俺ら「おお振りの三橋たんはてけてっ可愛い」

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363fusianasan
フグフグ 精霊流し注意


「おっ帰ってたのか。」
里帰りしていた三橋に会い、俺はおかえりと声をかけた。
「実家どうだった?旨いもんいっぱい出ただろう」
そうたずねると三橋は思い出したのかちょっとウットリした顔をした。
あれやこれやと母親手作りのご馳走を挙げながら、焼き饅頭もあってうれしかった、と言う。

ヤキマンジュウ?なんじゃそれは?
群馬名物らしいソレを身振り手振りを交えて一生懸命説明してくれる三橋が微笑ましい。
ふんわりとして焼き目が香ばしくてタレがうまくて…
集まっていた友人達も皆「うまい旨い」と食べていたらしい。

フッとその笑顔が翳ったように見えた。
「友達ってもしかして野球部のチームメイト?」
三橋はブンブンと首を上下に振ってうなずく。
高校の野球部で甲子園を目指し共に練習の日々を過ごしていた仲間の話はこれまでも聞いたことがある。
すごい捕手にすごい4番打者、すごい主将にすごくて愉快でいい人なチームメイト達。
三橋にとって大切でかけがえの無い宝物な人たちだ。
364fusianasan:2010/08/17(火) 00:09:54
>>363

「そうかぁ皆来てくれたのか。よかったな。」
三橋は涙ぐみながら又うんうんと激しく首を上下させている。
泣く事ないじゃないか、と声をかけようとして俺はその言葉を飲み込んだ。

三橋はここへ来てからずっと『仲間達に申し訳なかった、きっとみんなに恨まれてる』と繰り返していた。
今回また昔のチームメイト達と近しく過ごすことでそのわだかまりが無くなったみたいだ。
本当によかった。

けどそういう事ならずっと向こうに居たかったろう。
戻ってきたくなかっただろうな…。
「お前よく戻ってきたな」
頭上に?を飛ばしながらキョトンと頭を傾げてる三橋はマジ可愛いなぁ。
「イヤ、こっち戻ってくるのさ、寂しかったんじゃないかって思ってさ」
そう問うと三橋は意外にもはにかんだように微笑んだ。

「また来年な」捕手がそう言ったそうだ。
来年また会う、それを楽しみにこの一年を過ごせるから戻ってこれたのか。
ほんとにいい仲間だったんだな。
ちょっと妬けるよ、俺もお前の仲間でいたかったな。

送り火におくられて他の皆も続々と戻ってくる。
今年のお盆も終わった。
「また来年」それまで俺らのことを忘れないでいてほしい。