俺「うう〜ん 三橋タン」

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726思い出 ◆hf2h1o.4Ko
>>714>>720

おれはもう頭がおかしくなりそうだった。
親父と叶さんとやらが三橋さんを取り合っていただって!?
それになんだかおカネが絡んでいるとか、正しいものがねじ曲げられたような不快な気持
ちになった。
大人の世界はキタナイと、もやもやしたものが心の底でざわめく。
「それホントなのか…?ヘンな空想してんじゃねーの!?」
「…あいつは家が大変とか一言も言わなかったよ。ただ『叶君とケッコンするからリコン
 してください』って言った。俺、なんかの冗談だと思って、最初はまともに取り合わな
 かったんだよな。けど冗談じゃなかったから、ぜってーなんか理由があるんだと思って
 勝手に調べた。叶にも会ったよ、結構イイ男でムカついた。銀行の話は叶から直接聞い
 たから間違いない。それで俺たちは今日めでたく捨てられたってわけだ」


あんなにべらべら喋りながら親父はいつの間にかホットケーキを完食していた。
食器を流し台に持っていってガチャガチャと不器用に洗うしょんぼりした後ろ姿を見てい
たら、もうこれからはこの家に親父とおれの2人しかいないことがじわじわと身に沁みて
きた。
朝、おれが家を出る時、その日のうちにいなくなるなんて全然顔に出さなかった三橋さん
がすごく憎らしく思えた。



ここまで
次あたりで終わりますん