>>302 橋の下に捨てられていた三橋れん(4才)
妻に先立たれて一人暮らしになってしまった釣り好きな爺さん
ある日、いつものように川で釣りをしていると橋の下で泣いている子供を拾った。
互いの寂しさを埋める為に「わしの子になるか」と聞かれ素直に「う、ん」と頷く三橋。
それからというもの、歩く時は手を繋ぎあい、あっと言う間に2年の歳月が過ぎた。
変調が訪れたのは この頃からだ。
6才になった三橋は不思議に思っていた。
最近、お爺ちゃん 同じことしか言わなくなった。
いっつも『蕎麦屋に行くか?』しか聞かない。
オレ、たまには 天ぷらうどんとかも食べたい のに。
歩く速度が遅くなったのは別に構わないのだ。のんびりするのは好きだから。
でも木造の家から公園へ、それから いつも通りの会話を交わして
蕎麦屋かうどん屋へと同じ場所ばかり徘徊していては流石に飽きてしまう。
この前、公園行った時、オレと同じくらいの子が
いっぱいいて、ボール打ったり 走ったり してた。
おっきな声出して、楽しそうだった。
三橋は訳も解らず無性に泣きたくなってきて、うどん屋で麺をすすっている途中
ふぐふぐと泣き出してしまった。