三橋「あふっ!ジャ煮さんオレの、デビュー・・」

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708箱の中
*あとうだたかし氏の「箱の中」パロディ。パロディ苦手な俺は回避願います
*三橋が結婚してるので嫌な俺は回避願います
*やや怖い話なので苦手な俺は回避願います

巨大な黄色いウンコを目印にタクシーを降りた俺は、目の前にそびえ立つ高層マンションの一室の窓を見上げた
部屋の持ち主によく似た頼りない小さな明かりが一つ、カーテンの隙間から見える
時刻は丑三つ時をとうに過ぎていた
「………よし」
最後のためらいを捨てると、俺は黒々としたマンションに足を踏み入れる
元からオートロック式なのは把握済み。何度も来ていたから知っている。部屋番号は1111号室
三橋らしいなと苦笑しつつ、呼び出しボタンを軽く押してみた
数秒待ってみたが、無音ばかりが続いて何も起きない
「寝てんのか?」
かといって俺は諦める訳にいかない。俺は今日、絶対に三橋に会わなければならない
それも夜が明ける前に必ずだ
25秒経過。気が短いのは自覚しているが直しようがないのは仕方ないと思う。37秒経過
もうイライラしてきやがった。俺は鼻息を荒くしながら何度もボタンを押す
150秒経過。呼び出し音は部屋の中にいる住人に対して相当やかましく聞こえるはずだがスピーカーはうんともすんとも言わない
370秒経過。頼むから起きろ、起きてくれと焦る気持ちがボタンを押す指にも伝わる