楽しんご「三橋穴にドドスコスコスコラブ注入!」

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526fusianasan
会社からの帰り道、なんだか妙な違和感を覚えて思わず立ち止まった。
違和感の原因にはすぐ気がつく。昨日まではなかった看板が立っていたからだ。

【あたため屋みはし】

「……あたため屋って、なんだ」
聞いたこともなければ見たこともない。
『あたため』で咄嗟に思いついたのは銭湯とかサウナだけど、こんなにこじんまりとした
店構えでそんな物は置けないだろう。なんせコンビニの1/3にも満たない大きさなんだから。
だけど、どことなく優しさが伝わってくるような建物だ。都心では珍しく木造だからだろうか。
少し迷ったけど、結局俺は誘われるようにして木扉を開け店の中へ入っていった。

「い、いらっしゃい、ませ」
「あ、ど、どうも」
入ってしまってからボッタくりとか妖しいお姉ちゃんとニャンニャンするところだったら
どうしようという不安が湧き上がってきたが、中の雰囲気からも出迎えてくれた
店員(?)からもそんな気配は感じられなかった。
「あたたまります、か?」
「えっ、あ、いや、えーっと。……いくらですか?」
どうやってとかよりも何よりもまず値段を聞いてしまう小市民な俺。
「384円です、よー」
「安っ」
フヒッと笑いながら答えてくれた値段を聞いて思わず呟く。
中身が分かってないんだから384円でも高いのかもしんないけど500円でお釣りが
くるんだったら好奇心を優先させてもいいだろう。
「じゃあ、お願いします」