>>988>>991 「は 花井君 ダイジョウ ブ?」
とぼけた声が上から降ってくる。
「おい、花井っ 今、担架呼んだぞ」
聞き覚えのある声だ。声が2つ。薄ボンヤリとした目に映るもの・・・黄色いのと緑っぽいの。
声は三橋と泉か・・・??三橋ぃ??
身体を起こしてまじまじと見ると確かに三橋だ。何だか犬みたいな変なメイクをしているが・・・。
「お、おい 三橋、お前さっき中庭で・・・モンペでセーラー服で、手ぇ怪我してて、爆弾が降って」
「???オ オレ は 違う よ」
「花井、本当に大丈夫か?頭打っていないか?人が倒れたって聞いて来てみたら驚いたぜ っっったく」
泉の声をした緑色のが肩を揺する。
「え?三橋、中庭の女学生じゃないのか?」
「オレ 孫三郎ギツネだ よ 泉くんは河太郎 だ」
「三橋、俺の事はどーでもいい・・・・
花井っ 何寝ぼけてんだ 顔真っ青じゃねーか!!」
「な、中庭の女学生って展示で」
「何だよ、それ 民俗学的な見地での妖怪しかここにはいねえよ」
「中庭には妖怪はいない よー」
化けギツネと河童が花井の目の前をゆらゆらしている。
じゃあ、俺の見たものは何だったんだ?・・・周りの騒ぎを余所に
花井は再び意識がブラックアウトしていった。