見晴の良い丘に立つと幾分涼しげな風が吹いてきた。
畑にはとうもろこしの黄色い花で埋め尽くされている。
チンとベルが鳴ったので振り向くと三橋が息を切らせて自転車に跨がっていた。
こ 漕ぎ慣れない自転車はきつい よ
はあはあと口で息をしながら額の汗を手で拭っている。
何だよ、汗拭きならここにあるぞと手渡そうとするも
ツンとそっぽを向かれてしまった。何が気に障ったんだか。
狆の様にクシャクシャな顔をして睨んだ顔を思わず写メで撮ってしまった。三橋は怒って丘を自転車で降りて行ってしまった。
こりゃ、ご機嫌を取り戻すのは大変だな。写メは消されないように特別フォルダにしまい込んだ。