えた
そうですか・・・と残念そうに召使いが呟いた
何がしたいんだこいつ?そう思いながら俺はコーヒーカップに口を付けた
ん?何か違うな・・・
いつもより味に奥行きがあって香りがいい
もしかしたらこのことか?
「は、はい・・・今日は豆を代えて淹れ方を工夫してみました」
「うん、うまいぞ!今度からこれにしてくれ」
「は、はい・・・あのご主人様・・・」
召使いの奴、顔を赤くしてモジモジし始めだした
「どうした?なにかあるのか?」
「あ、あの・・・ご褒美・・・いただけますか?」
なんだ、そのことか
しかし自分から強請るとは召使いのくせに生意気な
「で、何が欲しいんだ、三橋?」
あ・・・とか、えっと・・・とか言いよどみながら、ウサギの姿をした召使いの三橋が俺に強請った
「あ、あの・・・ご主人様の・・・
お、ぉっきなニンジンが・・・欲しいです・・・」
そう言うと思ったよ まったくこのバニー姿のウサギな召使いは本当にニンジンが好きなんだな
その後、寝室で俺のでっかいニンジンをたらふく食わせてやった
「すごいよお・・・も、もっといっぱいニンジンください
奥までズンズンしてえ・・・」
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