「お、遅くなった 急がなきゃ」
三橋は掃除当番が長引いた為にひとりで部室で着替える羽目となった。
普段だったら教室で着替えてからグラウンドに向かうのに。
今日は文化系の部が使うとかで早々に追い出されてしまったのだ。
もう、この時間ではグラウンドではミーティングを行っているだろう、着替えるには、はばかり過ぎる。
練習着に袖を通すと背中からコトリと音がした。
誰か忘れ物でも取りに来たのだろうか後ろを振り返ったが誰もいない。
ただ、普段カラーボックスに置かれている筈の時計が床に転がっていた。
「何かの拍子に触れたかな?」三橋は半歩近寄り床の時計を掴んだ。
ヒヤリと指先に触れるものが有った。三橋は思わず時計を床に落とした。が、時計は再び床に着く事は無かった。
床が揺らいだように見えた。それは少しずつ盛り上がるとと時計を孕んだまま大きな鏡餅の様な形になった。
はじめは透き通って床がそのまま見えていたのに、それは徐々に半透明の赤紫へと色を携えていった。
表面が次第に粟立ち、一つ一つがめいめいの方向に突起を伸ばしていく。
まるでキノコの成長を早送りで見ているように。
大きな鏡餅が触手をもったイソギンチャク状になる迄はさして時間はかからなかった。
三橋が外に逃げようとドアに手をかけようとした途端触手の1本が手首をねじ上げた。
「ぐ、あっ」
力の強さに三橋は倒れこんだ。別の触手が三橋の片足の足首をとらえた。
触手は足首を掴み上げ、三橋を逆さの宙釣り状態にした。体勢の不自然さと恐怖から身体が動かない。
誰か助けて!どこかの部室に誰か残っているかもしれない、
声をあげようと息を吸ったら、冷たいものが練習着に滑り込んだ。
「ひゃうっ」
袖口から、襟口から、それは縦横無尽に身体をまさぐっていく。
敏感な所に触れ、身体がはねるとザラリとしたものに感触が変り執拗にねぶられる。
足を伝いながら、何本もの触手が陰茎をしごき、肛門にもぐりこんでいく。
身体が熱を持つ。恐怖と触手の冷たさに責められているにも関わらず勃起しているのが分かる。
「は、あ、うあ・・ん・・あ」
触手の動きは激しさを増す。その動きは止む気配がない。ふと外に人の気配がした。
「三橋ぃ?いるのか?何やっているんだ?」阿部の声がした。
「いやああああ、きちゃだめええええええ」
先は考えていないので一部地域