>>288 カメラ担当の肥満体が三橋の近くへ寄る。男は三橋の下着から片足だけを抜き、太腿を大きく割り開いた。
「レンくん、おじちゃんがチンチンむいむいしてあげようね」
尖らせた舌が先端にねじ込まれ、包皮を広げようとする。
敏感な場所を執拗に弄られ、三橋の体が引きつった。精神はとうにパニックを起こして思考が回らない。
「や やだっ、むいむい、やだぁ!」
小さな睾丸まで一緒くたに口内に持っていかれた後、じゅぽんと音を立てて離れた唇の下から黄ばんだ歯が覗いた。
噛みちぎった先から全身の皮膚を剥ぎ取られてしまう、そう思った三橋は、顔面蒼白のまま思い出したように叫び、暴れた。
「ゆーっくりね、大丈夫、先っぽちょっと剥くだけだよー」
「ひぎっ、あっ!いたい、いたいよぉ!」
「おっ、色鉛筆発見。レンくんはどの色が好きでちゅかー」
10歳にも満たない子供を本当に犯してしまっては、さすがに性器や直腸が壊れる。
意識を失わない程度に嬲って映像にし、専用のルートに流して小金を得るのみだ。指や細い棒以上のものを突き立てる意思はない。
男はまだ長いオレンジ色の色鉛筆を選び取り、三橋の口へ突っ込んで出し入れした。
咳き込みながらしゃぶる表情が、アップで撮影されていく。
「はーいニンジン色のエンピツさん、入りまーす」
「ギャヒヒ、お尻に入りまーす」
「やあぁ、いぎっ、ひっ ぎゃああぁ」
多大な恐怖を含んだその悲しい声は、用具入れの中の泉を戦慄させた。
まるで断末魔だった。
扉に空いた穴から流れ込む恐ろしい光景を、これ以上見ていられず目を固くつぶる。
外の世界を隔てる金属板を殴り続けて腫れ上がった手で、両の耳を塞ぐ。
テレビの戦隊ヒーローは、本当はいないんだ。助けになんか来てくれない、誰も。
せめてこの戸を破れたなら、ここの大工道具をめちゃくちゃに振り回して、あのおとなしそうな同級生を救えるかもしれないのに。
あいつ死んじゃうよ、おねがい殺さないで、たすけて
家族や友達の顔が次々と浮かび、そのすべてに向かって助けてくれと縋りつく。床に引きずりこまれるように意識が落ちる。
泉は叫び声を上げて飛び起きた。そこは高校の保健室だった。