>>229 あなたは電車に乗っている。
西日が射し込んできており車内は黄色い。
乗客は少なく、あなたは一つのシートをまるまる占有している。
太陽がビルの向こうから分厚い光線を放ち、顔の皮膚を灼く。
シートはあなたの尻を温める。
のどが渇いて仕方がない。
車内は高温にぼやけ、あなたは自分ののぼせを遠いところから意識している。
あなたは駅舎の便所で着替える。
制服を脱ぎ、校則規定のものではないジャージの上下をまとう。
往路、GPS携帯のマップは二度ほど確かめた。
あなたと同年代とおぼしい外見の若者たちは、ゆくさきからやってくる。
あなたの目に、彼らは外国人のように見える。