三橋「ほ 干せ!」

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444fusianasan
ふぅ……、今日、部活どうすっかな。
2年になって、みんなについていけなくなった俺は、徐々に部活から遠ざかっていた。
根性入れて練習して追い付こうって情熱もなかったし、なにより、俺より上手い後輩だっていっぱいいるんだ。
無理して俺が頑張ることもないもんなぁ。
それでも惰性の義務感でたまに部活には顔を出していた。
その日もそんな感じで部活に顔を出すつもりで部室へ向かった。
といっても、練習時間はほとんど過ぎていて、着いたときには皆が部室から出てくる所だった。
なんとなく気まずくて、俺は物影に隠れてやり過ごした。
「やぁー、気持ち良かったわぁ」
「やっぱ、本物は違うよなあ」
そんな会話をしながら、皆は通り過ぎていった。
もう用は無いはずだったけど、なんとなく部室の扉を開いたら、そこには……。
鼻をつく生臭い臭い、散乱した衣服。
その中心には、黒い髪に白い肌を晒した女の子がうずくまっていた。
「篠岡?!」
まさか、レイプ……?!
俺が慌てて駆け寄ると女の子が顔を上げた。
篠岡ではなく、カツラを被った三橋だった。
あーーーー、よかった!!!
俺は踵を返して部室から出ると、扉をピシリと閉めた。