>>423>>427>>432>>437>>438>>443>>448>>451 ぐいぐいと目を擦る三橋から俺はそっと離れた。
田島が、水谷が、沖が、西広が、そして俺を除いた全員が三橋に近寄り、それぞれの言葉
で別れを惜しんだ。
俺と同じように少し距離を置いてその様子を見ているおばさんに俺は頭を下げた。
朝から降っていた冷たい雨が急に強まって傘の二人以外はたちまちずぶぬれになった。
「…雨、ぬれるから みんな、中に入って…」
「廉、もう行かなきゃ」
三橋に促されても俺たちは誰もその場から動かなかった。
おばさんに背中を押されて歩き出した三橋は何度となく振り返った。
ホントに行っちまうんだな…。
喉元に熱いものがこみ上げてきて俺は自分が泣いていることを知った。
ここまで