俺「おい化け物!バケモノ来いよ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
597丑西浦
※1レス エロなし 全員お化けなので全員死ぬ

夜中の道で公園のそばにさしかかった時、ギャーギャーと騒ぐ声が聞こえて俺は中を覗いた。
制服姿のガキ共が、思い思いの遊具に陣取って笑い声を上げている。男子高校生、いや中学生みたいなのもいる。
俺に気づいたチビが、ちわ、と挨拶してきた。他の者もそれに倣って軽く会釈をよこす。
真面目そうな坊主頭やしっかりしてそうな奴もいるのに、誰も深夜に騒いだことを詫びない。最近のガキは本当にどうしようもない。
10人ほどいるだろうか。俺の目はジャングルジムの隅に半分腰掛けているひょろいガキに留まった。
気弱そうな下がり眉と少しつった大きな目、ゆるく開いた口。イキ顔が想像しやすい。今まで見た中でもかなり上位のエロ顔だ。
「オッサンどこ行くの?オレらは、迎え来んの待ってんだー」
最初に声をかけてきたチビガキが馴れ馴れしすぎる。俺は眉を寄せたが、そいつが勝手に喋り始め、他の奴も発言し出した。
「さっきまで河川敷にいてさ。石タワー作ったんだ、こんな、すっげデケェの、そしたら追い出された」
「作ってる時さー、なんかイカれたカッコしたオッサンが邪魔しに来たんだよね。何だっけあれ、シシマイ?」
「アホ、それじゃたむけんだろ」
「なまはげだよ、水谷」
「でもなまはげってハゲてないよね、ふっさふさ!頭ふっさふさだよ。なんでハゲなんだろ」
「花井のがハゲてんのにな!で、そのナマハゲ撃退チームとタワー完成チームで頑張って、勝ったわけ!」
「やー、いいチームワークだったよね。よっ、一番の功労者!」
「う おっ、オ オレ、阿部くんの、サイン通り に、石投げた だけ」
「結局あのオッサンつか鬼?的当てみたいに全部倒したよな」
「阿部のサインは鬼より鬼だよ。ほとんど眉間かチンコしか言ってねーし」
「べつに、急所だろ」
「み みんな、あんなでっかい タワー、す すごい よっ」
「ありゃ西広先生の緻密な計算に基づいた設計図のおかげだ。…おっ、来たぞお前ら、支度しろ」
「うーす」
いきなり月光が有り得ないほど眩しくなり、目がくらんだ。同時に、俺の足の下の砂がどんどん黒くなっていく。
「ぎゃあぁっ」
俺は気色悪さと痛みに叫んだ。地面の闇が動き、真っ黒な手が何本も俺の足にしがみついていた。
「うお、おじ さん」
「三橋ー。あ、オッサンあっち行くんだ。バイバイ」

―――国道○号線で今日午後7時頃、小型バスが崖から落下し、乗っていた高校生10人と運転手、巻き込まれた男性1人の合わせて12人が死亡しました。
事後現場で保護された少女によると、男性に暴行され路上に逃げた自分を避けてバスが蛇行、追ってきた男性を巻き込み崖下に転落―――