>159 ごめん、叶を活躍させるのを考えて無かった。
シュウちゃんの胸倉を掴んだ男は、後ろにいたお巡りさんに取り押さえられた。
俺のお尻の中で、突っ込まれたチンチンが萎むのを感じた。
「たす、けて」
オレが手を伸ばすと、今度は応えて貰えた。
その後のこと。
周りを囲んでいたお巡りさん達が男達を捕まえて、オレは病院へ送られた。
色々な検査を受けて病室に戻ったらお母さんとルリが泣き腫らした目で待っていた。
「ごめ、ごめんねえ、レンレンっ。あ、あ、あたし、が、着物、なんて、き、着せるからぁあ」
オレはドモリながら、大丈夫って、言えた。
それからお母さんが、説明してくれた。
窓から外を見てたシュウちゃんが誘拐される所を偶然見かけたこと。
すぐに警察に連絡されたこと。
シュウちゃんも探し回ってくれたこと。
犯人たちについて。
「本当に、叶君には感謝しても、しきれないわね」
「そう、だ、ね」
疲れたのか、眠くなったオレはいつしか微睡んでいた。
ルリ達が帰ってもお母さんはナースさんに促されるまで俺の傍にいてくれた。
帰る前に「あのこと」はルリやリュウは知らないと言ったので、少し、安心した。
トロトロと眠るうちに夜も更けていた。
目が覚めると、朝になっていた。
先生の検診や、傷付いた箇所にナースさんが薬を塗ってくれたりしているうちに、時間も過ぎた。