俺ら「負けませんですことよー!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
348fusianasan
「メモ帳になれよ」
「な なに」
「メモ帳になれよ」

メモ帳を欲する俺達は「メモ帳になれよ」と三橋を取り囲んだ。何故、三橋かというとそこに三橋がいたからで他意はない。
キョトキョトと不安そうに眼球運動をする三橋に「もち肌自慢の三橋がメモ帳に必要なんだ」「お前にしか頼めない」「おねがいおねがい」と強引にワッショイワッショイと頼み込んだ。

「三橋にメモ帳になって欲しい人ー」
「ハーイ」「ノシ」「ハーイ」「ノシノシ」「ノシノシノシノシノシ」
「エッ、エッ、エッ……」

困惑する三橋をよそに多数決をとった。賛成が多数なのでもうこれで三橋は俺達のメモ帳だ。

「よーし! 今からお絵かきタイム!」
「ヤッター」
「エッ」

俺達は三橋の服をはぎ思い思いにペンを走らせ空想の翼を広げた。
三橋は「ひどい ひど い」と泣きべそだったが、基本的になすがままで時々くすぐったいのか身をよじっていた。
すっかりアースティックになった三橋はメモ帳というよりもキャンバスだった。