田島が屋台を始めた。
品物はラーメン。
野球部のみんなで、からかいついでに食いに行こうと提案した。
全員賛成と思われたが、ただ一人三橋だけはバイトがあると言って帰っていった。
「あいつ、バイトなんかしてたんだ」
と花井。
「阿部、知ってた?」
「いや……」
泉の質問に、少し機嫌悪そうに答える阿部。
でも、こいつ、常にしかめっつらのイメージあるけど。
屋台に着くと、田島がこちらに気付いた。
「なにおまえら、きたの?」
出迎えの言葉を聞いたあと、屋台の席を見遣ると、客がいない。
「儲かってなかったりしてぇ」
空気の読めない発言は、当然、水谷だ。
「ちげーって、この時間はいつもこんなもんなんだよ。なぁ、三橋」
「う、うん」
思わぬ名前が出て戸惑っていると、屋台の中から三橋が顔を出した。
「なんだ、三橋のバイトってここだったのか」
「あれ?聞いてなかった?」
そんなとぼけた会話。
「とりあえず、ラーメン8人前な」
「あいよ!……お、スープ追加しねーと、足りねーな。三橋頼むわ」
「わ、わかった」
そう答えるやいなや、三橋はズボンごとパンツを下ろし、寸胴鍋に放尿し始めた。
ありえないだろ、これ。