子●「開け冥界のアナル!すぐにこの者を送ってやろう」

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869エースを狙いうち
※俺視点


クラスに残って一人静かに勉強する。みんな部活に行ったか帰宅して誰もいないし、家じゃやる気が出ないからだ。
運動部の掛け声や吹奏楽部の練習の音、ひぐらしの声が夕方の微風と共に入り込んで哀愁を誘う。
よし。数学は一通り終わった。中学の応用だから、わりと簡単に解けるな。
それにしても、誰もいない放課後の教室ってのはいいもんだ。漫画読んでても怒られないし、黒板に落書きしても消せばいい。どうせ誰も見てないもんね。
それにこの何ともいえず心地いい雰囲気……、机に突っ伏したら数秒で睡魔に吸い込まれてしまいそうだ。
しかも今日は夜中3時過ぎまでゲームやってたせいか、眠気が半端じゃない。
……15分くらい仮眠取って帰ろう。盗まれるような物もないしな。


続く
870エースを狙いうち:2009/05/25(月) 03:06:11
>>869続き 今日はここまで 遅くなってスマソ


――ギィ、と音がして目が覚めた。机のズレた音。
「うああっ」
「おお!」
時間過ぎてる! 音の方に目をやると、硬直してる三橋がいた。
「ご、ご、ごめんっ」
5面? いや違う、謝ってるのか。寝ぼけてんなよ俺、仮眠が1時間以上過ぎてるってどういうことさ。
やべえ、帰ろう帰ろう。
「三橋。部活終わったの?」
「終わった、よー」
「野球部もよくやってんねえ」
三橋は、うへ、と単なる吐息なのか笑ったのかわからない反応をしてへろへろと歩いていく。
練習キツイらしいもんな。かなりの量こなしてるってのは、泉とか田島とかの話聞いててもわかる。
三橋って、こう見えて確かエースなんだっけか。まだ試合見てないからどんなもんなんだかさっぱりだけど。
そのわりには色白で細っこくてすぐ泣きそうでビクついてて目でかくて……、なんだか同じ年の男とは思えない。
女だとも思わないが、何か不思議な感覚を与えられる。中性的っていうのかなあ。
「また、あしたー」
「うん、明日」
お互い軽く手を上げて別れた。
そういえば三橋と一対一で話す機会って、ほとんどない。いつもあいつの周りに誰かしらいる。


続く