三橋「久しぶり！また会えたね！！」

きつみはと食後のお茶を飲みながら干し柿を食う
これだって立派なドライフルーツだよな
たまに柿の種に気がつかないで噛みつくもんだから
きつみはに呆れられる
また来年も作ろうな、というときつみはは「うんっ!!いっぱいつくろうね!!」と答えた
そのうち干し柿屋にでもなるか、と俺が言うと
「お、俺が食うんだから、ダメッ!!」と来たので思わず大笑いしたら
なんでそんなに笑うんだよ、と怒り、そのまま散歩に行ってしまった
どれだけ食い意地はってるんだよ、お前はw

「これ…」
散歩から帰ってきたきつみはが手さげ袋を差し出した
なんだろう、と覗いてみると毛糸の編んだのが入っていた
「近所のおばあさんから貰ったんだけど」
ほう、そうか、どれどれ…
こ、これはっ!!毛糸のパンツッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
色違いに三つ、それにお尻の部分には大きなパンダやカエルやハート柄が入っており
きつみはの尻尾穴まで作ってある
これは熟練の技に違いない…
「あのね、おばあさんが古いセーターほぐしたら毛糸玉がいっぱい出来たんで
もしよかったら使ってねって」
だんだん寒くなるこの季節に毛糸のパンツは実にありがたい
どこの家のおばあさんかはわかるので、後で一緒にお礼に伺おうときつみはと約束した
編み物か…俺にはちょっと無理かな…
いやまてよ、きつねといったら毛糸の手袋だよな…
おそろいのマフラーもいいな、いっそ毛糸の腹巻…
「俺くん、どう？似合う？」
きつみははさっそく薄い桃色の地に赤いハートマークの毛糸のパンツを穿いて
尻尾をフリフリしている
「こんにちわー!!俺さんいます、かぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁいいいいいぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」
水谷が玄関で鼻血を吹いてジタバタしてやがる…近所迷惑な奴だ、まったく