肉「穴という穴を塞いでやるぜぇ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
534fusianasan
>>528
「おじさん おじさん マッチをかって くれませんか」
「今なら オレの からだも ついてきます よー」

かじかむ手にはあ、と息を吹きかけ、三橋はすんと鼻をすすりました。 
町は今年一番の大雪です。
彼が身を包むのは粗末なエプロンと、みすぼらしい靴と靴下だけ。
寒さに震えながら、裸エプロンで道行く人々に少年はマッチをすすめています。

「まっち いりませんかー」
「なんだお前、きたないなあ。そんなやつからマッチは買えないよ!」
「す すみませ」

この町で貧しい三橋がマッチ売りを始めて、三年経ちました。
エロイ衣装に身を包み、一緒に春も売ってほかのマッチ売りから差別化を図りましたが、
この町にはマニアは少なく、三橋はいつまで経っても貧しいままなのでした。

「おかあ さんに くすりを 買うんだ。おかね 貯めて・・・」

桃尻にも容赦なく北風が吹きつけます。いつもはつるつるの尻たぶが
かじかんでしもやけになっても、三橋はマッチを売り続けました。
そのときです。

「マッチを買えば、お前がついてくるんだな?」

風の合間から低い声がして、三橋を暗がりへ連れ込んだひとりの手がありました。

「だ ダレ!!」

以下一部地域