昔々あるところにうらしま三橋という少年がいました。
三橋は漁師でした。海が大好きで、そのせいか、いつも不器用なのに
魚を取るのがとても上手だったのです。けれど三橋はおごらず、時々
隣に住む幼馴染の修ちゃんとボールを投げ合って遊んでいました。
ある日のことです。
中略します。
大きな亀さんは「ま、ウチで礼させてくれ」とのほほんと言いました。
亀の名前はなんでしたっけあれだ慎吾さんです。我らのいやら慎吾です。
ご馳走があると聞き三橋がコクコク頷くと慎吾さんは三橋に飴をくれました。
海の中でも呼吸ができる子宝飴というスーパーアイテムです。形はチンコ。
しっかり捕まらないと海流に流されるということで、慎吾さんは三橋を甲羅の
上に縛り付けました。しかも亀甲縛り。意味もなく。しかも縄は赤。
いやら慎吾乙。
略。
竜宮城はそれはそれは美しいお城でした。
三橋を歓迎するように沢山の魚達が集まり、亀甲縛りにされた三橋の体中に
吸い付いてきたり体をすりつけてきたりはだけまくった着物の中にもぐりこんで
きます。甲羅の上でアンアンいう三橋に構わずいやら慎吾行進。マイペース。
略。
三橋は上等な絹の着物を着せてもらいました。なんか透けてて風(海流)で
ふわふわ裾が舞い上がるのが気になるし女物じゃないのかと抗議したいので
すが、文句言うのもアレだし大変着心地がいいのでまあいいかと三橋は思います。
いろんな魚が三橋の着物の中にもぐりこもうとするのもふんどしを没収されたのも
気になりますが目の前にご馳走が広がるとそんなことどうでもよくなりました。
ご馳走は、滅多に取れないような高級魚や珍味ばかりでした。
今こうしてても魚や魚の化け物がお酌してくれたりしてるのにいいのかなあと
思うのですが、竜宮城についてから人型になった慎吾さんもぱくついてるし
お酒も料理も凄く美味しく、魚達が躍って三橋を楽しませてくれるので、
三橋はすっかりリラックスし、とっても気持ち良い時間を過ごしました。
座っているのが何故か慎吾さんの膝の上なのも、慎吾さんの股間の亀が
あたっているのも、もはや気になりません。
特にお酒がおいしく、なんだか体が熱いし、頭がふわふわしてきます。
ふと三橋はぷるるっと体を震わせました。
「どーした?」
「お おしっ・・・」
「あー、ちょーどいい時分だな。もう食い物はいいか?」
何がいい時分なのかわかりませんでしたが、三橋が頷くと、慎吾さんは近くに
いた大王イカに何か耳打ちしました。
するとテーブルが下げられ、真っ赤なでかい絨毯が敷かれて魚達がさらに集
まってきたのです。何かショーが始まるのかでもおしっこしたいぞうおおおおと
三橋が考えていると、何かが運ばれてきました。
それは大小十色のイソギンチャクでできた椅子でした。
椅子といっても普通の二倍くらいありますし、太さも長さもさまざまなイソギン
チャクの触手がうぞうぞ蠢いているので、椅子の形もぶにょぶにょと動いて
風(海流)に揺られては椅子の形を変形させているのです。
グロテスクなそれに三橋はぎょっとしました。酔いもさめそうです。おしっこも
ひっこみそうです。
しかし、その奇妙な椅子ののたうつ触手から目を離せないでいると、何故か
熱くなっていた体はますます熱くなり、尿意はどんどん強くなっていきました。
おしっこしたくてたまらず、三橋は足をもじもじさせます。
その瞬間、三橋の両足をガッと掴んで広げた者がいました。
今まで三橋の椅子になっていた、THE・イヤラ・慎吾。その人です。