皆、俺に医者に行けってしきりに言うんだ
灰皿を引き寄せ奴はタバコの灰を落とした
信じられない、でも確かに現実だったんだよ、奴は目を落とす
吐き出した煙りはユラユラと宙を舞っている
追いかけるべきだったんだよな・・・今も忘れられねえ
廉って言うんだよなと俺が問うと
残り少ないタバコの火を擦り消して首だけで頷いた
世の中に奇跡って有るもんなんだな
目に涙を浮かべて奴は繰り返す
ニカって俺に笑いかけたんだぜ、なあ俺の目の前で、だ
涙声で更に続ける、二次の世界の三橋がさ、現実に来てしかも俺の前でだよ
涙腺が崩壊した如く奴の涙はパタパタとテーブルに音を発てて落ちた
ベストな答なんてそうそう無いよ、そう慰めつつも俺は奴が羨ましい
気が狂ってでも現実で会いたいよ、三橋たん、ハアハア
そらまめ
しまうま