俺「三橋、カツ冷凍しといたよ」

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764fusianasan
桃の節句ぽいのを書こうと思った。無理だ。
(*゚◇゚)(*゚◇゚)(*゚◇゚)(*゚◇゚)
桃の節句の頃になると、三橋の本家には大きな雛人形が飾られる。
初孫だったルリの為の物だ。
オレの方が早く生まれてるけど、その頃はお父さんは勘当されてたから仕方ない、らしい。
中1の時はビックリした雛壇も3回目ともなると、ビックリしない。
オレはようやく高校受験を終えて、ひとまず一息を吐いていた。
そんな折、三橋の家ではちょっとした雛祭りをすると言う事で、久々にお父さんとお母さんもこちらに来たんだ。
雛祭りなんて、雛人形見てご馳走食べたら、後は遊ぶだけだ。
雛人形の前で振袖を着たルリがにっこり笑ってポーズを取っていた。
オレは受験の開放感もあって、なんとなく普段言わないことを言っていた。
「ルリ、可愛いねー」
オレの言葉にルリはビックリした後、にんまり笑った。
その笑顔に、オレは逃げ腰になるが、その前にルリにガッチリと腕を掴まれた。
「レンレンも着てみなよ」
「え、無理ッ無理ッ」
慌てて首を振ったのに、お母さんもおばさんもニコニコと似合いそうねえって言うだけで、結局ルリに押し切られてしまった。
振袖はルリの分だけど、他の着物を持ってきて、皆が寄ってたかってオレに着付けた。
リューはいつの間にか逃げている。
うう、覚えてろよと呟く。

「ほらー、可愛い!レンレン写メ撮ろ!写メ!」
女物の着物を着たオレを見て、ルリは携帯を向ける。
「レンレンって、言うなー」
嫌がったけど、撮られてしまった。
お母さん達もデジカメを持ってきてルリと並んだ写真をいっぱい撮った。
いーや、お母さん、楽しそう、だし。
オレが三星高校行かないせいで、お爺ちゃんやお婆ちゃんから悪く言われてるの、知ってて、でもオレは三星に行かない事を選んだ。
だから、いーや。