三橋「ブサイク王に、俺はなる!」

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680fusianasan
お尻乙

死ネタ注意 
ちっとも誕生日祝いじゃないゴメン

>>294 と前スレの俺好みな枯山水だか氷山だかのAAへ 
それと 前スレ433


「暇だな・・・」
「う、うん・・・」
ザザァーンという波音だけが大きく聞こえる。
オレ達は大海原を漂う氷山、海流に身をまかせ流れていく。

「夜だな・・・」
「真っ暗 だ、ね・・・」
あいかわらず波音だけが聞こえる。

「う、うわぁぁぁーー」
「どうしたんだ!」
「ふ、船がぁぁ」
大きな客船があいつにぶつかって行くところだった。
「おまっ、大丈夫か?!」
「う、へ、へーき、だ」
しかし船がぶつかった為欠けた氷がバラバラと海へ落ちていく。
「平気って、欠けてんじゃん!」
「お腹のとこ、ちょ、ちょっと削れただけ、だ・・・・・で、でも船は・・・大丈夫か、な」
おたおたしているうちに船はとっくに後方へ去ってしまっていた。
「結構大きな船だったからな、平気なんじゃないか」
「そか、ならいい、んだけど・・・でも・・・」
「オレらが寄っていける訳じゃないし、向こうに避けてもらうしかないんだから、もう気にするな」
「う、うん・・・」
681fusianasan:2009/05/16(土) 17:55:48
>>680

「う、うぉっ」
「今度はなんだよっ?」
「な、なんか、お腹のトコ、赤いのついてる」
一体何が、と驚きながら見やると確かに赤い物が見える。
「それ、さっきの船のペンキじゃねーの?ぶつかった時に付いたんだろ」
「そ、そかっ、よかったぁー オ、オレ血出てきたかとビックリ、した、フヒッ」
氷山が血だすかよバーカ。

そんなことより。
元からオレより一回り小さいコイツがさっきのぶつかりで更に小さくなってしまった。
このままで大丈夫なのかと強い不安を感じた。

海流に乗り南下するにつれ気温も水温も上昇する。
オレも北極あたりにいた頃より随分縮んだがアイツは・・・・・。

「オイ、大丈夫か」
「ン、んー」
「んー、じゃねえよ、シャキッとしろよ」
「んー ぅんー」
クソッ、どうすればいいんだ。
「頼むからしっかりしてくれよ、そうだお前もっとオレにくっついてこい、かたまってた方が溶けにくいだろ」
「む 無理だよぉ、自分 じゃ動けない よ」
そうだけど、そうなんだけどこのままじゃ。

なぁオレら何のためにこんな所まで来たと思ってるんだ。
一緒に南極いくんだろうが、一緒にペンギン見るって約束したじゃないか、まだ赤道も越してないんだぞ。
どーすんだよっ、オマエそんなちっちゃくなって・・・クソッ!
682fusianasan:2009/05/16(土) 17:57:21
>>681

オレがいくら焦ってもアイツが溶け続けるのを止められない。

「あ のね、オ オレずっと言いたいことあった んだ、聞いてくれ る?」
オレは何でも言えとこたえた。
「あの、ね、南極行きた いペンギン見たい、ってオレ言ったの、笑わないでくれ て、
そんで行けるって、行こうって一緒に来て くれて
ほんとうに、ありがとう いつ、も気を遣って、もらって、心配 かけて ゴメンね・・・」
何を・・・言い出すんだ。
「ォ オレがんばる よ、最後まで ガンバる、けど ね・・・・
ありがとう、本当に ありがとう それだけ 言いたかったん だ」
なんだよ、なんでそんな話するんだよ、ありがとうってなんだよっ!
今そんな話するなよ、後からいくらでも聞くから。
「ォ、オレずっと一緒 だから ね、コオ リじゃ なくなって も ずっと いっしょ
ずっと いしょ に いく・・・・・・・・・」

暖かな日差しのなかアイツの声は聞こえなくなり姿は海中に溶けて消えた

オレは大海原を漂う氷山。
温かな海水に洗われ直に溶けることができそうだ。


おわり

もっと楽しい話なはずが・・・・どうかコレでご勘弁をみはしり様ハァハァ