跡継ぎのいない金持ちの道楽で、多額の財産を相続した俺。
特にやりたいこともなく、人間というものに絶望していた俺は享楽的かつ無謀な投資を行うことにした。
その結果、事故で失った最愛の恋人三橋を再生することに成功した。
しかし、そううまくいかなかった。
形見の髪の毛から身体は再生出来ても、心の方までは無理だった。
三橋の身体はもう灰になってしまっているのだから。
俺は自分や三橋の家族、友人の記憶を総動員して、再生した三橋に本物と同じような記憶を仮想体験させて、なんとか元の三橋の人格を再現しようとしたが無理だった。
どうしてもどこかが違う。
こんなものは三橋じゃない、ミハシだ!
絶望した俺は歪んだ欲望をミハシにぶつけた。
きっかけはセックス中に首を絞めていて誤って殺してしまったことだった。
はじめは、なんてことをしてしまったのかと後悔したが、すぐに気付いた。
ミハシでも何人でも作れるのだ。
世の中に存在するありとあらゆる倒錯した愛情表現を試した。
一例を挙げれば、俺はミハシを"食べる"ことさえした。
それらに飽きるとミハシ同士をセックスさせたりした。