みはちんこ「皆の者、割礼!」

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2774月6日
巣山の誕生日と聞いて
※キモい三橋注意、おしっこ注意


帰りに三橋に呼び止められた。三橋は、あのっあのね、と真っ赤な顔で見上げてきた。
唇がピキーンと◇になっている。鼻息がフンフンいっている。

オレは三橋が苦手だ。
嫌いじゃない、努力家なところは本当に尊敬している。
愛嬌のある顔は笑うと可愛らしいとさえ思うし、素直でいい奴だ。

でも、キモい。


「た、あの、すやま くん」
「うん、何」
「きょっ、うきょ、たんじょう び」
ああそうか、今日はオレの誕生日だ。今うきょって言った。うきょって何。
「お オレ、の 誕生日の ときっ、巣山くん、終わってたの デス」
去年の5月の話か、三橋ん家で勉強会だと思ったら誕生会になったあの日。
花井とオレは4月生まれだからと、その時はついでにローソクの火を吹き消させてもらった。
「わざわざどーもな。オレ一番年上だな」
「うっうん!す すごいっ、ね!」
すごくはないと思う。けど三橋はコブシをぷるぷるさせて何度も頭を縦に振った。激しいヘドバンだ。
うーん…キモい。どうしろっつーんだ。
「それれっ、でっ、す 巣山くんの、ほしい もの」
「あーそんなのいいよ。気持ちだけでほんとマジで覚えててくれてありがとう三橋明日も頑張ろうじゃあな」
三橋の手の動きは素早かった。速すぎて見えなかった。
オレの袖に三橋の指が複雑に巻きついている。
お前の腕はカメレオンの舌だ。そしてお前はちょっと可愛い感じの爬虫類。やわらか爬虫類。
2784月6日:2009/04/07(火) 04:06:01
>>277
三橋の指とオレの袖と、三橋の顔を見る。カオスだ。オレの頭に何故かドグラマグラという単語が回っている。
思い出した、西広が読んでた本のタイトルだ。田島が喜んでチャカポコ言って踊ってた。どんな本だ。
「オレ、何かっ、巣山くん、ぷ プレッッゼント」
「いやいいって、な、三橋帰ろーぜ」
「うう、う…ぐ、ぐじゅ」
泣くのか。プレゼントしたくて泣くのかお前。ならジュースでもおくれ。満面の笑みでゴクゴク飲むともさ。
「んじゃ、お言葉に甘えて、えーと」
多少考えるフリをして、喉が乾いたなとでも言っとこう。泣くとさらにエグいことになる。
「ふひ、な 何かな」
三橋は目をキラキラさせて言葉を待っている。
涙が一筋ほっぺたを滑った。瞳孔が開いている。すごくきれいな瞳孔だ。
「…き」
「き、き のつく、もの?」
「…………」
「き、き…フヒッ」
キモいよう。


オレは意識が飛びかけたが、持ち直した。
三橋は落ち着きなくキョドキョドビクビクすっからキモいんだ。
阿部が怒鳴ってる時なんかひどい。阿部セットでキモさ相乗効果、珍獣VS珍獣のショーがグラウンドで見放題。
マウンドにもベンチにも危険がいっぱいだ。
そんな時、水谷はふらっと逃げていく。泉の舌打ちがいい音で鳴って、栄口が宥めに入る。
沖は太陽の光の下にいる。

そうだ、三橋と仲良くなろう。
三橋がビクビクしないように、すごく親しくなればいいんじゃないのかオレ。
何で気づかなかったんだ、田島と三橋のセットは多少ウザくてもキモさは半減じゃねーか。
あんな風に体当たりしてぐしゃぐしゃ、わしゃわしゃすりゃいいんだ、
ヨーシヨシヨシヨシヨシヨシ、そうだ珍獣にはムツゴロウさんだ。