いつの間にか三橋は俺の横にいて、俺を上目遣いで見ていた。
俺は気付かない振りをしてテレビを見ている。
「俺、くんっ」
三橋が俺の脇腹を突付く。
「ん、なんだ、三橋か」
俺はマグカップを引き寄せて、ミルクティーを一口飲んだ。冷めてる。
「オレ、にも、一口」
三橋が強請るので、俺は三橋にマグを渡す。
すると三橋は一口と言ったのに、んくんくと飲み干してしまったのだ。
「おーい、三橋廉くーん」
俺がジト目で見ると三橋は慌てたように、笑った。
笑って誤魔化す気だ、コイツ。
俺は脇に置いていた新聞を広げてテレビ欄を確認する。
「そんなことよりもっ」
三橋が俺に体重を掛けてきた。
耳元で囁く。
えっちなこと、しません、かー。