阿部「阿部くん、カッコイイ…(鏡に向って)」

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519fusianasan
「三橋先輩、いや、三橋、後で体育用具倉庫に来いよ」
「な、中村くん……?」
いきなり呼び捨てにされて驚いた。
中村君は一個下の後輩。
中学時代から将来を期待されていて、うちに来たのが不思議がられている人だ。
そんなに上手いのにそれを鼻にかけることもなく、礼儀正しい。
後輩と上手く喋れないオレを馬鹿にもせず、誠実に接してくれていた。
それが何故……。
少し不安だったけど、理由が気になって体育用具倉庫に来てしまった。
恐る恐る扉を開けると、埃臭い空気が漏れてきた。
小さな窓から注す日の光の中、中村君は真剣な表情でこちらを一瞥した。
「呼び出してすみま……、じゃない。よく来たな」
「う、うん……、な、なにか、用?」
そう聞くと中村君はビクッと微かに震えた。
珍しいな。
「そ、それは、えっと……、三橋!俺と付き合えよ!」
な、何?
「お、お断り、します!!」
「え?!そんな……付き合って下さい、三橋さん」
「だ、駄目!」
オレは床に膝を着く中村君を残しその場を離れた。

中村
『三橋は気が弱いからオラオラ系で行け!って言うからそうしたのに全然駄目でしたよ!』


『(仝ω仝)b』