阿部「夢と愛を連れて地球をひとっ飛び！」

『もうお前の顔なんか見たくねぇ』
オレは、好きだった人に振られました
何故なのか理由は教えてもらえませんでした
『ブサイク！キメェんだよ氏ね！』
それで全部なのかな。意味が分からない
どうして振られなきゃならないんだろう
どうして目も合わせてくれないんだろう
『飽きたっつってんだろ』
苦しい
どうして名前なんかあげたんだろう
オレは、どうしてあの人を好きになったんだろう
『もう二度とその面を見せんな。俺の目の届くところに来てみろ、ぶっ殺すぞ』
きっと、オレが何か酷いことをしたんだ。でもオレは馬鹿だから考えても考えても分からない
『ちなみにな、へへ、明日は新しい恋人が来るんだよ。
三橋、テメェみてーにブサイクで気持ち悪くて気の利かないワガママじゃねえ。可愛い女の子だ』
そういってあの人はオレに、誰のものかも分からない糞尿まみれの汚泥をぶつけた
『だから明日から二度と家に来るんじゃねえぞ！さっさと帰れ！』
でも、謝らなくちゃ。

いつもたってもいられなくてオレはあの人の家に行った。朝早いから、彼女さんはまだ来てないだろう

俺は走った。走って走って、角を曲がると信じられない光景が目に飛び込んできた
「な　なん、で」
あの人の家がブルドーザーに壊されていた
立てられた看板に『マンション建設予定地』と書かれた文字を見て頭が真っ白になる
なんで？なんで？どうしてだ？
ひょっとしてあの人はお金に困ってたのか。だからオレに迷惑をかけまいとあんな、こと…………
『来たら殺すからな』