122 :
影法師:
お久しぶりでした
忘れ去られている予感200%ですが、前回まではwiki2でよろしくです
顔色は普通だ。別に疲れた様子も見えない。
目の下はまだ少しくすんでいるけど、寝てないと思えるほどひどくはなかった。
俺が三橋に対する態度を変えたことで不安定さが増すのではないかと心配していたのだが、
今のところは大丈夫そうだ。
昨日俺は三橋を家まで送って行った時、別れ際に抱き締めてキスした。
寒かったから三橋は俺の唇の冷たさを感じただけだったかもしれない。
昨日だけではなく、おとといもその前の日も同じように三橋に触れた。
問題は、普通の場合とは逆に最終段階から始めてしまったせいで距離の取り方がわからな
いことだ。
また最初から、今度は順番に従ってやり直ししていけばいいのだろうか。
だけど三橋が結局のところどこまで許容できるのかはっきりしないし、単なる欲求の処理
だった今までとは違うといったってやることは所詮同じだ。
頭ではわかっていても、その時になったら三橋はまたパニックを起こすような気がしてな
らない。
三橋の気持ちが俺に向いているのはそれしか選べなかったからで、自然発生的なものであ
る筈がなかった。
壊さなくても勝手に崩れる砂の家みたいな危うい関係なのに表面上は相思相愛で、俺は三
橋を可愛いとも好きだとも思う。
本当は普通に恋愛してほしいと願うべきなんだけど、今の三橋にそれは無理だろう。
三橋の一番は野球だ。そして俺も。
あいつが野球を続けるための手段が目的になってはいけない。
心の中に根深く植え付けられた恐怖と三橋がどうにか折り合いを付けられたら、俺は多分
捕手として以外は用なしになる。
俺が三橋に持っているのは純粋な恋愛感情とは言えないけれど、それでも三橋が離れてい
くのを想像するとつらい。
気が付くと俺以外はみんな真面目にテキストに向かっていた。
三橋と自分のことばかり考えていて勉強会はちっとも集中できなかった。