>>869続き 今日はここまで 遅くなってスマソ
――ギィ、と音がして目が覚めた。机のズレた音。
「うああっ」
「おお!」
時間過ぎてる! 音の方に目をやると、硬直してる三橋がいた。
「ご、ご、ごめんっ」
5面? いや違う、謝ってるのか。寝ぼけてんなよ俺、仮眠が1時間以上過ぎてるってどういうことさ。
やべえ、帰ろう帰ろう。
「三橋。部活終わったの?」
「終わった、よー」
「野球部もよくやってんねえ」
三橋は、うへ、と単なる吐息なのか笑ったのかわからない反応をしてへろへろと歩いていく。
練習キツイらしいもんな。かなりの量こなしてるってのは、泉とか田島とかの話聞いててもわかる。
三橋って、こう見えて確かエースなんだっけか。まだ試合見てないからどんなもんなんだかさっぱりだけど。
そのわりには色白で細っこくてすぐ泣きそうでビクついてて目でかくて……、なんだか同じ年の男とは思えない。
女だとも思わないが、何か不思議な感覚を与えられる。中性的っていうのかなあ。
「また、あしたー」
「うん、明日」
お互い軽く手を上げて別れた。
そういえば三橋と一対一で話す機会って、ほとんどない。いつもあいつの周りに誰かしらいる。
続く