>>363 「そうかぁ皆来てくれたのか。よかったな。」
三橋は涙ぐみながら又うんうんと激しく首を上下させている。
泣く事ないじゃないか、と声をかけようとして俺はその言葉を飲み込んだ。
三橋はここへ来てからずっと『仲間達に申し訳なかった、きっとみんなに恨まれてる』と繰り返していた。
今回また昔のチームメイト達と近しく過ごすことでそのわだかまりが無くなったみたいだ。
本当によかった。
けどそういう事ならずっと向こうに居たかったろう。
戻ってきたくなかっただろうな…。
「お前よく戻ってきたな」
頭上に?を飛ばしながらキョトンと頭を傾げてる三橋はマジ可愛いなぁ。
「イヤ、こっち戻ってくるのさ、寂しかったんじゃないかって思ってさ」
そう問うと三橋は意外にもはにかんだように微笑んだ。
「また来年な」捕手がそう言ったそうだ。
来年また会う、それを楽しみにこの一年を過ごせるから戻ってこれたのか。
ほんとにいい仲間だったんだな。
ちょっと妬けるよ、俺もお前の仲間でいたかったな。
送り火におくられて他の皆も続々と戻ってくる。
今年のお盆も終わった。
「また来年」それまで俺らのことを忘れないでいてほしい。